トニー・バーネット

リリーフ転向、大変身型

右投右打
ヤクルト10〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
10 ヤクルト 16 0 4 5 0 0 79 2/3 99 9 70 41 4 2 53 5.99
11 ヤクルト 48 0 1 1 2 22 47 43 2 54 13 4 0 14 2.68
通算 2年 64 0 5 6 2 22 126 2/3 142 11 124 54 8 2 67 4.76

昨年リリーフに転向して劇的な変わり身を見せた外国人投手。一旦は戦力外の判断を下されていたが、非常に大きな戦力となった。
先発要員と見込まれて10年ヤクルト入り。入団当時26歳という年齢通り、実績は浅く、メジャー経験はなし。ただ06年のマイナーデビューから順調にステップアップしていた投手で、08年は2Aで11勝、そして09年は3Aに上がって14勝をマークした(防御率は5点台後半)。マイナー通算97試合登板の内96試合が先発。
開幕当初は非常に順調で、来日初登板は7回11奪三振の快投。連勝し、4月末まで防御率2点台と安定していたが、5月に入ると一変。立て続けにKOされるなど4月後半から4連敗を喫した。序盤が嘘のように不安定な状態となり、6月末に一時二軍落ち。
150km前後のスピードと様々な変化球を駆使し、奪三振はなかなか多い投手。ただダメな時はとことん打ち込まれ、5敗の内3試合で初回に4失点以上の炎上。早い回に試合を壊してしまうケースが目に付いた。四死球も多めで、崩れると止まらない傾向。
2度の二軍調整後、後半は多少落ち着いたものの、1勝を重ねただけで終盤はまた二軍。シーズン4勝、やっと6点を切る防御率と冴えない成績で一旦は自由契約となった。しかし獲得を目指していた投手がメディカルチェックで不合格となり、年明けてから再契約、一転残留に。すると2年目は開幕からリリーフでの起用。これが予想以上にはまった。特に6月頭から2ヶ月間、23試合連続無失点を記録し、セットアッパーの一角に定着。前半快進撃を見せたチームにとって大きな戦力となった。8月には一時離脱した林に替わって代役抑えで2セーブも。終盤手首の骨折で離脱してしまったが、22ホールドを記録し非常に存在感のあるシーズンとなった。
一時リリースされたように期待は高くなかったのだが、リリーフに廻って別人のような活躍となった。昨年はカットボールが冴え渡り、ほぼこれを軸とした投球を展開。貴重な戦力となり今度は堂々と残留。欠点は左打者に弱いことで、成績を上げた昨年も3割打たれかなりの鬼門。

朴 賛浩 (パク・チャンホ)

実績充分、技巧派型

右投右打
オリックス11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 オリックス 7 1 1 5 0 0 42 44 3 21 12 3 0 20 4.29
通算 1年

韓国人初のメジャーリーガーにして、アジア出身者最多となるメジャー通算124勝の実績を持つベテラン右腕。先発としての働き場を求め、17年のメジャー生活から昨年オリックス入り。
学生時代国際代表などで活躍し、大学2年時にドジャースと契約、中退し渡米。そのため韓国リーグでのプレー経験はない。当初2年をマイナー中心で過ごした後、96年に48試合登板し5勝、翌97年先発の一角に加わり14勝をマーク。ちょうど野茂がドジャースで活躍していた時期でもあり、同僚の主力投手として日本での知名度も一気に上昇。この97年から01年まで5年連続10勝以上で計75勝を挙げ、01年にはオールスターに選出。
この実績から高額のFA契約を結び02年レンジャーズに移籍。だがこの辺りから急激に陰りを見せるようになった。02年9勝に終わると故障もあって成績が振るわず。05年途中にパドレスに移籍し、2チームで計12勝を挙げるも防御率は5点台後半と冴えず。06年WBCではリリーフとして力を見せるも、メジャーではこれ以降さらにパッとしなくなり、07年からはチームを転々。先発することも少なくなっていった。10年は2チームに在籍してすべてリリーフで計53試合に登板。オフにオリックスと契約を結び日本球界入り。
実績は素晴らしいものだがすでに38歳の大ベテラン、ピークはとうに過ぎて02年以降はほぼずっと下り坂という状態で、どの程度働けるか期待と不安が半々といったところ。金子千の故障出遅れもあり開幕からローテーション入りし、2度目の登板で来日初勝利。しかし続く登板から4連敗を喫し、内容も冴えないもの。5月末の登板を最後に二軍落ちとなった。
かつてメジャーで活躍した頃の力強さはすでに失われており、スライダーやカットボールにムービング系のボールを駆使して打たせて取る投球スタイル。ただそれで抑えこめるほどの緻密さはなく、現状では平凡な技巧派投手という印象を一歩も出ない。二軍戦でも手酷く打ち込まれるなどし、結局6月以降一軍に姿を見せることはなかった。1年限りで退団となり、今季はプロとしては初めて母国でプレーすることに。

橋本 健太郎

長身右腕、リリーフ型

右投右打
久御山高〜東北福祉大〜日本新薬 阪神05ドラフト4巡〜08、ロッテ09〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 阪神 10 0 0 0 0 0 13 17 2 15 6 0 2 8 5.54
09 ロッテ 2 0 0 0 0 0 2 3 1 1 1 0 0 2 9.00
10 ロッテ 9 0 0 1 0 1 5 2/3 4 1 5 4 1 0 4 6.35
11 ロッテ - - - - - - - - - - - - - - -
通算 7年 120 0 6 4 1 16 138 128 16 149 67 4 16 60 3.91

プロ入り1年目から50試合の登板をこなし、即戦力となったリリーフ右腕。ただ近年は一軍登板機会がガクッと減り、二軍停滞が続いている。
社会人からドラフト下位で阪神入りすると、実戦的な能力が評価されて開幕一軍入り。シーズンでも安定した投球を続け、4月中に初勝利を記録。重要な中継ぎの一人として重用されるようになった。特に前半はかなりの頻度で起用され、6月までで33試合に登板。1点台前半の防御率と文句なしの活躍。シーズン計51試合登板と即戦力に。
191cmの長身投手で、まずまずのスピードに最大の武器は切れのいいチェンジアップ。これが非常に効果的で、空振りを奪える信頼度の高い球種。奪三振率が高く、制球もなかなか安定していた。
2年目は一転、故障に悩まされてわずか2試合の登板に終わったが、07年は再び出番増加。46試合に登板し1年目を上回る奪三振率を記録、自己最多の3勝をマークした。ただ内容はいまいちで防御率はずっと4点台。7月にようやく調子を上げてきたところで腰痛でリタイア。終盤復帰したがかなり打ち込まれてしまった。
どうも細かい故障の多い投手で、体力面は課題。08年はまた登板数が大幅に減り、ほとんど二軍暮らしに終わった。09年キャンプ終了後にロッテへトレード。しかしさらに一軍が遠のくことに。わずか2度の一軍登板はいずれも失点、二軍ではイースタンのセーブ王となるも、一軍戦力になれず。
移籍以降は二軍に落ち着いてしまった印象で、10年も下では別格の成績も一軍登板は9試合止まり。数字も冴えないものだった。昨年はプロ生活で初めて一軍登板がなく、シーズン通して二軍暮らし。
ファームでは抑え役として11セーブも、防御率3点台後半は平凡。二軍の主力に留まっていては先が見えず、年齢的に今季はかなり正念場。再浮上なるか。

橋本 義隆

両刀右腕、尻すぼみ型

右投右打
岡山学芸館高〜中大〜ホンダ 日本ハム05ドラフト3巡〜07、ヤクルト08〜11、楽天12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ヤクルト - - - - - - - - - - - - - - -
09 ヤクルト 13 0 0 0 0 0 20 12 3 12 6 0 0 3 1.35
10 ヤクルト 18 0 1 0 0 0 19 30 2 14 6 1 0 12 5.68
11 ヤクルト 17 0 0 1 0 2 18 2/3 26 2 17 4 0 0 9 4.34
通算 7年 90 1 5 5 0 4 159 2/3 185 18 91 41 5 2 63 3.55

日本ハム時代の06年、先発の一員として優勝に貢献した右腕。ただヤクルト移籍後パッとしない状態が続いている。
社会人からプロ入り。1年目は開幕一軍こそ逃したものの、6月に昇格。9月上旬に二軍落ちするまでに20試合の登板をこなした。ほとんどがリードされた場面で目立ちはしなかったが、それなりの内容を見せた。地味なリリーフ要員といった趣だったが、2年目は一転先発で台頭。ここでも前半は地味に谷間の登板をこなしていたが、一度離脱したあとの8月に完封勝利。それ以外もなかなかの好投を見せ、終盤は重要な戦力となった。トータルでは4勝でも優勝争いの中でゲームをつくり、数字以上に貢献。
そこそこのスピードと変化球で攻める平均的なタイプ。これといって目を惹く部分はないが、先発・リリーフどちらでもこなせる万能タイプで、大きな破綻もない。打たせて取る技巧派投手。
ただこの活躍以降一軍が遠くなり、存在感が希薄になってしまった。07年は後半に5試合投げただけに終わり、翌年3対3トレードの一人としてヤクルトへ移籍。期待されるもキャンプ中に肩の不調を訴え出遅れ、1度も一軍に上がれず終わってしまった。復調を期した09年も13試合登板と多少盛り返しはしたが、防御率こそ1点台も失点は6で、数字ほど抑えたという印象はなかった。二軍も長く目立たないまま。
10年は開幕直後に移籍後初、4年ぶりの勝利をリリーフで記録。ただこれ以降は不安定な投球続きで一軍定着は果たせなかった。登板数は増えたものの5点台後半の防御率で戦力にはなれず。昨年もシーズン序盤リリーフで起用されていたが、ピリッとしない内容続きで徐々に捉まるようになり二軍落ち。後半は登板もまばらで一軍半を脱せず。
ここ2年スピードが向上しているが、結果につながっていない。昨年走者を出さなかった登板は2試合しかなく、これでは敗戦処理としても微妙。オフにトレードで今季は楽天へ。年齢的に崖っぷちの立場。

長谷川 昌幸

大型右腕、乱調型

右投右打
市立銚子高 広島96ドラフト1位〜10途中、オリックス10途中〜11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 広島 14 0 3 6 0 1 59 2/3 80 14 28 22 0 4 46 6.94
09 広島 10 0 3 1 0 0 32 35 4 24 17 0 3 14 3.94
10 広島 2 0 0 1 0 0 5 1/3 6 3 4 5 0 0 7 11.81
オリックス 6 1 0 3 0 0 29 1/3 30 3 15 15 1 0 14 4.30
11 オリックス - - - - - - - - - - - - - - -
通算 16年 209 8 42 61 0 9 900 1/3 974 129 688 347 12 47 444 4.44

エースの期待もありながら、伸び悩みが続いている右腕。02年に二桁勝利の実績を持つが、翌年の乱調から停滞が続いている。
185cmの恵まれた体格を持つ本格派として高校時代から評判で、ドラフト1位指名で広島入り。2年目にプロ初勝利も5年目まではほぼ二軍で過ごした。一軍本格台頭は01年で、シーズン途中にチャンスを掴むと、安定感の高いピッチングでローテーション入りし9勝をマーク。エース候補と期待され、開幕から先発入りの翌年はさらに成長。シーズン通してローテーション入りし、チームトップの13勝をマーク。大器が一本立ちを果たしたと思わせた。
しかし翌03年大乱調。毎回のように打ち込まれ、リリーフに廻っても改善の兆しはなく、2勝10敗と大負け。これでおかしくなってしまったのか、以降さっぱり勝てなくなってしまった。04年は故障でわずかな登板に終わり、復活を期した05年だったがオールスターまでに9敗という惨状で二軍落ち。自身3度目の二桁敗戦に6点台の防御率といいところなく終わってしまった。
スピードも充分、フォークという勝負球も持ち、ボールだけなら10勝級の力量。ただ03年以降明らかに四球が増加し、上ずり気味の制球で被安打も被本塁打もかなり多い。不調時にしのぐことが出来ず、序盤に一気に崩れ去るため悪い印象が残りやすい。
06年はほぼリリーフに専念。久々に内容が上向いて、何より四球が大幅に減った。先発再転向の07年は序盤相変わらずの乱調気味だったが、リリーフ兼業の6月から復調。後半先発復帰すると、勝ち負けは付かないものの高い安定感を見せ、9月以降は一気に4勝をマーク。実に5年ぶりに「3勝の壁」を突破した。シーズン100イニング突破も5年ぶりで、2点台の防御率は自身初。
だがこれを持続することができない。翌年は元の長谷川に戻ってしまい、不安定な投球続き。初回からの緊急リリーフで7イニングを1失点に抑える快投という場面もあったが、その後の先発では3連続序盤KO。7月中旬に二軍落ちすると二度と昇格できなかった。翌年も開幕から先発スタート、最初の登板で勝利を挙げ次も好投したが、その後2試合連続序盤KOで長期二軍落ち。8月再昇格後リリーフでなかなか好投していたが、今度は故障で離脱し、結局10試合の登板に終わった。
先発としての期待は大きいものの、乱調癖が一向に解消されない。10年も序盤2度先発するもいずれもKO。二軍落ちすると5月にオリックスへトレードとなった。移籍後は8年ぶりの完投を記録するなどいいところも見せたが、やはりムラが強く二軍調整を挟んで3連敗。結局10年ぶりに1勝も出来ずシーズンを終えた。
何年も足踏み続きで、昨年はとうとう一軍から声がかからずじまい。二軍でも1勝5敗、防御率8点台と散々な成績で、シーズン後戦力外となってしまった。長年の課題が解消されず、スピードも鈍って決め手を失ってしまった。移籍は難しそうで、このまま見納めとなりそうな状勢。もっと活躍出来てもおかしくなかったのだが。

長谷部 康平

大物左腕、不安定型

左投左打
杜若高〜愛工大 楽天08ドラフト(大・社)1巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 楽天 13 0 1 4 0 0 35 1/3 56 6 23 22 2 2 39 9.93
09 楽天 25 0 5 8 0 1 109 1/3 132 12 65 49 6 8 63 5.19
10 楽天 10 0 3 5 0 0 43 2/3 49 10 30 23 2 3 38 7.83
11 楽天 7 0 1 0 0 0 35 1/3 26 0 20 13 0 1 10 2.55
通算 4年 55 0 10 17 0 1 223 2/3 263 28 138 107 10 14 150 6.04

07年の大・社ドラフトで大場(ソ)と人気を二分した目玉投手。だがここまでその評判ほどの結果を残せていない。
以前から評価は高かったが、北京五輪予選メンバーにアマからただ一人選ばれたことでにわかに注目度が上がった。アマbP左腕としてドラフトでは5球団が競合し、抽選で楽天入り。当然期待は即戦力だったが、1年目は開幕直前に左ひざ半月板損傷で出遅れ。実戦復帰するとすぐに一軍昇格となったが、四球が多い内容が続き結果は散々なものに。先発では何度も炎上を繰り返し、ロングリリーフで挙げた1勝のみ、10点近い防御率で終わった。躍進を期待された2年目は前半こそ4勝を挙げそこそこだったものの後半大崩れ。先発から脱落しても立ち直れず、シーズン防御率は5点台に。先発20試合の内8試合で5回持たずに降板と乱調傾向も変わらなかった。
やや二段気味のモーションで、テイクバックに特徴のあるフォーム。速さはあるのだが、制球が悪く自滅傾向が強い。粗っぽい投球の割に奪三振は少なく、カウントを苦しくして置きにいって痛打を浴びる場面が目立つ。崩れだすと止まらない脆さも大きな課題。
3年目の10年は連勝でスタートするも、4月中旬に膝を故障、3ヶ月戦列を離れた。球宴前に復帰勝利を挙げたが、球宴明けからは4連敗。最後のほうは大炎上を繰り返し、終盤は二軍落ちとなった。昨年はシーズンの大半を二軍で過ごし、一軍昇格は8月末。ほぼ終盤のみだったため登板数は自己最少となったが、何度か好投し成績は比較的安定。多少前進気配を見せた。
勝ちにはつながらなかったものの、昨年はいい時には潜在能力を感じさせる切れを発揮。ただ序盤降板も3度あり、相変わらず制球の悪さが顔を出すことも。それでも光明は見え、今季こそは先発左腕として力を発揮したいところ。一本立ちなるか勝負の年。

秦 裕二

先発候補、伸び悩み型

右投右打
智弁学園高 横浜02ドラフト1巡〜11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 横浜 2 0 0 0 0 0 2 2/3 7 3 3 1 0 0 7 23.63
09 横浜 - - - - - - - - - - - - - - -
10 横浜 9 0 1 0 0 0 9 2/3 15 2 7 4 0 0 6 5.59
11 横浜 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 10年 89 0 9 9 0 0 196 1/3 218 33 105 92 6 7 99 4.54

なかなか一本立ちしきれない右腕。ドラフト1巡入団、以来期待を受け続けるがあと一歩のところで足踏みし、伸び悩み。
智弁学園のエースとしてチームを春夏連続甲子園出場に導いた好投手。バランスの取れたタイプで、高校時から完成度を高く評価されていた。その期待通り1年目から早くもプロ初勝利を記録。その後ちょっと停滞したが、05年先発で3年ぶりの勝利を記録。
驚くほどのスピードはなく際立った個性は感じにくいが、全体的なバランスで攻めるタイプ。やや迫力不足にも感じられるが、若いながらも幅の広さを持つ。ただこれといった決め手に欠ける面も。
06年は待望の一軍定着を果たし、先発にリリーフにと様々な場面で起用され33試合に登板、自己最多となる5勝をマーク。これでいよいよ先発定着が期待されたが、07年は大きく足踏み。前半二軍暮らし、後半昇格も内容いまいちで、1勝しかできずに終わった。移籍してきた同い年の寺原に大きな差をつけられる格好に。
課題は決め手不足に伴う四球の多さ。打たせて取るタイプにしては多すぎ、それが一向に減ってこない。そしてこれ以降は一軍が遠ざかってしまった。08年はわずか2度の登板、それもいずれも被弾で失点という散々な内容。翌09年は初めて一軍登板なし、二軍でも低調な成績に終わり、はっきり伸び悩み状態に。
10年夏場に昇格し、リリーフで3年ぶりの勝利を記録。少しだけ上向いたが、良かったのは短い間だけで、たちまち失点がかさむようになり二軍落ち。結局一軍滞在は1ヶ月未満だった。そして昨年はまたシーズン通して二軍暮らしに終わり、とうとう戦力外に。
28歳の年齢で一軍半にも一歩足りないという状態ではさすがに苦しい。06年の台頭を翌年につなげられなかったのが痛かった。

クレイトン・ハミルトン

長身右腕、いまいち型

右投右打
横浜11〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 横浜 18 0 1 4 0 0 36 1/3 48 4 17 11 4 1 29 7.18
通算 1年

昨年横浜入りの外国人投手。リリーフでスタートし一時先発に廻るなど様々に起用された。
メジャー経験はなく、マイナー実績もだいたい2A止まりといったところ。目を惹く成績のシーズンも特になく、10年は先発をしていたが登板はわずか4試合のみとキャリアはパッとしないもの。秋季キャンプにテスト参加し横浜と契約。
開幕するとしばらくリリーフ。来日初登板でいきなり黒星を喫するなど、それほどいいとは言えない内容だったが、5月には先発に廻った。交流戦で6回零封の投球を見せ来日初勝利。だがそれ以外の先発5試合はすべて5回未満で降板し、計6試合の先発は21イニングで20失点という状態。二軍調整の後は再びリリーフも、1イニング5失点の大炎上を見せ、8月以降はずっと二軍でシーズンを終えた。
長いリーチから140km台中盤の速球にスライダーやシュートを交える投球スタイル。先発ではもう少しスピードは落ち、初回から失点してゲームを壊すケースが目に付いた。やはりキャリアの薄さは否めず、一軍レベルでは一段二段力不足という印象。とりあえず今季も残留だが、戦力となるには相当の変わり身が必要。

林 昌樹

力投サイド、消耗型

右投右打
興誠高 広島98ドラフト3位〜11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 広島 17 0 0 0 0 3 18 20 4 13 6 0 0 9 4.50
09 広島 46 0 0 2 0 5 48 1/3 55 5 27 19 4 1 23 4.28
10 広島 26 0 0 1 0 1 25 2/3 40 4 19 7 1 0 17 5.96
11 広島 2 0 0 0 0 0 2 1/3 0 0 5 0 0 1 0 0.00
通算 14年 276 0 7 10 1 37 278 305 34 187 104 22 4 128 4.14

サイドスローからの勢いのある球が魅力のリリーフ右腕。7年目の04年急台頭し一軍戦力に。体格もあり、投球自体に迫力を感じさせる投手。
02年まではほとんど二軍暮らしだったが、03年、1球でプロ初勝利を記録。これで勢いに乗ったか、翌年は序盤から一軍に定着し47試合と登板機会激増。そこまでは四球も多く荒々しすぎる面があったが、それもいい感じでまとまってきた。横手から非常に変化量の大きいスライダーを投じ、フォームにも躍動感がある。
実質1年目ということで後半は調子を崩し、最終的にはだいぶ数字を落としてしまった。その影響を引きずったのか、05年はほとんど二軍暮らし。終盤5試合に投げたのみで、内容も全く冴えなかった。足踏みしたが翌年復調。開幕一軍入りで15試合連続無失点の快投を見せ、主力リリーフに返り咲きを果たした。自己最多の61試合に登板し、すべての面で04年を上回る成績。07年も開幕から全開で、14試合連続無失点でスタート。横山とともに永川へつなぐ存在として活躍を見せた。
チームにとって重要な戦力だが、課題も露呈。日程が進むごとに調子を落とし、夏場にはだいぶ乱れてしまった。この序盤に快走・夏場に失速というサイクルは前年同様であり、活躍したシーズンはすべて同じ状態になっている。どうもシーズンのスタミナに欠けるようで、登板数がかさんでくると疲労ではっきり落ちてしまう。
08年は不調に加えて故障もあり、登板数は17に激減。しかし09年は持ち直して、シーズン通してリリーフの一角で回転した。ただ夏場に崩れる傾向はまた再現され、7月5試合で11もの失点を喫する大乱調。これが響いて防御率は4点台に。
シーズン中に一度燃え尽きてしまう消耗の激しさが最大のネック。消耗の激しさとともに疲労も残りやすいのか、多く登板した次の年は不調に終わることが目立つ。10年は乱調傾向が強く出、好不調の差が極端で非常に不安定な状態。8月二軍調整を挟んで2連続で打ち込まれ、終盤は二軍で過ごした。登板数は減り、6点近い防御率に終わった。
昨年はシーズンのほとんどを二軍暮らし。8月昇格すると2試合打者7人から三振5を奪う投球を見せたのだが、すぐに二軍に戻されてしまい以降登板機会は巡ってこなかった。シーズン後戦力外に。
体調次第でまだまだやれそうな印象だったが、トライアウト参加も獲得球団はなかった。昨年限りで現役を退き、スタッフとして球団に残ることに。

林 昌範

長身左腕、奪三振型

左投左打
市立船橋高 巨人02ドラフト7巡〜08、日本ハム09〜11、DeNA12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 11 0 0 0 0 1 10 2/3 15 3 14 12 1 2 8 6.75
09 日本ハム 46 0 3 2 0 9 46 35 3 42 25 3 4 17 3.33
10 日本ハム 36 0 2 2 0 14 30 2/3 20 3 25 9 0 0 9 2.64
11 日本ハム 5 0 0 0 0 2 4 10 0 2 3 0 0 6 13.50
通算 10年 295 0 19 23 21 74 432 1/3 394 49 424 183 19 22 168 3.50

長身から投げ下ろす速球とフォークを武器とするリリーフ左腕。巨人時代の2年目に颯爽とデビューし、それ以降主力に定着。
高校からドラフト下位でのプロ入りで、当初は無名に近い存在。一軍デビュー時96番というとてつもなく大きい背番号をつけていた。しかし2年目に抜擢されると角度ある速球とフォークで快調に三振を奪い、にわかに注目されることに。ベテランの離脱した先発の穴を埋め、なかなか援護に恵まれなかったが最終的には3勝をマーク。奪三振は投球イニングを上回り、特にフォークはほとんど打たれることはなかった。翌04年は大きく負け越し、少々期待を裏切ったが、05年リリーフに廻って飛躍に成功。6月までで30試合に登板とフル回転。多少のポカはあったが、防御率は1点そこそこと安定。オールスター以降はほぼ抑えに定着して13セーブ、通年で18セーブを挙げた。完全に主力に定着。
登場時に比べるとスピードも向上し、だいぶスケールアップ。制球はやや粗っぽいが、それもまた武器になるだけのボールを持っている。被打率の低い投手で、三振が取れるのも大きな強み。
06年は再び中継ぎに廻り、チームトップの62試合に登板、同じくトップの24ホールドを記録した。ただこのあと2年は蓄積疲労からか故障に泣かされることに。07年はそれでも41試合登板と戦力になったが、08年は肘の手術から出遅れ、前半は散々な結果に。終盤は立ち直りを見せたが、登板数激減で目立たないシーズンに終わった。
二岡とともに09年日本ハムへ移籍。不調で開幕は二軍スタートも、4月末には昇格し以降リリーフの一角に。やや安定感に欠ける時期もあったが、46試合に投げ不調からは脱出に成功。翌年は前半不調で精彩を欠いたが、二軍調整後8月以降は復調。快調な投球を見せ、トータルの登板数は減ったものの前年より成績を向上させた。
しかし昨年は一気に急落。開幕一軍もリリーフ5試合で6失点、被打率5割超というボロボロの状態ですぐに二軍落ち。以降一軍に戻れず、わずか一桁の登板に終わった。シーズン後には戦力外に。
昨年はとにかく何を投げても打たれるという状態だった。今季は横浜DeNAに移り、復調を期すことに。このところ徐々にスピードが低下しているのが気になるところだが。

ブライアン・バリントン

先発右腕、中心投手型

右投右打
広島11〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 広島 30 3 13 11 0 0 204 1/3 183 8 136 43 18 4 55 2.42
通算 1年

昨年広島入りの外国人投手。安定感のある投球で先発の中心として活躍、チームを支える存在となった。
02年のメジャードラフトで全体1巡指名を受けた大器。だがメジャーの舞台ではなかなか期待に応えられず、10年の1勝が唯一の白星。マイナーでは07年に3Aで11勝、10年は2点台の防御率で8勝をマーク。マイナーとメジャーの狭間でやや頭打ちとなっていた投手。オフに広島と契約し来日。
エース前田健に続く先発の柱として期待され、シーズンに入るとその期待以上の働きを見せた。開幕4連勝スタートし、その後一時勝ち星から遠ざかるも6月後半からまた3連勝。前田健が予想外の不振にもがく中、8月頭に早くも二桁勝利到達。タイトル争いにも加わり、先発の大黒柱として期待以上の働きを見せた。終盤4連敗など負けが込んだものの、最終的にチームトップの13勝。
140km台中盤から後半の速球とスライダーが投球のほとんどを占める。奪三振はやや控えめで、その代わりゴロアウトが非常に多い。軸のぶれないフォームで制球が安定しており、ストライク先行で攻めてくる。
両リーグ最多の18死球が示すように、内角を突く投球が効果的だった。当然残留で、今季も前田とともに先発の軸を期待される。