球団別ストッパー20年史 +

北海道日本ハムファイターズ

‐好投手なれどなぜか二年続かない‐

*斜体はリーグトップ

最多セーブ 次点 登板数 セーブ 勝利 敗戦 投球回 奪三振 防御率
1984年 川原昭二 42 14 4 3 74 64 3.77
木村広 10 2 1 1 20 9 5.40
一度は現場を退いた大沢氏がシーズン中に監督復帰するなどドタバタに終始したシーズン。前年まで君臨した江夏が去り、後釜にはすっかり主力に定着した川原。ただもともと被本塁打の多い投手で、その欠点も再三出た。
1985年 川原昭二 34 7 6 0 64 2/3 47 3.20
坂巻明 10 2 1 3 27 1/3 9 6.26
当初は坂巻をリリーフの軸に据えたが、制球が不安定で中心はやはり川原に。江夏の後継というにはやや不足の川原だったが、この年は手痛い被弾も少なく内容は悪くなかった。
1986年 田中幸雄 47 13 3 8 87 2/3 68 3.29
柴田保光 33 4 14 9 159 2/3 104 3.38
前年にノーヒットノーランを達成した田中幸を抑えに指名。誰もが認める力を持ちながらここまで6勝止まりと煮え切らなかった投手が、リリーフでは良く働いた。西武から移籍後急成長を見せエースとなった柴田が先発にリリーフにフル回転。
1987年 松浦宏明 48 8 8 5 96 2/3 91 3.54
柴田保光 16 7 2 3 50 1/3 21 3.40
抑えに想定していた田中幸が開幕から不調続きで、やむなくエースの柴田を抑えに。しかしここで救世主が現れる。前年イースタン最多勝の若い松浦が、登板すればなぜか味方が逆転する強運で「逆転のマツ」と呼ばれ抑えに定着。一方柴田は先発に戻ったものの故障で後半を棒に振った。
1988年 河野博文 46 9 6 5 144 111 2.38
松浦宏明 36 4 15 5 169 1/3 153 2.76
前年に続き松浦を抑えにスタートしたが、松浦の強運はさすがに二年は続かず、調子もいまいち。流れを変えるべく松浦を先発に、代わりに86年の10敗から伸び悩んでいた河野を抑えにしたが、これがうまくいった。松浦は先発で勝ちまくり最多勝。河野も最優秀防御率に輝いた。
最多セーブ 次点 登板数 セーブ 勝利 敗戦 投球回 奪三振 防御率
1989年 佐藤誠一 47 18 6 11 106 2/3 81 3.71
河野博文 36 1 0 6 73 2/3 42 4.64
投手分業に強いこだわりを持つ近藤貞雄監督を迎えたが、投手陣は大迷走。河野が不調で先発に戻っても勝てずじまい。松浦も絶不調で二軍に消え、佐藤誠を先発から抑えに廻して立て直しを図るのが精一杯。それでも佐藤は18セーブで良く頑張った。
1990年 武田一浩 37 13 10 5 81 2/3 73 2.98
1セーブで二名
佐藤も河野も故障で消えたが、気の強さを買われた三年目の武田が抑えに定着。小気味いい強気の投球で好成績を残した。好投手が並ぶ先発陣に比べてやや見劣りする救援陣だったが、ルーキー内山の頑張りも目立った。
1991年 武田一浩 41 18 4 8 64 2/3 45 4.04
白井康勝 31 6 2 4 81 2/3 49 2.42
久々に二年続いた抑えの武田、この年はリーグ最多セーブでチームとしては江夏以来のタイトル獲得。しかし前年に比べると内容は大幅後退で、打ち込まれるケースも目立った。一方若い白井が快速球で急台頭。
1992年 白井康勝 43 10 9 3 87 2/3 67 3.49
松浦宏明 13 1 2 5 56 2/3 35 4.29
前年から波に乗る白井がストッパーに。制球は悪いものの速球の威力絶大で定着に成功した。しかしこの年は移籍の金石以外先発陣が軒並み不調で、なかなか勝ちパターンまで持っていけなかった。
1993年 金石昭人 32 13 9 1 69 30 2.09
山原和敏 22 5 1 3 37 1/3 22 4.82
またまた復帰の大沢監督、活きのいい白井を先発に廻し、抑えにはルーキーの山原を指名。山原も速球を武器に頑張ったが、徐々に捉まりはじめさらに故障。しかし前年14勝も故障していた金石が復帰すると抑えに定着。チームの快進撃に欠かせない安定感を見せた。
最多セーブ 次点 登板数 セーブ 勝利 敗戦 投球回 奪三振 防御率
1994年 金石昭人 37 18 6 3 86 34 2.51
芝草宇宙 34 1 4 5 89 2/3 50 3.51
前年の2位から急転直下の最下位。投手・野手ともに故障者続出の結果だが、ベテラン金石は淡々と好調を続けた。二桁勝利投手がゼロという状況下で6勝18セーブと孤軍奮闘。チームの勝利の半分以上に関わった。
1995年 金石昭人 32 25 2 3 35 2/3 21 2.02
島崎毅 51 3 9 7 94 1/3 83 2.00
金石が三年連続チームトップ。これまでは実質一人でリリーフを任され負担が大きかったが、この年は広島時代の同僚長富と島崎の活躍でクローザーに専念。セーブ数は年々増えてきた。リリーフ陣一気に充実。
1996年 金石昭人 28 20 1 1 25 2/3 12 2.10
島崎毅 54 14 5 4 97 1/3 58 2.31
金石が四年連続トップ。さらに島崎はこの年から制定された初代ホールド王獲得と同時に14セーブを上げ、事実上ダブルストッパーを形成。あと一歩で優勝というところまで盛り上がったチームになくてはならない戦力となった。
1997年 島崎毅 49 11 6 7 81 1/3 53 3.98
黒木純司 34 6 5 5 66 25 3.82
チームの大黒柱・金石だったが、この年はほとんど登板せず。この辺の事情は不透明感が強くすっきりしない。ここまで抜群の安定感だった島崎だったが、抑えに据えると疲労から不調。二年目の黒木ももう一つ安定しなかった。光ったのは中継ぎ陣で、左の下柳とサイドスローに変えた長冨が大車輪。
1998年 エリック・シュールストロム 38 8 7 3 45 52 3.00
黒木潤司 41 8 4 3 50 2/3 25 4.80
黒木にシュールストロム、さらに下柳と、特に核を定めずにシーズン突入。前半は黒木が非常に良かったが、後半急失速。チームが独走から一転優勝を逸するのと歩調をあわせた。シュールストロムも下柳も軸となるにはやや不足だった。
最多セーブ 次点 登板数 セーブ 勝利 敗戦 投球回 奪三振 防御率
1999年 黒木潤司 50 8 3 3 73 2/3 39 3.54
エリック・シュールストロム 14 7 2 1 16 21 1.69
成長のあとが見えるシュールストロム、開幕から抑えに定着し好投を見せていたが、5月に故障離脱。これはチームにとっても痛手だった。代役として立った黒木だが安定感がなく、下柳ともども抑えには定着できなかった。
2000年 カルロス・ミラバル 48 19 1 3 49 1/3 31 3.65
櫻井幸博 7 2 0 0 15 6 10.80
台湾から獲得のミラバルをスピードを買って抑えに。ただそれほど三振が取れるタイプではなく、また走者を背負うと不安定になるタイプで抑えとして固まったとまでは言えなかった。下柳が先発に廻り、救援陣はもうひとつ中途半端。
2001年 カルロス・ミラバル 51 18 2 6 55 43 3.44
井場友和 40 4 4 3 46 1/3 46 2.53
二年続けてのミラバルも、安定感は依然ない。存在感としては中継ぎの芝草・高橋が大きく、終盤4セーブを上げたルーキーの井場がいかにも抑え向きの投球で可能性を感じさせた。
2002年 芝草宇宙 55 11 4 3 60 1/3 50 3.58
井場友和 45 11 1 2 45 1/3 60 3.77
前年からの流れで井場に託したが、接戦になると投球が小さくなり思わぬつまずき。信頼感を得るには至らず、期待はずれに終わった。逆に存在感を見せたのがベテランの芝草。力のある投球でリリーフの軸として活躍。終盤には建山もリリーフに適性を見せた。
2003年 建山義紀 32 15 2 1 37 1/3 31 2.17
伊達昌司 51 9 5 1 55 1/3 16 2.60
建山が故障で出遅れ、移籍の伊達を暫定ストッパーに据えた。伊達は開幕からフル回転で頑張りまずまずの成績。6月にようやく建山が復帰すると伊達は中継ぎに。建山は期待通りの高い安定感を見せ抑えの地位を固めた。
最多セーブ 次点 登板数 セーブ 勝利 敗戦 投球回 奪三振 防御率
2004年 横山道哉 58 28 4 5 61 54 3.39
伊藤剛 9 5 0 0 11 1/3 9 3.18
一本柱に見込んでいた建山が開幕に間に合わず、代役で好投していた伊藤まで故障離脱という悪夢のような幕開け。三番手に立った横山の活躍がチームを救った。復帰した建山がセットアッパーを務め「タテヨココンビ」を形成。チームでは武田以来のリリーフタイトルにも到達。
2005年 横山道哉 48 12 1 4 50 1/3 46 4.47
2セーブで二名
二年続けての横山だが、タイトルに輝いた前年とは違い、夏場に急降下で終盤には抑えをはずされてしまった。後半は確固たる抑え不在だったが、それでもMICHEALやトーマス、武田といった新鋭リリーフ陣をフル回転。
2006年 MICHEAL 64 39 5 1 65 2/3 67 2.19
岡島秀樹 55 4 2 2 54 2/3 63 2.14
前年大活躍のMICHEALがクローザーに定着、移籍の岡島と武田久が左右のセットアッパーとなり、強力リリーフ陣の活躍で25年ぶりの優勝、44年ぶりの日本一を勝ち取った。日本シリーズでも3セーブのMICHEALはリーグ新記録で見事タイトル獲得。武田久も中継ぎタイトルに輝いた。
2007年 MICHEAL 56 34 1 1 58 1/3 49 2.16
武田久 64 2 7 6 74 1/3 53 2.42
前年のメンバーから岡島がいなくなったが、武田久-MICHEALのラインは不動。先発の層は決して厚くはなかったが、少ない得点をきっちり守りきり、見事リーグ連覇達成。接戦を制する投手力あればこそだった。
2008年 MICHEAL 46 28 2 2 46 1/3 47 2.14
武田久 62 6 4 7 61 1/3 40 4.40
首脳陣が変わっても前年と変わらぬ不動のリレー。MICHEALは体調不安を抱えつつも3年連続トップで100セーブ突破。不在の間抑えを務めるなどまた大車輪の武田久だったが、疲労からか後半大乱調に。
最多セーブ 次点 登板数 セーブ 勝利 敗戦 投球回 奪三振 防御率
2009年 武田久 55 34 3 0 60 38 1.20
なし
MICHEALが巨人にトレードされ、抑えは順当に武田久にバトンタッチ。すると55試合60イニングで失点10という安定感抜群の投球でシーズン完走。無敗の34セーブでタイトルに輝き、チームの優勝に大きく貢献した。他にセーブ記録者はなし。
2010年 武田久 58 19 1 5 56 1/3 37 3.83
建山義紀 58 4 1 2 55 59 1.80
武田久が開幕から突如の乱調。後半からは少し上向きはしたものの、前年とは程遠い内容で信頼しきれないままだった。当初代役を務めたウルフは途中から先発に廻ったが、シーズン通してコンスタントに活躍したのがベテラン建山。

かなり好投手が並んでいるのに、どういうわけか名前がころころ変わってきた歴史です。江夏以降では金石の安定振りが最も光っています。MICHEALトレード後武田久も昨年不調。

通算セーブ BEST5
1 MICHEAL 102
2 江夏豊 88
3 金石昭人 76
4 武田久 66
5 横山道哉 40
2004−05−09
追加更新 2005−08−05
追加更新 2006−02−01
追加更新 2007−03−18
追加更新 2008−03−23
追加更新 2009−04−01
追加更新 2010−04−11
追加更新 2011−04−17

戻る

トップへ