喜田 剛

スラッガー、流転型

右投左打
沖学園高〜福岡大 阪神02ドラフト7巡〜07途中、広島07途中〜10途中、オリックス10途中、横浜11
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 広島 66 92 22 2 1 4 38 11 0 0 0 6 2 22 .239
09 広島 78 126 32 12 0 2 50 20 0 0 0 6 2 30 .254
10 広島 10 8 1 0 0 0 1 0 0 0 0 2 0 4 .125
オリックス 10 17 4 2 0 0 6 2 0 0 0 0 0 5 .235
11 横浜 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 10年 239 409 102 29 1 9 160 46 1 1 0 29 5 100 .249

2年連続ウエスタンの二冠王を獲得したスラッガータイプの選手。なかなか一軍出場の機会に恵まれなかったが、07年途中広島に移籍して急上昇。
大学から阪神入り。ドラフトではかなり下位での入団だったが、1年目からファームのレギュラーに。以来二軍では堂々の主砲として活躍し、05,06年と続けてウエスタンの本塁打王と打点王を獲得。特に05年はリーグでは城島以来9年ぶりの20ホーマー突破を記録した。
これだけの数字を残しながらも、一軍にはなかなか浮上できず、常に一桁の出場に留まってきた。上のレギュラーが固まっていたために大いに割を食ってきた印象。07年も二軍にいたが、5月にトレード成立でチャンス到来。早速一軍登録されるといきなりスタメン起用。待望のプロ初ホームランも放ち、嶋の不振もあってライトのポジションを獲る勢いを見せた。
元来一軍で出番がなかったのが不思議な選手でもあり、もはや二軍では別格の存在。移籍なければ埋もれたままになっていた可能性も考えられ、実に大きな転機となった。ただ勢いは後半途絶え、特に8月後半から約1ヶ月ノーヒットが続き打率も急降下。終盤はガタガタになってしまった。08年は新井の抜けた三塁獲りに意欲を見せたが、出場数は横這い。それも大半が代打でのもので打席数は大幅に減った。それでも09年は再び巻き返し、チームトップの起用数54回で代打の1番手に。一発は2本のみだったが、出場数は増えて打点を伸ばしてきた。ただ起用数は多かったが代打での打率は2割ちょうどと成功率はいまいち。2ホーマーはいずれも先発時のものだった。
広島移籍後は一軍戦力として定着していた感もあったが、10年は結果を残せず二軍暮らし。すると5月にトレードが決まり、今度はオリックスへ移籍となった。しかしこちらでも大半が二軍生活で、一軍出場機会はわずかなもの。2チームのトータルで20試合の出場に留まり、4年ぶりに打席数が100を切ってしまった。
二軍でもほとんど一塁しか守っていないように、守備力には難がある。となれば打撃面、特に代打でアピールする他ないが、二軍では良くても一軍レベルにはちょっと粗すぎる印象。昨年は横浜へ移籍したが、シーズン通して二軍暮らし。下でも目立った結果を残せず、シーズン後戦力外となった。
近年はめっきり一軍が遠ざかり、チームを転々。年齢的にもさすがにもう後がなく、今季からはアイランド・リーグ徳島のコーチとなることとなった。広島移籍後チャンスを掴んだかに見えたが、活躍期間は短かった。

北川 博敏

クラッチヒッター、移籍開花型

右投右打
大宮東高〜日大 阪神95ドラフト2位〜00、近鉄01〜04、オリックス05〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 オリックス 105 343 91 24 0 13 154 49 4 2 10 37 7 51 .265
09 オリックス 103 267 73 18 0 2 97 31 0 4 6 19 6 37 .273
10 オリックス 119 362 111 25 0 12 172 61 2 0 6 28 7 65 .307
通算 16年 1154 3603 1004 223 7 100 1541 508 29 20 40 312 44 517 .279

01年「お釣りなしの代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン」という球史に残る一発で名前を売った選手。これ以降順調に出番を増やしてレギュラーに台頭。
もともとはキャッチャーだが、阪神時代から打撃偏重の選手で、捕手としての出場は少ない。移籍前はほとんど出番に恵まれず、野村監督時代に見初められたものの結果は出せず。なかなか殻を破れなかったが、近鉄移籍後に急開花。パンチ力のある打撃で、強力打線の中でも重要な選手となった。
上述の強運な一打で注目され、このあとは主力へとのし上がっていく。03年は準レギュラーとして活躍し、中村の不振から4番も再三務めた。その勢いのまま04年はレギュラー完全定着。すっかり中軸に座り、チームトップの88打点を記録。プロで打ったホームランはすべて近鉄移籍以降のもので、まさに花開いた印象。
思い切りがいい割に無茶振りは少なく、三振が少ないのが特徴。30本40本と量産する長距離砲ではないが、チャンスに何かをやりそうな雰囲気を持つ選手。右方向を意識している時の打撃は意外に柔らかい。反面引っ張りに走りすぎる時も。
球団合併で移籍の05年はやや不振で物足りないシーズンとなったが、翌年は再び打線の中心に。清原・中村が期待外れの中、中軸に座って重要な得点源となった。後半故障で離脱したものの、07年はフル出場で不動の一塁。キャンプ中の故障で出遅れた08年もレギュラーとして働き、カブレラの加入とラロッカの離脱から実に久しぶりに三塁を守ることとなった。後半不振で打率・打点は低下も、3年ぶりの二桁本塁打を記録。
09年はフェルナンデスの加入から控えに廻る構想も、チームトップの代打起用に加え、主軸の相次ぐ故障から先発出場も多かった。成績的には勝負強さが見られず物足りないものだったが、昨年は再びらしさを発揮。前半非常に好調で、交流戦では3割中盤の打率に5ホーマーを記録。8月以降調子を落としたものの、3年ぶりにシーズン400打席を越え3割をキープ。12ホーマー61打点となかなかの活躍を見せた。主にDHでの先発に加えて、代打もチームトップの起用数で26打数11安打の好成績。
38歳のベテランながら久々に持ち味を出して、貴重な戦力となった。左投手に3割8分、9ホーマーと滅法強かったのが特徴的。さすがに三塁を守ることはなくなり、年齢的にフルのレギュラーを計算するのは辛いが、ここ一番での代打や準レギュラーとして、その打力はまだまだ侮れない存在。

城所 龍麿

俊足外野手、荒削り型

右投左打
中京高 ダイエー/ソフトバンク04ドラフト4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ソフトバンク 49 56 5 2 0 0 7 1 1 2 0 3 0 15 .089
09 ソフトバンク 91 40 6 2 1 0 10 2 7 1 0 1 0 11 .150
10 ソフトバンク 95 35 7 1 2 0 12 4 12 3 1 4 0 17 .200
通算 7年 292 236 38 10 6 1 63 16 22 7 2 13 1 85 .161

代走・守備要員として定着した外野手。俊足と強肩で戦力となり、打力さえ向上すればレギュラー奪取の可能性も秘める。
高校からプロ入り、2年間はファームで鍛えられた。二軍戦で多く使われ、05年は21盗塁を記録。チームが若手積極起用を明言した06年は、シーズン前レギュラー候補にも挙げられた。それはならなかったが、6月にプロ初安打を記録。
俊足に加えてチーム一と言われる強肩が売り。はっきり言って粗い打撃だが、06年三塁打3本を放ったようにパンチ力も持つ。身体能力に優れたタイプで、素質の高さは多くが認めるところ。
だが技術レベルが低く、その潜在能力をなかなか発揮できない。07年はとんでもない打撃不振に陥り、二軍でも散々な成績に。8月にプロ初ホームランを放ったが、実質それだけのシーズンだった。08年は二軍では復調したものの、一軍では前年以上に悲惨な状態に。出場数は増えたが1割に届かない低打率に喘いだ。
それでも守備力・脚力は戦力となり、09年は守備代走要員として一軍定着。相変わらずの低打率で打席機会は減ってしまったものの、出場数は一気に倍増となった。昨年も出場の9割が守備固め・代走と完全に役割を固め、前年を上回る自己最多の出場数。塁上での危うい印象も徐々に払拭され、二桁盗塁も記録した。
すっかりこの地位に落ち着いた分打席機会はだいぶ減った。昨年は一軍で初めて2割に届いたが、打席の4割近くが三振という脆さは相変わらず。決して非力な選手ではないのだが、どうにも対応力が低いのが問題。少しボールの見切りが早すぎる印象もある。昨年7安打中5本、三塁打2本は左腕から放ったもので、意外と左は苦にしていないのだが。今季も役割は変わらないだろうが、ミート力さえ向上すればもう一歩進んでポジション争いも可能。

衣川 篤史

中堅捕手、パンチ力型

右投右打
大商学園高〜岐阜聖徳学園大〜昭和コンクリート〜住友金属鹿島 ヤクルト07ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ヤクルト 17 42 11 0 0 1 14 8 0 0 0 3 1 12 .262
09 ヤクルト 5 4 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 .250
10 ヤクルト 13 22 5 2 1 1 12 5 0 0 0 2 0 3 .227
通算 4年 35 68 17 2 1 2 27 14 0 0 0 5 1 16 .250

パンチ力に優れた中堅捕手。守りより打撃に魅力のある選手で、思い切りのいいスイングが持ち味。
大学から社会人に進んだが、最初のチームは数ヶ月で休部となり、住友金属鹿島に移った。ここで活躍を見せ、大・社ドラフト4巡で指名され25歳でヤクルト入り。1年目は二軍暮らしも、チームで最多の先発マスクを被り打撃でもまずまずの成績。2年目の5月に一軍昇格すると、即先発マスクでプロ初出場。4試合目の出場でプロ初ホームランを放った。
09年は二軍でも打撃不振で一軍の出番も少なかったが、昨年は春先先発出場で2年ぶりの一発。最初の5試合で放った4安打すべてが長打と豪快なところを見せた。ただ後が続かず、一時的な活躍にとどまり二軍落ち。後半はずっと下で過ごした。今季で5年目とはいえ30歳になり、出来ればもっと一軍で実績を残したいところ。控え捕手というよりは代打要員の色濃い選手で、そちらでの活躍が望まれる。

金 泰均 (キム・テギュン)

主砲期待、竜頭蛇尾型

右投右打
ロッテ10〜11
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
10 ロッテ 141 527 141 22 0 21 226 92 0 0 9 74 4 140 .268
11 ロッテ 31 104 26 5 0 1 34 14 0 0 1 12 2 23 .250
通算 2年 172 631 167 27 0 22 260 106 0 0 10 86 6 163 .265

韓国から来日の外国人選手。第2回WBCで3ホーマー、11打点の活躍を見せ一塁のベストナインに選出された選手。
高卒1年目から20ホーマーした長距離砲。母国では08年に本塁打王に輝き、通算188ホーマーを放った。国際試合では同じ一塁の李承Yの陰に隠れた形が続いていたが、その李が出場辞退した09年上記の活躍。FA権を取得することから、早い段階から来日の噂があり、オフにFA権を行使すると間もなくロッテとの契約が成立。
チームにとっては待望の長距離砲であり、開幕から「4番一塁」にほぼ固定。1年目苦労する傾向の強い韓国リーグ出身者だが、4月月間3割と絶好のスタートを切った。5月には9ホーマーと持ち味の一発も増加。打点リーグ上位を争い、前半はなかなかの活躍を見せた。しかし攻め方を覚えられたか6月頃から調子は下降線。打率を徐々に落とし、後半はわずか3ホーマーと一発も出なくなった。7月以降27打点は1番の西岡よりも少なく、シーズン最終盤には4番を外され、ポストシーズンでも6,7番での起用に。
上背よりもどっしりとした体型が印象に残る巨漢打者。右打者ながら右腕の押しが強い選手で、あまり足を上げない特徴ある打撃フォーム。押し込んでいくような独特の飛ばし方を見せる。左投手にはかなり強い。
92打点でも得点圏打率は前半から低く、あまり勝負強さは見せられず。併殺打は両リーグ最多の24を記録した。改めて4番を任された2年目だったが、長打はさらに出なくなり、5月に入ると間もなく手首の故障で離脱。復帰後も調子が上がらず、すぐに今度は腰痛でリタイアと故障続き。それだけに留まらず、7月には早くも退団意思を表明する事態に。正式には昨年限りという形だが、実際のところ後半は日本にもいない状態で、事実上夏場には退団していた。
結局中軸の期待には応えきれず。故障が続いたのは不運だったが、解雇される前に早々と敵前逃亡したという印象であり、最後は後味の悪い形となった。今季は韓国ハンファに復帰。

木村 昇吾

俊足内野手、移籍台頭型

右投左打
尽誠学園高〜愛知学院大 横浜03ドラフト11巡〜07、広島08〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 広島 94 48 11 0 0 0 11 1 6 4 0 2 1 13 .229
09 広島 69 13 3 1 0 0 4 1 4 1 0 0 1 7 .231
10 広島 70 136 44 10 5 1 67 11 6 16 0 10 2 33 .324
通算 8年 280 243 65 11 5 1 89 14 18 22 0 13 6 68 .267

二遊間を中心に守る俊足内野手。ドラフトでは極端な下位指名ながら、1年目開幕一軍入りを果たし初安打も放った。広島移籍後出番急増。
横浜時代は二軍ではほぼレギュラー格で過ごすも、一軍出場はごくわずか。06年は開幕一軍入りし3年ぶりのヒットも放ったが、その後は登録・抹消の繰り返し。07年も後半に10試合出ただけで、一軍半レベルにもあと一歩足りないといった状態が続いた。
同じようなタイプが多すぎて埋没していた感も強かったが、08年広島へ移籍。そこで大きく視界が開けた。代走・守備要員として一軍定着を果たし、これまでの通算を大幅に上回る94試合に出場。主に三塁の守備固めをこなし、6盗塁と脚力もアピール。翌09年も数こそ減ったが代走・守備要員として一軍戦力に。先発出場は0と徹底して控えだったが、完全に二軍を脱出した。主に三塁だったが、外野も守り幅広さもアピール。
移籍時28歳と実績を残せなければ微妙な年齢だったが、しっかり地位を確保した。そして昨年はさらに存在感アップ。前半こそ二軍が多くあまり出番がなかったが、8月後半以降故障離脱した東出の代役として二塁スタメンとなり、これまで弱いと見られていた打撃で高打率をマーク。2番に座り終盤かなりの活躍を見せた。9月にはプロ初ホームランも放ち、シーズン打率3割越え。100打席を越えたのもこれが初めて。
環境の変化で近年は非常に充実している。代役に留まらない活躍を見せたことで、今後も起用の幅が広がることは確実。この勢い持続なら30歳を過ぎてのポジション争い参戦も。好調だった打撃の中で一際目立ったのが横浜戦で、27打数16安打と6割近い対戦打率を残した。

清田 育宏

中距離打者、準レギュラー型

右投右打
市立柏高〜東洋大〜NTT東日本 ロッテ10ドラフト4位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
10 ロッテ 64 186 54 11 0 2 71 18 5 11 1 19 6 51 .290
11 ロッテ 78 238 58 21 0 3 88 25 2 3 3 15 3 63 .244
通算 2年 142 424 112 32 0 5 159 43 7 14 4 34 9 114 .264

1年目から即戦力となり、ポジションを争う一人となった外野手。一気に世代交代の進んだチーム外野陣の一角を担う。
大学時代は大場(ソ)と同期で、3年までは投手。最終学年から外野手に転向して頭角を現し、社会人を経てドラフト4位でロッテ入り。下位指名ながらも背番号1をつけた。同じく新人で同学年の荻野貴が大活躍する中、二軍スタートとなった1年目だったが、その荻野が故障すると入れ替わる形で一軍昇格。当初は控えでほとんど出番はなかったものの、低打率に喘ぐ岡田に替わって7月末からセンターを守り、ここでしっかり結果を残して以降はほぼレギュラーに。8月にプロ初ホームラン、9月には5盗塁を決めるなどアピール。1年目からなかなかの好成績を残し即戦力となった。シーズン中はまだ代役という印象も強かったが、CSのソフトバンク戦で2ホーマー。さらに日本シリーズでは第1戦に同点弾を放つなど7試合で6打点の活躍を見せ、優秀選手に選出。ポストシーズン15試合で3ホーマーとパンチ力を発揮し、ここで強烈な印象を残した。
三拍子揃った選手と評され、パンチ力を秘めた打撃とバランスの良さが持ち味。2年目は序盤調子がいまいち上がらず、さらに交流戦で死球骨折、2ヵ月近く戦列を離れるアクシデント。しかし復帰した後半、特に9月以降大きく巻き返した。終盤は打率以上に3割6分という高い出塁率をマーク。最終的に打率は前年より落としたものの、打席数は伸ばし2番以外のすべての打順でスタメンを経験。
昨年特徴的だったのは左投手への強さと二塁打の多さ。対左腕は3割3分の高打率を叩き出した一方、対右は1割台と苦戦した。二塁打は200台前半の打席数ながらチーム3番目の数字で、本塁打を含めるとヒットの4割が長打。
外野争いはいずれの選手も年齢層が近く熾烈だが、他の選手とは一味違った特徴の持ち主で存在感を発揮。もう少し右も打てればポジション獲りにも随分近付く。

金城 龍彦

ベテラン外野、隔年型

右投左右打 新人王(00)、首位打者(00)、Gグラブ(05,07)
近大付高〜住友金属 横浜99ドラフト5位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 横浜 136 489 121 16 1 9 166 41 0 6 2 32 3 64 .247
09 横浜 118 312 88 21 2 9 140 34 1 5 1 18 5 44 .282
10 横浜 96 130 27 7 0 1 37 10 0 4 0 15 0 17 .208
11 横浜 108 324 88 13 1 3 112 29 1 6 5 16 3 35 .272
通算 13年 1519 5077 1436 222 18 94 1976 517 34 128 30 379 44 628 .283

2年目の00年首位打者となり、以降常に主力となってきたスイッチヒッター。外野の要として攻守両面で中心的立場に。
社会人までは投手だったが脚力を活かすためプロ入りと同時に野手に。転向間もないということで1年目はわずか6試合2安打に留まったが、2年目に目覚しい躍進を遂げた。俊足を活かした「転がす打撃」で高打率を終盤まで維持し、同僚のローズをかわして首位打者獲得。内野をやったり外野をやったりと守備位置すら固まらない状態ながら、彗星のごとく現れいきなりタイトルに。新人王にも選出。
ただあまりに急激な躍進で、反動も大きかった。翌年3割を切ると、続く02年は極度の大不振。2割に届かぬ低打率に苦しみ、レギュラー失陥の危機に。不振にもがく日々が続いた。このまま落ち込んでしまうかとも思われたが、03年に奮起。それまでの完全な単打狙いをやめ、打撃改造で生まれ変わった。どんな球でも叩きつけていたのを矯正し、16ホーマーと長打も一気に増加。3年ぶりの3割で復活し、これ以降中心打者に落ち着いた。なかなか一定しなかった打順も05年から3番に定着。3年連続の3割に二桁本塁打、05年は87打点を挙げ、中軸として安定した活躍。
払い打つような打撃が持ち味で、内角を巻き込んだ打球はスタンドまで届くことも。非常に勝負強い選手で、先制や逆転といった目立つ場面での活躍がかなり多い。追い込まれても三振は少なく、専念した外野では脚力に強肩で守備力も安定。攻守両面で中心選手に。ただ俊足の割に盗塁下手で、03年は17度走ってリーグ最多の13盗塁死。通算でも失敗のほうが多い。
不動のレギュラーだったが近年は波の激しさが目立ってきた。06年は前半こそ良かったものの8月以降2割そこそこと不振に喘ぎ、最終打率を大きく落としてしまった。07年は数字こそ回復させるも出入りが激しく安定せず。そして08年はかなりの不振。スタートこそ良かったものの、5月以降はずっと2割前後の低空飛行。打撃成績すべてにおいて前年より大幅ダウン。
この結果から09年はポジション確定とは言えない状態となり、しかも序盤は依然不振。先発は64試合と大幅に減り、02年以来7年ぶりに規定打席に届かず。しかし後半は3割以上と打撃不振からは脱出。立場としては後退となったが、チームトップの代打起用数で3割7分という好成績を残した。この結果から翌10年はもっぱら代打の切り札として起用されることに。だが前年の好成績を続けることは出来ず。唯一の本塁打を放った5月こそ好調だったものの、それ以外は常に低打率。シーズンでも2割をやっと越える数字に終わった。
森本の加入でさらに立場の厳しくなった昨年は当初控え中心。しかしその森本が不振に喘ぐ一方自身は5,6月好調な打撃を見せ、久しぶりにレギュラーに復帰を果たした。センターを中心に80試合に先発出場し、2年ぶりにシーズン300打席越え。打撃も8月に落ち込んだ分を9月に大きく回復。最後は足を痛めてリタイアしてしまったが、前年の不振から脱出のシーズンに。
ここ数年はだいたいこの辺りの成績を山に上下動を繰り返す隔年傾向が続いている。さすがにベテランということでもう往年の脚力ではなく、際立った部分というのは見出しにくくなっているが、まだまだ打撃技術はレギュラー級。また21打席で17打数6安打という代打成績はらしいというべきか。まだしぶとく働ける選手。

銀仁朗 (炭谷 銀仁朗)

強肩捕手、大抜擢型

右投右打
平安高 西武06ドラフト(高)1巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 西武 46 64 8 4 0 0 12 5 0 1 1 2 0 30 .125
09 西武 112 273 60 15 0 3 84 25 1 14 3 15 1 75 .220
10 西武 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
通算 5年 241 522 101 24 2 7 150 51 1 22 5 21 1 157 .193

高卒1年目ながら開幕スタメンを射止め、注目を集めた若手捕手。高卒捕手の開幕先発は51年ぶり二人目の快挙。細川と野田が争っていた正捕手争いにいきなり参戦。
強肩強打の高校bP捕手という評価だったが、まさか1年目から名を売るとは予想外だった。打撃では4試合目に満塁弾に2ランの2ホーマー6打点。肩では前年の盗塁王西岡を刺すなど、堂々たる働きぶり。序盤はチームで最も注目される存在となった。さすがに粗い部分は多々あり、このあとは何度か一軍と二軍を往復。特に打撃はずっと低打率に喘いだ。しかし新人ながら細川に次ぐ先発出場を果たし、大健闘としか言いようのないシーズンだった。涌井との10代バッテリーも話題に。
なかなか派手なスタートを切ったが、07年は改めて教育ということでシーズンの大半を二軍。ただこの間に細川が正捕手定着を果たしたため、08年一軍定着も出場機会は乏しかった。それでも日本シリーズでは故障細川の代役で先発など2番手の地位は確保。
そして09年は細川が前年来の故障の影響で長期離脱。必然筆頭捕手を任されることとなった。96と大半の試合でスタメンマスクを被り、出場数は一気に100越え。盗塁阻止率はリーグ2位の数字、前半1割台だった打撃も後半は多少改善が見られた。細川復帰後もメインを譲らず、存在感を急上昇させるシーズンとなった。
ただ昨年は、前年の細川と立場が入れ替わることに。オープン戦で故障、半月板損傷に靭帯断裂という重傷で、シーズンのほとんどを棒に振ることに。実戦復帰は9月になってからで、シーズン最終戦に唯一の一軍出場。
故障に泣いたが、オフに細川がソフトバンクへFA移籍。今季はいよいよ完全な正捕手という期待がかかる。まだ23歳ながらチームの鍵を握る存在に。