走り書記

バックナンバー

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

2005年8月1日(月) 一試合は寂しいなぁ

日本ハム4−0ソフトバンク

 日本ハムが連敗ストップ。先発リーはストライク先行、テンポのいい投球でうまく打たせて4回をパーフェクト、8回途中までわずか4安打の好投。とにかくひたすら危なげがなかった。ソフトバンクはいいところのないまま完封負け。いやにあっさり引き下がって、ちょっとチーム状態が落ちている。

2005年8月2日(火) 狂乱の花火大会

オリックス2−1西武
ソフトバンク4−3日本ハム
ロッテ15−1楽天
ヤクルト5−2中日
広島13x−12巨人
横浜3−2阪神

 好調オリックスついに5割復帰。その原動力ともいえるエースJP、初回こそピンチを作ったものの相変わらずの安定で西武を抑え込み、これでなんと30イニング連続無失点。一方西武のほうは、河原が打球直撃を耐えて投げるも反撃が遅すぎた。3位争いもかなり厳しい状況に。
 いやもう、斉藤和巳の「勝ち運」に脱帽です。点の取られ方も良くないし、テンポも非常に悪かった。打線も先頭出塁をことごとく無にして敗色がかなり濃かったのに…。ズレータの満塁弾はフォークを狙い打ち。それしかない場面でそれが真ん中に行ってしまう横山は重症。日本ハムは痛恨の継投ミス。
 トレーシーの先制弾、までは良かったんだが、あとは一方的なロッテペース。ラスがもうどうにもならなかった。こうなってしまうと投手は連鎖反応で、次々つるべ打ち。ロッテの19安打15点の猛攻の前に、楽天は全くいいところなし。小林宏が12奪三振完投勝利。不振を極めていた西岡が久々の2安打。里崎・今江も大当たり。

 中日の大型連勝は意外にあっさりストップ。立ち上がりを攻められた山本昌は中盤立ち直っていたのだが、7回ガトームソンに打たれた一発は痛恨だった。攻撃のほうは中軸が打てず偶数回がさっぱり。逆にヤクルトは土橋以外に満遍なくヒットが出て3連勝。
 お互いに初回拙攻風味でどちらともいえない展開だったが、井川が四球連発で自滅。投手に押し出し四球ではどうにもならない。5回で6四球ではなあ。阪神打線は6回に門倉を捉えたものの、あと一歩及ばず反撃もそこまで。投手力で勝ってきたがここにきて打線が相当湿っている。
 上原が滅多打ちされればベイルがリードを守れず、11回に決勝の勝ち越し点かと思いきやその裏逆転サヨナラで決着と、いやもう、このゲームのポイントってどこですか? 序盤は一方的広島ペース、中盤は巨人の猛攻、終盤からは一進一退の殴り合いでメチャクチャ。ホームラン9本の乱舞には参った。久しぶりの條辺だったが…。

2005年8月3日(水) 阪神急停車?

西武6−4オリックス
ソフトバンク5−1日本ハム
ロッテ14−6楽天
ヤクルト4−2中日
巨人8−7広島
横浜6−3阪神

 土俵際一杯一杯だが、何とか西武が踏みとどまった。負けられない一戦で序盤の松坂はいまいちだったものの、打線がしっかり援護してリード。特にカブレラが4番の仕事を果たしてくれた。ただ余裕を持って出した豊田の2失点は今後の不安材料。オリックスは川越が3回途中KOで、こちらも先発の頭数に不安を残した。
 前夜の逆転劇から完全にソフトバンクペース。金村の立ち上がりを襲い6者連続出塁の猛攻(ただし走塁ミスで2得点)。その後も効果的な加点で突き放し快勝。和田は球の走りが抜群で、立ち上がりから三振の山。12奪三振完投で10勝到達。日本ハムはセギノールの一発だけ、4安打と元気なく、やはり前夜の逆転負けを引きずったような完敗。
 久々の久保の悪さにつけこんで打線は序盤から攻めたが、投手陣がすっかり初期の楽天に逆戻りしてしまった。7月の勢いはどこへやら、岩隈が踏ん張れず後続も抑えられず、連夜の二桁失点で大敗。いつの間にか立ち直って久保が3回以降きっちり抑え、ロッテは対照的に勢いを取り戻したかも。まだまだ首位に食らいつく。

 大型連勝で追撃の形になったものの、ここで中日も足踏み。ゴンザレスの前に6回1安打と打線が沈黙、朝倉からの継投も裏目に出て連敗。逆にここにきてヤクルトも息を吹き返し、セントラルのペナントはまた混沌に近づいてきた。それにしても土橋だけ二日続けて蚊帳の外…。
 二岡の前日からの三打数連続本塁打で先手を取った巨人を広島が追う展開に。前半で6点リードを奪いながら後半じりじり追い上げられて、最終回には1点差。何とか振り切ったもののまたリリーフが悪い形になりつつある。広島のほうもこのところホームで乱戦続き、先発がもうちょい頑張ってくれないと。
 三浦に珍しい早い回からの援護。得意の阪神戦でこの展開なら負けられない。立ち上がりこそ怪しかったがしっかり散発に抑え込んだ。8回はちょっとばてたか。これで横浜5割復帰。すっかり勢いの止まった阪神は噛み合わなくなってきた。橋本の乱調が最後は致命傷に。

2005年8月4日(木) 4試合すべてが逆転ゲーム

ロッテ8−3楽天
中日5−4ヤクルト
広島4−2巨人
阪神6−2横浜

 5回の逆転劇を見るに、ロッテの調子は完全に戻ったか。同点弾で動揺する紀藤を攻め立て、すかさずスクイズと息つく暇を与えなかった。守備で先制のきっかけとなった今江と堀が打点というのも見事。セラフィニも非常に落ち着いていた。楽天のほうは二桁失点こそ食らわなかったものの、やはり完敗。打線もちょっと下降気味。

 初先発のチェンは変化球が決まらずに苦しい内容。いきなり劣勢に立たされた中日だったが、打線が失点直後に反撃と食らいつき、中軸の活躍で逆転勝ち。ヤクルトのほうは序盤にチェンをもっと攻め立てたかったところ。初回宮出の三振で多少落ち着かせてしまった。この展開でも石川が不安定なのが痛い。
 なんと小山田が2ヶ月ぶりの勝利。先に点を許す苦しい展開も中盤から立て直し、打線が6回集中打で逆転。小山田自身6連敗していただけに久しぶりの白星となった。このところ失点続きだったベイルも今回は併殺で仕留めた。巨人は前半こそいいペースだったが、結局6安打では苦しい。内海もあと一歩をしのげない。
 阪神が重いムードを一変させるかもしれない逆転勝利。7回までは土肥・木塚の前に5安打1点とまた沈滞していたが、今岡が起死回生の逆転満塁弾。その後のタイムリーを見ても、これでお得意の集中攻撃が甦るかもしれない。横浜は川村の投球が大誤算だったが、それ以前に前半の拙攻がひどすぎた。もっと優位に立てたはずのゲーム。

2005年8月5日(金) この時期にこれは…

ソフトバンク8−5楽天
ロッテ3−2オリックス
中日9−7横浜
ヤクルト4−0巨人

 やっぱり楽天の勢いは落ちてるかなあ。吉田も福盛も2イニング目に捉まって失点。山村もよく投げていたが5回二死から失点、8回追撃のチャンスも川アの好捕に1点どまりに阻まれ、ソフトバンクの力に押し返された印象。KOされた星野は、結局あのアバウトな制球をどうにかしないとこれ以上の活躍は難しいのではないか。
 小野の危険球退場でオリックスが優位に立ったが…。やっぱり今年のケビンが良くない。四球からボークも絡んで同点にされて、5回持たずに降板。打つほうもロッテの二番手以下に抑えられ及ばなかった。ロッテは急遽登板の高木がゲームをよくつくった。ベテランが今季初勝利でチームは5連勝。

 クルーンがまさかの失陥で初黒星。制球がバラバラでひどかったが、福留の満塁弾は変化球を打たれて悔いの残る一球に。どうもこのところ力みが出てきたような。川上がらしくない投球で中日は苦しい展開だったが、中日はよく拾うことが出来た。直接上を叩くチャンスで横浜は痛い一敗。
 毎回の14安打2ホーマーで4点だから、ヤクルトの攻撃はあまり誉められたものでもなかったが、川島が8回零封で問題なし。2回から7回までノーヒットで合計10奪三振の見事な快投。巨人はわずか3安打ではどうにもならない。全く見せ場のないまま終わった。リグスが4安打の大当たり。

2005年8月6日(土) 乱戦は暑さのせい?

西武3−0日本ハム
ソフトバンク10−8楽天
オリックス4−0ロッテ
中日8−5横浜
ヤクルト13−8巨人
阪神13−2広島

 うーん、どっちもどっちの拙攻だったと思うんだけど、4回の西武だけは見事につながった。ダルビッシュは3回以降毎回先頭打者を出しながらも完投。良くしのいだというべきか。日本ハムは10安打放っても10残塁で完封負け。セギノールと稲葉がブレーキ。
 久々に粘りを見せてソフトバンクを慌てさせた楽天打線。杉内から5点を奪い、終盤もなかなかのつながりを見せたが、結局は失点が大きすぎた。投手陣も悪いが守備の乱れも痛い。馬原のリリーフも冷や冷やモノだったがソフトバンクは何とか逃げ切り。カブレラがポイントとなる打棒を発揮。
 いやあなんとも老獪な吉井の投球。ロッテ打線は見事に術中にはまって5回までノーヒット。省エネ投球で7回を投げきり、これで無傷の6連勝。ロッテは8回に見せ場を作ったが時すでに遅く、3安打完封負け。全く援護に見放されている清水はこれで5連敗。ただ8回の連続被弾は避けたかった。

 ウッズ3ホーマーの大爆発で中日逆転勝ち。左に右にとまあ良く飛ばす。ただ斎藤が打たれた2本は完全な失投。立ち上がり快調でも肝心なところで詰めの甘さが出た。川村もこのところ不安定。横浜は二戦続けての痛い敗戦。ここにきてリリーフ陣に暗雲が漂っている。
 ビジターのマレンは…ということだろうか。いきなり7失点とぶち壊しの投球。負けずにひどかったのが前田で、投げればホームランとボロボロ。打線は後半猛追したものの、あまりにも失点が大きすぎた。館山はこの展開でこの崩れ方は心象が良くない。それにしてもリグスは前半と別人のよう。
 このところ打線低迷していた阪神がいきなり爆発。立ち上がりから黒田に集中打を浴びせてKO、その後も手を休めず大勝。1,2,3番で11安打7打点というのだから恐れ入る。下柳も相変わらずの老獪さで10勝到達。広島は黒田の乱調がすべて。打線も最後まで元気なく終わった。

2005年8月7日(日) 大魔神、去る

日本ハム9x-8西武
楽天5-3ソフトバンク
オリックス5-1ロッテ
中日7-6横浜
ヤクルト4-1巨人
広島4-1阪神

 なんともまとまりのない展開だったが、日本ハムが終盤の一発攻勢で逆転、サヨナラ勝利。再逆転されてからの重いムードを払拭する攻撃を見せた。2イニングを締めた建山も貢献。西武は投手陣の乱調が痛かったが、8点取ったとはいえ12残塁はちょっと微妙。豊田の状態も気になる。
 今や楽天のエースは有銘といえるかも。序盤こそ制球にやや苦しんだが、中盤以降は実に安定した投球。ばてかけた最後も一踏ん張りでしのいで連続完投勝利。楽天は今月初勝利。ソフトバンクは城島に続いてズレータも欠けるとさすがに少々食い足りない。新垣の調子も平行線でもうひとつ。故障に苦しんだ山村がプロ初登板。
 充実リリーフ陣を惜しげもなくつぎ込んだオリックスの完勝。先発萩原は50球まで、あとは小刻みな継投でロッテを封じた。ロッテは小野を中一日で投入したものの序盤にKO。二番手小宮山が非常に良く投げたが、福浦・ベニー抜きの打線ではやや力不足だった。

 この三連戦すべてもつれたものの、結果的には中日の3タテ。岩瀬が3点リードを守れない大誤算も、守備固めの渡邉が決勝打というしぶとい勝ち方。いよいよ首位が見えてきたか。横浜は追いついたのは良かったが、それ以外で5併殺の拙攻。この連戦すべて勝てたゲームを落としてしまった。
 久々登板の桑田、今季投げた中では一番良かったんではないだろうか。ランナーは出すものの粘って5回2失点。ただ巨人打線がさっぱりつながらない。チャンスは幾度もあったがエラーで貰った1点だけ。シコースキーが追加点を許すとあとは淡々。ヤクルトは打線好調に加えて、五十嵐もずいぶん良くなってきた。
 一夜明けた阪神打線はまた元気なし。先制はしたもののそこから4イニング一人のランナーも出せず。広島にじりじりと離されてそのまま終わってしまった。ベイルを捉えかけたもののあと一本が出ずじまい。広島はデイビーがきっちりと試合をつくって、いいタイミングでダメ押しの一発が出た。最下位脱出目前。

2005年8月8日(月) あまりにも上位に負けすぎた日本ハム

ロッテ4-3日本ハム

 4安打しか許さなかったリーは充分合格点。だが、今季の補強としては遅きに失したかも。ついに自力でのプレーオフ進出消滅。4安打中2本がホームランで涙をのんだが、守備にもちょっと泣かされた。反撃もやや遅かった。7回は球が浮いた渡辺俊だが相変わらず安定。ただ小林雅の出来は少々不安。

2005年8月9日(火) 頭脳プレー? 珍プレー?

ソフトバンク9−3西武
日本ハム6−4ロッテ
オリックス7−3楽天
中日11−7阪神
ヤクルト5−3広島
巨人1−0横浜

 開始早々、投げる前に6点も貰ってしまう斉藤は恐るべき強運というべきか。河原は外野落球と松中の一発で切れてしまったか、不調時代を思わせる滅多打ち。二番手の山岸は制球不安も良く踏ん張った。斉藤は立ち上がりから快調に飛ばした分後半ばてた印象だったが、これで12連勝。
 横山のセーブって何日振りでしょう。ここ最近の小林雅の不安が一気に出た。外野まで軽々飛ばされあっさり同点。何とか首位に食いついていきたいこの時期にロッテは大きな不安を抱えてしまった。中盤まではやられ通しだったゲームをモノにした日本ハムは、延長もピンチの連続だったが何とか乗り切った。
 やはりラスが持ちませんか。3回表までは楽天ペースが、あっという間に大量失点。二番手朝井が立て直しても反撃もならず。連続無失点中だったJPは立ち上がりがあまり良くなかったが、珍しく援護に恵まれて中盤からはすいすい。オリックスのオールスター後の貯金はなんと四年ぶりだとか。

 なんというゲームですか、これは。首位攻防第一ラウンドは中日の劇的逆転勝利。というにはあまりに内容がグダグダすぎる。特に5回の阪神の守りはひどかった。6点リードを不意にしての敗戦はあまりに痛すぎる。中日は山本昌の乱調で台無しになるところを、思わぬ形で勝ちを拾った。これはちょっと先が読めない。
 凄いですね、6回のリグスの本塁突入。呼び込んだガトームソンも、逆転タイムリーに本気の振り逃げと大活躍。このプレーも含めてヤクルトは6回1安打で3点奪取。逆に広島のほうは10安打放っても得点はソロ三発の3点だけ。対照的になってしまった。大竹の投球はちょっともったいない。
 佐々木の引退登板。変則的な継投パターンで1失点に収めた横浜投手陣は上出来。ただ打線がおとなしすぎた。初回の1安打きり快音なく、ひたすら高橋尚の快投ショー。巨人のほうは11残塁とはっきり言って拙攻だったが、どうにか6回に1点を取って逃げ切り。横浜は一時の勢いがすっかり消えて危機的状況。

2005年8月10日(水) 追い詰められた獅子

ソフトバンク7−5西武
日本ハム7−1ロッテ
オリックス10−2楽天
阪神5−3中日
広島10−0ヤクルト
横浜4−3巨人

 松坂陥落でいよいよ西武絶体絶命。カブレラ・和田の連続ホームランで逆転と、チームとしては最高とも言える形になったのもつかの間、すぐさま悪い形で逆転されてしまった。和田が逆転を許しても再逆転したソフトバンクは、なかなか打てなかった的場が大活躍。
 前夜の流れそのままに、日本ハムがロッテを圧倒。終盤の集中攻撃で大差をつけた。金村は序盤苦しかったが援護で楽になり立ち直って10勝目。ロッテは久保も誤算だったが序盤の拙攻も響いた。連敗でソフトバンクとの差6ゲーム。限界点ギリギリ、またも正念場に。
 山崎の逆転2ランもガルシアの一試合3発の前にはかすんでしまった。それにしても岩隈が悪い。今季前半も不安定だったが、後半はさらに乱調気味。切れもなく制球も甘い。打線爆発のオリックスは余裕の継投で大勝。4連勝でプレーオフにますます邁進。

 4試合連発2ホーマーと今のウッズは手がつけられないが、いずれもソロなら被害は小さい。走者を置いた場面で封じた阪神バッテリーの勝利。福留がちょっとブレーキになったのも効いた。阪神が速攻で前夜の悪夢を振り払い、福原が踏ん張って第二ラウンドは阪神勝利。大一番で打線も復調か。
 さすがに1回2回と満塁弾を食らっては、好調ヤクルトといえど厳しすぎる。またレイボーン攻略にも手を焼いた。微妙に芯をはずされてわずか5安打と沈黙。レイボーンは来日初勝利を見事な完封で飾った。2番の山崎が3安打の活躍。久々に高井登板も、相変わらず四球が多い。
 二発被弾で三浦にまた勝運なしかと思われたが、今回は珍しく打線が援護。早々に先制したのに続いて、同点直後に佐伯が勝ち越し弾。最後をクルーンが抑えて、横浜はすっきりした形で連敗ストップ。三浦の巨人戦白星は二年ぶりとか。巨人は小久保に一本出ていれば…。

2005年8月11日(木) ガルシア大覚醒

オリックス13-0楽天
阪神8-4中日
ヤクルト3-1広島
横浜5-3巨人

 夏場にどうなるかと思っていたガルシアだが、二試合連続3ホーマーとは驚いた。ブランボーもすっかり復調して、オリックス懸案の攻撃力が向上気配。紀藤に4ホーマーを浴びせて早々に試合を決した。期待を裏切ってきた川越も楽な展開で5年ぶりの完封勝利。楽天は有銘以外の先発が計算できなくなってきた。

 阪神が逆転で首位攻防に勝ち越し。川上を打ち崩してのものだけに価値が高い。初戦の悪夢すら払拭した基点は主砲金本。引っ張られた打線は17安打を浴びせて中日を圧倒した。残塁もちょっと多めだったが。中日は劇的な逆転勝利の勢いを持続できず。ここは勝ち越しておきたかったが、出直しか。
 1,2回6安打で1点と、序盤のヤクルトは決め手を欠いたが、今回は石川が久々にいいところを見せた。ラロッカに同点弾は許したが4安打投球と安定。粘っていた小山田だったがラミレス一人にやられてしまった。しかし7回3失点では責められない。打線が5安打(内3本がラロッカ)では致し方なし。
 西村は以前見たときよりは良かったと思う。走者を背負って脆さが出たが、まとまりの良さは出ていた。巨人の粗さが前面に出たゲームだったが、これはもう地道に消していくほかないかと。横浜は先制・中押し・突き放しと、得点のタイミングが理想的だった。土肥は調子落ち気味だったが巨人戦にはきっちり。

2005年8月12日(金) 逆転の竜

西武8-2楽天
ソフトバンク5-2日本ハム
ロッテ11-3オリックス
中日7-5広島
ヤクルト6-3横浜
巨人5x-4阪神

 とてつもなく嫌な形で同点にされた西武だったが、カブレラの二連発で悪い流れを断ち切った。打線の調子自体は悪くはないはずで、あとは投手の頑張り次第。勝利投手の宮越には次回も期待がかかる。楽天のほうは先発崩壊が止まらない。打線も5回以降完全に沈黙。どこかで止めたいところだが…。
 ダルビッシュちょっと力みすぎ。制球に苦しんで3回で100球。ズレータの3ランが致命傷となったが、この内容ではさすがに持たなかったろう。試合としては4回以降、むしろ日本ハムがずっと押していたのだが、あと一本が出ないままソフトバンクの継投にかわされた。三瀬と横山がだいぶ復調気配。
 打線爆発していたオリックスだったが、さすがに初回で6点ビハインドは重すぎた。スチュワートの乱調が響いて大敗。この展開で使った投手が二人というのも凄いが。ロッテはパスクチが4安打1ホーマーにガルシアの大飛球をもぎ取るなど大活躍。7,8番が6安打6打点。

 重い空気を一掃した高橋の代打逆転弾。まさに起死回生の一打で、試合の流れがここで完全に変わった。首位攻防の負け越しを引きずらないためにも大きかった一勝。ロマノにしてみれば悔やまれる一投。フェンスぎりぎりというのがまた悔しい。投手層の薄さゆえ、というのは少々酷か。
 援護の少ないことが多い川島だったが、今回はヤクルト打線が先手先手。先発全員安打(川島含む)で6点を取ってくれた。最後に吉川が打たれても余裕の残る点差に。横浜はセドリックの降板も誤算だったが、2回の三連打で先制できていれば変わったかもしれない。秦はすっかり便利屋的存在?
 阪神自慢の必勝リレーが失敗。同点で久保田を投入したものの二岡にサヨナラ被弾。ただ一発だけというのはそれほどダメージとしてはないはず。その前に勝ち越せなかったのがもったいなかった。巨人は勝ちに持っていく流れをスムーズに出来なかったが、結果的に勢いのつく勝ち方が出来た。7回の得点はなかなかいい取り方だった。

*昨年もこの時期でしたが、明日から15日まで自宅を離れるため、ここもお休みします。16日再開予定です。

2005年8月17日(水) 一日遅れで再開

ロッテ9-1西武
ソフトバンク3-3オリックス
日本ハム4-1楽天
中日5-1巨人
ヤクルト15-8広島
阪神3-0横浜

 松坂立ち上がりは普通だったんだが…。中盤に点を取られたあと7回はがたっと崩れて6失点KO。これも痛かったが、それ以上に西武は打線が沈黙。小林宏の前に8回3安打といいところなく完敗。小林宏はプロ初完封を目前で逃したのは惜しかった。ロッテ5連勝でまだまだ首位追走。
 村松が3安打1四球二度ホームインの活躍で和田を攻略。ソフトバンクはカブレラの二ヶ月ぶりのホームランで逃げ切りを図ったが、8回の継投がはまらず追いつかれた。こうなってみると5回の満塁機を逸したのが悔やまれる。延長ではオリックスが終始押していたが、こちらも決定打が出ず結局引き分け。
 楽天の連敗がどうにも止まらない。岩隈の出来はここ何回かの中ではいいほうだったが、先発崩壊と同時に打線低迷が深刻。すっかり打てないチームに逆戻りしてしまった。金村がイケメン対決(自称)を制して11勝目。田中幸の通算1000打点はまたお預け。

 立ち上がりからふらふらだった内海が、結局立ち直れないまま5失点KO。それでも2点だけなら朝倉ということを考えても望みはあったが、3回の井上の3ランは併殺後という状況からも痛かった。ここで大勢は決して中日が快勝。朝倉は最後まで投げ切って完投勝利。中日の先発投手勝利は今月初。
 両軍合わせて8ホームランという、市民球場らしい大花火大会。ヤクルトの三者連続、リグスの二打席連続ととにかく派手だったが、広島に本当に痛かったのは8回の失点。1点差まで詰め寄ったあとに致命傷となった。止めを刺した宮本の一発は自身初の満塁弾。宮出・リグスの並びが依然好調。
 このところすっかり延長づいてる阪神だが、福原が横浜をかわして最後はおなじみJFKで完封。攻撃のほうは2回以降5度の先頭出塁を無にする拙攻だったが、投手力で勝ちを収めた。土肥は粘っこく投げたと思うが、味方が無得点ではどうにもならない。横浜は満塁の4回よりも5回を何とかしたかった。

2005年8月18日(木) ロッテの悩みの種

西武5x-4ロッテ
オリックス8-1ソフトバンク
巨人5-4中日
ヤクルト8-6広島
阪神6x-5横浜

 最後の最後まで小林雅を取っておいたのに、肝心の人が打たれちゃなあ…。どうも最近力任せが目に付いて、むきになっている節がある。展開としてはどっちに転んでもおかしくない試合だったが、あそこまでいった以上ロッテは落としたくなかった。西武は宮越が好調維持で計算が立ってきた。得点すべてがホームランはらしいというか。
 川越の快投でチームの連敗、福岡ドームでの連敗、そして川越自身の対ホークス戦連敗すべてストップ。苦手星野の前に5回までパーフェクトと苦しんだが、初ヒットと相手のミスにつけこんで得点すると、あとは一方的に。ソフトバンクの一試合3安打は今季ワースト。このところ1,2番の不振が目立つ。

 二巡目に西村を捉まえたまでは良かった中日だったが、14三振を喫してその後はほぼ沈黙。川上が踏ん張りきれず、接戦は巨人に軍配。どうも川上がこのところいまいち。巨人はシコースキーが抜群に良かった。締めの林が制球に苦しみ危うかったが、何とか逃げ切り。中軸の三連打で逆転した5回は鮮やか。
 初登板初先発の大島はボールが高くヤクルト打線を止めるには力が及ばなかった。5点差を広島が追いかける、何か前夜の再現のような展開。野村の一打で8回ついに追いつくも、出来ればここでひっくり返しておきたかった。直後に永川が乱調で本当に同じような展開になってしまった。代役小野が4安打で、ヤクルト打線依然好調。
 やっぱり延長づいてる阪神、得意の継投は完全にははまらなかったものの、最後は下位打線でサヨナラ。選手層の厚さを見せ付けた。先発が悪かった試合を取ったのは大きい。横浜の先発岸本は四球が多すぎでピッチングにならず。二番手加藤が良く立て直して接戦に持ち込んだ。ただもう一歩押し切れない。

2005年8月19日(金) ノーマークで怖いスワローズ

日本ハム5-3オリックス
横浜1-0中日
ヤクルト12-2阪神
巨人2-1広島

 またまた吉井対ダルビッシュの巡りあわせ。ダルビッシュは走者は良く出すのだがなぜかなかなか崩れない。5回辺りは危なかったのだが、2失点でこらえて勝ちにつながった。約二ヶ月ぶりの3勝目。吉井はあの辺までだろうが、今回はオリックスの継投がはまらず。歌藤が浴びた二発はあまりに痛かった。

 斎藤の今季初勝利はこれ以上ないほどの投手戦。斎藤は四死球が多く前半は毎回走者を背負う苦しい投球だったものの、何とかしのいで後半は安定。一方のマルティネスは抜群の出来で7回まで2安打投球。内容ではマルティネスの方が上だったが、最後の運がなかった。ウッズの当たりは止まってしまったか。
 下柳乱調。今季最短の2回途中KOで阪神大敗。それにしてもこのところのヤクルト打線は恐ろしく好調。小野が二発を打てば畠山がプロ初ホーマーと全体が乗りまくっている。大量援護に川島は6回でお役御免。阪神・中日がもたついている間に、ヤクルトも侮れない存在になってきた。
 工藤とロマノの渋い投手戦。ロマノは持ち味を発揮して2失点で踏ん張ったが、工藤の出来があまりに良すぎた。広島上位打線を完璧に封じて5安打1失点のみ。二番手久保も2回を完全に抑えて巨人が僅差勝ち。巨人は決して楽な勝ち方ではないが、それでも以前よりはるかに噛み合っているように感じられる。

2005年8月20日(土) 中日ジリジリ後退

ソフトバンク2-1西武
オリックス2x-1日本ハム
ロッテ4-2楽天
横浜11-5中日
阪神9-3ヤクルト
広島1-0巨人

 15勝投手同士の先発は、成績通りの投手戦。杉内が序盤から三振を取り捲れば、西口は立ち上がりのピンチをかわして自分のペースに。期待を裏切らない内容となったが、二本のタイムリーを見るに、ほんのちょっとだけ西口にツキがなかった。杉内は直球主体に攻めまくって毎回の14奪三振で完投勝利。
 「方程式」こそ若干疲れ気味だが、それでも萩原がいる辺りがオリックスの層の厚さ。早めにリリーフに立って5回を1安打投球。入来は今チームで一番安定している先発だが、さすがに1点ではきつい。満塁機で代打村松と、最後もオリックスの層の厚さが勝負を分けた。得点の割に長い試合だったが…。
 有銘はまあ、追いついた直後の失点がもったいないとは言えるのだが、それにしても楽天が打てない。完全に貧打に逆戻りしてしまった。打線を牽引していたのが吉岡・山崎のベテランということで、スタミナ切れと思われる。猫の目打線でも4番サブローまでは想像できなかった。

 門倉が史上四人目の12球団勝利達成。正直内容はあまり良くはなかったのだが、今回は打線が中盤に大爆発。連打のラッシュに小池の満塁弾で止めを刺し、一挙8点の猛攻で試合を決めた。中日は先発の不調がいい加減シャレにならなくなってきた。打線もやや下降気味では「逆転の」などとも言っていられず、首位追撃に黄色信号。
 投手杉山への死球。これが間違いなく勝負を分けた。動揺した館山は一気に崩れ、金本が隙を見逃すはずもなく仕上げの一発。「第二グループ」の継投で充分な差をつけ、阪神が大勝。好調のヤクルト打線も、今回は序盤にちょっとチャンスを潰しすぎた。特に3回貰った満塁のチャンスを無にしたのは痛かった。
 桑田が汚名返上の好投でロースコアの投手戦。ただ失点した5回は球が浮き、フランコのタイムリーもかなりの投げそこない。あの辺がスタミナの限界か。黒田のほうは中盤まではかなり苦しい投球だったが、しのいでいる内に調子が出てきた。江藤あと一本が出ないままですなあ…。

2005年8月21日(日) さすがに100敗はもうないと思うが…

ソフトバンク6-5西武
日本ハム10-3オリックス
ロッテ10-6楽天
中日7-2横浜
阪神3-1ヤクルト
広島2-1巨人

 前半は完璧だったが、こういう崩れ方をされるとまだ新垣を信頼はし切れない。1点差に詰め寄られてソフトバンクは冷や冷やモノだったが、どうにか逃げ切ってプレーオフ確定。西武は山岸がゲームをつくったが、先発帆足の失点が最後まで重かった。楽天以外にすべて負け越しで二桁借金目前。
 ケビンのKO以上に、オリックスにとって菊地原と香月の失点が誤算。リリーフ陣にちょっと陰りが見えてきた。打線も3回以外はさっぱりで、日本ハムに完敗。日本ハムはようやく役者が揃ってきた印象。リーの加入で先発陣も計算が立つようになってきた。ガルシア20本到達。
 楽天が二週間ぶりに5点以上取ったが、連敗は止まらず二度目の10連敗。両軍合わせて31安打の乱戦。楽天投手陣がちょっといいように打たれすぎた。序盤の攻撃も多少もったいない面もあり。ロッテは清水の出来が悪く会心とは言いがたいが、打線好調で70勝到達。

 久しぶりに登板の中田が7回を零封。なんとなく重かったチームの空気に新風を吹き込んだ。打線も速攻、特に1,2番コンビが持ち味を発揮して大量リードで援護。4回以降は落ち着いてしまったが、中田の好投で快勝。ただ最後の2イニングの投手起用は、ちょっとバタバタしすぎた気もする。
 阪神らしい試合運びで連勝。先発安藤が5回を2安打に封じ、あとはおなじみJFKのリレー。しかしこの三人、みな60試合以上登板となりそうな勢い。ヤクルトはあれだけ好調だった打線がほぼ完全に沈黙。1点返した8回も青木の打球が一番悪いところに。なぜか藤井に援護がない。
 新井の二発で上原とうとう5連敗。打たれた球はいずれもコースミス。内容としては悪くなかっただけに、痛い失投が重なってしまった。打った新井は見事なスイング。レイボーンはカーブを有効に活用して巨人打線を翻弄。巨人は9回の攻撃がもったいなかった。送りバントが一番難しい場面ではあったが…。

2005年8月23日(火) Aクラスどころの騒ぎではなくなってきた西武

日本ハム19-3西武
オリックス6-5楽天
中日3-1ヤクルト
横浜3-1巨人
阪神7-1広島

 なんだか開始30分でもう先が見えたような試合。三井は小手先で投げているだけで、しかも球が上ずりっぱなし。西武投手陣は小野寺に見所があった程度でボロボロ、守備も相変わらず。全くいいところなく大敗。17安打19点と大爆発の日本ハムが、鎌倉も復帰で足並みが揃ってきたのとは対照的。
 久々に粘り強いところを見せて、1点差に詰め寄った楽天だったが…。好調時にも思っていたが、いまいち得点効率が良くない。あと3点は余計に取っていておかしくなかった。最後も幸運一転併殺で試合終了、11連敗。オリックスは阿部が守備でミス、大久保が負傷退場とドタバタした展開だったが、辛うじて逃げ切った。

 挑戦権決定シリーズ? 山本昌とガトームソンの息詰まる投手戦は、むしろもうひとつだった山本昌の辛抱勝ち。森野の3ランで先制すると、ほっとしたかのように失点したが、あとは継投で中日が逃げ切った。ここ一番での荒木の好守備も光った。ヤクルト打線が止まってきたかも。
 7回途中降雨コールド。三浦は早々に先制を許し、以降も苦しい投球だったが、巨人は小久保が三打席いずれもブレーキ。一塁に据えた阿部も音なしで、再三のチャンスを活かせなかった。高橋尚は種田の一発のあと踏ん張りたかった。下位打線から勝ち越しを許したのはもったいない。
 嶋の先制弾で始まったが、広島の得点はそれだけで結局スミ1。あとは井川が丁寧に投げて、100球未満で余裕の完投勝利。一方の大竹は6回で160球以上と対照的。いくらなんでも四球が多すぎる。11奪三振でもこれじゃあ…。徹頭徹尾阪神の横綱相撲で、長期ロード11年ぶりの勝ち越し。

2005年8月24日(水) これがエース対決

西武8-1日本ハム
ソフトバンク2-1ロッテ
楽天4-1オリックス
中日3-1ヤクルト
巨人7-0横浜
広島8-1阪神

 これもエース対決なんだが、こういうところでピリッとしないのも金村。結局毎回失点でKO、いいところのないまま降板してしまった。日本ハム打線も前日の勢いはどこへやら、やっと掴んだ無死満塁のチャンスも活かせず、小笠原の一発1点だけで完敗。松坂は12奪三振と力を見せて10勝到達。
 表題はもちろんこの試合。斉藤が力で封じれば、渡辺俊は技で翻弄する見応えある投手戦。ズレータの一発でソフトバンクが競り勝ったが、あそこまで飛んだのはズレータだからこそ。ロッテの痛恨はやはり8回小坂のバント併殺か。守備で素晴らしいプレーがあったのだが…。痛い失態だった。
 岩隈久々の好投で、ようやく楽天連敗ストップ。今回は長打を許さないしっかりとした投球で、チームの危機を救うエースの仕事を果たした。オリックスはやはりリリーフに綻びが見え(大久保も抹消)、守備もこのところ乱れてきた。ほぼ有力となりながら突き放せないのが、やはり3位争いということだろうか。

 この正念場に痛いウッズの欠場。朝倉の粘りと巧みな継投で勝ちを収めたが、11安打で3点というのは4番不在の弊害を感じさせる。いまいちつながりが悪かった。と言って、もっとつながらなかったのはヤクルトのほう。8安打4四死球でもエラーの1点だけ。借金1ではAクラス維持のほうが問題となってきた。
 ついに、ついに巨人が宿敵土肥に勝った。序盤こそいつもの調子で抑えられていたが、小久保が三打席連発で粉砕。ずいぶん久しぶりの一発攻勢で連敗ストップ。マレンも持ち味を活かした好投で完封。これが来日初完投。横浜はほとんど見せ場なしに終わった。土肥の巻き返しに期待。
 前回は良くわからないうちに終わった大島、二度目の登板は見違える投球。4回までノーヒット、7回途中まで2安打の快投で見事プロ初勝利をマーク。阪神打線が勢いに押されていた印象。福原のほうは痛いところでの被弾が響いた。前田には完璧に運ばれ、栗原に止め。ひそかにフランコがちょこちょこ打ってます。

2005年8月25日(木) 台風襲来

広島7-5阪神

 広島の一方的ペースが今岡の満塁弾で一転、終盤は接戦に。しかし阪神は5安打では、さすがに勝つまでには至らなかった。ロマノは6回こそ息切れで乱れたが、そこまでは見事な投球。それにしても良く打った広島。前田の二発はいずれも完璧。すべてホームランの得点で勝利。下柳は制球が甘かった。

2005年8月26日(金) 3位争い、またも混沌

西武6-3楽天
ロッテ4-0オリックス
中日8-6広島
ヤクルト8x-7横浜
巨人4-0阪神

 確かにエラーも痛かったが、中盤崩れた有銘はちょっと勢いが落ちてきたか。細川とフェルナンデスにはいずれも変化球が甘く入った。飛躍のためにはここでもう一踏ん張りほしい。一方好調の宮越、今回も落ち着いた内容。中盤のスタミナが今後の課題か。西武は最後がもうひとつだったが、逃げ切ってオリックスに3差。
 そしてこちらは調子落ちのオリックス。どうも元気なくロッテに完敗。淡々と試合を進めすぎた印象。小林宏が立ち上がりからすばやく切り替えてこれがプロ入り初完封。ロッテとしては復帰のベニーが早速タイムリーと、首位追撃に好材料。吉井は5回から持ち直したんだが…。

 黒田突然の背信、6回に一気に乱れて逆転を許した。こういう展開になると、広島のリリーフ陣は辛い。広池・田中がさらに傷口を広げて、終盤の追い上げも届かなくなってしまった。前田の4安打2ホーマーも水の泡。中日は投手陣はやや誤算だったが、6,7回の集中打でゲームをモノにした。
 激しい点の取り合いは、まさかの青木のサヨナラ弾で決着。五十嵐の乱調で怪しくなったゲームを何とか勝ち取った。ヤクルトが一発攻勢で横浜が集中打というのはイメージと逆か。斎藤は前回の力投がどこへやらの3被弾。それを15安打の猛攻で追いついたのだが、リードを奪うまでに至らなかったのが惜しかった。
 工藤が史上最年長二桁勝利達成。序盤の3安打のみであとは阪神打線を寄せ付けず、6回7奪三振の力投。シコースキー・林も完璧に抑え、見事な完封リレーを飾った。一方の阪神はいいところなし。打線が13三振を喫する完全沈黙でなす術なし。ここにきてシーツが深刻な不振に。

2005年8月27日(土) 西口完全試合!!(参考記録…)

西武1x-0楽天
日本ハム5x-4ソフトバンク
ロッテ6-2オリックス
中日7-5広島
ヤクルト3x-2横浜
阪神5-2巨人

 なんといっても、言うことない西口のピッチング。宝刀スライダーが冴え渡り、9回を完全。過去に二度ノーヒットノーランを逃し、そして今回は延長でヒットを打たれる不運。とはいえ、これで勝って自己最多タイの16勝。一場も負けずに良かった。低めに球を集めて、何よりこの西口と渡り合ったことを糧にしたい。
 こちらもサヨナラ、それも劇的な幕切れ。小笠原の二度の同点弾で追いつき、最後に舞台が回ってきたのは通算1000打点にリーチをかけた田中幸。見事なセンターオーバーで大記録をサヨナラ打で飾った。ソフトバンクは早めの継投が裏目に出た形。間隔の空いたリリーフ陣が、逆に仇となった。
 ケビンがなあ…。持ち直しはしたが、序盤はメロメロ。萩原も李に痛恨の被弾で、オリックスのリズムが崩れたまま。ロッテは小坂のバント失敗、三振ゲッツーの直後にそれぞれ得点。しぶとい攻撃が光った。オリックスは谷の代役で起用した相川が期待に応えるも、11安打2点とつながらず完敗。

 ここまで顕著な継投失敗も珍しいかもしれない。初登板初先発の小島が、苦しみながらも何とか5回を零封。しかし6回つないだ森があっという間に同点にされ、そこからは完全に泥縄継投。最後は井端の満塁弾で一挙6失点。打線は終盤に粘りを見せたが、この失点は大きすぎた。中日のほうもちょっとジタバタ継投。
 ヤクルト連続サヨナラ勝ち。最後はユウイチが決めて、劣勢のゲームを跳ね返した。館山が2回以降立ち直ってゲームを締めたのも大きかった。クルーンにつなぐ前に連夜のサヨナラ負けとなった横浜は、川村の出来が誤算だったのも確かだが、打線が2回以降1安打と沈黙。結局スミ2に終わってしまった。
 桑田…。寝た子を起こすシーツの2ランも金本のソロも、いずれも曲がり損ねの変化球。これではもうさすがに見極め時か。それでも巨人は鈴木の4安打の活躍などで食いついたが、粉砕したのは金本。追加点の激走に止めの2本目のアーチ。藤川抜きのJKリレーで振り切って、連敗を止めた。

2005年8月28日(日) パの首位争いも混迷か

西武8-2楽天
日本ハム10-6ソフトバンク
ロッテ4-0オリックス
中日3-1広島
ヤクルト3-2横浜
阪神6-2巨人

 初回のホッジスがすべて、でした。あっさり先制されると四球で塁を埋めて、ドカンと満塁被弾。いきなりのこのハンデがあまりに重すぎたか、楽天打線は再三先頭を出しても4併殺の拙攻。よく投げた金田も7回に捉まり大敗。西武は苦しんでいた対楽天にこれで6連勝。死に掛けたところから一気に3位が目前に。
 典型的な、ダメな新垣。拠り所のスライダーがガタガタで、大量失点KO。基本的に単調な投手のため、悪い状態から持ち直すことが出来ない。40近く勝ち越しているソフトバンクだが、デーゲームはこれで五分とどうも良くない。日本ハムは中軸に続いて脇役が大当たり。本領の打線が活発になってきたのは心強い。
 ジョニー黒木復帰登板。毎回走者を背負う、非常に苦しい投球だったが、あと一本をついに許さず7回途中まで零封。見事な先発勝利を飾った。これでプレーオフ決定、ソフトバンクに3差とつめたことも含めて、ロッテにとって大きな一勝。オリックスはかなり優位に立っていたはずが、一気に3位に残れるか正念場に。

 中日お家芸、またも逆転勝ち。栗原の先制ソロに対し、森野は3ランで三倍返し。お互いに決め手を欠く展開で、結局はこのホームランが両軍唯一の得点となった。前回良かった中田は今回も粘り強く好投。当たっている広島打線を1点に封じ、首位追撃に大きな戦力となりそう。
 藤井と三浦、ともに援護が少ない投手の投げあいはさすがのロースコア。8回は双方九番から始まる攻撃。三浦は自ら打って同点のホームを踏んだが、その裏ヤクルトは土橋を代打に送って四球。これが決勝点につながり、三浦は無念の完投負け。10奪三振も力尽きた。この三連戦すべて1点差決着。
 上原が踏ん張れなかったということなのだが、シーツを起こしてしまった桑田の責任も多少はありそう。それよりもこの二戦は金本が大暴れ。まさしく頼れる四番の仕事。杉山は今にも崩れそうな投球だったが、粘って2失点。巨人は12安打放って2点と攻め切れなかった。

2005年8月29日(月) 秋風寒き宮城野原

日本ハム2-1楽天

 ラスは硬軟織り交ぜてなかなかの投球だったのだが、セギノールと田中幸に同じように運ばれたソロホームランに泣いた。日本ハムは立石だけがおかしかったが、他はまずまず。オリックスに3差とプレーオフ射程圏に。楽天は高須が4安打放つも10残塁で最下位確定。最後に粘りは見せたが届かず。

2005年8月30日(火) せめぎ合い

ソフトバンク8x-7ロッテ
日本ハム4-1楽天
ヤクルト3-2巨人
広島4-2横浜

 これが首位攻防の魔力か、ソフトバンクの楽勝ムードが8回に一変。ロッテが怒涛の集中打で一気に逆転、執念を見せたが押し切れなかった。9回のチャンスを逸し、最後は打球処理のミスでソフトバンクがサヨナラ勝ち。不振に喘いでいた川アが日曜から復調、連続3ベースなど攻撃の要に。
 好調続く日本ハムが常に優位に立ってゲーム進行。打棒前回の小笠原が先制ソロ、即座に稲葉が続くところがチームの好調さか。つながりが良かったとはいえないが、8回にも加点で4連勝。楽天はヒットは出るんだがもう一本が出ないのは相変わらず。9回満塁と攻めるもこれもやはり届かない。

 速攻で3点を奪ったヤクルトがそのまま逃げ切り勝ち。以降は防戦一方で苦しいゲームだったが、ガトームソンが2失点で粘り、終盤は細かい継投で乗り切った。巨人は今季の勝負弱さを象徴するように、7回まで毎回安打も9残塁と決め手不足。高橋尚は2回以降抜群だったのだが…。
 前田の猛威健在。今月8ホーマー中6本が最近10試合に集中。この初回の2ランが最後までモノをいった。最下位脱出の原動力となるか。大竹も今回は四球で崩れず、力のあるところを見せた。横浜のほうはこれで5連敗。リリーフの失点が続いているのが気になる。土肥もなかなか巨人以外に勝てない。

2005年8月31日(水) 信頼と背信の間

西武8-1オリックス
ソフトバンク6-3ロッテ
楽天6-1日本ハム
中日7-5阪神
巨人8-7ヤクルト
横浜11-4広島

 三週間前に「西武絶体絶命」などといっていたのは浅墓でした。川越が7回に力尽き、ついに3位入れ替わり。この辺で踏み止まらないと、オリックス脱落の危険も。松坂は早々に先制されたものの、あとは決定打を許さず完投。西武の5連勝は今季初。打線にも迫力が戻り、チーム状態はかなりいい。
 清水は慎重すぎるほど丁寧に投げていたのだが…。不用意な一投をカブレラに叩き込まれ、ここで緊張が切れてしまった印象。6回は鳥越に痛恨の長打を浴びKO。斉藤は細かい制球に苦しみ決していい状態ではなかったが、粘ってついに開幕15連勝。直接対決に連勝してソフトバンクに1位通過マジック点灯。
 せっかくの勢いを金村が台無しに。立ち上がりを攻められたのはともかく、立ち直れずに中盤失点はチームにとって痛かった。好調だった打線も朝井の前に沈黙。朝井は155球、最後に失点したが11三振を奪って見事プロ入り初完投勝利。久々スタメンの川口が2安打3打点の活躍、打線の新たな起爆剤となれるか。

 お互いにエースを立てた首位攻防は思わぬ乱戦に。川上はこのところの不調を引きずったまま2回に二発被弾。しかしその直後に井川に悪夢が待っていた。ウッズの逆転満塁弾で気落ちし、さらに福留に完璧に叩かれ、立ち直れず4回途中KO。その後の川上もピリッとしなかったが、細かな継投と好守備で中日が逃げ切り。7連勝で半ゲーム差に肉薄。
 あれ、昨日と同じ展開…?と思ったが、巨人の攻撃が一味違った。ゴンザレスを攻めあぐんでいたが、5回に集中打で1点差。その後も攻め立てて、ついに8回勝ち越し。二岡・小久保で6打点と中軸が見事に機能した。シコースキーと久保の投球も勝因の一。ヤクルトは前半はいい展開だったが、リリーフ陣が完全に誤算。
 三度目の大島はまた高めに集中。横浜がこのところの鬱憤を晴らすような猛攻で、事実上前半でゲームは決した。ただ秦のほうもかなり打ち込まれていたので、5回途中降板はやむをえないか。失点が続いていたリリーフ陣が今回は機能して、横浜連敗ストップ。大敗の試合だが、前田は3安打と依然好調。

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

your@mail.address
Akiary v.0.51