西 勇輝

若手先発、急上昇型

右投右打
菰野高 オリックス09ドラフト3位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
09 オリックス 3 0 0 0 0 0 4 0 0 2 1 0 0 0 0.00
10 オリックス 18 0 0 0 0 1 31 2/3 21 3 31 14 1 0 12 3.41
11 オリックス 25 1 10 7 1 0 130 2/3 109 8 106 26 16 1 44 3.03
通算 3年 46 1 10 7 1 1 166 1/3 130 11 139 41 17 1 56 3.03

3年目の昨年大躍進で二桁勝利達成の若手右腕。プロ入り以来順調な成長で主力の一角に。
高校時代は3年時に夏の甲子園出場、ドラフト3位指名でオリックス入りした。即戦力という評価ではなかったものの、二軍でなかなかの投球を見せて1年目から一軍を経験。3試合4イニングをノーヒットに抑える好投。2年目の10年は春先連続失点で前半は二軍中心だったものの、後半になると登板機会が増加。リリーフ中心で投げ、8月半ばには先発も経験。4回までノーヒットに抑えながらも崩れて初勝利は逃したが、活きの良さを印象付けた。
140km台前半の速球にスライダー・フォークを織り交ぜるオーソドックスなタイプ。ずば抜けたスピードではないものの、切れが良く奪三振率は高い。制球もなかなか安定しており、若いながらもバランスの取れた好投手。
期待の高まった今季は開幕6戦目に先発。そこで待望のプロ初勝利を挙げると、開幕4連勝をマーク。金子千が出遅れ、チームが非常に苦しい時期を支える活躍で一躍注目された。段々調子を落として負けが込み、体調を崩して抹消という時期もあったが、8月に初完投勝利を挙げるとそこから再び4連勝。最終的に二桁10勝到達し、チームの投手陣で最大の成長株として大きく存在感を高めた。
リーグ最多の16死球が示すように臆せず内角を攻め込む投球が目立った。一歩間違えれば危険球という危うさと紙一重だったものの、強気の投球で成功。リリーフ7試合の内容は5試合で失点とあまり良くなかったが、3イニング投げてプロ初セーブも記録。金子・寺原に次ぐ存在として今季も期待大。

西口 文也

ベテラン復活、先発型

右投右打 MVP(97)、沢村賞(97)、最多勝(97,98)、最優秀勝率(97)、最多奪三振(97,98)、ベストナイン(97,98)、Gグラブ(97,98,02)
県和歌山商高〜立正大 西武95ドラフト3位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 西武 22 0 8 6 0 0 116 1/3 125 18 92 48 4 5 65 5.03
09 西武 25 0 4 4 0 3 93 1/3 110 14 60 38 4 3 53 5.11
10 西武 13 0 3 2 0 0 57 1/3 65 8 43 27 2 0 35 5.49
11 西武 22 2 11 7 0 0 140 104 5 104 41 8 2 40 2.57
通算 17年 408 54 177 113 6 3 2420 1/3 2228 280 2016 859 77 42 993 3.69

長年先発の中心として活躍し、入団から11年連続勝ち越しという実績を誇るベテラン投手。近年やや衰えを見せていたが、昨年見事に復調。
大学からドラフト3位で西武入り。1年目はアメリカへ野球留学した関係で9試合の登板に留まったものの、完封を含む2勝をマーク。そして2年目の96年に大飛躍を遂げた。先発の一角に食い込んだばかりか、リーグトップの13完投、一気に16勝の大活躍。これ以降完全に中心投手となり、97,98年と連続最多勝。02年まで7年連続二桁勝利を記録。99年松坂が加わってからは、少しその陰に隠れた面もあったが、チーム投手陣を代表する存在として君臨。
体全体をダイナミックに使う、躍動感あふれるフォームが特徴的で、最大の武器は鋭く大きく曲がるスライダー。このボールの制球が良く、右打者のアウトコースからボールゾーンへ逃げていく、カットすることも難しい球。スピードもあり、97,98年と奪三振リーグトップ。また痩身ながらスタミナも充分で、98〜00年は3年連続リーグトップの完封をマーク。
03年故障に苦しみ、防御率6点台と低迷。連続二桁勝利も止まり6勝に終わったが、翌04年には復活し、前半だけで8勝を挙げる活躍で二桁勝利復帰。さらに翌05年は自身最高と言えるシーズンになった。交流戦で6勝を稼ぎ、7月には早くも10勝到達。タイトルには届かなかったが、自己最多の17勝を挙げる圧巻の投球を見せた。規定投球回に達しての防御率2点台は意外にもこれが初めて。交流戦であと一人のところからノーヒットノーランを逃し、8月末には9回をパーフェクトに抑えながら延長突入でヒットを打たれと、1年で2度も大記録を逃したことが話題にもなった。
ただこの活躍をピークに、以降は成績が下降し始めた。06年は手痛い被弾が多く9勝止まり。松坂が抜けた07年は4月末までに5勝を挙げる猛ダッシュも、ここから4連敗と躓き、以降も安定感が戻らず。2年続けて9勝、それ以上に13年目にして初めて負け越しを喫してしまった。4点台に落ちた防御率は翌年さらに悪化し5点台に突入。この年は勝ち越したものの8勝止まりで規定投球回にも届かず。落ち込みは止まらず、09年は一時先発から脱落。4ヶ月も勝ちから遠ざかり、最終的に4勝。10年は前半1勝のみで再三二軍調整。後半は2勝上乗せしたものの、登板数は半減で存在感も希薄に。
球威の衰えも目立ち、長期続く下降状態にいよいよ限界という印象もあったが、昨年大きく巻き返し。改めて先発入りも前半は依然不安定な状態で、オールスター時点では負け越し。しかし7月末から一気に調子を上げ、9月半ばにかけて6連勝をマーク。この間5年ぶりの完投・6年ぶりの完封も記録。前半最下位に沈んだチームが後半巻き返す大きな原動力となった。8月以降で7勝を挙げ、この間の防御率はほぼ2点ジャスト。シーズン11勝は6年ぶり10度目の二桁勝利達成で、さらにチーム唯一の10勝到達。久々に存在感を見せ付けるシーズンとなった。
ここ数年とは別人のような活躍。もちろん全盛期には及ばないものの、ある程度球速が戻り、らしい投球が出来たのが大きい。オリックスに5戦4勝とCS争いの当面の相手に強かったのも印象深い。今季中に40歳となるが、この復活で先発の重要な戦力。この状態を維持したい。

西村 憲

2年目台頭、リリーフ型

右投右打
福岡工大城東高〜九産大 阪神09ドラフト4位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
09 阪神 6 0 0 0 0 0 8 7 1 8 3 1 0 5 5.63
10 阪神 65 0 7 3 0 14 71 2/3 72 11 71 13 3 1 31 3.89
11 阪神 21 0 1 0 0 1 26 1/3 17 0 21 4 1 1 5 1.71
通算 3年 92 0 8 3 0 15 106 96 12 100 20 5 2 41 3.48

2年目の10年リリーフの中心格に急台頭の投手。顔ぶれの替わったリリーフ陣に食い込み、一気に主力の活躍を見せた。
高校時代は名の通った存在ではなかったが、大学では1年時から主戦としてフル回転。ドラフト4位で阪神に指名されプロ入りとなった。1年目は主に二軍暮らしも一軍登板も経験。二軍ではチーム最多の36試合に登板し、2点そこそこの防御率で4勝9セーブという好成績を残した。そして2年目開幕一軍入りを果たすと、開幕2戦目のリリーフでプロ初勝利をマーク。ここから急台頭が始まった。4月末までに12試合に投げ失点わずかに1。一気に主力リリーフの一員に。
140km台後半の速球を中心に攻める投手で、三振を奪えるリリーフ向きの投球。またそれ以上に四球の少なさは特徴的で、完成度の高い投手という印象。5,6月は捉まるケースも出て失点が少し増えたが、7月に入るとまた立て直しフル回転を続けた。最終的に65試合に登板し7勝をマーク、接戦に欠かせない存在として急成長。
さすがにばてたのか8月以降は急激に投球内容が悪化。7月末に2点台前半だった防御率は2ヶ月で3点台後半まで落ち込んだ。今季も疲労が抜けず、前半は2登板のみとほぼ二軍。後半ようやく調子を戻し、8月以降は18試合で失点は1度だけ。登板数は激減したが、力のあるところは見せた。
やはり10年の消耗は激しかったと言わざるを得ないが、それほど時間をかけずに立て直してきたのは光明。今季は改めて主力リリーフとしての働きを期待される。

西村 健太朗

先発転向、シュート投手型

右投右打
広陵高 巨人04ドラフト2巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 43 0 6 2 0 12 45 41 0 26 16 3 4 15 3.00
09 巨人 11 0 2 0 0 0 12 2/3 15 1 10 5 1 1 7 4.97
10 巨人 14 0 4 5 0 0 73 2/3 85 10 38 18 6 2 37 4.52
11 巨人 37 1 7 5 0 4 123 1/3 100 7 91 39 6 4 25 1.82
通算 8年 208 1 27 23 1 27 481 489 44 302 160 29 18 196 3.67

150kmに届く速球と、ほとんど変わらないスピードのシュートを得意とする右腕。一時リリーフで主力となったが、ここ2年は先発候補の一角に。
センバツ優勝投手の実績を引っさげ、ドラフト2位でプロ入り。時間をかけて育成かと思われたが、抜擢は予想以上に早く、1年目7月には早くも一軍先発を経験。2年目は夏場以降に昇格し7度の先発、2勝を挙げた。そして06年は開幕二軍スタートも4月末に昇格。しばらくはリリーフだったが、チームが不振に陥る中徐々に先発機会も増え、14回の先発を含む31試合に登板。一気に登板数が増え、3年目にして一軍定着を果たした。
スピードはチーム内でも上位の存在ながら空振りを奪う球質ではなく、奪三振率は低め。球威で押し込み、得意のシュートとスライダーで揺さぶって打たせて取るタイプ。
当初は先発を視野に入れていたが、07年はほぼリリーフに専念し一気に登板数が増えた。8月にリーグタイ記録となる月間17試合登板をこなし、終盤ばてて防御率は4点台も、通年でもチームトップの57試合登板。翌年も前半はフル回転し、5月には月間4勝、6月にかけて抜群の安定感を発揮。
しかし肩の不調から離脱し、後半は7試合の登板のみ。前半で燃え尽きたような形で終わると、翌09年も故障に泣いた。シーズン途中に肘を痛め、手術に踏み切り後半は実戦登板なし。ほぼシーズンを棒に振り、登板数は11に激減。
2年連続の故障とチーム事情から、10年は先発に転向。開幕からローテーション入りし、5月末までに4勝とスタートは良かったが、6月に入ると急失速。3連敗を喫し、早期降板が続いて二軍落ち。後半は戦力になれず尻すぼみに終わってしまった。この結果から昨年はリリーフスタート。今度は好調を持続し、好投を続けると7月から先発に。すると5連勝をマークし、後半は完全にローテーション定着を果たした。最終的に自己最多の7勝を挙げ、防御率は1点台を記録。
先発・リリーフともに好結果を残し、後半は大きな戦力となった。今季はシーズン通して先発として活躍を見せたいところ。昨年終盤4連敗と先発としてはいい状態が長続きしなかった点は克服したい。