マット・マートン

巧打者、高打率型

右投右打 最多安打(10)、ベストナイン(10)
阪神10〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
10 阪神 144 613 214 35 3 17 306 91 11 0 5 47 3 70 .349
通算 1年

昨年阪神入りの外国人選手。開幕から高打率を続けてタイトルを争い、シーズン安打新記録を樹立。打線の起爆剤として大活躍。
メジャー通算346試合出場で、06年にはレギュラーとして144試合出場、3割近い打率を残した実績を持つ。ここ2年は主に3Aも、09年は3割の好成績。センターの経験こそ少ないながらも外野守備も堅いと評され、前年限りで引退した赤星に替わるチャンスメーカーを期待されての獲得。
オープン戦も好調で1番スタメンで公式戦突入。そして開幕から期待以上の活躍を見せた。穴のない打撃で常に3割以上をマーク。交流戦中から3番も任されるようになったが、全くペースは変わらず。長い不調もなく、リーグの打撃成績上位に定着。チャンスメイクのみならず得点圏打率も高く、打線の中で大きな存在感を発揮。昨年の新外国人の中で一番の当たりと言っていい活躍を見せた。
外国人ながら大振りせず、コンパクトな打撃スタイルは09年まで楽天に在籍したリックに通じる印象。大きな波がないのは見事で、追い込まれてもしぶとい。守備面はセンターを任せきるには微妙な部分もあったが、打撃の貢献度が絶大。
後半もコンスタントな打撃は全く変わらず、優勝争いの終盤9月以降は3割8分の高打率。シーズン200安打の大台突破だけに留まらず、94年イチローの記録を越える214安打を放ち、シーズン安打日本新記録を更新。当然最多安打のタイトル獲得で、打率もリーグ3位と非常に大きな戦力となった。
月間打率3割を切ったのは7月だけ、それもわずかな不足で、スランプというものが全くと言っていいほどなかった。左投手を4割と打ち崩し、今季も打線を引っ張る存在として期待大。満遍なく打った中でもヤクルト戦は特に相性が良く、4割6分と滅多打ち。

前田 章宏

ドラ1捕手、停滞型

右投右打
中京大中京高 中日02ドラフト1巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 中日 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
09 中日 6 10 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 3 .100
10 中日 9 4 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 1 .250
通算 9年 34 24 2 1 0 0 3 1 0 0 0 1 0 7 .083

ドラフト1巡でプロ入りし9年経過の捕手。なかなか一軍の壁を突破できず、ここまではほぼ二軍状態が続いている。
強肩強打の高校屈指の捕手と評価され、寺原の外れ1巡で中日入り。地元出身でもあり、将来の正捕手を大いに期待されてのプロ入りとなった。入団した年移籍してきた谷繁の、「その次」を担う存在と目された。
一軍初出場は2年目に経験したが、捕手ということもあり二軍でじっくり育成。だが6年目の07年に一軍出場なしに終わるなど、そこからなかなか浮上できず。二軍でも抜きん出ることができず、07年に加入した田中に遅れを取ることも。
ここ2年ほんの少し一軍に近付き、昨年は自己最多の9試合に出場。とはいえ依然一桁に留まっており、アピールするところまでは至っていない。高卒でも年数が経ってもう27歳と中堅の域。そろそろ一軍のサブ争いには加わりたいところだが。

前田 大輔

控え捕手、打力優位型

右投右打
多度津工高〜駒大〜神戸製鋼 オリックス03ドラフト4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 オリックス 24 49 6 1 0 1 10 4 1 0 0 3 0 13 .122
09 オリックス 19 33 9 3 0 0 12 2 0 4 0 4 0 7 .273
10 オリックス 28 55 12 1 0 1 16 6 0 4 1 4 1 12 .218
通算 8年 217 414 96 15 0 7 132 45 4 13 1 35 3 95 .232

オリックスの控え捕手。04年の台頭で一時日高を脅かす存在となるも、近年はあまり目立てずにいる。
社会人からプロ入りし、1年目から一軍出場。一発こそ1本ずつだったが、1,2年目ともに悪くないアベレージで打力のあるところを見せた。一本足打法で速球には遅れ気味だが、変化球には対応。04年は後半失速したが、春先はかなり好調で先発の機会も多かった。守備全般に課題を残すも、この時点で2番手につける存在だった。
しかし球団合併で的山と鈴木が加わると、そのあおりを受けて05,06年は4番手の立場に後退。出場機会が激減し、二軍暮らしが続いた。07年コリンズ監督が就任すると期待を受け、開幕スタメンに浮上。しかし特徴の打撃が1割2分と壊滅的で5月には二軍落ち。再昇格後の後半盛り返して2番手に返り咲きは果たしたが、正捕手獲りの大きなチャンスを逸してしまった。
やはり全体的にレギュラーとなるには不足の多い選手で、08年は日高の好調で出場数減少。09年は前半二軍暮らしとなり、3番手に後退してしまった。後半一軍出場で打撃はそこそこの結果を残したが、さほど印象には残らず、日高の故障があっても出場数はまた減少。
昨年も前半はほとんど二軍暮らし。ただ日高が信頼を失い、メインとなった鈴木の打撃が貧弱なことから終盤はチャンスを得た。結果はいまいちも21試合にスタメンマスクを被り、ジリ貧傾向から少し回復。
踏み止まったが、守備面では魅力が薄い。特にスローイングは弱々しく、昨年は12回走られて1度も刺せず。この3年で計40の盗塁を許し、刺したのは1回だけとフリーパス状態。打撃も目を惹くほどの結果を残しているわけではなく、メインとなるにはかなり苦しい。正捕手混沌となった今は絶好のチャンスだが、もう一段レベルアップが欲しいところ。

前田 智徳

打撃職人、天才型

右投左打 ベストナイン(92〜94,98)、Gグラブ(91〜94)
熊本工高 広島90ドラフト4位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 広島 84 174 47 4 1 4 65 29 0 0 2 8 2 24 .270
09 広島 - - - - - - - - - - - - - - -
10 広島 68 77 17 3 0 2 26 19 0 0 2 6 1 19 .221
通算 21年 2068 6904 2088 346 17 295 3353 1076 68 76 55 576 55 750 .302

「天才」と称されることも多い打撃職人。ここまで10度以上の3割を記録し、通算打率も3割を越えるスラッガー。左右に打ち分けるタイプではなく、きっちり腰をすえてクリーンヒットをはじき返す。長打力もあり、納得いかない形だとヒットでも不満顔を見せる頑固者。
ドラフト下位指名の高卒選手ながら、1年目から一軍デビュー。新旧交替の端境期ということもあり、2年目には早くもレギュラー定着を果たした。当時は俊足強肩の三拍子揃った選手。勝負強く、長打も打てる万能のスラッガーとして大いに名を売った。3年目には犠打30で打点89という特徴的な数字も残している。92年から3年連続3割、常に打撃成績の上位に入り、首位打者有力候補の一角に挙げられ続けた。ホームランも20本台に乗せ、まさに順風満帆。
紛れもなくカープの中心選手、リーグを代表する選手として君臨していたが、95年にアクシデント。アキレス腱断裂でほとんどシーズンを棒に振り、それ以降も足に大きなハンデを負ってしまった。復帰後も打棒は変わらず、98年には打率2位で二塁打リーグトップ。しかし全力疾走は出来ず、常に故障と隣り合わせの生活になってしまった。00,01年には再び故障発生で長期間離脱。
何度省みても惜しまれるのが故障歴。打撃技術がほぼ完璧なだけに、余計にそれを痛感してしまう。復帰した02年からも安定した成績を残したが、走塁で同僚のロペスとトラブル発生という一幕も。守備も堅実ではあるが範囲の狭さはいかんともしがたく、広島市民球場という狭い本拠地で何とかなっていた面も否めない。
それでも打力の高さはさすがのもので、ここまで打撃タイトルに手が届いていないのが不思議なほど。05年は12年ぶりのフル出場で自己最多の32ホーマー。06年も中軸として活躍し、3年連続の3割。9,10月に10本量産で5年連続8度目の20ホーマー以上も達成。ベテランになっても依然チーム屈指のスラッガーであり続けた。07年3割には届かなかったが通算2000本安打達成。
年齢的な問題から、08年は途中からポジションを譲る形となり、代打に専念するように。7年ぶりに出場数が100試合を切った。チームの若返り策から後退を余儀なくされたという印象だが、当初戸惑いも見えた代打稼業にもしっかり適応。8月7割という打率を叩き出し、シーズンで3割7分の高打率をマーク、切り札として活躍。しかし09年は久々に故障で大きく躓いてしまった。下半身の不調続きで状態は上がらず、一軍はおろか二軍でも出場ないままシーズン終了。一軍出場0に終わったのはプロ生活20年でこれが初めて。
昨年は復帰し、再び代打の切り札に。序盤はなかなか好調で、交流戦ではDHで出場。しかし6月からパタッと快音が途絶えてしまった。7月以降は4安打で1割台の低打率が続き、シーズン打率も大幅に低下。最終的には寂しい成績に終わった。
17安打で19打点という辺りはさすがだが、チームトップの代打起用でも数字はあまり良くなく、物足りない結果だった。すでに39歳の大ベテラン、存在感は依然高いがそろそろ引退も見えてきた印象。もう一度意地を見せられるか。

牧田 明久

中堅外野手、強肩型

右投右打
鯖江高 近鉄01ドラフト5位〜04、楽天05〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 楽天 - - - - - - - - - - - - - - -
09 楽天 37 24 3 1 0 0 4 2 0 0 0 0 0 6 .125
10 楽天 81 182 53 15 3 6 92 16 2 1 1 4 2 26 .291
通算 10年 290 503 129 23 3 7 179 36 12 8 1 28 6 83 .256

近年台頭してレギュラー候補に浮上した外野手。楽天移籍でチャンスを得た一人。
ドラフト下位で近鉄入り。一軍出場がないまま4年が経過し、分配ドラフトで楽天へ。新球団では数少ない貴重な若手選手で、05年一軍に初登場。ここでは目立つ成績は残せなかったものの、06年5月に昇格すると6月は4割近いアベレージで先発出場も急増。以降ほぼ一軍定着を果たした。
俊足・強肩と身体能力に恵まれ、チームではトップクラスの外野守備力を持つ。特に肩は06年チームトップの補殺5を記録し、大いに注目された。礒部が精彩を欠いたこともあって後半も積極的に起用された。
07年はさらに出場機会増加。一気にレギュラーとまではいかなかったが、着実な前進を見せた。打率も向上し、4月にはプロ初ホームランも記録。徐々にポジション獲りに近付いていたが、翌年は一歩後退。前年終盤に肘を痛め、手術をしたことからリハビリに近い状態で一軍出場なく終わった。この不在の間に外野陣は新鋭が続々台頭し、翌年一軍復帰は果たしたものの出場数は少なく、そのほとんどが守備固めでのものだった。
やや後れを取った印象だったが、昨年は巻き返して再浮上に成功。序盤好調でアピール、その後不調で一旦落ち込んだものの、後半大いに盛り返し出場数急増。計48試合とスタメン機会も多くなり、レギュラーに接近してきた。自己最多の打席数で好結果を残し、6ホーマーはすべて8月以降に放ったもの。
対左3割4分に4ホーマーとキラーぶりを発揮し、一旦先行を許した中島を再逆転。パンチ力も見せられるようになり、今季は改めてのポジション獲りを期待される。この勢いを持続したい。

枡田 慎太郎

若手内野手、一軍半型

右投左打
智弁学園高 楽天06ドラフト(高)4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 楽天 2 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
09 楽天 2 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 .000
10 楽天 17 48 10 3 0 0 13 1 0 0 0 6 0 13 .208
11 楽天 7 11 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 7 .091
通算 6年 31 77 16 4 0 0 20 3 0 3 0 7 0 20 .208
11年成績は7/24現在

一軍への挑戦が続いている若手選手。目立った実績は残せていないものの、打撃センスの高さを期待される一人。
ボーイズ・リーグ時代から知られた存在で、強豪高に在籍しながら甲子園には縁がなかったが、強打者として評価され高校生ドラフト4巡指名を受けて楽天入り。高校時代は外野手でプロでも1年目は外野登録だったが、幅を広げるため当初からショートなどでも起用された。その1年目は二軍で少ない打数ではあるが3割4分の高打率をマーク。内野手となった2年目も好成績を残し、早くも一軍出場を勝ち取ると11打数5安打二塁打1打点2という素晴らしい結果を残した。期待株と目されたが、ここから足踏み。翌08年は二軍で初めて規定打席に到達しチームトップの9ホーマー54打点を稼ぐも、打率は伸び悩み一軍出場は大幅減。翌年ファームでの本塁打は11本に増やしたが打率をさらに落とし、一軍は遠いままだった。
そろそろ上での結果が欲しいところで、昨年は終盤一軍に昇格、自己最多の17試合出場、内12試合で先発と積極的に起用された。打率は低かったものの二塁打3本でアピール。しかしこれを持続できず、今季は前半7試合の出場も1安打のみで二軍に逆戻り。
3年目辺りからパンチ力を押し出したスタイルを取っており、ここから三振が目に見えて増えた。それでも二軍では安定した成績を残し続けているが、一軍ではなかなか力を発揮できていない。一軍と二軍の中間レベルに落ち着いてしまった感もあり、そろそろここを脱却したいところだが。ショートやセカンドを中心に起用されてはいるが、守備力には不安が残り、なおさら打ってアピールしたいところ。

松井 稼頭央 (和夫)

メジャー帰り、身体能力型

右投左右打 盗塁王(97〜99)、ベストナイン(97〜03)、ゴールデングラブ(97,98,02,03)、MVP(98)、最多安打(99,02)
PL学園高 西武94ドラフト3位〜03、(米メジャー04〜10)、楽天11〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
(08 HOU 96 375 110 26 3 6 160 33 20 7 3 37 0 53 .293)
(09 HOU 132 476 119 20 2 9 170 46 19 16 4 36 3 85 .250)
(10 HOU 27 71 10 1 0 0 11 1 1 2 0 4 1 10 .141)
メジャー通算 7年 630 2302 615 124 20 32 875 211 102 47 16 188 11 403 .267
日本通算 10年 1159 4638 1433 271 51 150 2256 569 306 87 36 376 25 751 .309

西武時代、俊足強肩の不動のショートとして活躍した内野手。「リトル松井」の異名を取り、メジャーに近い選手と言われ続けた。04年から渡米し、今季8年ぶりに日本球界復帰。
高校時代は投手だったが、強肩と俊足を買われ内野手登録。同時にスイッチにも転向し、2年目に一軍出場&準レギュラー。3年目には早くもレギュラーとなりフル出場。西武のショートは黄金時代にもいまいち定着しなかったポジション。長い空白時代の後、とてつもない大物が定着した。
とにかく身体能力の高さが図抜けた選手で、走攻守すべてに光るアスリートタイプ。名手と言われる割に守備はポカも多かったが、スピード感あふれる目を惹くプレースタイル。盗塁王争い本命の脚力とセンス抜群の打撃で、一気に中心選手に。
96年から8年連続フル出場と不動の存在に君臨し、97年から3年連続盗塁王。打撃でも97年から7年連続3割を記録し、イチローが抜けた後は首位打者の本命に挙げられることも。もともとの打席のため力みが目立った右でのバッティングも徐々にこなれ、左でも長打が打てるようになるなど年々成長。当時大物打ちが不在だったチーム事情から中軸を任される機会も多く、99年からは一発も増え始めた。02,03年と連続でシーズン30ホーマーを放ち、スラッガーとしても活躍。
03年オフにFA権を行使し、メッツと契約してメジャーへ。日本人内野手の本命的存在としてその活躍が注目され、開幕戦初打席で初球ホームランの華々しいデビュー。しかしその後は苦難を味わった。天然芝環境では遊撃守備が見劣りし、シーズン途中に二塁へコンバート。また打撃も期待ほどの結果を残せず、レギュラーを維持し切れなかった。06年打撃低調でますます存在感が薄くなっていたが、ロッキーズに移ってようやく復調。07年はほぼ二塁レギュラーとして過ごし32盗塁を記録。08年に移ったアストロズでもほぼレギュラー。09年には日米通算2000本安打を達成。
しかし昨年は極度の打撃不振となり、シーズン途中からはずっとマイナーでプレー。メッツ時代からくすぶっていた日本復帰の噂がにわかに現実味を帯びてきた。そしてシーズン後楽天と契約し、久しぶりに日本でプレーすることに。
実績充分、攻守両面で期待の大きい存在だが、渡米直後から故障の多さが目立っていた点と、すでに35歳という年齢には不安も残る。持ち味であるスピードがどの程度維持できているか。

松井 佑介

若手外野手、パンチ力型

右投右打
大商大堺高〜東農大 中日10ドラフト4位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
10 中日 35 55 16 2 0 0 18 3 0 0 0 1 0 15 .291
通算 1年

身体能力に優れるとされる、昨年の新人外野手。一軍定着とはいかなかったものの好成績を残した。
大学時代は主砲として東都二部リーグで活躍し、4年秋には本塁打・打点の二冠王。ドラフト4位指名で中日入りとなった。オープン戦でパンチ力を発揮し、1年目から開幕一軍入り。そして序盤はなかなかの打棒でアピール。主に代打で起用され、打席機会は多くないながらも3割をキープ。
思い切りのいい豪快なスイングを見せる選手。積極的に振ってくるスタイルで四球は1と極端に少なかった。肩の強さも評価され、身体能力に優れるとされる。
好成績だったが6月頃から出場機会が激減。後半は13試合に留まり、打撃のほうも2安打と止まってしまった。同じくルーキーの大島に差をつけられてしまったが、代打で23打数8安打というのは魅力。左にも強さを見せ、今季は完全に一軍定着を目指す。

松坂 健太

大型外野手、停滞型

右投右打
東海大仰星高 西武04ドラフト5巡〜10、日本ハム11〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 西武 55 91 24 6 3 1 39 12 2 2 0 2 5 29 .264
09 西武 23 36 6 2 0 1 11 5 2 1 0 3 3 8 .167
10 西武 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 7年 81 136 32 8 3 3 55 18 5 3 0 5 9 40 .235

08年急成長で脚光を浴びた若手外野手。二軍で着実に力をつけ、5年目に一軍進出を果たした。名前の読みは濁らない「まつさか」。
身長185cmの大型選手で、入団時から身体能力の高さを評価されていた。二軍でじっくり鍛えられ、07年終盤に一軍初出場。プロ初安打をホームランで記録した。そして5年目のキャンプで成長を認められ、オープン戦で積極起用。チームトップの打率と結果も残し、開幕一軍入り、開幕スタメンも勝ち取った。
さすがに公式戦はそう甘くはなく、開幕から15打席ノーヒット。4月末にボカチカが復帰すると入れ替わりに二軍落ちとなった。しかし再昇格後は非常に好調で、7月は3割。終盤も好調をキープし、最終的に数字を大きく向上させた。実質1年目としては上々の成績でほぼ一軍定着。
ただこの勢いを持続できず、翌09年はパッとしない状態。後半は二軍暮らしで成績を大きく落とした。二軍ではチームトップの13ホーマー、44打点、22盗塁と素質の高さを大いに発揮したが、昨年は故障などで二軍でも3ヶ月試合出場がないなど影が薄い状態。一度も一軍に上がれずに終わり、シーズン後には戦力外に。
故障や体調不良に見舞われ、さらにはコーチとの衝突があったとされ、二軍で勃発した騒動の渦中にいたとも囁かれた。ただまだ25歳と若い選手で、トライアウトを経て今季は日本ハムへ移籍。送球イップスという話もあるが、環境変わって再浮上したいところ。

松田 宣浩

中軸候補、プルヒッター型

右投右打
中京高〜亜大 ソフトバンク06希望枠〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ソフトバンク 142 551 154 33 10 17 258 63 12 8 1 28 7 115 .279
09 ソフトバンク 46 160 45 13 2 8 86 24 1 7 0 7 1 32 .281
10 ソフトバンク 113 424 108 20 3 19 191 71 17 8 6 14 6 90 .255
通算 5年 437 1532 399 87 20 54 688 198 33 32 9 77 19 325 .260

粗っぽいプレースタイルながら、俊足強肩とパンチ力が魅力のソフトバンクの三塁手。次の中軸と期待される存在。
大学屈指のスラッガーと言われ、06年希望枠入団。「若手抜擢」を宣言していたチームの目玉的存在だった。契約の残っていたバティスタを解雇し、1年目開幕からサードのスタメンで起用。しかしプロの壁は厚く、常に2割前後の低打率で推移し、最も望まれていた一発もあまり出ず。6月半ばまで辛抱強く使われたが、後半は完全に二軍暮らしで即戦力とはいかず。
出足いまいちだったが、2年目は素質の片鱗を発揮。前半二軍でかなりの好成績を残し卒業。夏場に小久保が故障で休みがちになると、先発起用されてなかなかの活躍を見せた。8月3割で3ホーマー、トータル打席数は横這いも成績を向上させてきた。バットを肩に寝かせる構えに変えて成功。
そして3年目は開幕から不動のスタメンサードに固定。前半は物足りない成績だったが、後半大きく向上した。特に8月以降は3割で、この間の6ホーマー、22打点はいずれもチームトップ。終盤は最大の得点源として活躍を見せた。最終打率もかなり改善し、三塁打10は両リーグトップ。大きく前進のシーズンとなった。
引っ張り一辺倒の打者で、狙い球と全く違っていても手を出してくるほど積極的な打撃スタイル。重心が完全に前の打法で、泳がされ突っ込むことも多いのだが、非常にリストが強く崩された体勢からでも一発が飛び出る。捉えた打球の鋭さは特筆もの。三塁守備はポカが多く安定感には欠けるが、身体能力に優れ抜群の強肩を見せる。
主力となり、09年は3番候補として期待されたが、開幕戦で手を骨折しいきなり2ヶ月離脱。6月復帰するも、7月後半今度は右手首に死球を受けてまたも骨折。2度の骨折で計3ヶ月も棒に振る大誤算となってしまった。新加入李ボム浩からポジションを守った昨年は序盤好スタートを切るも、5月前半左手首をまたもや骨折。復帰して後半はレギュラーを務め、本塁打・打点・盗塁で自己最多を記録したが、確実性に欠けやや不完全燃焼の印象も残った。
当初全治2ヵ月とされながら1ヶ月半程度で復帰と驚異的な回復力は見せたが、2年で3度骨折離脱はさすがに多い。不満の残るシーズンが続いており、今季こそはフルでの活躍を見せたいところ。高打率を望みにくい打撃スタイルだが、全体的にもう一回り上の成績を期待される。

松中 信彦

スラッガー、衰退型

左投左打 MVP(00,04)、ベストナイン(00,03〜06)、打点王(03〜05)、首位打者(04,06)、本塁打王(04,05)、最高出塁率(04〜06)、最多安打(04)、Gグラブ(04)
八代一高〜新日鉄君津 ダイエー/ソフトバンク97ドラフト2位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ソフトバンク 144 538 156 28 2 25 263 92 3 0 8 77 8 91 .290
09 ソフトバンク 126 448 125 21 0 23 215 80 2 0 3 62 8 77 .279
10 ソフトバンク 79 238 56 5 1 11 96 35 3 0 2 24 3 44 .235
通算 14年 1576 5510 1649 311 15 336 2998 1113 27 6 60 797 110 827 .299

04年史上7人目の三冠王となった、球界を代表するスラッガー。過去2度のMVPに輝き、主砲として活躍してきたが、近年は不振に喘いでいる。
井口・柴原と同年に社会人からプロ入り。やはり金属バットの弊害か、入団当初は非常に苦労した。しかし98年に3ホーマーで片鱗を見せると、99年は吉永を駆逐して一塁レギュラー定着。翌00年は3割30本100打点をクリア、チームの優勝に大きく貢献しMVPに選出。一気に中心選手へのし上がった。打撃三部門全てで高い安定感を示し、穴のなさでは4番だった小久保をしのぐ存在に。
練習でとことん自分をいじめるタイプで、少々の怪我では欠場しない。そのため一時はスイングにも不自由するほど膝の状態に悩まされた。ここが一つの壁だったが、03年4番に座ってさらに一回り成長。後半ぐんぐんと打点を伸ばし、同僚の城島をかわして打点王獲得。そして迎えた04年は、開幕前の目標通り40本塁打到達。落合・バース以来18年ぶりの三冠王に輝いた。主力投手を含めて満遍なく打ち、インハイのコースを徹底的に打ち崩すなど穴のない打撃で君臨。翌年も開幕直後こそ肩の不調でスロースタートだったが、短期間で巻き返してホームラン・打点の二冠王に。7月以降はあわや連続三冠王の勢いだった。
現役随一の存在と認知され、第1回WBCでは4番を務め4割を越えるアベレージをマーク。ただこの辺りを境に何かリズムがおかしくなってきた。06年シーズンはヒットは出るも打球が上がらず、さらに7月ガス壊疽を患うアクシデント。半ば強行的に出場を続けたが後半はかなりの打撃不振。2度目の首位打者獲得も、20ホーマーを割り打点も少ないなど物足りなさも残るシーズンとなった。そして翌07年は大きく落ち込み、長打を取り戻せないばかりかヒットまで出なくなってしまった。4年続けてきた3割がストップ、5年ぶりに無冠というだけでなく、打撃三部門すべてで冴えない成績。
さすがにこのどん底は脱し、08年3年ぶりに20ホーマー到達で少し巻き返し。しかし年齢的な問題も垣間見せるようになってきた。8月以降パタッと一発が出なくなり、9月以降は2割そこそこの大不振。チームが最下位に転落する大きな要因にもなってしまった。09年も中軸を務めたが、万全の状態とはいかず。肘の痛みからDHに専念するようになったのに続いて、夏場からは膝の状態が悪化。強行出場を続けたものの調子の波はいかんともしがたく、前年より成績を落とすこととなった。
それでも主力であり続けたが、昨年はレギュラーとしての立場も失うことに。開幕から低打率が続き、不調で二軍落ちという事態に。再昇格後もパッとしない状態で、ペタジーニがDHに座ったことから出場もまばらに。不安定な状態から終盤は故障で離脱するなど最後まで不振は続き、2割台前半という寂しい成績に終わった。12年ぶりに打席数が300に届かず。
全盛期の特徴だったポール際の切れない打球がめっきり少なくなり、さすがに以前の打球とはいかなくなってきている。「速球を叩いてスタンドへ」という強いこだわりを持つが、年齢的にも意識を変える時期かもしれない。かつての威光もすっかり陰り、野手の大型補強がなされた今季は出場機会を勝ち取らなければいけない立場。もう一度意地を見せたい。

松本 啓二朗

ドラ1外野手、バランス型

左投左打
千葉経大付高〜早大 横浜09ドラフト1位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
09 横浜 22 44 6 0 0 0 6 1 1 0 1 2 0 10 .136
10 横浜 34 44 13 1 0 2 20 6 1 3 0 7 0 10 .295
11 横浜 47 104 22 4 1 0 28 11 2 6 2 4 0 15 .212
通算 3年 103 192 41 5 1 2 54 18 4 9 3 13 0 35 .214

ドラフト1位入団の外野手。一軍定着を果たせていないが、レギュラー候補と期待される存在。
甲子園優勝投手でもある父が監督を務める高校で、エースとして夏の甲子園ベスト4の実績。大学で外野に転向すると早くからレギュラーとなり活躍。三拍子揃った強打者として評価され、ドラフトでは2球団が競合。横浜が交渉権を獲得し、4位指名を受けていた同期細山田とともに入団。
期待は即戦力で、1年目開幕スタメン出場。しかしプロの壁は高く、極端な低打率が続いて二軍落ち。出場22試合で打率1割台前半と戦力にはなれなかった。2年目も二軍での育成が続いたが、8月以降一軍昇格し、終盤にはプロ初ホームランも記録。出場数は微増も成績を大幅に向上させた。
これで3年目は一気にジャンプアップといきたかったが、序盤振るわずシーズン中盤は二軍暮らし。出番が増えたのは終盤になってからだった。出場47試合に伸ばし、先発27試合もあって打席数が100を突破。いずれも自己最多ではあったが、一軍定着とはいかず打率も2割をやっと越える数字でパッとしないものに終わった。
出場機会こそ増えたものの停滞という印象。現状ではどうにも特徴に欠け、何か売りになる部分が欲しいところ。レギュラーを争うには向こう1,2年が勝負で、この辺りではっきりしたブレイクスルーが望まれるが。

松本 高明

俊足内野手、伸び悩み型

右投左打
帝京高 広島03ドラフト5巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 広島 3 3 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 2 .000
09 広島 7 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
10 広島 6 7 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 .000
通算 8年 159 309 74 2 0 0 76 11 15 23 1 25 5 72 .239

足の速さで期待される内野手。高校時代は外野だったが、プロ入り後ショートに挑戦。甲子園での姿がオーナーの目に止まり指名されたという話も。
1、2年目は二軍で過ごしたが、05年初めて一軍昇格。なかなか定着しないショート候補の一人として浮上してきた。初ヒット・初盗塁も記録し、まずまずのデビュー。翌年はさらに大きく出番を増やし、ほぼ一軍定着。先発出場も33試合と順調な成長を見せた。
ただデビュー後に一軍のセカンド・ショートが固定され、ここからちょっと停滞気味。07年も31試合の先発出場があったが、ショートで6失策、前年失敗0だった盗塁も半分近く刺されるなどやや精彩を欠いた。08年は出場数が激減してほぼ二軍暮らしに終わり、ここに来てやや伸び悩み。
スピードが魅力の選手だが、レギュラークラスに同タイプの選手がいる以上よっぽどのところを見せないと少々厳しい。近年はシーズンのほとんどを二軍で過ごし、かなり存在感が薄い。昨年も一軍出場はまばらで、3年続けて一桁に留まり無安打。
そろそろ一軍に割り込みたい年齢だが、停滞続きで逆に厳しい状況に陥っている。二軍のポジションも後続に奪われかけており、かなり正念場。代走要員としてでも上に食い込んでいかないと。

松本 哲也

育成飛躍、小兵俊足型

左投左打 新人王(09)、ゴールデングラブ(09)
山梨学院大付高〜専大 巨人07育成ドラフト3巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 巨人 3 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 .000
09 巨人 129 372 109 11 1 0 122 15 16 27 0 21 4 59 .293
10 巨人 94 317 91 13 2 0 108 22 17 12 0 17 4 56 .287
通算 4年 226 690 200 24 3 0 230 37 34 39 0 38 8 115 .290

育成選手から一気にレギュラーへ飛躍した俊足外野手。09年センターにほぼ定着し、新人王獲得の活躍。
大学時代は長谷川(ソ)と同期で1番を打ち、チームの一部リーグ昇格に貢献。大量7人が指名された育成ドラフトの3巡で巨人入りした。そして注目されたのは非常に早く、1年目の開幕前に早くも支配下登録。これはいまや主力の山口よりも先で、チームでは最初の育成枠からの支配下登録だった。ただ1年目は二軍で盗塁死が多く一軍出場はなし。2年目待望の一軍出場を果たすも、スタメン出場のプロ初打席で、一塁に駆け込んだ際に骨折という不運。
しかし3年目の09年ついに力を発揮し始めた。開幕当初は代走がメインも、鈴木の不調もあって先発機会急増。そして打撃でも6月3割と結果を残し、オールスターまでに10盗塁を記録。坂本と新1,2番コンビを形成し、一軍定着を飛び越して2番センターの座をほぼ獲得。規定打席には届かずも、一気に96試合の先発出場、打席数は400を越え3割近いアベレージをマーク。新人王とゴールデングラブを受賞する大躍進の1年となった。
身長170cmと小柄で、持ち味はなんといっても脚力。プロ入り後打撃スタイルを変えて、バスター気味の打法を取っている。元祖の「天秤打法」ほど極端なものではないが、バントのようなバットの持ち方をする独特の構え。
昨年もレギュラーセンターとして序盤は絶好のスタート。開幕から4割の高打率をキープし盗塁もリーグトップを快走。ところが4月末に太ももを痛めてしまい、復帰まで2ヶ月を要する長期離脱となってしまった。7月ようやく戻ってきたが、序盤の好調は完全に消え、後半は2割2分と低調。故障の影響か足のほうも冴えず、盗塁企図数自体8と少なく、成功も5に留まった。
故障で勢いが止まってしまったのも残念だが、当初の見込みより大幅に復帰が遅れたのも痛かった。また脚力への影響残りも気になるところ。左投手を苦にせずしぶとい打撃が出来る選手で、今季は改めてフルでの活躍を望まれる。

松元 ユウイチ (ユウイチ)

代打屋、打撃上位型

左投左打
ワシントン・ルイス州立高 ヤクルト99〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ヤクルト 80 134 34 7 0 0 41 15 0 2 1 10 0 21 .254
09 ヤクルト 51 67 15 4 0 0 19 4 1 0 0 7 1 16 .224
10 ヤクルト 35 41 9 2 0 1 14 6 0 1 0 1 2 4 .220
通算 12年 319 551 147 28 0 6 193 62 1 5 2 28 9 86 .267

ブラジル出身の日系三世という異色選手。打撃に魅力のあるタイプで、徐々に向上し05年一軍定着。
高校時代にブラジル代表の4番も務めた好打者。同じくブラジル日系三世のツギオ(ツギオ佐藤)、1年遅れて入団のリーゴ(ロドリゴ宮本)などと同様、当初は外国人としてヤクルト入りした。同郷の二人はすでに解雇されてしまったが、ユウイチは徐々に成長。外国人枠のハンデは厳しかったが、02年には一軍昇格して初安打も記録。
帰化申請が通り、日本国籍となった04年は二軍で青木に次ぐリーグ2位の高打率をマーク。一軍でも打席は少ないながら4割近い好成績を残した。そして翌年は開幕一軍入りし、2戦目に代打でプロ初ホームラン。5月は3割と好調でスタメン機会も急増し、一気に出場機会を増やした。後半は代打要員として定着。
速球に強い打撃は、はまれば一発の力も持つ。枠の関係で出番が限定されていたが、その枷も完全になくなった。左投げで守備位置が限定される上にうまくないため、ポジション獲りには難ありだが、打撃の魅力は高い。
飛躍を期待された06年はヘルニアの手術などでほぼ棒に振ってしまったが、07年は大きく巻き返し。前半は二軍も、8月後半に昇格即スタメン起用でいきなり満塁弾を含む4安打6打点の大暴れ。その後も打撃好調で最後まで3割をキープ。スタメンではもっぱら5番を任され、4番に座った試合も。腰痛で出遅れた翌年も代打の一番手となり、自己最多の出場機会を得た。7月の大不振などで打率は前年より大幅に落ちたが、チームトップの代打起用数を記録。
ただ代打打率2割2分は切り札というには物足りず、翌年も出場の大半が代打だったものの打率1割1分と散々な成績。昨年は序盤不振で二軍が長くなり、出場数がだいぶ減ってしまった。8月以降盛り返し、3年ぶりの一発も代打で放ったものの、トータルでは前年より打率を落とした。
年々成績を落として印象が弱くなっており、この辺りで巻き返しておきたいところ。守備力を考慮すれば1打席勝負で結果を残す他なく、何とか代打でアピールしたい。

松山 竜平

打力期待、発展途上型

右投左打
鹿屋中央高〜九国大 広島08ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 広島 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
09 広島 - - - - - - - - - - - - - - -
10 広島 - - - - - - - - - - - - - - -
11 広島 32 74 17 4 0 1 24 10 0 0 0 3 0 10 .230
通算 4年 34 76 17 4 0 1 24 10 0 0 0 3 0 11 .224
11年成績は7/24現在

4年目の今季一気に出番の増えた左打ちの外野手。勝負のかかった年にわずかではあるが前進。
ずんぐりした体型の強打者として大学時代リーグを席巻。首位打者2回、本塁打王1回、打点王3回に、リーグ新となる通算安打記録を樹立と圧倒的な成績を残した。大学・社会人ドラフトで4巡指名を受け、広島入り。貴重なスラッガー候補として1年目から二軍の4番を任され、50打点でウエスタンの打点王獲得。一軍出場も果たし順調なスタートを切った。故障で出遅れた翌年も二軍で5月に大暴れ。ところがその直後から猛烈な不振に陥り、シーズンでは前年並みの成績で一軍出場もなし。昨年も一軍には上がれず、二軍でも停滞傾向。
ちょっと印象が薄くなりかけていたが、今季は交流戦の時期に久々に一軍昇格。最初の代打起用でいきなりヒットを放つと、続く先発試合では2安打と好調なスタート。6月には待望のプロ初ホームランも放った。その後打てない期間が続いたりもして打率はかなり下げたが、前半だけで自己最多の32試合出場、5番スタメンという試合もあり、大きく前進のシーズンに。
一発長打というより鋭いライナーを身上とする中距離打者というタイプで、思ったよりも三振が少ない打者。チーム全体が貧打に苦しんでいるだけに、さらにアピールして一軍定着の足がかりとしたい。

的場 直樹

中堅捕手、専守貧打型

右投右打
上宮高〜明大 ダイエー/ソフトバンク00ドラフト3位〜09、ロッテ10〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ソフトバンク 8 6 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 2 .167
09 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
10 ロッテ 74 188 30 5 1 1 40 19 0 6 2 13 0 61 .160
11 ロッテ 27 70 13 1 0 0 14 3 0 2 0 1 1 24 .186
通算 12年 313 598 96 24 1 5 137 42 0 27 3 35 4 178 .161

ホークス時代、城島退団後の正捕手を争った一人。ロッテ移籍後は里崎のサブとして控える。
大学時代守備力を評価され、入団当時「城島のいるダイエー入りはもったいない」とまで言われた。その評価通り1年目は34試合に出場。2ホーマーも放ち何年後かには楽しみとも思われた。しかし2年目に肩を故障し、2年間一軍出場なし。城島が離脱した02年に自身も故障で出られなかったのは不運だった。的場が健在なら田口の移籍加入はなかったかもしれない。
04年城島が五輪出場ということで、故障癒えた的場もオープン戦からテスト起用が目立った。しかしどうもこれといった武器がなく、経験不足を露呈。結局夏場にもそれほどアピールできず、田口の後塵を拝する結果となった。それでも翌年は故障の城島に替わってホームを守り、ようやく台頭してきた。この経験から正捕手筆頭候補に。
しかし06年は期待されながら正捕手奪取ならず。打てないことはある程度織り込み済みだったが、その予想すら下回る貧打に加えて守備面でもパッとせず。ほとんど実績のなかった伏兵山崎にあっという間に抜き去られてしまった。同い年の斉藤和とは常にコンビを組んだが、後半はほとんど専属捕手状態。選ばれた最優秀バッテリー賞も、的場の成績の低さが物議を醸したほどで、かなり期待外れのシーズンとなった。
打撃は常に「当たれば儲け物」の大穴狙いといった風情で、真ん中付近を大振りして身長と競り合う低打率。評価されるリード面も、厳しい場面では打撃同様単調傾向が目立つ。故障以降肩はかなり弱く、どこをとっても平均以下という評価になってしまう。
山崎も精彩を欠いた07年だったが、さらに後退で事実上正捕手争いからは脱落。相変わらずの貧打は4月から9月まで5ヶ月もヒットがなく、一時は打率が5分を下回っていた。そして斉藤が故障で不在となった08年以降はほとんど出番がなくなった。09年は一軍昇格なくシーズン後戦力外に。
すっかり影が薄くなっていたが、トライアウトを経てロッテ入りした10年は久々に発奮。2番手の座を完全に確保し、里崎の体調が万全ではないことから先発機会も多く得た。里崎が離脱した後半から終盤はメインでマスクを被り、63試合に先発出場。打席数が200を越えたのは初めてで、戦力外から大きく巻き返し。
移籍で息を吹き返した。昨年は序盤二軍、終盤の里崎離脱時も田中が優先起用されるなどして大幅に出番が減ったが、先発マスク26試合はチーム2番目の数字。未だ里崎に続く捕手は経験不足が多く、サブとして貴重な存在。

丸 佳浩

レギュラー定着、急成長型

右投左打
千葉経大付高 広島08ドラフト(高)3巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 広島 - - - - - - - - - - - - - - -
09 広島 - - - - - - - - - - - - - - -
10 広島 14 19 3 0 0 0 3 1 1 0 1 2 0 7 .158
11 広島 65 226 59 9 3 5 89 24 7 3 1 19 1 55 .261
通算 4年 79 245 62 9 3 5 92 25 8 3 2 21 1 62 .253
11年成績は7/24現在

高卒4年目の今季、一軍定着を飛び越して一気にレギュラーに飛躍を遂げた若手外野手。チーム事情から中軸も任され、大躍進のシーズンに。
高校時代は甲子園に2度出場。中軸打者と同時に3年では投手も務めた。高校生ドラフト3巡指名で広島入りし、外野手としてスタート。故障で出足躓きながら、1年目からからファームで2割8分となかなかの打率を残し、打撃センスの高さをアピール。2年目壁に当たり大きく成績を落とすも、昨年は二軍で主に1番を打ち、レギュラーとして活躍。チームトップの打率に盗塁と好成績を残し、終盤には一軍も経験。プロ初安打を記録するなど期待株と目される存在に。
そして開幕一軍入りの今季はさらなる大飛躍。当初は控えも赤松の故障でセンターに入るとスタメン2試合目でプロ初ホームラン。4月11試合で3ホーマー放ち、そのままレギュラー定着。故障があって流動的な外野陣にあって、ただ一人ほぼ常時出場を続けている。
打席での姿を一目見て連想するのは、チームの大先輩前田智徳。タイミングの取り方やスイング軌道も良く似ているが、特に構えた姿はほとんどコピーと言っていいほどそっくり。さすがに夏場になると成績が目に見えて落ち、特に打率が後半低下中。実績がほぼ0という選手で、さすがにこの辺りは体力的にも技術的にも厳しいところか。しかしチーム事情もあるが3番や5番を任されるなど多くの経験を積み、これは先が楽しみな存在。チームの中核を担う選手として期待大。