ジョシュ・フィールズ

途中入団、期待はずれ型

右投右打
巨人11途中〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
11 巨人 10 31 6 1 0 0 7 0 0 0 0 1 0 7 .194
通算 1年
11年成績は7/24現在

今季途中入団の巨人の新外国人。持ち味の打線が低迷し、新外国人のライアルも結果を残せない状況で、7月に契約し来日。
ドラフト1巡で指名され、メジャーでは07年100試合に出場し23ホーマーという実績の持ち主。以降は故障などで成績を落としていたが、今季3Aで50試合に出場し3割後半の打率に11ホーマーと復調気配を見せていた。
三塁を守れる外国人と期待され、7月前半には一軍登録。すぐに先発起用された。だが消極的な姿勢に加えどうにも力強さに欠け、打撃はずっと低迷。良くなる気配を見せることもあったが持続せず、オールスター後ようやく打率が2割に載ったところで二軍落ち。ここまでほとんど戦力になっていない状態。
補強期限が近いということもあって、ほぼ同時期に同じ内野手でロッテがカスティーヨ、日本ハムがスケールズと契約。両者が大きな戦力となる一方、フィールズだけがさっぱりという状態で、またもチームの外国人スカウティングの弱さをさらけ出す結果に終わりそうな状勢。起用数が少ないのは確かだが、文字通りの即戦力が求められる途中入団選手で、さらに直前まで3Aで好成績にもかかわらずこの状態ということで、ちょっともうチャンスはなさそうか。

ホセ・フェルナンデス

広角パワー、拙守型

右投右打 ベストナイン(06)
ロッテ03途中、西武04〜05、楽天06〜08、オリックス09、西武10途中〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 楽天 142 541 163 40 0 18 257 99 5 0 5 53 7 78 .301
09 オリックス 117 410 107 21 0 15 173 47 4 0 2 31 4 71 .261
10 西武 57 221 75 11 0 11 119 45 1 0 3 17 2 26 .339
通算 8年 957 3517 1027 199 4 185 1789 636 34 0 31 356 36 658 .292

移籍を繰り返しながら主軸を務める外国人。近年多いアジア経由の選手で、02年は韓国で45ホームランを放ったパワーヒッター。4番を想定されたローズがキャンプ早々に引退してしまったため、得点力の向上を図って03年急遽ロッテ入り。
来日当初は他の外国人野手と競争が続いていたが、メイ脱落以降は不動の4番に定着。慣れるとともに打棒もぐんぐん上昇し、特に9月はプロ野球タイ記録となる月間8度の猛打賞を記録。自身の打率も3割に乗せる活躍を見せた。途中入団ながら30ホーマー100打点の堂々たる成績。チーム待望の頼れる4番誕生となったが、再契約に難航し04年は西武へ。ここでも変わらぬ打棒を発揮して優勝に大きく貢献した。前半カブレラ、8月は五輪で和田が不在だっただけにその存在は非常に大きかった。2年連続の30本塁打、またプレーオフでも4ホーマーと大暴れ。
大柄なパワーヒッターだがしっかりと引き付けて叩くタイプ。速球に強く、打撃に関しては高い力量の持ち主。一定期間に集中的に打ちまくる傾向があり、好調時には手のつけられない活躍を見せる。05年も安定した成績を残したが、高額契約は困難という事情から自由契約に。当然これだけの打者を逃すはずもなく、大砲を渇望する楽天へ移籍となった。チーム待望の4番として期待通りの働きを見せ、3年ぶりの3割に28ホーマーを記録。主軸としてこの後も活躍を続け、07年は前半の不振を後半跳ね返し、08年はやはり8月以降高打率をマークして3度目の3割にチームトップの99打点。
ただ以前から守備の悪さがベンチを悩ませる選手で、三塁でも一塁でも非常に失策が多い。07年はリーグワーストの24失策を喫し、半分が一塁で記録と非常に不安定だった。この点と、年々一発が減少しパワーの低下が見られることから、楽天を自由契約となり09年はオリックスへ移籍。カブレラ、ローズと並ぶ打線は圧倒的とさえ評されたが、しかし蓋を開けてみると来日以来最悪の不振に。開幕からひたすら低打率が続き、一発も出ず。7月3割5分と当たりを見せるも、好調だったのはこの時だけだった。チャンスにも弱く、終盤には骨折で離脱。1年限りで退団に。
すぐに移籍先はなく昨年は当初メキシカン・リーグでプレーしていたが、中村を故障で欠いた西武がその実績を求め、シーズン途中緊急獲得。5年ぶりの西武復帰、日本では述べ5チーム目の在籍となった。そして今度はしっかり力を発揮。特に終盤9月は4割超の大当たりで、優勝争いの大きな戦力に。8年連続となる二桁本塁打を放ち、高打率をマーク。
落ち込みが続いていた打撃で久々に輝きを見せた。以前から後半、特に9月に滅法強い選手で、それがうまくはまった。フルシーズンとなるとまた変わるだろうが、改めて打力の落ちていないことを実証。今季も残留で日本9年目のシーズンに。

福浦 和也

打撃安定、巧打者型

左投左打 首位打者(01)、Gグラブ(03,05,07)、ベストナイン(10)
習志野高 ロッテ94ドラフト7位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 105 310 78 9 0 1 90 44 0 1 7 50 2 49 .252
09 ロッテ 129 396 108 18 0 6 144 39 1 11 3 46 4 65 .273
10 ロッテ 116 322 95 19 0 13 153 61 0 3 3 28 3 47 .295
11 ロッテ 116 358 80 13 0 3 102 43 0 1 6 37 3 72 .223
通算 18年 1768 6053 1762 362 18 115 2505 821 9 33 70 601 79 913 .291

広角打法を武器に、6年連続6度の3割を記録したベテラン巧打者。00年代のロッテを支えてきた中心選手。
高校時代は投手だったが、打撃センスの高さを買われ野手としてプロ入り。ドラフトではかなり下位の指名だったが、早い内から将来の中軸と期待されていた。4年目の97年に一軍初出場し準レギュラー格となると、翌年にはレギュラー定着。左投げのため守備位置がファーストか外野に限定され、ともすれば外国人のあおりを食う場面もあったが、そのハンデを見事に克服した。00年からは完全に不動の存在となり、01年には初の3割で一気に首位打者を獲得。中心打者へと成長を遂げた。
柔軟なバットコントロールを見せる巧打者で、特に穴となるコースがない。中距離打者の素質も持ち、03年には21ホーマーにリーグトップの50二塁打を記録した。かなりの鈍足という点が難だが、一塁守備も名手として鳴らした。
タイトル獲得以降はリーグ屈指の存在となり、ここから06年まで6年連続3割をマーク。これはロッテでは落合以来球団史上2人目の記録だった。03,04年はリーグトップの二塁打を記録。しかしそんな大安定選手が、07年思わぬ不振に。開幕直後に故障で離脱、これが尾を引いたか復帰しても好調を持続できず、最後まで低調。規定打席にも届かず、打率を大きく落として終わった。不調は翌年も続き、開幕からさっぱりで一時二軍落ち。状態は上向かず、前年をさらに下回る自己ワースト打率更新。1ホーマーのみというのも一軍初出場の97年以降で自己最少。
持病の腰痛が悪化した影響からか精彩を欠いていた。09年も前半は低調で、7月末時点で打率は2割3分という状態。スタメン落ちも目立っていたが、しかしここからようやく復調を果たした。8月に調子を大きく上げると好調を最後まで維持。8月以降3割4分と全く別人の、かつての打棒を発揮し、シーズン打率も2ヶ月余りで4分も回復。3割復権はならずも、3年ぶりに規定打席に到達し、過去2年の状態から脱出に成功。
衰えの懸念を払拭し、翌10年も好調を維持。ほぼDH専念、左投手に1割台と極端に悪かったことから対右限定という起用法ではあったが、勝負強さを発揮して開幕から活躍を見せた。後半はさらに好調で、7月以降9ホーマーを放ち、6年ぶりに二桁本塁打を記録。規定打席未満で3割にも一歩届かなかったが、随所に存在感を発揮。
力強く引っ張る打撃を取り戻し復調を遂げたここ2年だったが、昨年は一転してかつてないほどの不振に。開幕から低打率に喘ぎ、6月大当たりで上向きかと思わせたのも束の間、7月以降は打率2割を切る低迷。この状態のままシーズンを終えてしまった。2割2分というシーズン打率は自己最低記録。
数字の上で目立つのが前年から大幅に増えた三振数。このところの復活状態から一転、一気に衰えも感じさせる結果に終わった。もう一塁守備につく機会はだいぶ減り、メインはDH。となれば昨年のような不振を引きずる訳にはいかないところ。今季もう一度底力を見せられるか。

福川 将和

中堅捕手、打撃優位型

右投右打
大体大浪商高〜東農大生産学部〜三菱自動車岡崎 ヤクルト02ドラフト5巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ヤクルト 105 241 50 7 1 7 80 35 1 9 2 34 1 59 .207
09 ヤクルト 11 10 1 0 0 0 1 0 0 0 0 2 0 5 .100
10 ヤクルト 15 13 3 0 0 0 3 2 0 0 0 2 2 6 .231
通算 9年 288 624 133 24 1 18 213 83 2 22 2 88 8 173 .213

パンチ力と強肩を売りとする捕手。入団当初はほとんど出番がなかったが、06年以降急浮上で正捕手争いに参戦。
大学から社会人を経てヤクルト入り。2年目の03年に代打でなかなかの好結果を残し台頭。しかし翌年故障で出遅れ、2年間ほぼ二軍暮らし。下では正捕手格も、一軍からはやや遠ざかっていた。
プロ入りが遅かったため、年齢的に後のない立場だったが、06年状況一変。監督兼任となった古田の出場減少、そして小野の故障離脱で一気に浮上してきた。4月末に昇格するとそのまま最後まで一軍定着。47試合出場、先発マスクも27試合と躍進を見せた。
守備よりも打撃に妙味のあるタイプで、打率は低かったものの6月には2試合連続で一発を放つなどパンチ力を発揮。上昇曲線で迎えた07年は米野の後退もあって筆頭捕手に。75試合の先発マスクを勝ち取り、さらなる前進を果たした。後半川本の台頭で少し後退したが、翌年は再びリードを奪った。故障で離脱の時期があったが、先発マスクは79試合に増え、自身初の100試合以上出場。負担が増えて打撃のほうはパッとしなかったが、リーグトップの盗塁阻止率を記録。実質正捕手という立場にまで上昇。
ただ一方で捕逸はリーグワーストの7と守備面の信頼は高くない。FAで相川が加入すると、真っ先に食われる形となってしまった。サブにも留まれず3番手の地位に後退。ほとんど出番は廻らず、さらに夏場には故障で離脱。前年100試合出場から一気に11試合に激減し、少ない機会で打撃も冴えず、わずか1安打に終わった。
相川に遠く及ばなかったのは仕方ないが、年下の川本にも先行を許してしまった。昨年も3番手か4番手という、ベンチ入りも微妙な立場で先発は2試合のみ。前年と状況はほとんど変わらなかった。もう34歳という点からも巻き返すにはあまり猶予がない。せめて2番手には食い込みたいところだが。

福田 秀平

俊足若手、転向型

右投左右打
多摩大聖ヶ丘高 ソフトバンク07ドラフト(高)1巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
09 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
10 ソフトバンク 44 23 6 2 0 0 8 3 3 4 0 2 0 8 .261
通算 4年

4年目の昨年一軍初登場の若手選手。主に代走要員として起用され、一軍進出の足がかりを得た。
野球では無名と言ってもいい高校で活躍し、高校通算38本塁打。高校生ドラフトで大嶺(ロ)を外したソフトバンクに1巡指名されプロ入りとなった。俊足のスイッチヒッター内野手ということで、近い将来メジャー挑戦が予想される川アの後継を期待された存在。
やや線の細い選手で、3年間はずっと二軍で育成。フェニックス・リーグで活躍を見せるなどし、二軍成績も徐々に上昇。そして昨年待望の一軍昇格を果たし、プロ初安打も記録。代走をメインに44試合に出場し、大きく前進してきた。スタメン機会も4試合。
登録は内野手だったものの、二軍時代から送球に問題を抱えており、昨年から外野起用にシフト。一軍で守ったのは一塁と外野で、今季は登録も外野手に変更。また高校時代からスイッチだったものの、左打席に比べて右ははっきり見劣りし、これも今季から左一本とすることに。まだまだ試行錯誤の段階といった感だが、足だけでなく打撃センスも期待されており、これから出番が増えていきそうな選手。

福田 永将

パワーヒッター候補、元捕手型

右投右打
横浜高 中日07ドラフト(高)3巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 中日 - - - - - - - - - - - - - - -
09 中日 17 16 3 1 0 1 7 1 0 0 0 2 0 7 .188
10 中日 15 12 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 1 6 .167
通算 4年 32 28 5 1 0 1 9 1 0 0 0 2 1 13 .179

パンチ力あふれる打撃を期待される若手選手。捕手としてプロ入りも打撃を活かすため一塁に転向、一軍進出をうかがう位置に。
名門高校で1年からレギュラーとなり、2歳上の涌井(西)とバッテリーも組んだ。早くから4番を任され、主将としてセンバツ優勝。華々しい実績を引っさげ、高校生ドラフトで指名され中日入り。1年目は捕手として過ごすも、秋季キャンプから一塁へコンバート。
当初の2年間は二軍でも実戦出場が少ない状態だったが、3年目に大きく上昇。夏場に一軍昇格を果たすと、代打でプロ初打席初本塁打を記録した。その後も活躍とはいかず、昨年もほぼ同じような結果とちょっと停滞しているが、パワフルな打撃に期待は大きい。まずは代打でアピールしたい。

福地 寿樹 (和広)

移籍急上昇、神速型

右投左右打 盗塁王(08,09)
杵島商高 広島94ドラフト4位〜05、西武06〜07、ヤクルト08〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ヤクルト 131 485 155 22 7 9 218 61 42 7 3 29 8 90 .320
09 ヤクルト 137 504 136 13 5 5 174 34 42 5 3 27 4 86 .270
10 ヤクルト 98 203 50 7 2 1 64 11 23 4 0 10 8 46 .246
通算 17年 886 2143 593 80 24 20 781 160 229 58 7 111 37 401 .277

プロでも有数の俊足で鳴らす選手。かつては代走屋として活躍したが、移籍後レギュラー級に飛躍。
高校から広島入りし、二軍では早くから主力に。2年目の95年から4年連続ファームの盗塁王獲得。98年にはウエスタン史上初、現在でも唯一の50盗塁を記録した。この快速から00年以降は一軍の代走要員となり、4年連続二桁盗塁。特に01年は51試合に出場してわずか9打席と徹底的に代走屋だった。02年までの通算安打36に対し、通算得点は51、盗塁は41。「福地=盗塁」というイメージが出来上がっている中でもしっかり走る選手で、マークされつつも決めていた。
代走専門から02年以降立場が微妙に変化。打席機会が徐々に増え、03年には二塁レギュラー候補の一人にも挙げられた。この年プロ初ホームランを記録するなど打撃でも存在感が増していたが、翌年開幕前に足の靭帯断裂の大怪我。シーズンのほとんどを棒に振ってしまった。復帰した05年8盗塁を記録し足は健在であることを示したが、レギュラー候補からは大きく後退。
しかし06年開幕直前のトレードで西武に移ると、ここから大きく視界が開けた。5月に一軍昇格、中旬から1番に起用され、シーズン通してかつてないほどの打棒を発揮。すっかり外野の一角を占めるようになり、それまでの通算を1年で上回る安打数を記録。30歳を迎えてレギュラー格に急上昇の大ブレイクとなった。07年は全体的にはさほど良くなかったものの、初めて100試合以上出場。
移籍を契機にイメージを一新することに成功した。FA石井一の人的補償でヤクルト移籍の08年はさらなる上昇。外野の一角を勝ち取るとそのままスランプもなく駆け抜け、夏場は絶好調。15年目にして初めて規定打席に到達し堂々の3割。そして見事盗塁王のタイトルに輝き、機動力を前面に押し出したチームの象徴的存在ともなった。三塁打7本もリーグ最多。翌年も引き続きレギュラーを務め、打率は前年より落としたものの、盗塁は7月以降30の猛チャージで2年連続タイトル獲得。
すっかり主力となったが、昨年は春先故障で離脱。復帰後は打撃が振るわず、レギュラーから一歩後退となってしまった。夏場に好調で盛り返した打撃は終盤また落ち込み、前年より大幅に打率ダウン。先発出場は39試合に留まり、4年ぶりに出場数が100に届かなかった。
8割以上の成功率で23盗塁を記録し、ベテランとなっても足は健在。ただ打撃が落ち込んでしまうと、肩の弱さもあって常時出場が難しくなってしまう。畠山がレフトに定着しかけている状況だが、何とか巻き返してタイトル返り咲きも狙いたいところ。例年右打席の成績が非常に悪く、スイッチでも対左は苦手。

藤井 彰人

ベテラン捕手、総合力型

右投右打
近大付高〜近大 近鉄99ドラフト2位〜04、楽天05〜10、阪神11〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 楽天 90 190 50 7 0 0 57 13 3 13 1 18 1 25 .263
09 楽天 35 71 23 1 0 1 27 9 0 3 0 2 0 9 .324
10 楽天 8 18 4 1 0 0 5 2 0 0 0 1 0 4 .222
通算 12年 676 1423 340 50 6 6 420 116 16 73 8 97 7 225 .239

楽天の中心捕手だった選手。発足当初から正捕手格としてチームを支えた。
大学時代は宇高(近鉄〜横浜)とバッテリーを組み、ドラフト上位で揃って近鉄入り。身長170cmと非常に小柄な選手で、持ち味はディフェンス全般。華やかさはないがいかにも「女房役」という雰囲気が漂う。肩はそれほど強くないが、スローイング技術は持っている。
即戦力の期待には応えられず、当初は二軍暮らし。3年目の01年は靭帯断裂でシーズンをほぼ棒に振った。しかし故障癒えた02年以降一軍進出。着実に出番を増やし、04年ついにベテラン的山を上回る出場数に。いよいよ正捕手というところで合併騒動勃発。
新球団移籍を早くから希望し、分配ドラフトで楽天へ。当然スタメン機会は急増し、ほぼレギュラーとして1年を過ごした。ただそうなってみると甘さを見せたのも事実。あまりにも弱い投手陣のリードに苦しんだ点は同情できるが、正捕手として見ると物足りない面も強く感じさせた。06年も大半のスタメンマスクを被り正捕手格だったが、ベンチの信頼は掴みきれず。そして07年はポジション争いから大きく後退。新人嶋が積極的に起用され、2番手に甘んじることとなった。先発出場はわずか26試合にとどまり、大半が途中出場。
08年は復活を果たした岩隈とコンビを組み、巻き返しに成功。また自身も波は激しかったもののなかなか打撃好調。嶋と先発マスクをほぼ分け合い、前年1割台と壊滅的だった盗塁阻止率が4割越えでリーグトップ。だが盛り返しは持続できず、翌09年は大幅に出番を減らしてしまった。岩隈とのコンビは継続もそれ以外はほとんど嶋に譲り、さらに8月には自身が故障離脱。
そして首脳陣が替わった昨年はさらに影が薄くなることに。シーズン序盤の8試合出場のみで、4月半ば以降シーズン終了まで二軍暮らし。移籍以降これほど長期間二軍にいたのは初めてで、一桁の出場数は近鉄時代以来9年ぶり。当然岩隈とのバッテリーも解消で、全く存在感のない1年に終わった。
嶋が突然の打撃開眼で正捕手に完全定着した影響もあるが、サブにすら留まれなかったのは意外。シーズン後FA宣言し、城島故障で開幕時の捕手を欲していた阪神と契約。ただ期限付きのチャンスという印象が強く、城島が復帰すれば控えが有力。果たしてどの程度の出場機会を得られるか。

藤井 淳志

レギュラー候補、急進後退型

右投右打
豊橋東高〜筑波大〜NTT西日本 中日06ドラフト(大・社)3巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 中日 40 35 6 1 0 2 13 2 2 3 0 1 0 9 .171
09 中日 114 401 120 26 1 10 178 49 15 11 2 23 1 79 .299
10 中日 63 166 39 6 3 1 54 8 3 9 1 7 1 38 .235
通算 5年 333 707 184 38 4 14 272 64 28 29 4 33 3 152 .260

09年急成長でセンターレギュラーとなった外野手。4年目の大ブレイクで一気に主力の一角に。
鉄砲肩と評される抜群の強肩が武器で、ベンチの期待は高く、プロ1年目から2番センターで開幕スタメン出場。打撃で結果が出せず控えに落ち着いてしまったが、主に代走・守備要員として40試合出場とまずまずのデビューを果たした。2年目はさらに出場数を増やし、盗塁増加、プロ初ホームランも記録。ただここまでは守備は高評価も打撃が弱く、08年も2ホーマーを放つも打率は1割台。あまり変わり映えのしない状態で終わり、前年より出場数を減らしてしまった。
やや守備専門の色濃くなっていたが、09年劇的な変わり身を見せた。2年間の右打席専念から再びスイッチに戻すと、オープン戦からアピールし開幕スタメン出場。好調はシーズンに入っても持続し、序盤は2ヶ月で7ホーマーと意外なパンチ力を発揮。長打はピタッと止まったが、その後もコンスタントに打ち続け8月には3割4分の高打率をマーク。終盤骨折で離脱し規定打席に届かなかったものの、3割にあとわずかという好成績を残して完全にレギュラー定着。
課題だった打撃が急成長でバランスの取れた選手に変貌した。しかし昨年は実質2年目のジンクスというべきか、一転して大不振に喘いだ。開幕から深刻な打撃不振が続いてポジション脱落どころか二軍落ち。再昇格しても復調できず再び二軍調整と全く冴えないまま。スタメン出場は38試合に留まり、大きく後退のシーズンに。
前年より大幅に成績が落ちた中でも、左投手に対する右打席が1割5分と散々な状態。スイッチの利便性をアピールすることも出来なかった。低迷の間にセンターは大島が確保しかけているが、ライトは流動的。今季はなんとしても立て直して再度ポジションを目指したい。

藤田 一也

準レギュラー、好守型

右投左打
鳴門一高〜近大 横浜05ドラフト4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 横浜 46 108 26 5 0 1 34 6 1 7 1 2 2 13 .241
09 横浜 120 346 93 7 5 4 122 20 6 24 3 7 1 34 .269
10 横浜 106 201 62 8 0 1 73 15 2 11 0 6 2 33 .308
11 横浜 96 188 57 8 1 1 70 15 0 3 0 10 7 20 .303
通算 7年 487 1061 285 35 6 7 353 64 13 62 5 32 14 125 .269

大学時代から守備の評価が高い内野手。「ポスト石井」と期待されるもやや足踏みしていたが、09年レギュラー級に台頭。
1年目はほとんど二軍暮らしも、夏場には一軍も経験。守備はすでに充分戦力レベルで、評判に違わぬ動きを見せた。2年目は出番が大幅に増加。セカンドを中心に先発機会も増え、どうやら一軍定着を果たした。
グラブ捌きが良く、堅実な守備力が最大の売り。ただ打撃のほうは課題が多く、二軍では良くても一軍レベルでは少し物足りない状態だった。パワー不足に加えて左投手に徹底的に弱く、これがネックとなって07,08年はやや頭打ち。
停滞中に石川が台頭し少し微妙な立場ともなったが、09年ようやく壁を突破。村田の出遅れから開幕スタメン、その後は控えに戻っていったものの、交流戦で少ない打数ながら3割4分などこれまでと一味違うところを見せ始めた。そして仁志の大不振で空いた二塁に後半から完全定着。課題だった打撃に長足の進歩を見せ、コンスタントに率を残した。初めて出場数が100を越え、打席数も400に迫るなどほぼレギュラーへ飛躍に成功。
柔軟なバットコントロールを見せるようになり、左投手への苦手意識も消滅。10年は二塁にカスティーヨが入り、スタメン機会が大幅に減ってしまったが、打撃は前年以上に好調。序盤から常に高打率を維持し、打席数は約半減もシーズン打率3割を記録。結果は伴わなかったものの代打起用も数多くされた。準レギュラー格として活躍。
どうやら完全に打撃のコツを掴んだ模様。昨年も準レギュラー扱いで出場数は横這いだったが、代打で数多く起用され、3割4分という高い打率を叩き出した。守備のほうでも無失策でシーズンを終え、攻守ともに地味ながら堅実な活躍。
フルに出た経験が少ないためレギュラーでこのペースを維持できるのかは不明だが、準レギュラーに留めておくのは非常に惜しいという印象。石川が二塁に廻る今季はショート、或いはサードのポジションをうかがうチャンス。

藤村 大介

小兵内野手、俊足型

右投左打
熊本工高 巨人08ドラフト(高)1巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
09 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
10 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
11 巨人 51 141 30 3 0 0 33 5 10 13 0 5 1 33 .213
通算 4年
11年成績は7/24現在

スピードが売りの若手内野手。4年目の今季一軍初出場し、二塁レギュラーに挑戦中。
古豪のレギュラーとして甲子園3度出場。高校生ドラフトで由規の外れ1巡指名を受け、巨人入りとなった。プロでも有数の快速の持ち主で、高校の先輩でもある「緒方耕一の再来」という期待を受けた。当初の3年は二軍で過ごし、昨年はチーム最多の17盗塁(同時にリーグ最多の失敗15のおまけつきだが)を記録。
今季も開幕は二軍で迎えたが、当初好調だった脇谷が急激に調子を落とし、手薄な二塁補強のため5月に昇格。すぐにスタメン起用され、初スタメン試合で初盗塁、翌日に初安打を放った。以降ほぼレギュラーとなり、一気に出場数急増。オールスターまでに10盗塁を記録。
小柄な体で俊敏に動き回るスピード感が最大の武器。正直まだ一軍レベルでは非力の印象は拭えず、打撃は力負けというところが目立つ。もともとチームの二塁はやや本命不在で、脇谷を欠くと人材難という面が強く、現在の立場はライバル不在ゆえとも言える。しかし実質1年目ながら期待できる動きは端々に見せており、打撃が向上してくればこのままポジション確保という可能性も充分。そうなれば22歳という年齢からもチームにとっても大きな意味を持つ。

藤本 敦士

小兵内野手、ジリ貧型

右投左打
育英高〜甲賀総合科学専門学校〜デュプロ 阪神01ドラフト7位〜09、ヤクルト10〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 阪神 58 76 19 1 1 0 22 7 1 4 2 6 1 14 .250
09 阪神 47 64 14 1 0 0 15 1 0 3 0 3 0 4 .219
10 ヤクルト 65 187 43 9 1 2 60 18 1 6 3 11 2 27 .230
通算 10年 908 2337 593 82 18 13 750 199 27 82 14 166 10 323 .254

小柄な二遊間タイプの内野手。阪神時代の03年、8番固定で3割を打つことで切れ目のない打線を演出し優勝に貢献。03年阪神優勝の立役者の一人。得点力大幅アップにつながった。
社会人からドラフト下位で阪神入り。ショート候補の一人として同期入団の沖原と競い合い、1年目から準レギュラーに。ただショートとしては送球が不安定で当初は抜け出しきれず、2年目は低打率で出場数を減らすなどパッとしなかった。しかし3年目の03年は大きな変わり身を見せてポジション定着。コンパクトなスイングに徹して三振が減り、下位に座って好成績。一気にライバルを突き放す活躍を見せた。
これで主力の一角に加わったが、翌年以降打撃が元の状態に戻ることに。鳥谷入団でレギュラー剥奪も囁かれた04年は序盤こそ意地を見せてポジションを維持したが、徐々に失速、夏以降は故障もあって大きく数字を落としてしまった。05年からは二塁にコンバートされ、守備面では送球不安が減り落ち着くも打撃はますます下降線。06年2割3分台まで落ち込み、レギュラーとしての立場を失うことに。
ここからは完全にジリ貧状態。07年は100試合以上の出場はあったものの、先発は33試合止まり。関本が二塁に移って完全に控えに落ち着いた。平野と新井が加入してきた08年はさらに押し出され、一気に存在感が薄くなった。この流れは09年も止まらず、6月以降ノーヒットという状態でさらに出場数減少。終盤はとうとう一軍からも外されてしまった。
基本的には打撃の弱い選手で、ショートは鳥谷が固定、二塁も関本と平野がいる布陣では割り込む余地がなかった。FA宣言し昨年はヤクルトへ。川島慶の不在で空いたショートを期待され、巻き返しの大きなチャンスを得たが、活かしきれなかった。もともと不安が大きい上に公式戦では05年以来という遊撃守備はやはり不安定で、打撃も相変わらず低調。4年ぶりの一発を放つも低打率が続き、後半に入るとポジションを外され出番が激減。二軍落ちに続いてさらに終盤は戦列を離れ、7月以降はわずか6試合の出場に留まった。チーム状態が上向くと同時に影が薄くなることに。
もう何年も守っていないショートをこの年齢でというのはやはり無理がありすぎた印象。常時出場には色々不足感も強い選手で、控えということになるか。ただベストの二塁には田中浩が定着しているチームで、今後どこまでチャンスがあるか微妙なところ。ジリ貧を止めるチャンスから一転厳しい立場になったかもしれない。

ディー・ブラウン

パワーヒッター、低確率型

右投左打
西武10〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
10 西武 118 424 102 20 0 21 185 76 2 0 4 49 2 101 .241
通算 1年

昨年西武入りの外国人。メジャーでは01年に106試合出場の実績を持ち、前年は3Aで2割9分19ホーマー。近年のマイナーでは二塁打がかなり多い中距離タイプ。
中島・中村の後を打つ5番として期待され、開幕戦でいきなり決勝の本塁打を放つデビュー。その後も打点をよく稼いだが、打率のほうは低空飛行。5月好調で7ホーマーを放ち率も良かったが、6月以降はまた低打率に落ちた。確実性は全くないものの、中村を故障で欠いたチームにあって、オールスター時点での18ホーマー65打点はトップの数字。
割合仕掛けの遅い打者で、三振は多いが四球も拾うタイプ。一発もあり打点が多いのだが、かなりムラが強く、中軸として当てにするのは少し辛い印象。交流戦で守る機会もあったが、外野守備力はだいぶ低くほぼDH専門。
後半は一発があまり出なくなり印象薄。終盤は不振で二軍落ちしてしまった。21ホーマー、76打点はいずれもチーム2位の数字だが、7月以降は5ホーマーに23打点に留まった。今季も残留だが、対戦相手ごとの相性もきつく、左投手に脆さもあって、固定して使うにはやや心許ない。魅力もあるが穴も多く、ちょっと読みづらい選手。

クレイグ・ブラゼル

大砲、移籍変身型

右投左打 ベストナイン(10)
西武08、阪神09途中〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 西武 130 471 110 19 0 27 210 87 0 0 7 30 13 139 .234
09 阪神 82 285 83 14 0 16 145 49 0 0 2 8 0 66 .291
10 阪神 143 564 167 15 0 47 323 117 1 0 6 25 6 153 .296
通算 3年 355 1320 360 48 0 90 678 253 1 0 15 63 19 358 .273

長距離砲として活躍する外国人選手。西武時代は粗っぽさが強かったが、阪神入団後イメージを大きく変えた。
メジャー実績はほとんどないが、07年3Aで32ホーマー。リリースしたカブレラに替わる大砲として08年西武入りした。大柄な体格でいかにもパワーヒッターという外見、そしてプレー内容もその印象を裏切らないものだった。開幕3三振デビューも、4月末までにいきなり11ホーマーを量産。打率は低いものの当たれば軽々柵越えの力を見せ付け、オールスターまでに24ホーマーで飛躍的に本塁打数の伸びた打線の象徴ともなった。ただ穴はやはり多く、後半は研究されて急失速。故障もあって低打率の上に一発も出なくなり、確実と思われた30ホーマーも届かず。さらに終盤頭部死球の影響から戦列を離れ、ポストシーズンはすべて欠場。8月後半から1ヶ月以上ノーアーチとあって、1年限りで退団に。
09年は本国に戻り当初独立リーグでプレーしていたが、シーズン途中阪神入り。6月に出場を始めると、交流戦半分の出場でチームトップの5ホーマーと力を発揮。その後もコンスタントに打ち続けた。一発は前年に比べるとやや少ないペースだったが、その代わり確実性が上昇。3割近い打率を維持して充分な戦力となった。
そして昨年は大きく上昇。開幕から一発はもちろん、高打率で打ちまくり、前半3割キープで26ホーマー。後半多少打率は下げたものの、1年目のように大きく崩れることはなく好調を維持。最終的に3割には一歩届かずも、本塁打・打点でリーグ2位の活躍。40ホーマー・100打点の大台を突破し、活発だった打線の中心としてチームを牽引した。
1年目の西武時代はとにかく典型的なプル&ローボールヒッターで、ツボに来ればでかいものの脆いという印象だったのだが、基本スタイルはそのままに柔軟性が向上。追い込まれると軽打を見せるなどしたたかになり、確実性が大幅に上がった。
初来日時が比較的若かったため、まだまだ働き盛りの年齢。昨年は左に弱い部分も見せたが、今季もタイトル争いの活躍が期待される。横浜戦で打ちまくり、打率4割に加えて実に14ホーマーを荒稼ぎ。

トニ・ブランコ

主砲、一発屋型

右投右打 本塁打王(09)、打点王(09)、ベストナイン(09)
中日09〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
09 中日 144 549 151 25 0 39 293 110 1 0 4 48 14 157 .275
10 中日 134 493 130 21 0 32 247 86 0 0 2 57 9 158 .264
通算 2年 278 1042 281 46 0 71 540 196 1 0 6 105 23 315 .270

09年来日するといきなり二冠王となった外国人大砲。軽々とスタンドに運ぶ桁外れのパワーが最大の魅力。
メジャー出場は05年のみ、マイナーも近年は2Aまでとアメリカでの実績はあまりない選手。ドミニカ出身者獲得に積極的な中日が、前年のウインターリーグで目をつけた。「当たった時の飛距離は途轍もない」という評価で、退団したウッズに替わる存在として来日。
開幕4番スタートも4月は2割そこそこに4ホーマーと序盤はスロースタート。しかし5月に入ると3割後半に8ホーマーと急上昇。これ以降コンスタントにアーチを量産し、交流戦では唯一の二桁11本塁打に24打点の二冠王。打率のほうは8月の不振でだいぶ下げたが、39ホーマーでほぼ独走の本塁打王。そして同僚森野を交わして打点王も獲得し、見事二冠王となった。新たな主砲として大きな存在感を発揮。
基本的には三振が多く粗っぽい打者だが、捉えた打球は図抜けた飛距離を誇る。本来はサードながら守備力が非常に低く、マイナー時代の02年61試合で30失策、08年も65試合で31失策(いずれも三塁のみでのもの)と目を疑うような記録を残したほど。ウッズの後任ということもあって日本ではほぼ一塁専念だったが、こちらもシーズン序盤はエラーの多さが目に付いた。日程が進むにつれ多少落ち着いたが、一塁での失策数は12球団最多。
2年目となる昨年も序盤は好調キープ。ところが徐々に調子を崩し始め、6月には1割台という大不振。5月から7月にかけて2割1分という低調な状態が続いた。8月以降ようやく持ち直したが、前年より成績ダウン。30ホーマーはクリアしたもののリーグ上位が40本台後半に達したため、タイトル争いには全く加われなかった。チャンスにも結果を残せず打点は大幅減。和田と入れ替わり5番に入る試合も数多かった。
昨年は強引過ぎるところも目に付き、形が崩れていた感も。打撃が落ち込むと他の面が見劣りする(14失策は前年に続いて一塁手の最多)だけに、今季は好不調の波を小さくしたいところ。昨年ヤクルト戦に相性が悪く、打率1割台に打点は一桁に留まった。

古城 茂幸

守備代走要員、万能型

右投左打
中央学院高〜国士舘大 日本ハム98ドラフト5位〜05、巨人06〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 巨人 83 159 34 8 0 3 51 16 6 8 2 8 5 32 .214
09 巨人 77 179 45 5 1 2 58 18 3 3 2 10 10 39 .251
10 巨人 67 82 20 1 0 2 27 7 2 1 0 10 3 17 .244
通算 13年 625 908 204 30 4 8 266 68 34 32 5 67 23 191 .225

内野全般を守るユーティリティプレーヤー。主に終盤の守備固め・代走を任され、使い勝手の良さに特徴のある選手。
大学から日本ハム入りし、2年目から一軍登場。以降こつこつと出番を増やしてきた。打撃のほうは非力で弱々しかったが、ソツのない守備力を発揮。目立たずとも着実に出場機会を得ていた。
04年はプロ初ホームランを放ち、初めて打席数が100以上に。しかし翌年出番が大幅に減り、ちょっと伸び悩んだようにも見えた。足踏みしたところで06年開幕直後(セは開幕前)に巨人へトレード。移籍で大きく変わったということはなく、主に三塁の守備要員として出場。目立つところは少なかったが、この年はかつてないほど打撃好調で自身最高の打率をマーク。少ない打席ながらも意外なアピールを果たした。それは2年続かなかったが、07年は内野全般の守備要員として出場数増加。しっかり一軍戦力となっている。
派手な働きは望みにくいが、堅実なプレースタイルが持ち味。近年は内野の編成、特に二塁が流動的になったことからスタメン機会も増加。08年は4年ぶりに100打席以上立ち、自己最多の出場数を記録した。09年は開幕を二軍で迎えたものの、5月末に昇格すると以降はしっかり一軍定着。古城としては打撃の状態も良く、主に二塁で46試合にスタメン出場。シーズンの打席数が初めて200を越えた。
レギュラーとするには打力が明らかに不足だが、場数を踏んでいることもあって計算の立てやすい選手。昨年はスタメン機会が減ったものの、守備固めをメインに役割をこなした。今季もゲーム終盤を固める存在として出場機会は多そう。代走としての出場も多いが盗塁成功率はやや低め。