青木 高広

技巧派左腕、緩急型

左投左打
県岐阜商高〜愛知大〜日産自動車 広島07ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 広島 24 0 0 3 0 1 55 1/3 69 8 28 12 1 0 29 4.72
09 広島 29 0 2 3 0 0 74 76 10 50 16 2 0 39 4.74
10 広島 19 1 1 6 0 2 65 1/3 102 8 45 12 4 1 49 6.75
11 広島 76 0 2 4 0 20 55 50 4 39 21 3 1 20 3.27
通算 5年 177 1 10 27 0 23 378 441 51 251 89 13 4 205 4.88

長身からの長いリーチが特徴の技巧派左腕。大きなカーブを軸とした多彩な変化球と緩急が持ち味。
社会人から分離ドラフト4巡で入団。層の薄い投手陣ということで即戦力を期待され、1年目から開幕一軍、ローテーション入りで開幕2戦目に先発登板。しかしその試合を含め好投しながら勝ち星に恵まれず、リズムが狂ったのか調子を崩し、開幕6連敗を喫した。8度目の先発で待望のプロ初勝利も、そのあとも勝てない登板が続き、2勝目は3ヵ月後の8月、リリーフ登板で。先発して3失点以内に収めながら勝てなかった試合が12回もあり、最終的に5勝も11敗と大きく負け越す1年目となった。
カクカクとしたぎこちなくも映るフォームで腕を隠す特徴的なフォーム。ほぼ変化球で攻め、好調時には非常に味のある投球を見せる。四球が少なく自滅しないのは強みでもあるが、反面ストライクを揃えすぎて打ち込まれるケースもあり、トータルでの数字はいまひとつ。
2年目以降はリリーフ登板が多くなり、時折先発もある両刀使い。ただどちらもピリッとせず定着しきれない状態が続いた。08年は先発の内容が悪くシーズン未勝利で終わり、翌09年は10試合に先発して2勝も、多かったリリーフともども安定感に欠けた。先発スタートの10年は序盤なかなか安定し、プロ初完封を記録。ところがこの1勝を境に極端に調子を落とし、4連敗でリリーフに配置転換。さらに故障で2ヵ月離脱し、復帰後も状態は戻らず。春先の好調は吹き飛び、最終的に自己ワーストの成績で終わった。
先発ではいい状態が長続きせず、貴重な左ということで昨年はリリーフに専念。腕を下げてほぼサイドスローに転向、シーズン通して一軍にいた唯一のリリーフ左腕ということで登板数は飛躍的に多くなった。開幕からフル回転しチームトップ、リーグでも2番目となる76試合に登板。春先6試合で3敗を喫するなど常時好調ではなかったが、様々な場面で投入されこれもチームトップとなる20ホールドを記録。
成績的にはやや不満の残る部分もあるが、どうやらリリーフで一本立ちか。シュートとカーブで左右を揺さぶるというのが基本的なパターン、だが球威には欠けるためか対左の結果はいまいち。ここを確実に抑えられればもっと信頼感も増すが。

青山 浩二

便利屋、リリーフ覚醒型

右投右打
函館工高〜八戸大 楽天06ドラフト(大・社)3巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 楽天 41 0 3 8 4 5 78 2/3 86 8 61 26 4 3 34 3.89
09 楽天 28 1 3 5 5 2 62 1/3 70 10 53 25 4 1 38 5.49
10 楽天 41 0 5 1 1 15 52 1/3 48 2 63 14 0 1 10 1.72
11 楽天 51 0 3 4 2 23 71 58 4 64 23 3 3 22 2.79
通算 6年 229 2 19 29 12 49 414 2/3 453 40 349 139 18 15 191 4.15

大卒1年目から即戦力となり、リリーフでフル回転した右腕。先発もこなす一方、ここまで役割がなかなか一定しない便利屋型投手。
ストレートと切れのいいスライダーのコンビネーションを武器とし、飛び抜けた凄みはなくもまとまった能力を発揮。ただでさえ手薄だった楽天投手陣にあって、その使い勝手の良さは貴重な存在となった。開幕一軍入りを果たした1年目から積極的に起用され、先発が早期に崩れればまず確実に登板していた印象。交流戦終了時でチームトップの34試合に登板と非常にタフなシーズンに。さすがにこれは無理使いが過ぎ、疲労で切れが落ち成績悪化、夏場にはファーム落ちし、最終的には6点近い防御率に終わった。
バランスよくまとまった投手だが体力面に課題があり、持続的な活躍がなかなか出来ず。2年目は先発で連勝スタートも5連敗。2年続けてシーズン中盤に調子を崩してしまった。08年はチーム事情から開幕直後は抑えを経験。その後もリリーフを中心に投げ、シーズン防御率を大幅に改善。一方で先発では6戦5敗とさっぱりに終わり、頼りない印象も残したシーズンに。その傾向は翌年さらに強くなり、抑え役を任されながら1ヶ月の間に3度サヨナラ敗戦投手になるなど不安定。全体的に状態が悪く、終盤の先発でも結果を残せず不調のままシーズンを終えた。さらに10年は初登板の先発でわずか2球で故障降板となり、開幕直後に2ヵ月離脱。最悪の出足となったが、しかし6月復帰以降、リリーフに専念すると見違えるような安定感を発揮。夏場にはリリーフの中心的存在として活躍し、15ホールドはチームトップタイで、5勝は自己最多。これまでの煮え切らない印象を払拭することに成功。
リリーフで一皮むけた感じだったが、どうもベンチは先発で使いたくなる投手なのか昨年はまた先発構想でスタート。しかし2度目の登板で6失点KOされると以降は再びリリーフに専念となった。前半はムラがありそこまで良くなかったが、夏場以降調子を上げ右のセットアッパー格に。チームトップタイの23ホールドを記録し登板数は初めて50を突破した。
先発では多彩な球種を見せるものの持続力に欠ける印象で、リリーフでストレートとスライダーに絞ったほうが好印象。前年苦労した対左も克服し、さすがにこの結果を見ればリリーフ一本のほうが良さそう。対ロッテには前年から相性が良く、昨年もリリーフでは10試合無失点。

赤川 克紀

若手先発左腕、救世主型

左投左打
宮崎商高 ヤクルト09ドラフト1位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
09 ヤクルト 1 0 0 0 0 0 0 3 1 0 1 0 2 3
10 ヤクルト 1 0 0 1 0 0 5 1/3 7 0 3 1 1 0 4 6.75
11 ヤクルト 23 1 6 3 0 0 88 2/3 74 4 66 32 5 2 20 2.03
通算 3年 25 1 6 4 0 0 94 84 5 69 34 6 4 27 2.59

高卒3年目の昨年後半、ローテーションに定着し終盤の救世主となった若手左腕。優勝争いの中好成績を残し、一気に戦力にジャンプアップ。
高校で早いうちから頭角を現し、同地区の中崎(西武)らを擁する日南学園としのぎを削った。ドラフトでヤクルトの1位指名を受けプロ入り。当初の2年は主に二軍で育成。1年目は二軍で14試合に先発し防御率6点台、唯一の一軍登板も一死も取れずとレベル差を実感する結果に。2年目もイースタン最多の四球を出すなど制球面で苦労し好結果は残せなかったが、夏場には一軍で先発を経験。
まだまだ発展途上という過去2年だったが、昨年はまず二軍で大きく成績を伸ばした。何度かの一軍登板では結果を残せなかったものの7月までに二軍で5勝をマーク。そしてオールスター直前に再昇格を果たすと、今度はしばらくリリーフでなかなかの好投。信頼を得ると、8月中旬館山が血行障害で戦列を離れたことで先発起用。ここで6回途中まで7三振を奪い無失点でプロ初勝利を挙げた。これ以降ローテーション入りすると、終盤戦はチームを救う存在に。9月から10月にかけて先発5連勝をマークし、故障・不調で不安定となった先発陣を支える大活躍。最後は連敗したものの、後半だけで6勝を挙げ一気に重要戦力に飛躍。
テイクバックが小さく前が鋭い腕の振りは少し八木(日本ハム)のいい時を連想させる。ずば抜けて速いわけではなく、球速表示は平凡ながら、横に滑るスライダーともども相手打者が非常に打ちづらそうにしている投手。課題だった制球面では四球はやはり多めも、昨年は大きな破綻は見せなかった。
勝負のかかったクライマックス・シリーズ3戦目に先発起用され勝利を呼び込むなどベンチの信頼も充分。若いながら大胆に懐を攻め込む度胸の良さがあり、今季が楽しみな存在。

秋親 (山田秋親)

元大物右腕、捲土重来型

右投右打
北嵯峨高〜立命大、IL福岡 ダイエー/ソフトバンク01ドラフト2位〜08、ロッテ10〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 1 0 0 0 0 0 2/3 1 0 0 2 0 0 1 13.50
10 ロッテ 28 0 1 0 0 2 31 1/3 31 3 29 20 6 5 17 4.88
11 ロッテ - - - - - - - - - - - - - - -
通算 10年 126 2 16 11 1 2 266 1/3 255 37 218 142 21 15 141 4.76

大学時代にアマチュアbPの評判を取った投手。一度戦力外となるもアイランド・リーグでプレーし、トライアウトを経て10年ロッテに復帰入団。
アマ時代は複数球団で争奪戦が繰り広げられた逸材で、鳴り物入りでダイエー入り。二桁勝利で新人王は確実と言われていた。しかし1年目2勝止まりと大きく期待を裏切ると、これ以降も真価を発揮できないシーズンが続いた。
力の抜けたフォームからストレートは常時140km台中盤を計時し、伸びも充分。鋭いスライダー・カーブも持ち、ボールだけを見ていたら何で勝てないのか不思議なほど。しかし制球力が不安定なのがすべてを台無しに。特に不調時には変化球で全くストライクが取れず、苦し紛れに投げる直球を狙われ痛打というパターン。2年目序盤4連勝し本領発揮かと思われたが、この欠点を見抜かれた途端に急失速。03年はリリーフに廻って台頭を狙うも、今度はスタミナ不足という欠陥をさらしてまたも春先だけで失速。
それでも04年は光を見せ、リリーフで好投。三瀬につなぐセットアッパーに定着、新たな継投の軸となり、チームを支えることに成功した。6勝は自己最多で、防御率も自己ベスト。いよいよ本領発揮かと思われたが、翌年開幕直後に故障で離脱。これ以降はまともに登板すらできなくなってしまった。ほぼ丸2年実戦登板から遠ざかり、07年久々に復帰。夏場に一軍にも登場したが、以前よりはっきり球速が落ち迫力のないマウンドだった。翌年も1度一軍登板があったが、打者5人に1安打2四球という冴えない内容。すぐに二軍に逆戻りし、シーズン後とうとう戦力外に。
それでも現役に意欲を持ち、09年はアイランド・リーグ福岡に練習参加、秋に入団してプレー。そしてトライアウトを経てのロッテ入りとなった。正直どこまでやれるか微妙と思っていたが、4月末に一軍昇格すると5月は11試合に登板とフル回転。この月2失点とかなりの好投を見せ、6年ぶりの一軍勝利も記録。6月後半までは非常に安定した状態で、この時期は欠かせない存在ともなっていた。たださすがにばてたか、6月末から5試合連続失点。シーズン17失点の内13が最後の8試合に集中し、8月頭を最後に以降は二軍暮らしに。
かつての持ち味であったスピードは戻ったとは言えないが、その分切れを武器にして丁寧に投げていた印象。前半の好調時には以前の危なっかしさが薄れていた。ただ若い頃からシーズンのスタミナには課題があり、失点が続いた時期は四球・暴投も多発と完全に息切れ。
見事復活を果たしたが終盤も一軍に戻れず、昨年は一転一度も一軍に上がれず。年齢的にも立場的にも余裕はなく、今季は再び正念場。

秋山 拓巳

高卒新星、先発型

右投左打
西条高 阪神10ドラフト4位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
10 阪神 7 1 4 3 0 0 40 1/3 33 3 23 13 0 0 15 3.35
11 阪神 2 0 0 1 0 0 7 1/3 8 1 1 7 1 0 5 6.14
通算 2年 9 1 4 4 0 0 47 2/3 41 4 24 20 1 0 20 3.78

高卒1年目から先発で活躍を見せた右腕。ローテーションの新星として脚光を浴びる存在に。
高校時代は投打の中心選手として甲子園春夏連続出場。186cmの長身に加えて肉付きもよく、恵まれた体格は全国大会でも一際目立つ存在だった。打者としての評価も高かったが、ドラフト4巡で阪神に指名されると投手としてプロ入り。
ドラフト下位の高卒新人ということで即戦力とはみなされていなかったが、二軍戦で好投続き。ほぼ先発で12試合に投げ、勝敗こそ2勝2敗と地味だったものの防御率は2点そこそこという好成績。8月後半一軍に抜擢されることとなった。プロ初登板となった先発では敗れるも、ローテーション入りして続く登板でプロ初勝利を挙げると、ここから9月にかけて4連勝をマーク。1完封を含む快投で優勝争いの終盤戦に非常に大きな戦力となった。最後は連敗で終わるも、4勝を挙げ鮮烈なデビューを果たした。
すでに一軍でも見劣りしない体格の選手で、力強い腕の振りを見せる投手。スピードは140km前後といったところだったが、予想以上に実戦的な制球力を持っていた。ただ開幕から先発もと期待された昨年はずっと二軍暮らし。二軍での成績は悪くなかったが、終盤一軍先発は四球多発し結果を残せず。ちょっと抜擢と結果を出すのが早すぎた感もあるので、まずはじっくり力をつけたいところ。

朝井 秀樹

先発右腕、移籍復調型

右投右打
PL学園高 近鉄02ドラフト1巡〜04、楽天05〜10途中、巨人10途中〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 楽天 29 1 9 11 0 1 148 165 16 122 60 7 6 72 4.38
09 楽天 13 0 0 3 0 1 28 2/3 37 4 25 17 0 3 21 6.59
10 楽天 1 0 0 0 0 0 4 1/3 7 0 2 2 0 0 4 4.15
巨人 10 0 4 1 0 0 49 1/3 39 2 35 9 0 2 11 2.01
11 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 10年 113 6 25 33 0 3 492 2/3 529 39 378 189 21 24 224 4.09

楽天移籍後急成長でローテーションに食い込んだ右腕。07,08年は主力投手として活躍。
もともとドラフト1位指名の、期待の大きかった投手。高校時代は2年時に主戦として甲子園出場。それほど上背がないながら投打に素質を見せ、一部では「桑田二世」とも呼ばれた。ドラフト時には「打者としての素質も捨てがたい」と言われた存在。近鉄時代の3年間は育成中心で過ごし、分配ドラフトで楽天へ。注目度は高くなかったが、投手陣の崩壊から5月に期待込みで抜擢。すぐに訪れた先発登板で初勝利を記録し、貴重な若手の星として脚光を浴びた。
前述の通り身長はさほどではないのだが、マウンドではそれを感じさせない。見た印象では角度もあり、スピードも充分。そして持ち味は切れのいいカーブ。この球種が決まると緩急も効いて非常に打ちづらい投手となる。一方で制球はやや荒れ気味で自滅傾向も。
05年の2勝をステップに開花を期待された06年は、開幕連敗スタートで躓き6月以降二軍暮らしと大きく足踏み。しかし翌07年6月以降安定感が大きく向上し、完全にローテーション定着を果たした。四球率が前年から半分に減る制球力の向上で、チームでは田中に次ぐ勝利を挙げ、防御率も3点台前半。08年も引き続きローテーション定着で自己最多の9勝。ただこの年は5月までに5勝と序盤は良かったものの、夏場にまたムラッ気が強くなり、後半防御率が落ち込んで物足りないシーズンに終わった。
この不調は翌年さらに悪化し、09年は序盤KOの初登板を含め、3度の先発はすべて5回持たずに降板。リリーフでも結果を残せず二軍落ちを繰り返し、1勝も出来ないまま終わってしまった。これで信用を失ったか10年は二軍スタート。7月ようやく先発機会を得るも、5回持たずにKOされ再び二軍に。
この後シーズン途中に巨人へトレード。すると環境変わって復調してきた。8月に一軍昇格すると移籍初登板の先発で7回無失点の好投を見せ、2年ぶりの勝利。ローテーション入りとなり、3連勝を含む4勝をマーク。先発陣に不安を抱えるチームにとって大きな戦力となった。特にリリーフを含めた最後の5試合は18イニング連続無失点と大安定。
自身にとっても大きな移籍となったが、これが続かず昨年は一転登板機会なし。不足気味の先発陣の助けにならなかった。一軍登板がなかったのは新人年の近鉄時代以来9年ぶり。
特に故障もないのに二軍から抜け出せなかったのは、統一球に対応し切れなかったからという話も。二軍成績では四球が多くなっており、得意のカーブが制御できなかったかもしれない。先発入りのチャンスはまだ充分にあるので、今季は何とか復調したいところ。

浅尾 拓也

セットアッパー、鉄壁型

右投右打 最優秀中継ぎ(10,11)、ゴールデングラブ(11)、MVP(11)
常滑北高〜日本福祉大 中日07ドラフト(大・社)3巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 中日 44 0 3 1 1 12 50 1/3 43 0 35 9 3 0 10 1.79
09 中日 67 0 7 9 6 33 113 1/3 108 6 96 24 6 4 44 3.49
10 中日 72 0 12 3 1 47 80 1/3 60 4 75 10 1 3 15 1.68
11 中日 79 0 7 2 10 45 87 1/3 57 0 100 15 2 1 4 0.41
通算 5年 281 0 33 16 18 138 382 1/3 319 15 346 78 12 10 93 2.19

今や完全に中日リリーフ陣の中心となった速球右腕。10年シーズン最多ホールド記録を樹立し、チームの継投に欠かせない存在として君臨。
高校も大学も地元愛知の出身。決してメジャーではない日本福祉大を所属リーグ一部に導き、同大学初のプロ選手となった。投手としてのキャリアが浅いため素材を買われた印象だったが、開幕直後に一軍昇格。予想よりも早いデビューを果たし、初勝利も記録。5月以降は先発に廻って3勝、前半戦で4勝の活躍を見せた。夏場に故障などで後半はほとんど登板機会がなかったが、上々のデビュー。
コンパクトな投球フォームで、テイクバックが非常に小さく素早いのが特徴的。腕の使い方は元巨人の上原と似た印象。打者が間を取りづらく、そこから繰り出す150km超の速球とフォークのコンビネーションは非常に攻略が難しい。
2年目の08年は6月に昇格すると快投を見せ、岡本移籍、平井不振などで手薄になった右のリリーフ筆頭格となった。疲労からか8月に打ち込まれたが、終盤は持ち直して3勝。40試合以上の登板で被本塁打0とリリーフの新星に。先発に戻った翌09年序盤はパッとしない状態が続いたが、リリーフに戻ると安定。セットアッパーとして定着しチームトップの登板数、リーグ3位のホールドを記録。一時的に乱れるところも見せたが、終盤には5セーブを挙げる活躍も見せた。
防御率が先発とリリーフで2点も違った結果を受けて、10年はリリーフに専念。開幕からフル回転の活躍でチームを支えた。特に序盤4,5月は27試合に投げてわずか3失点。中盤の6,7月は少し失点が増えたが、夏以降は立ち直り安定。9月以降は4勝を記録し、リリーフのみで自身初の二桁12勝をマーク。チームトップの72試合登板、そしてシーズン最多記録となる47ホールドを稼ぎ、優勝の大きな原動力となった。
前年残した課題を完全にクリアし、もう不動の存在に。昨年も引き続き、というよりも前年以上の投球を見せ、投手陣を支える活躍を続けた。特に圧巻は後半で、8月頭を最後に以降シーズン終了まで33試合自責点なし。その間4勝5セーブ22ホールドを挙げ、チームの逆転優勝に絶大な貢献を果たした。2年続けてリーグトップのホールドを挙げ、さらにセットアッパーに留まらず抑え役もこなす機会が多く、自身初の10セーブ。79試合登板もリーグトップの数字。
87イニングで自責点わずかに4、被本塁打0、100奪三振と圧倒的な数字が並ぶ。球速充分で制球も良く、安心感の非常に高い存在。今季も鉄壁のセットアッパー、状況次第ではクローザーという可能性も高い。

朝倉 健太

先発右腕、隔年型

右投右打
東邦高 中日00ドラフト1位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 中日 12 1 3 4 0 2 56 1/3 67 5 30 20 1 2 21 3.36
09 中日 24 0 10 8 0 0 151 1/3 159 14 83 45 9 7 68 4.04
10 中日 9 0 3 6 0 0 41 1/3 56 8 31 13 2 0 26 5.66
11 中日 2 0 0 1 0 0 7 10 2 4 4 0 0 7 9.00
通算 12年 192 16 61 63 0 2 1030 2/3 1144 85 675 346 30 43 442 3.86

二桁勝利4度記録の先発型右腕。高校時代には岡本(元阪神)との二枚看板で甲子園でも活躍しドラフト1位指名でプロ入り。
「将来のエース」という球団の期待は非常に高く、入団1年目から一軍登板を経験。制球の粗っぽさでなかなか勝てなかったが、3年目の02年に開花。野口が離脱して手薄になった先発陣に割って入り、初勝利はおろか一気に二桁勝利を記録。11敗は喫したものの、200イニングで防御率は2点台と安定し、次世代のエース誕生と大いに期待された。走者なしの場面でもクィックで投げ込む「すり足投法」も話題を呼んだ。
しかし、翌年肘を故障してから、ちょっと足踏み。03年は前年の疲労からか滅多打ちが続き、再調整で二軍落ちするとまもなく故障発覚。ほぼ一年を棒に振る重症で、これは大きな痛手となった。04年に戦列復帰したものの、登板数少なめで3勝。復活を期待された05年ももうひとつで、輝きを取り戻すまでには至らず。
パッとしない状態が続いていたが、復帰3年目となった06年は一気に素質開花。当初はリリーフも5月からローテーション復帰。常に2点台の防御率を維持する安定感で4年ぶりの二桁勝利は自己最多の13勝。エース川上に次ぐ存在として大きく飛躍を遂げた。翌07年も主力投手としての立場は揺るがず、7,8月の夏場に7勝を稼ぐ活躍で2年連続の二桁勝利。シュートを習得したことで投球の幅が広がり、安定感を発揮できるようになった。
かつては150km球の速球とフォークを武器としていたが、この辺りから若干スピードを落とした代わりに幅広く攻めるタイプに。ここまでは打たれだすと止まらない傾向があったが、そういう面が薄れてきた。
ただ故障が比較的多い投手で、継続的に活躍というのがなかなか出来ない。08年は故障で後半を棒に振り3勝止まり。翌09年は復活を果たし、開幕からローテーションを守ってシーズン完走で10勝達成。しかし10年はまた順調さを欠いた。腰痛で開幕に出遅れ、4月後半に昇格してローテーション入りも、非常に出入りの激しい投球でピリッとせず。3勝目を挙げたあといずれも5回持たずに3連敗を喫し、7月中旬に二軍落ちして以降再昇格なし。このところの隔年傾向をはっきり見せたシーズンに終わった。
順番でいけば復調という昨年だったが、今度はさらなる落ち込み。開幕4戦目に5失点KOされるとしばらく二軍生活が続き、7月再昇格も冴えない投球で4回持たず降板。これ以降登板機会はなく、10年ぶりに1勝も出来ないまま終わってしまった。ほぼ忘れられたようなシーズンに。
ここ2年の登板は印象がかなり悪く、二桁勝った面影はすっかりかすんでしまっている。二軍では7勝を挙げたものの、8月以降こちらでも登板がなく、状態がはっきりしないところ。まだ30歳ということで、何とかこのところのトンネルを抜け出したいところ。

阿斗里 (大田 阿斗里)

長身右腕、臥薪嘗胆型

右投右打
帝京高 横浜08ドラフト(高)3巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 横浜 5 0 0 2 0 0 12 1/3 17 2 9 2 3 0 11 8.03
09 横浜 1 0 0 0 0 0 2 2 0 1 2 0 1 1 4.50
10 横浜 16 0 0 7 0 0 47 56 10 28 16 4 0 34 6.51
11 横浜 3 0 0 1 0 0 6 1/3 4 0 1 2 0 0 2 2.84
通算 4年 25 0 0 10 0 0 67 2/3 79 12 39 22 7 1 48 6.38

190cmの長身から投げ下ろす若手右腕。高卒1年目から一軍に登板、結果は出ていないものの将来の主力を期待される存在。登録名は「阿斗里」。
かなり早い段階から名前の知られていた存在で、高校時代は3季連続甲子園出場。センバツでは1試合20奪三振の快投を見せた。最後の夏は不調でエースの地位になかったが、高校ドラフト3巡で指名され横浜入り。
最速151kmのスピードを持つ本格派投手で、プロ入りすると1年目から一軍登板を経験。5試合で2敗と苦い結果に終わったが、先発マウンドにも立った。プロ入り以来二軍ではほとんど先発登板。2年目は1試合の一軍に終わったものの、3年目の10年は登板数が大きく増えた。6月に一時昇格の後、8月に再昇格し、中旬から7連続先発。
ただそこまでのリリーフでも結果は出せておらず、この先発はチーム低迷による前倒し起用という印象。そして7度の先発はすべて敗戦投手になり7連敗。入団以来9連敗という非常に苦い結果を味わうこととなった。球速、投球スタイルの割に三振が取れず、被本塁打が多いと、まだまだ一軍では子ども扱い。
昨年は序盤リリーフで3試合投げたが、3度目の登板で敗戦投手となり、プロ入り以来の連敗が10に伸びてしまった。以降は一軍登板なく、やや停滞の感も。なかなか壁を突破できないが、5年目となる今季はそろそろステップアップしたいところ。

阿南 徹

リリーフ左腕、技巧派型

左投左右打
柏原高〜城西大〜日通 オリックス10ドラフト5位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
10 オリックス 17 0 0 0 0 2 14 2/3 23 2 10 9 2 1 17 10.43
11 オリックス 5 0 0 0 0 0 9 8 1 8 1 0 1 4 4.00
通算 2年 22 0 0 0 0 2 23 2/3 31 3 18 10 2 2 21 7.99

社会人からプロ入りの左腕投手。左投手が4人指名された09年のドラフトで5位指名されオリックス入り。
大学から成長してきた選手で、先発もリリーフも可能という触れ込み。リリーフの即戦力を期待され、1年目から開幕一軍入りを果たした。すらっとしたスリムな体型から、スライダーを軸に多彩な変化球で攻める技巧派タイプ。
ただ登板機会は多かったものの、四球が多くもうひとつパッとしない投球内容が続いた。5月に一時二軍落ちの後6月に再昇格したが、史上3人目となる1イニング2本の満塁本塁打被弾を喫して二軍落ち。以降は昇格できずに終わった。
17試合14イニングで11の四死球は多すぎる数字で、満塁弾も1本目は四死球で走者をためてのもの。昨年は登板機会がガクッと減り、前半3、終盤2の5試合のみ。前年ほどの派手な炎上はなかったものの、2試合で失点しいい印象は残せなかった。
二軍では41試合で1点未満の防御率と圧倒的な好成績を残したが、一方で失点と自責点の差が大きく5敗を喫するなど、どうも脆い面がうかがえる。あまりもたついている猶予はなく、向こう1〜2年が勝負どころ。

阿部 健太

移籍浮上、ジリ貧型

右投左打
松山商高 近鉄03ドラフト4巡〜04、オリックス05〜07、阪神08〜11、ヤクルト12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 阪神 32 0 0 1 0 1 51 2/3 37 8 34 9 4 0 17 2.96
09 阪神 19 0 0 1 0 0 33 39 2 24 13 1 1 12 3.27
10 阪神 - - - - - - - - - - - - - - -
11 阪神 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 9年 66 1 2 3 0 1 126 1/3 122 20 95 31 7 2 50 3.56

08年阪神移籍で大きく台頭してきた右腕。近鉄入団時から期待を受けながら長らく伸び悩んでいたが、一気に前進してきた。
高校時代甲子園ベスト4の実績を持ち、ドラフトで近鉄入り。高卒1年目ながらいきなり一軍で2勝、先発勝利を記録。当時岩隈そっくりのフォームだったため「岩隈2世」の異名も。同じ年に一軍デビューした同僚に朝井(巨人)、近藤(オリックス)がおり、一歩先んじていた宮本(元オリックス)らとともに将来の中軸投手として大いに期待された。
しかしここから長く苦しむこととなる。翌年フォームを崩してしまい試行錯誤の日々。球団合併でオリックス入りも二軍でもパッとせず、一軍登板機会は数えるほど。07年は一軍に上がれず、オフに阪神へのトレードが決定。
しかしこれが大きな転機となった。オープン戦無失点でアピールし、初の開幕一軍入り。公式戦でもなかなかの好投を見せ、6年目でついに一軍戦力に食い込むことに成功した。特に7月は状態が良く、完全に一軍定着に成功。
球速も充分な好投手。久保コーチは近鉄入団時のコーチでもあり、阪神入団時から獲得を熱望していたと言われている。ただせっかく活躍しながら以降ジリ貧。09年登板数が半減し、3度の先発機会も勝ちには至らず。チャンスも大幅に減り、二軍でも平凡な成績の10年は移籍後初めて一軍登板なしに終わった。
昨年も引き続き二軍暮らしが続き、すっかり忘れられたような形に。2年続けて一軍登板なく終わり、シーズン後戦力外通告。トライアウトを経て今季はヤクルトへ。08年の一時的な活躍で終わりたくないところだが。

新垣 渚

大型右腕、長期低迷型

右投右打 最多奪三振(04)
沖縄水産高〜九州共立大 ダイエー/ソフトバンク03自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 15 0 4 6 0 0 92 2/3 89 7 105 39 6 15 43 4.18
09 ソフトバンク 4 0 0 2 0 0 19 1/3 31 5 15 10 1 3 17 7.91
10 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
11 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
通算 9年 128 27 53 44 0 0 855 809 66 842 303 44 73 352 3.71

エース級の実績を残しながら、近年低迷が続く先発型右腕。3年連続二桁勝利の実績が嘘のように落ち込み、すっかり存在感も失ってしまっている。
甲子園での速球で松坂とともに話題をさらい、その年のドラフトでオリックスに1位指名されたが拒否。大学を経てダイエー入り。完成度の面で不安視する向きもあったが、1年目開幕からローテーション入りし8勝。序盤こそ不安定な面も見せたが徐々に解消し、3試合連続二桁奪三振という記録も残した。2年目は開幕直後なかなか乗れなかったが、気温の上昇とともに調子を上げ、前年果たせなかった二桁勝利も達成。チームの勝ち頭となり、最多奪三振のタイトルにも輝いた。
189cmの長身から投げ下ろす速球は常時150km前後、そして非常に変化の大きいスライダーを武器とした。球種はほぼこの2つだけだったが、スライダーは魔球と形容できるほどの落差と変化量を誇り、絶対の決め球として高い奪三振率をマーク。
05年10勝、翌年は球種を増やして自己最多の13勝、3年連続二桁勝利でここまでは完全に安定戦力。同年齢の杉内・和田とともに主力投手として君臨。ところが07年から急激に雲行きが怪しくなった。不安定な投球が続き、防御率こそ3点台だが10勝には届かず初の二桁敗戦。勝敗もさることながら、あまりにも多すぎる暴投で話題となってしまった。7月に早々とシーズンワースト記録を更新、最終的に25暴投という不名誉な記録を樹立。もともと多い投手ではあったが、1年で過去3年分の数字は異常であり、あまりに規格外のものだった。
そしてこれ以降はっきりと輝きを失い急失速。08年は6月に至っても未勝利と前年以上の不振。8月中旬にようやく復帰してからは4勝、立ち直りの兆しは見せたが、1試合5、1イニング3暴投のワーストタイ記録を残し2年連続の暴投王。そして翌09年は体調不良から出遅れ、4月中に昇格するも4度の登板すべて崩れて5月前半に早くも二軍落ち。以降ずっと二軍で過ごし、プロ生活で初めて1勝も出来ないまま終わってしまった。肩のリハビリからスタートした翌年はとうとう一度も一軍登板できず。二軍レベルでも良かったり悪かったりの内容で、本来格上のはずの存在感は全くなかった。復活を期した昨年も一度も一軍に上がれず、2年続けてシーズン通して二軍暮らし。かつての面影は完全に消えてしまった。
07年開幕前にシュート習得に挑み失敗。これ以降暴投が急増し、すべてが狂ってしまった。近年はフォームの崩れも目立ち、角度を失って速球も軽々弾き返されるように。昨年は代名詞とも言えるスライダーを封印し、投球スタイルを変えて挑んだが、ファーム6勝はいいものの暴投10はリーグ最多と相変わらずの状態。試行錯誤が続くが、どうも方向性が狂っているような気もする。果たして復活できるか否か、今季はそろそろ結果を残せないと厳しい。

有銘 兼久

力投型左腕、馬力型

左投左打
浦添商高〜大仙〜九州三菱自動車 近鉄02ドラフト3巡〜04、楽天05〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 楽天 66 0 2 2 2 17 44 33 2 45 17 3 1 10 2.05
09 楽天 54 0 0 2 3 20 43 2/3 33 3 42 27 8 1 25 5.15
10 楽天 13 0 0 0 0 4 8 7 0 12 3 1 1 3 3.34
11 楽天 18 0 1 0 1 2 13 1/3 11 0 9 6 0 0 2 1.35
通算 10年 302 6 9 34 6 57 465 1/3 476 44 394 198 32 10 234 4.53

体全体を使ったダイナミックなフォームで投げ込むリリーフ左腕。細かい技術とは無縁だが、ボールの勢いには目を見張るものがある。
社会人からドラフト3位で近鉄に入団。即戦力のリリーフとして期待されたが、1年目は登板なし。2年目から一軍に顔を出すようになった。リリーフが中心の起用だったが、しかし内容はさっぱり。勢いはあっても制球がかなりアバウト。04年はイニングを上回る四死球を与えた。また抜け球も非常に多く、当初は被弾も多かった。
ここまでは雑なリリーフ要員という印象だったが、分配ドラフトで楽天移籍の05年一変した。前半こそ相変わらずリリーフで不安定だったが、7月に先発に廻るとかなりの好投を見せ、プロ初勝利をチーム初完封で記録。以降は左の中心投手として、特に夏場はチームで一番の安定感を見せた。3勝10敗と大きく負け越したものの、4完投とタフネスぶりを発揮。
しかし翌年は停滞。飛躍を期待されたが、序盤さっぱりで一軍と二軍を行ったり来たり。初勝利は7月に入ってからで、シーズン2勝止まり。07年も先発機会があったが1勝5敗と大きく負け越し、これ以降はリリーフでの起用が中心となった。
深く沈み込んで体ごとぶつかっていくようなフォームは迫力充分。スライダーの切れにも鋭さがある。いい時には打ちづらい上にいつまででも投げられる無尽蔵のスタミナの持ち主だが、悪い時は制球が乱れて自滅傾向。投げてみなければ状態のわからない難しい投手で、万全の信頼を得るまでには至らなかった。
完全にリリーフに専念した08年は快調。開幕から重要なリリーフ左腕として活躍し、安定感も大きく向上。特に後半の投球は特筆もので、8月前半からシーズン終了まで22試合連続無失点の快投を見せた。チームトップの登板数にホールドを記録し、左打者を1割台に封じる見事な仕事を見せた。翌年も貴重なセットアッパーとして前半快投。ただ前半とは一変後半は不安定な投球が続き、7月以降の防御率が9点台。自責点の8割近くが後半のもので、シーズン成績も急落してしまった。眼の覚めるような投球をしたかと思えば、ストライクを取るのに四苦八苦という極端さがぶり返してしまった。
それでも主力の一角に定着していたここまでだが、10年は故障に泣くことに。開幕から無失点で来ていた5月頭に登録抹消。8月に復帰したが、4試合で3失点と状態は戻りきらず終盤は二軍調整。移籍後はもちろん、プロ2年目以降では最少の登板数に終わった。これで大きく後退し、昨年は二軍スタート。交流戦から一軍昇格し、登板数は前年より増加。2年ぶりのセーブ、3年ぶりの勝利を記録したものの、ショートリリーフとしては信頼を掴めず。8月後半に二軍落ちすると以降一軍に戻れずに終わった。
前年左打者に滅法強かった投手だが、昨年は一転して11安打中8本を左打者に打たれた。四球も多く、ワンポイントとしては成績ほどのいい働きが出来なかった。左腕リリーフの地位をすっかり片山に奪われた格好だが、使い勝手の良さと勢いで何とか盛り返したい。

ジョナサン・アルバラデホ

抑え候補、巨漢型

右投右打
巨人11〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 巨人 46 0 2 2 2 6 51 1/3 43 2 44 19 5 0 14 2.46
通算 1年

クルーンに替わる新たなクローザー候補として獲得された外国人投手。09年にリリーフでメジャー5勝、10年は3Aで43セーブを挙げ、リーグのセーブシーズン記録を樹立した実績を持つ。
長身に横幅もある非常に大きな投手で、140台後半から150kmを越えてくるスピードの持ち主という触れ込み。実績も充分なことから新守護神と見込まれたが、開幕前は制球難などを露呈してやや評価を落とし、開幕は中継ぎでスタート。それでも徐々に調子を上げてきて、4度目の登板で来日初勝利、4月末から15試合連続無失点を続け、その間2セーブを記録した。
平均して140km台後半のスピード以上に、投球の大きな武器が鋭く曲がるカーブ。タイミングを外すスローカーブ系とはやや違い、手元で大きく落ちて空振りを奪う球質。力強い投球で戦力となっていたが、6月半ばに久々の失点で敗戦投手となると翌日には逆転弾を喫してセーブ失敗。4試合連続失点と乱調に陥り、急激に信用を落とした。夏場に二軍調整をはさんだ後も安定感には欠け、後半はビハインドでの起用が中心。計46試合に登板したが、抑えの期待には応えられずに終わった。
不安視されていた四球の多さも顔を出す場面があったが、それ以上に一度躓いて以降の落差が大きすぎるのが問題。オールスター前の登板10試合で被安打19は多すぎで、その直前とはまるで別人の内容。スピードがやや落ちて打たれだした辺りから奪三振も減少。戦力になったとは言いがたく、1年限りが濃厚か。

安藤 優也

元中心投手、不振急落型

右投右打
大分雄城台高〜法大〜トヨタ自動車 阪神02自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 阪神 25 2 13 9 0 0 154 2/3 158 8 111 41 8 2 55 3.20
09 阪神 28 2 8 12 0 0 164 180 18 97 51 6 5 71 3.90
10 阪神 19 0 2 3 0 0 52 78 9 31 14 0 4 42 7.27
11 阪神 1 0 0 0 0 0 1 2/3 5 0 1 2 0 0 3 16.20
通算 10年 261 9 59 50 10 4 861 1/3 880 80 651 239 33 26 350 3.66

3度の二桁勝利で阪神先発陣の中心を務めていた投手。安定感の高い投球を見せていたが、ここ2年大不振。
社会人bPの評判で、ドラフト前には争奪戦も噂された。開幕前から高い注目を集めていたが、1年目は前評判ほどのスケールは感じられず、まとまっているがあまり面白みはないといった印象。成績もいまいちに終わった。しかし翌年、初めからリリーフに固定されることで大飛躍。前年は印象に残らなかった球威がぐんと増し、鉄壁のセットアッパーに君臨した。状況によってはそのままストッパーに廻ることもしばしばで、1点台の防御率とリーグ随一の安定感。優勝へも多大な貢献を果たした。
安定感のある体型で、速球の威力は充分。入団当初は変にまとまりすぎていたが、リリーフを経験して魅力が倍加した。外角にビシッと決める制球力も持ち、総じて破綻のない好投手で、バランスの良さを感じさせる。
04年はいまいち不調の上、役割もはっきりせず波に乗れなかったが、05年は先発転向で成功。これまでは時折非常に不安定になることもあったが、それも影を潜めた。二段気味だったフォームをシーズン中に修正、8月以降連勝を重ねて初の二桁勝利に到達。これ以降は先発に専念となり、前半不振でファーム落ちもした06年も、9月以降先発6連勝を記録して2年連続の二桁勝利。1ヶ月あまりで防御率を1点も良化させる快投を見せた。
07年は開幕前に肩を痛め、シーズンの大半を棒に振ってしまったが、開幕投手となった08年は復活。5月までに6勝を稼ぎ、先発の軸に復権。また故障で一時戦列を離れたが、復帰後さらに勝ち星を重ね、3度目の二桁勝利、自己最多の13勝をマーク。チームの勝ち頭であり、改めてエースとしての存在感を示した。
だが2年連続開幕投手となった09年は前半から勝ったり負けたりという内容が続き、3位争いが激しくなった終盤にはさらに大不調。4連敗でシーズンを終え、二桁勝利に届かず自身初の二桁敗戦。かなり物足りないシーズンに終わった。そして翌年はさらに大幅な状態悪化。3年連続となった開幕登板では勝ったものの、以降は不安定な内容が続き、しばらく二軍落ちするなど不振続き。後半にはリリーフに廻るもいいところは見せられず、シーズンわずか2勝止まり、ほとんど戦力になれず大誤算のシーズンに終わった。
ここまでのキャリアで防御率4点台さえ1度だけという投手が7点台。前年オフに強行した減量が裏目に出たと言われ、低迷は昨年も抜け出せなかった。二軍スタートし、6月昇格して先発するも打者12人に5安打2四球を許す散々な内容で2回持たずKO。これ以降はずっと二軍で過ごし、自己最少の1登板のみ、そして初めて1勝も出来ずに終わった。
ここ2年の印象は非常に悪く、存在感もほとんどなくなってしまった。若いとは言えない年齢で、これ以上不振が続けば立場が危うい。今季はなんとしても復調し一軍に戻らないと。