森岡 良介

ドラ1内野手、一軍半型

右投左打
明徳義塾高 中日03ドラフト1巡〜08、ヤクルト09〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 中日 5 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 .000
09 ヤクルト 35 43 9 1 0 1 13 2 0 1 0 2 1 14 .209
10 ヤクルト 21 43 11 3 0 0 14 5 0 8 0 4 1 8 .256
通算 8年 95 134 28 6 0 2 40 9 1 13 0 10 2 35 .209

ドラフト1巡で中日入団の内野手。高校時代は1年からレギュラーで甲子園4度出場、夏の大会で優勝を経験。ロッテ入団の西岡、巨人入団(→オリックス)の長田らとともに高い評価を受けた選手。
「ポスト立浪」候補として期待され、1年目からわずかずつではあるが一軍にも出場。06年は結果は伴わずも出番が増え、ここまでは徐々に一軍接近中という印象だった。しかしその後2年はやや足踏みで停滞の印象に変わった。07年は春先にプロ初ホームランを放つも、ヒットはその1本だけで一歩後退。そして08年は出場わずか5試合にとどまり、逆に一軍から遠ざかってしまった。そればかりかシーズン後戦力外に。予想外に早く見切られてしまった。
トライアウトを経て09年からヤクルトへ。期待は大きく開幕一軍入りを果たし、序盤は積極的に起用された。しかし打撃のほうが伴わず、徐々に出番は減少。夏場には二軍に戻っていったが、終盤再度チャンスが巡り、今度は2年ぶりの一発などまずまずの結果を残した。シーズン35試合出場は自己最多。
環境が変わって少し上向いた。昨年は空位となったショートスタメンなどもあり序盤は好調。だが長くは続かず、5月以降はエレベーター状態に。一軍半から脱することはできなかった。前年より打率は向上したものの出場数は減少。
二塁・三塁・遊撃と守るが肩がいまいちで、脚力もあまりないのが起用の難しいところ。二軍では3割2分をマークしイースタンの首位打者獲得、チームトップの42打点と中心打者として活躍。アベレージタイプの打撃をもっと一軍で発揮したいところ。移籍後良化したとは言え微妙な立場にあることは変わらず、この辺ではっきりした実績が欲しい。

森野 将彦

中距離打者、中軸成長型

右投左打 ベストナイン(10)
東海大相模高 中日97ドラフト2位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 中日 96 358 115 25 1 19 199 59 1 3 5 46 0 60 .321
09 中日 144 546 158 42 3 23 275 109 4 1 5 72 8 95 .289
10 中日 144 547 179 45 2 22 294 84 2 2 7 64 6 77 .327
通算 14年 1088 3470 993 221 11 119 1593 524 11 31 33 334 23 590 .286

30歳を越えてから成績を伸ばしている中軸打者。便利屋的存在として活躍の後、中心選手に成長。
将来の中軸候補としてドラフト上位で中日入り。高卒1年目から初ホームランを放ったが、その後2年昇格なし。00,01年も一軍出場こそ果たすが結果が芳しくなく、ここまでは全体的に荒削りでエレベーター選手の域を出なかった。状況が変わってきたのは6年目の02年。機会を得るために様々なポジションをこなし、出場試合数を大幅に伸ばした。期待の打力も低打率ながら5ホーマーを記録。一軍定着の足がかりを得て、翌年はさらに向上。打撃技術が格段に良くなり、準レギュラーの活躍を見せた。打席数を増やしながら三振が減ったのは長足の進歩。
それでも3年間は控えにとどまっていたが、05年春先絶好調。立浪の守備の不安から三塁に入り、前半は完全にレギュラーとして働いた。6,7月に大きく落ち込んで失速したが初の100試合以上出場。そして翌年は骨折で開幕出遅れたものの、5月中旬に復帰以降はほとんどスタメン出場。サードをメインに荒木の代わりにセカンドも守り、初めて規定打席に到達した。後半から5番に座るようになり、初の二桁ホームラン。年々の向上でとうとう開花。
ポジションや打順を問わない中距離打者として、ここからは充実一途。07年は中村紀の加入でメインをレフトに移すも、ほぼ5番に定着でシーズン通して安定した打棒を発揮。特にオールスター以降で42打点を叩き出し、シーズン97打点をマークした。翌年は前半肉離れで離脱、8月は五輪出場で96試合の出場にとどまったものの、シーズン通して高打率を維持。五輪特例で規定打席到達し、初の3割を記録した。バッテリーとショート以外すべてを守り、打順も1番や4番先発も記録と相変わらずのマルチぶりを発揮。
そして09年からは三塁に定着。安定しているがやや地味だった打撃で大きな存在感を見せるようになった。開幕から3番を任され、前半は不調も後半に入ると急激に調子を上げ、7月以降3割1分、そして14ホーマー62打点の好成績。3割には届かずも自身初のフル出場で20ホーマー突破。最終戦で同僚ブランコにかわされタイトルは逃したが、初の100打点突破。二塁打42本は両リーグトップ。
主力となって以降成長は止まらず、昨年もさらに向上。「3番三塁」にほぼ固定され、開幕から非常に好調。6月の不振からしばらく波のある状態となったが、優勝争いの終盤は好調キープで大いに貢献。フル出場で3割を越え、自己最高打率を更新。本塁打・打点は前年より減ったものの、2年続けて両リーグトップの二塁打を記録した。
阪神戦に非常に強く、打率4割6分で出塁率は5割超。打撃面の成長目覚しいが、一方で二塁や外野を掛け持ちしていた頃は無難にこなしていた守備が、三塁固定されてエラー多発。09年両リーグ最多の25、昨年も19失策は12球団の三塁手で最多だった。守備は落ちてしまったが打撃の貢献は大きく、中堅になってからの急成長で遅咲きと言えるかも。もう欠かすことの出来ない不動の存在となっている。対右3割7分に対して対左2割5分とだいぶ差があったところは改善したい。

森本 学

小兵内野手、ユーティリティ型

右投右打
大阪桐蔭高〜福井工大〜シダックス ダイエー/ソフトバンク03ドラフト6巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ソフトバンク 54 133 32 8 0 0 40 8 1 9 1 5 1 31 .241
09 ソフトバンク 95 242 62 9 3 0 77 20 8 13 3 24 1 56 .256
10 ソフトバンク 71 105 24 2 0 1 29 12 2 3 1 9 1 19 .229
通算 8年 360 662 155 26 4 1 192 52 15 30 6 54 5 156 .234

ショートを中心に内野全般をこなすユーティリティ。堅実な守備力を最大の武器とする。
社会人出身だが、1年目オープン戦で肩を脱臼し、実戦出場は二軍でも2年目の終盤と大幅に出遅れ。厳しいスタートとなったが、故障癒えた05年から台頭し始めた。一軍でプロ初ヒットを記録し、翌年は開幕一軍スタート。一気に100試合近い出場機会を得、完全に一軍定着。
売りは守備力で、故障歴のある肩もなかなか強い。実戦的な守備に対して当初は打撃が弱く、07年は前半故障欠場の川アの代役として数多くスタメン起用されたが、はっきり打力不足をさらしてしまった。川ア復帰後の後半は二軍暮らしとなり、打席数は増えたものの出場数は半減。
しかし翌08年、8月以降やはり川アの代役を任されると今度は打撃も向上。穴埋めを果たすというレベルには及ばないもののしぶとさを見せるようになってきた。そして09年は開幕戦で骨折した松田の代役としてサードスタメンを任され、打撃でもなかなか貢献。オーティズ加入、松田復帰の6,7月は控えに廻るも、松田が再度故障するとスタメン起用が増えた。自己最多の95試合出場のうち70試合が先発でのもので、ほぼ準レギュラーという活躍。終盤打てずシーズン打率は落としたが、この数字以上にアピールしたシーズンだった。
基本的には長打のない選手だが、確実に力強さを増してきている。昨年は川ア・本多が万全ということもあり序盤は出番が少なかったが、松田が離脱すると代役サードに。6月には8年目のプロ初ホームランも放った。後半は主に小久保の守備固めとして出場。
常時出場にはやはり打撃が弱いが、守備要員限定からは完全に脱却し、内野のサブとして貴重な存在となっている。今季も主に守備固め、緊急時にはスタメン出場も。

森本 稀哲

俊足外野手、堅守型

右投右打 Gグラブ(06〜08)、ベストナイン(07)
帝京高 日本ハム99ドラフト4位〜10、横浜11〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 121 478 121 15 1 0 138 21 12 17 1 49 4 81 .253
09 日本ハム 107 316 78 14 4 1 103 29 9 43 0 43 2 52 .247
10 日本ハム 115 408 111 11 3 2 134 30 10 55 1 36 5 71 .272
11 横浜 48 134 25 3 1 1 33 9 0 9 1 8 1 42 .187
通算 13年 1049 3132 818 120 24 30 1076 236 104 174 17 290 30 670 .261

鉄壁の守備力を誇る外野手。日本ハム時代の06年「新庄の後継者」として大きくクローズアップされ、1番定着で優勝に貢献。
高校時代からセンスの高さは評判で、俊足にスケールの大きな打撃でチームの将来を担う存在として早くから注目された。2年目の00年にプロ初ホームラン。翌年は若手育成に切り替わった後半からスタメンに定着し、まずまずの成績を残した。早い抜擢に応えていたが、しかしその後壁にぶつかって伸び悩み。
翌年1割台の低打率で大きく後退し、開幕から1番で積極的に起用された03年も不振に喘いでチャンスを掴めず。翌年は新庄の加入で外野が埋まり、ほぼ守備・代走要員に専念。3年連続で打率1割台と、確実性の低さに泣いてきた。
俊足・強肩に加えて力強いスイングの持ち主で、身体能力は抜群。ただ以前は打撃技術が低く、バットのヘッドが遠回りしすぎて脆さばかりが目立っていた。歯がゆいシーズンが続いていたが、05年ようやく壁を突破。打撃開眼で出場機会大幅増。下がりかけていた期待値も再び上昇。
そして06年は一気にレギュラー定着のシーズンに。開幕は控えだったものの、すぐにスタメンとなって以降はほとんどフル出場。4月以降は1番に定着し、初めて規定打席に到達。2割8分とまずまずのアベレージを残し、シーズン100三振の荒々しさを残したまま確実性アップに成功。かねてから期待されていた才能がついに開花した。
新庄引退でセンターとなった07年はさらに向上、不動の主力選手に。特に前半はずっと3割キープと絶好調だった。夏場に調子を落として、最終的には4毛届かなかったが、四捨五入で初の3割。タイトル争いを繰り広げた盗塁もリーグ3位の31を記録。そしてリーグトップの91得点で、チームの貴重な得点源となった。1番森本から3番稲葉までの流れがチームにとっての生命線に。
主力として充実のシーズンを続けたが、この後一転して不調。08年は骨折で1ヶ月離脱し、8月以降1割台と打撃が低迷。大幅にシーズン打率を落とし、一発も出ず。2番レフトに廻った09年はリーグ最多の犠打を記録し確実なつなぎ役を務めたが、打撃のほうは状態上がらず。さらに夏場またも死球骨折で離脱し、4年ぶりに規定打席に届かなかった。それでも翌10年は復調気配を見せ、2番として好調田中と中軸のつなぎ役として貢献。2年続けてリーグ最多の犠打を記録し、打撃成績も向上。
シーズン後FA宣言し昨年は横浜へ。外野の要はもちろん、ムードメーカーとしての存在感も期待された。しかし開幕すると近年でも一番の大不振。開幕からずっと1割台という低打率続きで、一向に浮上の気配もない状態。これでは堅守といえどもポジションは覚束なく、スタメン落ちもたびたび。7月になってようやく調子を上げてきたかと思いきや、自打球を当てて足を故障し、後半をほとんど棒に振る長期離脱。結果出場48試合に留まり打率1割台と大きく期待を裏切るシーズンに終わった。低出塁率と故障の影響もあり、実に11年ぶりに盗塁0に。
後半はアクシデントという面もあったものの、前半の打撃も随分悪すぎた。元来オーバースイング気味でムラッ気の強い打者ではあったものの、昨年はレギュラー獲得以前のような粗っぽさに逆戻りしていた。一流の守備力もレギュラーを維持できなければ魅力は半減してしまう。移籍2年目の今季は何としても力を発揮しないといけない立場。

森山 周

俊足、転向激変型

右投左打
報徳学園高〜大産大〜ヤマハ オリックス06ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 オリックス 42 58 12 1 0 0 13 5 4 3 1 5 0 12 .207
09 オリックス 34 11 0 0 0 0 0 0 3 0 0 1 0 2 .000
10 オリックス 68 130 43 2 0 0 45 9 5 10 1 8 0 21 .331
通算 5年 190 257 71 4 0 0 75 15 14 17 2 20 2 39 .276

俊足を武器としてきた選手。主に代走要員を務めるも、昨年後半外野に廻って別人のような活躍。
社会人からプロ入りも当初は二軍スタート。5月に昇格もすぐに逆戻りしたが、7月に再昇格。打撃が課題と思われていたが、その打撃で好結果を残した。8月スランプに陥ったものの9月4割を越えるハイアベレージでアピール。終盤はスタメン起用が増え、レギュラー候補に名乗りを挙げた。野手陣の新星として期待上昇。
かねてからスピードに定評のあった選手だが、予想以上に実戦的なところを見せた。追い込まれてもしぶといところを見せ、あまり対戦機会のなかった左投手も結果は良かった。しかし2年目は一転して大きく後退。打席機会が多くなかったとはいえ、ノーヒットのままシーズンを終えてしまった。当然二軍が長くなり、前年の勢いを持続できず。翌年は出場機会こそ増えたものの、低打率でアピールできなかった。機動力重視の大石監督就任、大引の故障離脱などチャンスは多かったが活かしきれず。
2年目以降打撃でいいところがなく、新人年にあれほど打てたのが不思議なほどに。09年はほぼ代走に専念。打席機会はプロ入り後最少で、2年目に続いてノーヒット。前年失敗も多かった盗塁は成功3で失敗1と向上させたものの、あまり印象のないシーズンに。
昨年も前半は14試合出場で打席機会わずか4と完全に代走要員。しかし二軍では高打率を続けており、シーズン途中から外野にシフトすると状況が一変した。一軍でも打撃で大いにアピールし、8月以降は完全にレギュラー状態。レフト・ライトを中心に36試合にスタメン出場、初めて打席数が100を越え、高打率を維持したままシーズンを終えた。前半と後半で全く印象を変えるシーズンに。
内野手としては守備に安定感がなく、それで起用の幅を狭めていたが、コンバートで視界が大きく開けた。年齢的に微妙なところから急台頭を見せ、登録も外野手となった今季はポジション争いに参戦。今度は前年の勢いを持続したい。