北海道日本ハムファイターズ

 2 ボビー・スケールズ

緊急獲得、中距離型

右投左右打
日本ハム11途中〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
11 日本ハム 11 36 11 2 0 3 22 9 0 0 0 8 0 12 .306
通算 1年
11年成績は7/24現在

今季途中日本ハム入りの外国人。不動のレギュラー田中賢介が今季絶望と見られる重傷で離脱したため、二塁の穴を補うために緊急補強された。
マイナー暮らしの長い中堅選手で、メジャー経験は近2年の通算61試合。05年以降は3Aのレギュラークラスで、今季も来日までは3Aでプレーし3割9本塁打。チームの手当ては非常に早く、田中の故障具合が判明すると1週間も置かず契約。7月頭には一軍でスタメン出場。
来日後は主に1番二塁で出場し、4試合目に初ホームラン。意外とパンチ力もあり、スイッチの中距離打者としてここまでなかなかの打撃成績を残している。本職でありながら二塁守備はバタバタした感じの動きで、正直田中には大きく見劣りするレベルだが、これはある程度眼を瞑らざるを得ないか。このペースで働けるならなかなかの補強となりそう。

 3 田中 賢介

俊足好守、覚醒型

右投左打 ベストナイン(06,07,09,10)、Gグラブ(06〜10)
東福岡高 日本ハム00ドラフト2位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 144 536 159 32 9 11 242 63 21 26 3 62 11 80 .297
09 日本ハム 144 575 163 34 4 3 214 49 31 17 4 79 5 105 .283
10 日本ハム 143 576 193 24 4 5 240 54 34 7 5 72 2 66 .335
通算 11年 916 3017 857 139 38 35 1177 283 140 158 21 320 37 531 .284

リーグを代表する存在となった日本ハムの不動の二塁手。走攻守すべてにおいて安定した活躍を続ける中心選手。06年に急台頭、不動のセカンドとなった内野手。長らく期待されるも伸び悩んでいたが、一気に覚醒し主力に成長。
高校からドラフト2位入団。「次のショートストップ」「ポスト田中幸雄」として大いに期待された。特にバッティングセンスの高さが買われており、1年目からファームで3割をマーク、一軍昇格するとプロ初安打。2年目は打率を下げたものの出場機会を増やし、02年はさらに成績上昇。若いながら小技の技術もあり、もう数年でレギュラー確実というところまで成長した。
しかしここからちょっと伸び悩み。遊撃守備に難があり、手間取っている間に他の選手に押された格好となっていた。03年は低打率に喘ぎ、翌年は出場機会激減。木元や小田の成長で影が薄くなっていた。05年もファームで16ホーマーと力を見せるも一軍ではわずかな出場。これ以上停滞が続くようだと危ないのではという声も上がり始めていた。
しかし開幕一軍に食い込んだ06年、そんな不安を一蹴した。マシーアス・木元の不振に乗じて二塁レギュラーを奪取、交流戦中盤頃から2番に座り始め、一気に規定打席に達しての3割達成。リーグトップの犠打も記録し、まさに大飛躍の1年となった。
打撃センスの高さはあったが、二塁に専念して守備力も大きく向上。実質2年目の07年は全体的には低調で打率を大きく下げたが、ほぼフル出場でリーグ新となる58犠打を記録。もうすっかり安定戦力となり、08年は中軸の3番を多く任され中心打者の一角に。3割には一歩届かなかったものの、初の二桁本塁打で自己最多の63打点。いずれもチーム3位の数字で、さらに存在感を高めた。
二塁定着以降は目覚しい充実振り。09年は1番を任され、リーグ新記録となる680打席を記録。打率は前年より若干落とすも、リーグ最多の79四球を選び出塁役として貢献。さらに500打席以上では40年ぶりとなるシーズン併殺打0という記録も残した。昨年はさらに絶好調。開幕から打棒が冴え、6月には月間打率4割超。4年ぶりの3割はリーグ2位の高打率で自己ベスト更新。得点圏打率も4割を越えリーグトップと、隙のない活躍を見せた。盗塁数も自己最多。
昨年は三振が大幅に減り、四球・出塁率ともにチームトップ。1番として申し分のない成績を残した。ただ昨年の17失策はちょっと多すぎで、守備面ではやや精彩を欠くところも見られた。ここは今季に向けて修正したいポイント。

 4 飯山 裕志

守備要員、内外兼用型

右投右打
れいめい高 日本ハム98ドラフト4位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 74 49 8 2 0 0 10 2 0 2 0 3 0 13 .163
09 日本ハム 76 36 12 0 0 0 12 1 2 4 0 1 0 5 .333
10 日本ハム 72 137 30 0 0 1 33 12 2 15 3 5 0 40 .219
通算 13年 459 395 85 9 0 1 97 27 10 28 5 21 2 110 .215

05年の台頭以降守備要員として定着した選手。登録は内野手だが外野も守れる。メインは三遊間で、ゲーム終盤の登場が多い存在。
台頭以前は03年に4試合出たのみで、完全に二軍暮らし。ただファームではすでにレギュラーで、03年には3割もマーク。05年は開幕一軍入りを果たし、終盤には先発出場も。06年は主にサードの守備固めとして起用され、出場機会は05年から倍増。日本シリーズ出場も果たし、目立たぬながらも一軍戦力として定着してきた。
もう守備要員としては安定戦力。07年はついに出場数が100を越えた。また少ない打席機会ながらも3割をマーク。特に左投手に対して15打数8安打、5割超と圧倒的な強さを見せた。08年はその打撃を維持できなかったが、主にショートの守備固めとして立場を確固たるものに。
決して目立たない選手だが、もうすっかり安定した存在。09年もサード・ショートを中心に数多く起用された。そして昨年は金子誠の故障から先発機会も増加。出場数はこの3年横這いでも、自己最多の打席数となった。8月には13年目にしてプロ初ホームランを記録。
ただ打率のほうは2割に乗せるのがやっとで、あくまで代役スタメンという印象は拭えなかった。金子誠の年齢と、他のショート候補の実績不足を考えると、打撃さえ安定すればレギュラーポジションもそう遠い訳ではないのだが。今季はある意味勝負の年か。

 5 小谷野 栄一

中距離打者、クラッチヒッター型

右投右打 ゴールデングラブ(09,10)、打点王(10)、ベストナイン(10)
創価高〜創価大 日本ハム03ドラフト5巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 120 379 95 21 1 6 136 60 0 9 6 29 2 83 .251
09 日本ハム 138 530 157 33 4 11 231 82 7 16 2 27 6 95 .296
10 日本ハム 144 569 177 41 0 16 266 109 8 6 7 29 3 87 .311
通算 8年 602 1999 550 112 6 41 797 306 21 46 19 111 16 364 .275

打撃での勝負強さと堅守で知られる三塁手。日本ハムの中軸として活躍し、昨年打点王獲得。三塁のレギュラーに定着、すっかり主力となった内野手。09年勝負強い打撃で優勝の大きな戦力に。
ドラフト下位入団だが、1年目からファームのレギュラーに。一軍では苦しんだが、二軍では2年続けてチームトップの14ホーマーとパワーを見せつけた。3年目の05年一軍での出番を増やし、3ホーマーを放つなど定着に一歩前進。ただ翌年はその勢いを持続できず一旦足踏み。
しかし翌07年、一軍定着どころか一気にポジションを掴み取る大飛躍を遂げた。小笠原が抜け、外国人グリーンが期待はずれ、実績ある木元も不振という状況も味方し、4月中旬に昇格するとそのまま主力の一角に。自身初の100試合以上出場は9割方スタメンでのもので、サードを中心にほぼレギュラーを勝ち取った。弱いと言われた打線で5番なども任された。翌08年は前半不振に喘いだことで期待ほどの結果を残せずに終わったが、09年は一段階レベルアップ。4月3割5分に21打点を挙げる絶好のスタートを切り、大幅に得点力を増した打線の立役者の一人となった。後半も安定した活躍を続け、3割は逃すも初めての規定打席到達と二桁本塁打を記録。それ以上にチーム3位の82打点が光った。
どっしりした体型から力強いスイングを見せ、一発はそこそこも二塁打が多い中距離打者。打点を稼げる勝負強い打者で、打線のつながりに欠かせない存在となった。また堅守で知られるチームの一翼を担い、三塁守備はレベルが高い。
昨年はさらに上昇。序盤はあまり良くなかったが、5月以降調子上昇。6〜8月の3ヶ月で77打点を稼ぎ、この間は打率も3割5分をマーク。フル出場のうち100試合以上で4番を任され、中軸として打線を牽引。最終的に初の3割、自己最多の16ホーマーを記録し、そして打点は100を越えて堂々タイトル獲得。
ここ2年の充実ぶりは目を見張るものがあり、すっかり中心選手となった。昨年は左投手に滅法強く、3割7分の高打率をマーク。対戦別でも同一リーグ相手ではほぼ満遍なく打ち、ムラがなかった。攻守両面にもう不動の存在で、今季も中軸として活躍を期待される。

 6 中田 翔

大砲候補、攻撃突出型

右投右打
大阪桐蔭高 日本ハム08ドラフト(高)1巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム - - - - - - - - - - - - - - -
09 日本ハム 22 36 10 2 0 0 12 1 0 0 1 1 0 15 .278
10 日本ハム 65 210 49 5 1 9 83 22 0 0 2 15 3 61 .233
通算 3年 87 246 59 7 1 9 95 23 0 0 3 16 3 76 .240

将来日本を代表するホームラン打者にとの期待が大きい長距離砲。二軍で破格の成績を残し、09年一軍デビュー。
高校時代下級生時から注目を集めた逸材で、高校通算本塁打史上最多の87発、投手としても150kmを計時し怪物と呼ばれた。当然ドラフトの目玉と騒がれ、高校生ドラフトで4球団が競合、抽選の末日本ハム入り。
プロでは打者に絞ることとなり、登録は内野手に。1年目はシーズン中に手首を骨折するなどし一軍に上がることはなかったが、それでも二軍で11ホーマーと素質の片鱗を発揮。2年目もほぼ二軍だったものの、そこで飛び抜けた成績を残した。イースタン・ウエスタン通じて史上初となるシーズン30ホーマー達成、95打点も01年のポールと並ぶ史上最多タイ記録。イースタンの二冠プラス打率2位の「準三冠」という圧倒的な数字。一軍昇格も果たし、一発こそないもののまずまずの打率を記録。フレッシュオールスターでは二塁打2本でMVP獲得と、噂に違わぬ打棒を発揮。
この結果から昨年は開幕スタメン出場。だが序盤は結果が出ず二軍落ち、さらにその数日後半月板を損傷し、手術で離脱と前半は非常に苦しんだ。しかしオールスター直前に一軍復帰すると、プロ初を含み6試合で3ホーマーと本領発揮。翌8月には4戦連発を記録するなどパワーを炸裂させた。終盤9月に入ると22打席ノーヒットが続くなど急停止して打率が大きく下落してしまったが、シーズン9ホーマーと前進に成功。
一軍でも発揮したその長打力はやはり魅力たっぷり。守備位置が一塁かレフトか、或いはDHかと定まらない印象だが、今季はさらにレギュラーへのステップアップが期待される。

 7 糸井 嘉男

野手転向、身体抜群型

右投左打 ベストナイン(09)、ゴールデングラブ(09,10)
宮津高〜近大 日本ハム04自由枠〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 63 188 45 14 1 5 76 21 13 5 0 10 2 53 .239
09 日本ハム 131 425 130 40 3 15 221 58 24 18 1 46 6 93 .306
10 日本ハム 138 488 151 33 3 15 235 64 26 13 1 71 10 94 .309
通算 7年 339 1112 327 87 7 35 533 143 64 36 2 127 18 241 .294

恵まれた身体能力で一気にレギュラー定着の大型外野手。野手転向後目覚しい進撃で主力にのし上がった。
150kmの速球を誇る大型右腕として、自由枠で入団。本来は投手として大いに期待されていた選手だった。しかし一級品の力はあるものの完成度が低く、一軍のマウンドには上がれず。すると3年目の06年シーズン中に突如外野手に転向。投手からの野手転向は数多いが、大卒でとなると例は少なく、それが自由枠入団の選手となるとかなり異色の存在。
しかし転向すると即座に頭角を現し始めた。転向初年から二軍で3割8ホーマーの好成績を残し、いきなり「将来のレギュラー」と目される存在に。二軍成績は07年さらに伸ばし、一軍にも初登場、終盤プロ初ヒットも記録。
そして転向3年目の08年から完全に一軍進出。稲葉が五輪出場の8月その代役として起用され、月間3割に9盗塁の大活躍。この好結果から稲葉復帰後もスタメンを維持し続けた。勢いは止まらず、09年はレギュラーへ飛躍。スタート自体はそんなに良くなかったものの、すぐにコンスタントに打つようになり高打率を維持。当初は森本との併用状態だったが、森本が不調に陥ったのに対して左投手も苦にせず、途中からは不動のセンターに定着。交流戦4位となる3割7分、6月4割近い高打率をマークし、一時は首位打者争いにも参戦。最終的にタイトルには遠く届かなかったが、初の規定打席到達で3割クリア。二桁本塁打も放ち、40二塁打はリーグトップ。日本シリーズでも活躍し、1年で中軸選手に成長。
俊足強肩にパンチ力を併せ持つ、身体能力抜群の存在。昨年は主に5番を任され、前年同様の活躍を見せた。特に前半は非常に好調で、6月は月間打率4割超、この時点でシーズン打率は3割台中盤。後半ややペースダウンして数字を落としたものの、2年続けてシーズン3割を維持。主力として安定した働きを見せた。
一見横這いという印象の成績でも、前年より四死球が大幅増。チームトップの多さで、出塁率は4割を越えた。少し大雑把なタイプではあるが、体格に見合った伸び伸びとしたプレーは非常に魅力的。札幌ドームを本拠に30ホーマーはちょっと厳しそうだが、3割30盗塁はもうほとんど手が届いている数字。センターの座は不動のもので、チームを引っ張る存在に。

 8 金子 誠

ベテランショート、巧守備型

右投右打 新人王(96)、Gグラブ(98,99,09)、ベストナイン(99)
常総学院高 日本ハム94ドラフト3位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 96 291 63 16 0 2 85 29 0 13 5 20 2 76 .216
09 日本ハム 136 454 138 31 2 14 215 66 6 22 4 27 3 88 .304
10 日本ハム 77 264 69 10 0 5 94 34 2 15 0 12 0 60 .261
通算 17年 1746 5740 1491 254 28 81 2044 575 112 259 35 405 41 959 .260

堅実な守備を売りとするベテラン内野手。高卒3年目にしてレギュラーを奪取、以来チームの中心選手として活躍。
2年目の95年に一軍初出場。といってもわずか4試合だけだったが、翌年一気にセカンドレギュラーに飛躍を遂げた。15盗塁、リーグ最多の38犠打などで新人王に輝き、そこから7年連続規定打席到達と不動のレギュラーに。堅実な守備力の持ち主で、02年以降ショートに移ってもそれは変わらず。内野の守備の要として存在感を発揮。
ただ一方で打撃面は、俊足を買われて1番を期待されるも定着しきれず。常に2割6,7分と平均レベルで安定はしていたものの、チャンスメーカーとしては不足と見られ下位を打つことが多かった。どちらかといえば淡白な選手で、不動の中心選手でも攻撃面での印象は薄かった。
長年レギュラーとして働いていたが、05年新外国人のアルモンテがショートで起用され出場機会減少。アルモンテは結局期待はずれに終わりポジションは奪回したものの、自身も不振で9年続いていた100試合出場が止まってしまった。しかし翌年からは復権、相変わらず打率は低くほぼ9番定住だったが、守備力で優勝に大きな貢献を果たした。また07年はチーム3位の打点を記録。目立たないながらも下位打線にあって捉えどころのない存在感を見せた。
08年は一転大不振に陥り、故障離脱もあって自己ワーストのシーズン打率、13年ぶりに盗塁0と散々なシーズンに。しかし09年は巻き返しどころか大ブレイク。開幕するとこれまでなかった打棒を発揮。4月4割超の爆発で初めての月間MVP受賞。この月だけで二塁打12本と別人のような長打力も見せ、「恐怖の9番打者」として大きな存在感を発揮した。その後も大きく落ち込むことはなく、規定打席到達11度目にして初めての3割を記録した。12年ぶりの二桁本塁打14本、二塁打31、66打点も自己ベスト。チームトップの得点圏打率で勝負強さを見せ、ショートでは初となる10年ぶりのゴールデングラブも受賞。16年目にして最高のシーズンを送った。
とにかく09年は軽く打っても打球が伸びて、30代半ばにして打撃開眼を思わせる好調ぶりだった。これを続けたかったところだが、昨年は故障に苦しむことに。開幕して早々に脇腹痛で1ヶ月以上離脱。5月復帰後は勝負強いところを見せ、前年ほどではないものの活躍を続けていたが、8月後半今度は足を痛めてリタイア。これ以降は二軍戦の出場もなくシーズンを終えた。出場77試合はポジションを奪われかけた05年より少なく、レギュラーとなった96年以降では最も少なかった。
故障、特に下半身の状態が良くなかったせいか、売りの守備でも昨年は3年ぶりに二桁の失策。シーズン中に復帰できなかったこと、35歳という年齢も考慮すると、そろそろショートでフルシーズンというのは厳しくなってきたかもしれない。体調さえ良ければまだまだ攻守に戦力となる選手で、今季は状態次第か。

 9 マイカ・ホフパワー

長距離砲、ムラッ気型

左投左打
日本ハム11〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
11 日本ハム 63 182 40 10 0 9 77 21 0 0 2 20 0 58 .220
通算 1年
11年成績は7/24現在

日本ハムの新外国人。左の長距離砲で、一発の破壊力を期待されての獲得。
メジャー実績は09年に100試合出場し10ホーマーなど。3Aでは08年に3割6分の高打率を残し25ホーマー100打点、昨年も22ホーマーと近年安定した結果を残している。来日すると開幕前から絶好調。この勢いのまま開幕5試合で3ホーマーと強烈なスタートを切った。だが突然パタッと打てなくなり4月の月間打率は1割台。連続ノーヒットが止まるとまた打ち出し5月はなかなかの打率を残したが、6月以降はまた停滞。一発は出るもののトータルではだいぶ低打率となっている。
アメリカ時代から例年春先に滅法強いが失速し、夏場に特に弱いという話があり、そこまではっきりしたものではないが調子に随分激しい波がありムラッ気が強い。沈みかけていたが後半はまた持ち直し。ただここまでを見る限り好調もそれほど長くは続かないという印象で、8月後半になるとまた止まってしまっている。長打力は魅力だが高不調があまりにも極端すぎるか。

22 鶴岡 慎也

正捕手候補、守備型

右投右打 ゴールデングラブ(09)
樟南高〜三菱重工横浜硬式野球クラブ 日本ハム03ドラフト8巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 97 248 52 14 0 1 69 18 0 22 2 12 1 49 .210
09 日本ハム 122 263 58 14 1 1 77 29 1 17 2 20 2 48 .221
10 日本ハム 105 254 60 12 0 3 81 26 0 22 3 4 1 32 .236
通算 8年 461 1109 247 51 3 8 328 108 4 79 9 44 4 208 .223

日本ハムの筆頭捕手。06年大幅に出番を増やして台頭し、以降着実に存在感上昇。
高校時代甲子園ベスト4の実績も、プロへはテストを経ての入団。それでもファームでは1年目から積極的に起用され、地味ながらキャリアを積んできた。大きな転機となったのは3年目の05年。出場したフレッシュオールスターで先制ホームランを放ち、MVPを獲得。余勢を駆って一軍に昇格し、初安打も記録した。實松が移籍した翌年はさらにチャンスが広がり、開幕一軍入り。高橋が故障から不振で、5月以降はスタメン機会が急増。特にフレッシュオールスターでもコンビを組んだダルビッシュ登板時はほぼ確実にマスクを被ることに。
これ以降は完全に一軍定着。打撃の弱さから07年は高橋の巻き返しを許し出場数を減らしたが、ダルビッシュ専属捕手として出場。そして08年は逆に巻き返しに成功。高橋が故障から捕手としての出場を減らし、自動的に捕手1番手に浮上。86試合で先発マスクと大幅に出番が増えた。
常に2割そこそこの打率と打撃は弱く、肩もそう強いほうではない。あまり派手な特徴を持たないが、守備型の捕手として一定以上の信頼を掴むことに成功した。守備上位と言われるチームの要の存在に。
09年は高橋が途中からほぼ完全に一塁に廻り、より一層重い立場に。先発マスクは83試合と新人大野の起用があって横這いだったが、その大野をカバーする機会も多く、初の100試合以上出場を果たした。投手陣を引っ張って優勝に貢献、ゴールデングラブにも選出。昨年も大野と先発を分け合いながらも83試合と筆頭は譲らず。「二人正捕手」という形で100試合以上出場。
昨年交流戦を含む6月に突如打撃向上、1ヶ月だけでシーズンの3割に当たる18安打を放ち、自己最多タイの3ホーマーもこの時期に。持続はしなかったが、ここが改善されるようだと大野も打撃は良くないだけに大きな強みにもなる。今季も筆頭捕手の立場を貫くか。

23 二岡 智宏

高センス、中距離型

右投右打 ベストナイン(03)
広陵高〜近大 巨人99ドラフト2位〜08、日本ハム09〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 巨人 31 86 24 3 0 1 30 7 0 1 1 9 1 24 .279
09 日本ハム 69 170 43 5 0 4 60 25 0 2 2 10 3 36 .253
10 日本ハム 103 328 86 15 0 7 122 47 0 5 3 18 1 59 .262
通算 12年 1301 4436 1252 178 3 168 1940 588 48 85 26 290 46 838 .282

巨人時代長年不動のショートを務めた内野手。シーズン20ホーマー4度の実績を持つ中距離打者で、09年からは日本ハムでプレー。
アマbPの評価を受けて巨人入りすると、1年目から川相を控えに押しのけてレギュラー奪取。2割8分に18ホーマーの好成績で、同期入団の上原が20勝というとんでもない活躍をしたため遠く及ばなかったが、例年ならば新人王でもおかしくない結果を残した。守備面でも強肩を武器に破綻のない動きを見せ、レベルの高さを見せつけた。
華々しいデビューの後、2,3年目は成績後退。打撃を崩してしまい、01年は元木と併用されるケースも多かった。低迷が続いたが02年復活。この年24ホーマーを放つと、翌03年は自己最多の29ホーマーに初の3割達成。14盗塁と脚力も見せ、完全な中心選手へと成長。04年は故障に苦しみ振るわなかったが、翌年しっかりと復調。攻守に渡ってチームで最も安定した戦力となった。
本来は中距離打者ながら、細身の割にリストが強く右中間へ力強い打球が飛ばせる選手。一度苦しんだことで、打撃の柔軟性が増した。様々な打順をこなせる利便性の高さも特徴の一つ。何をやらせてもある程度こなせる。遊撃守備はスローイングの正確さが光った。
打撃のほうは充実期に入り、06年は中軸3番に定着。4月に史上初の2打席連続満塁弾、1試合3ホーマー10打点の離れ業を演じた。後半はだいぶ勢いが落ちて3割には届かなかったが、25ホーマーに79打点をマーク。翌07年は今度は5番を中心に打ち、また3割には一歩届かずも自己最多の83打点をマーク。
ただ04年に足腰を痛めて以降走力・守備力は低下気味。その下半身の不安が08年一気に表に出た。開幕戦でいきなり肉離れをおこし長期離脱。その間にショートのポジションを若い坂本に完全に奪われてしまった。7月復帰後は主に三塁で起用されたが、攻守ともに精彩を欠き、さらに9月またも故障でリタイア。シーズン通して故障に泣かされ、プロ入り後最低の出場数に終わった。
1年ですっかり影が薄くなり、シーズン後トレードで日本ハムへ。中軸級の期待もあったが、好調となった打線の陰に隠れてポジションを掴めず。思ったほどの結果を残せず、ほぼ控えに落ち着くこととなった。先発の大半がDHでのもの。昨年は上向いて準レギュラー格となり、3年ぶりに100試合以上出場。引き続きDH中心、守っても一塁だったが、金子の故障もあってわずかながら遊撃先発機会も。
調子にムラがありトータルでは平凡な数字だったが、左投手に強さを見せ、チャンスにも良く打ったことで成績以上に存在感を発揮した。移籍以降激減しているように、正直パの球場で一発は期待薄なので、今季はもう少し率を良くしたいところ。そろそろベテランの年齢域。

24 陽 岱鋼 (ヨウ・ダイカン) (仲壽)

外野台頭、発展途上型

右投右打
福岡第一高 日本ハム06ドラフト(高)1巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 44 111 16 0 1 2 24 4 1 4 1 6 1 31 .144
09 日本ハム 15 11 2 0 0 0 2 0 0 1 0 1 0 3 .182
10 日本ハム 109 253 62 12 3 2 86 31 8 10 2 12 4 70 .245
通算 5年 223 484 106 20 6 4 150 45 12 19 3 21 6 134 .219

外野に軸足を移して出番急増、レギュラーも見えてきた若手選手。粗削りだがバネの強さが持ち味。
台湾出身で現ソフトバンク投手の陽耀勲(ヤン・ヤオシュン)は実兄。高校から日本でプレーし、高校生ドラフトを経てプロ入りとなった。高校屈指のショートとして指名競合、運営の不手際で交渉権確定球団が間違って伝えられるという一幕もあって話題に。期待は非常に大きく、1年目も出場はなかったが一軍昇格を経験。2年目は早い内から一軍に抜擢され、サードやショートで先発機会にも恵まれた。一発こそ出なかったが随所に能力の高さを見せ、2年目としては上々のデビュー。
身体能力の高さが評価されていた選手で、将来のレギュラーを期待される。ただ3年目も積極的に起用されたが粗さが強く結果は出なかった。サード・ショートで序盤スタメン起用、2ホーマーを放つも低打率で二軍落ち。8月の再昇格後も19打数ノーヒットと結果を出せず。09年はシーズンのほとんどを二軍で過ごし、ファームでは14ホーマーを放ったものの一軍出場は大幅減。
登録は内野手のままだが、守備面の課題が多いため09年から実質的には外野転向。ちょっと停滞感も出ていたが、改名して挑んだ昨年大きく前進。長年不動だった稲葉が体調の問題から一塁やDHに廻ることが増え、序盤から積極的に外野で起用された。打撃はなかなか結果が出なかったものの、出場を重ねるうちに徐々に上昇。終盤9月は3割と好結果を残し、2割がやっとという状態だった前半から打率をだいぶ上げてきた。初の100試合出場で準レギュラークラスに台頭。
5年目の成長で一軍定着に成功。固め打ちしたかと思えば沈黙、西武・オリックス戦には3割でもソフトバンクには1割台、ロッテには1割未満と打撃は非常にムラッ気が強いが、まだこれからの選手。タイプとしても外野のほうが向いていそうで、今季はポジション確保の可能性も充分。

27 中嶋 聡

元強肩捕手、ベテラン転々型

右投右打 Gグラブ(89)、ベストナイン(95)
鷹巣農林高 阪急・オリックス87ドラフト3位〜97、西武98〜02、横浜03、日本ハム04〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 22 4 3 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 .750
09 日本ハム 3 3 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 .333
10 日本ハム 7 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
通算 24年 1532 3471 804 126 13 55 1121 349 27 148 30 290 36 768 .232

阪急ブレーブス最後の生き残りで、プロ生活24年を数える大ベテラン捕手。かつては「日本一の強肩」で鳴らし、オリックス時代はエース星野よりも明らかに速い球を投げるなどと言われた。
その強肩を買われて高卒3年目に早くもレギュラー奪取。90,91年には二桁本塁打も放った。ただ強肩の割に盗塁阻止率はそれほど高くはなかった。若くして正捕手となったが、思ったほど技術面での進歩が無く、特に仰木監督になってから信用失墜。三輪にレギュラーを奪われ出場機会も減少。そしてFA宣言。
強肩捕手を渇望していた巨人、或いはメジャー挑戦かとも言われたが、移籍したのは西武。当時西武は伊東の肩の衰えが表面化し、また中嶋本人も「日本一の捕手に挑戦したい」と志は高かった。しかしこれはさすがに無謀な挑戦で、結局移籍後の5年間、一度として伊東の前に出ることはできなかった。働き場を求めて03年は横浜へ移籍したが、捕手の弱いチームにありながら故障で大きく期待を裏切り、わずか1年で日本ハムへ移籍。
FA移籍後どうも迷走している感が強かったが、30代後半になってようやく落ち着いてきた。04年は高橋信のリザーブを務めるのが精一杯だったが、翌年は高橋信の故障低迷、實松の伸び悩みがあって、出場機会急増。5年ぶりの100打席越えで、ベテランが本当に久しぶりに存在感を発揮した。そして06年からは先発機会はほとんどなくなったが、ベテランの技を買われて「リリーフ捕手」としてゲーム終盤に登場するように。あまり例を見ない捕手の守備固めの役割で優勝に貢献を果たした。コーチ兼任となって以降も変わらぬ役回りでチームを支え、抑えのマイケルとのセット起用はチームの特徴に。
さすがに08年以降は出場が大きく減り、09年は後半の3試合のみ。昨年も一桁の7試合で打席に立ったのは4月の1度だけとプレーするのはごく稀に。選手としてよりもコーチとしての存在のほうが色濃くなってきた。もう一線からはほとんど引いているが、今季も現役続行で25年目のシーズンに挑むことに。本当に息の長い選手となった。

28 大野 奨太

即戦力捕手、守備型

右投右打
岐阜総合学園高〜東洋大 日本ハム09ドラフト1位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
09 日本ハム 77 154 32 9 0 3 50 15 0 5 0 6 4 43 .208
10 日本ハム 87 183 42 8 0 4 62 16 1 13 0 19 1 36 .230
通算 2年 164 337 74 17 0 7 112 31 1 18 0 25 5 79 .220

ルーキーイヤーから多くの試合で先発マスクを被り、優勝も経験した即戦力捕手。将来の正捕手と期待の大きい存在。
大学時代3年からレギュラーとなり、リーグ戦4連覇、神宮大会2連覇、4期連続ベストナイン選出、4年春にはMVPと輝かしい実績を残した。大場(ソ)や上野(ロ)とバッテリーを組み、3年の段階から「大学No.1捕手」と評判に。ドラフトで1位指名されて日本ハム入り。
「捕手は時間がかかる」というのが定説だが、1年目から即一軍戦力となった。開幕して間もなく先発出場するようになり、シーズンで51試合に先発出場。打撃はさすがに壁に当たりずっと低打率だったが、守備面では新人らしからぬ動きでベンチの信頼を掴んだ。完全に2番手捕手となり、日本シリーズでも先発出場。
高橋が完全に一塁に廻った要因の一つと言っても過言ではない。2年目の昨年も大きな飛躍とまではいかずとも、着実に前進。スタメン60試合とほぼ鶴岡と分け合い、実質「二人正捕手」という形でシーズンを送った。
すっかり戦力となっているが、この上を望むとなるともう一歩突き抜けたいところ。現状打撃面でも鶴岡と差がなく、この競争はほとんど互角という状態。経験や信頼で一歩劣るのはやむをえないので、実戦の中で徐々にでもアピールしていきたい。

40 岩館 学

ユーティリティ、地味型

右投右打
成田高〜東洋大 巨人04ドラフト5巡〜09、日本ハム10〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 巨人 17 31 8 3 0 0 11 5 0 1 0 3 1 7 .258
09 巨人 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -
10 日本ハム 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
通算 7年 60 73 14 5 0 0 19 6 1 2 0 7 1 23 .192

守備の堅実さを期待される内野手。本職はショートで二塁・三塁も可能。まだ一軍半の状態だが、少しずつ出場は増えつつある。
大学時代にも安心感のある守備と評され、それが最大の長所。ここまで一軍実績は乏しいが、06年は故障者続出のチーム事情から5月に昇格。わずかではあるが前年より出番を増やした。先発出場も経験。
ただ1割そこそこの打率では定着はならず。07年はわずか5試合の出場に終わり、また元の状態に逆戻りしてしまった。08年は出番が若干増えて、先発機会も多く、またそこそこの結果も残したが大半が二軍暮らし。そして09年は8月に1試合代走で出場したのみ。
どこでも守れて打撃も伸びてきてはいるが、特に目立つ部分もないのが苦しいところ。金銭トレードで昨年日本ハムに移ったが、金子誠の故障というチャンスにも出番はなく、8月に2試合出たのみだった。二軍ではほぼフルに出たものの、平凡な成績。今季30歳になるだけに、相当の奮起を見せないと厳しい。

41 稲葉 篤紀

オールマイティ、強打者変身型

左投左打 ベストナイン(01,06〜09)、Gグラブ(06〜09)、最多安打(07)、首位打者(07)
中京高〜法大 ヤクルト95ドラフト3位〜04、日本ハム05〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 127 448 135 25 5 20 230 82 2 0 5 56 4 85 .301
09 日本ハム 135 500 150 37 4 17 246 85 5 2 6 65 14 96 .300
10 日本ハム 137 530 152 36 4 16 244 79 3 1 5 43 12 86 .287
通算 16年 1814 6318 1842 365 43 233 2992 899 70 65 50 480 122 1067 .292

日本ハムの中心打者。走攻守いずれにも破綻がなく、三拍子バランスの取れた好選手。スマートな印象が日本ハム移籍後強打者に。
打撃センスの良さはヤクルト入団時から評価が高く、1年目から200打席とはいえ3割をマークして実証。翌年には完全にレギュラーとして3割、さらにその翌年は打率こそ落ちたものの21ホーマーをマーク。3年目までは非常に順調に成長していた。
しかし98年から低迷。ここから故障が多く、そこそこ数字は残すものの、どうにも煮え切らない成績。この間は準レギュラー格に落ち着いていた。01年に3割25ホーマーと自己ベストの成績を残し復活、不動の3番として優勝の原動力となったが、翌年はすべての面で大きく後退。好調が2年続かないというのも歯がゆさを感じさせた。03,04年は1番に期待されたがいまいちはまらず。
打った形が非常に綺麗な打者で、特に膝元のボールをスマートに打ち払う。ただ以前はちょっとあっさりしすぎの面もあり、もう一つ突き抜けないという印象も強かった。すべての面で安定しているのだが、若干の物足りなさも感じさせてきた。
05年FAでメジャーへの道を模索するも果たせず、ギリギリまで迷った末に日本ハム入り。入団決定が遅く順調さを欠いたためか、前半だいぶ苦しみ1年目はそこそこの結果に。しかし移籍2年目の06年、これまでのやや地味な印象を払拭する大活躍を見せた。交流戦以降3割中盤、16ホーマーでチーム急上昇の原動力となり、5年ぶりの3割に自己最多の26ホーマー、日本シリーズMVPも獲得。そして07年はさらに強烈な存在感を見せた。常に安定した活躍、その中でも特に後半から終盤打棒が冴え渡り、貧打と言われたチームの最大の得点源として君臨。初の打撃タイトルである首位打者・最多安打を獲得、野手陣では連覇の最大の貢献者となった。08年も変わらぬ安定した活躍で、打線の一本柱として君臨。五輪出場の不在期間がありながら打撃三部門すべてでチームトップだった。09年はWBCに出場し代表チームの4番も。シーズンでは4年連続の3割をマーク。
チャンスの打席時に観客がカメラさえ揺らすほど飛び跳ねる「稲葉ジャンプ」はすっかりホームの名物に。だが38歳となる昨年は開幕直後背中を痛め、離脱期間は短かったものの春先絶不調。6月から8月にかけて大きく成績を回復させたものの、終盤はまた調子を落とし、久しぶりにシーズン3割を逃してしまった。近年の中では少し印象の薄いシーズンに終わった。
故障の影響から昨年は一塁やDHに入ることも多かった。年齢的な不安もそろそろ出てきた感があるが、それでも最終的にこの結果にまとめたのはさすが。まだ打席での存在感は高く、打線の中心的存在。

44 鵜久森 淳志

大型外野手、モデルチェンジ型

右投右打
済美高 日本ハム05ドラフト8巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 11 20 6 1 0 0 7 2 0 1 0 1 1 3 .300
09 日本ハム - - - - - - - - - - - - - - -
10 日本ハム 23 36 10 0 1 0 12 2 0 0 0 2 2 15 .278
通算 6年 35 57 16 1 1 0 19 4 0 1 0 3 3 19 .281

身長189cmと見栄えのする体格の持ち主。高校時代に甲子園で話題となった選手で、近年一軍に進出中。
済美高の4番として3年時に甲子園春夏出場。ここで春に2ホーマー、夏に3ホーマーを放ち、センバツ優勝、夏準優勝の大きな原動力として活躍した。大きな注目を浴びた選手で、8巡という順位は大方の予想よりだいぶ低いものだったが、ドラフト指名され日本ハム入り。
プロ1年目は二軍で成績は低かったもののほぼフル出場。2年目には体験昇格といった感じだが一軍初出場も果たした。09年までの5年間で、二軍では4度規定打席到達とレギュラー。08年プロ初安打を記録しなかなかの結果を残した。09年は一軍出場はなかったものの、二軍で同僚中田に続くリーグ2位の20ホーマー。
そして6年目の昨年は出番が増えてきた。春先スタメンで2安打しながら骨折で二軍落ちとなってしまったが、6月に復帰後もなかなかの好成績。出番自体は少なく、最終的に数字もだいぶ落ち着いたものの、まずまずの結果を残した。
フォームを試行錯誤しているようで、大柄な体をやや屈めた構え。一軍ではまだ一発はないものの、なかなかシャープな打撃を見せている。二軍では3割中盤の高打率に加え9ホーマーを放ち、長打を捨てたという訳ではなさそう。足がかりを得て、今季は本格的に一軍進出としたい。昨年10安打中9本が左腕から放ったものだった。

45 今浪 隆博

小兵内野手、漸進型

右投左打
平安高〜明大 日本ハム07ドラフト(大・社)7巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
09 日本ハム 5 4 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 .250
10 日本ハム 29 45 11 1 0 0 12 3 0 2 0 3 0 11 .244
通算 4年 35 50 12 1 0 0 13 3 0 2 0 3 0 12 .240

身長171cmと小柄な内野手。大学からプロ入りし、少しずつ出番を増やしつつある。
高校時代は2度の甲子園出場も、大学では故障が続くなどでなかなか前に出られず。それでも最終学年でようやく活躍すると、分離ドラフトの7巡というかなり下位の指名で日本ハム入りとなった。注目度は低かったものの、上り調子で来た勢いから1年目からファームでまずまずの好成績。二軍のレギュラー格となり、2年目には一軍初出場。09年は二軍で3割近い打率を残すと一軍でも初ヒットを記録。
入団以来着実に成績を伸ばし続けており、昨年は一軍出場数がかなり増えた。金子誠の故障離脱という事情もあり、8試合のスタメンなど29試合に出場。目覚しい結果とはいかなかったものの、一軍に大きく前進のシーズンとなった。二軍成績はさらに伸ばし、昨年は3割4分という高打率を記録。
11安打中8本が2ストライク後と、追い込まれてしぶとい打撃が身上。二軍では常に三振が非常に少ない巧打者で、一軍レベルに慣れてくるとしつこい存在になりそう。ここまで常に前進し続けている勢いで、今季は一軍定着を目指す。

51 村田 和哉

小兵外野手、俊足型

右投左打
市立船橋高〜中大 日本ハム08ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 15 34 8 0 0 0 8 1 0 3 0 2 1 12 .235
09 日本ハム 44 55 16 1 2 0 21 5 8 2 0 4 0 9 .291
10 日本ハム 19 29 6 0 0 0 6 2 0 3 2 3 0 4 .207
通算 3年 78 118 30 1 2 0 35 8 8 8 2 9 1 25 .254

高い脚力を武器とする若手外野手。主に代走要員として一軍に進出中。
身長165cmと現役では内村(楽)に次いで小さい選手。大学から日本ハム入りすると、1年目まずは二軍でその俊足を発揮。シーズン35盗塁を決め、2位に10以上の差をつける独走でイースタン盗塁王に。一軍でも早い内から使われ、盗塁は3度試みていずれも失敗と壁にぶつかったが、9試合のスタメン出場もあった。
そして2年目の09年は出場機会増加。前年の経験を活かしてオールスターまでに6盗塁を記録し、代走要員として大いにアピール。少ない打席数ながら打撃でも結果を残した。8月以降ペースダウンしたものの、44試合出場で一軍定着に大きく前進。
しかしポジション獲りのチャンスもあった昨年は大きく後退。打撃で結果を残せず、一軍出場はまばらで二軍生活のほうが長くなった。前年より出場数半減し盗塁も決められず。俊足の左打ち外野手というだけではやや個性が薄く、どう特色を出していくかは大きな課題。森本が抜けた今季は勝負のかかる年。

67 松坂 健太

大型外野手、停滞型

右投右打
東海大仰星高 西武04ドラフト5巡〜10、日本ハム11〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 西武 55 91 24 6 3 1 39 12 2 2 0 2 5 29 .264
09 西武 23 36 6 2 0 1 11 5 2 1 0 3 3 8 .167
10 西武 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 7年 81 136 32 8 3 3 55 18 5 3 0 5 9 40 .235

08年急成長で脚光を浴びた若手外野手。二軍で着実に力をつけ、5年目に一軍進出を果たした。名前の読みは濁らない「まつさか」。
身長185cmの大型選手で、入団時から身体能力の高さを評価されていた。二軍でじっくり鍛えられ、07年終盤に一軍初出場。プロ初安打をホームランで記録した。そして5年目のキャンプで成長を認められ、オープン戦で積極起用。チームトップの打率と結果も残し、開幕一軍入り、開幕スタメンも勝ち取った。
さすがに公式戦はそう甘くはなく、開幕から15打席ノーヒット。4月末にボカチカが復帰すると入れ替わりに二軍落ちとなった。しかし再昇格後は非常に好調で、7月は3割。終盤も好調をキープし、最終的に数字を大きく向上させた。実質1年目としては上々の成績でほぼ一軍定着。
ただこの勢いを持続できず、翌09年はパッとしない状態。後半は二軍暮らしで成績を大きく落とした。二軍ではチームトップの13ホーマー、44打点、22盗塁と素質の高さを大いに発揮したが、昨年は故障などで二軍でも3ヶ月試合出場がないなど影が薄い状態。一度も一軍に上がれずに終わり、シーズン後には戦力外に。
故障や体調不良に見舞われ、さらにはコーチとの衝突があったとされ、二軍で勃発した騒動の渦中にいたとも囁かれた。ただまだ25歳と若い選手で、トライアウトを経て今季は日本ハムへ移籍。送球イップスという話もあるが、環境変わって再浮上したいところ。