北海道日本ハムファイターズ

10 ブライアン・ウルフ

剛球右腕、先発覚醒型

右投右打
日本ハム10〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
10 日本ハム 42 0 4 3 3 8 62 1/3 66 5 24 13 3 0 21 3.03
11 日本ハム 26 1 12 11 0 0 150 161 4 90 36 11 3 60 3.60
通算 2年 68 1 16 14 3 8 212 1/3 227 9 114 49 14 3 81 3.43

150km以上のスピードを持つ外国人右腕。リリーフを見込まれての獲得だったが、シーズン中に先発転向。
マイナー時代の当初03年頃までは先発もしていたが、04年以降はほぼリリーフ専門。メジャー昇格は07年で、3年で72試合すべてリリーフ登板、通算5勝のキャリアを残した。09年は故障で精彩を欠き、10年日本ハム入り。
開幕からセットアッパーとして起用され、抑えの武田久が不振に喘いだことで4月は一時抑えとしても起用され3セーブ。ただ逆転サヨナラを喫して以降は再び中継ぎに。オールスターまでに34試合登板し、主力リリーフの一人となった。しかし7月末から8月にかけて3試合連続失点し、しばらく二軍落ち。
前述のようにスピードが大きな魅力。空振りを奪うタイプではなく(アメリカ時代も奪三振率はあまり高くない)、球威で押し込んでゴロを打たせるのが持ち味。四球はかなり少なく、自滅しない点は好印象。ただ圧倒的に抑えこむという投手ではなく、被打率は少々高い。
ずっとリリーフ専念だったが、9月に再昇格後は先発起用。しかも3連勝と好結果を残し、終盤は大きな戦力となった。この結果を受けて昨年は最初から先発要員。すると2度目の登板から6月にかけて7連勝をマークし、大きな戦力となった。シーズン通してローテーションに定着し12勝をマーク。先発転向が大成功となった。
被打率はやはり高めだが詰まらせてゴロに仕留める投球が見事にはまった。ただ後半は明らかに失速し、最後は4連敗を喫して10敗にも到達。8月以降の防御率は5点近く、シーズン成績も大きく落とした。単なる調子落ちか、それとも攻略された結果か、今季の成績はちょっと読みづらいところ。

11 ダルビッシュ・有

長身右腕、鉄壁エース型

右投右打 MVP(07,09)、沢村賞(07)、最多奪三振(07,10,11)、ベストナイン(07,09)、Gグラブ(07,08)、最優秀防御率(09,10)、最高勝率(09)
東北高 日本ハム05ドラフト1巡〜11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 25 10 16 4 0 0 200 2/3 136 11 208 44 9 4 42 1.88
09 日本ハム 23 8 15 5 0 0 182 118 9 167 45 6 5 35 1.73
10 日本ハム 26 10 12 8 0 0 202 158 5 222 47 7 6 40 1.78
11 日本ハム 28 10 18 6 0 0 232 156 5 276 36 6 10 37 1.44
通算 7年 167 55 93 38 0 1 1268 1/3 916 58 1250 333 50 36 281 1.99

今や日本を代表するエースとなった右腕。イラン出身の父を持つハーフで、2年生時に甲子園準優勝、センバツでノーヒットノーランを記録と輝かしい実績を引っさげてのプロ入り。以降順調すぎる成長で比類なき存在に。
190cmを越える長身とすらっとした体型の投手。関節の柔らかさは天性のもので、類稀な素質の持ち主。1年目当初は育成ということで二軍にいたが、6月半ばに昇格すると8回2失点の好投で初勝利。早々とローテーション定着を果たした。14試合すべて先発で5勝をマークし、9月には完封も記録。いきなりその素質の高さを見せ付けた。
上々のデビューを飾り、そしてここからはエースへの道を邁進。06年は開幕当初こそ停滞気味でジンクスを懸念されるも、5月末に完投で3勝目を挙げると、ここから破竹の先発10連勝。特に優勝争いが白熱した8,9月に6勝を挙げる活躍で、八木とともに先発の両輪としてチームを引っ張った。最後まで連勝は止まらず、2点台の防御率で二桁12勝。そして07年はさらに圧巻の投球。開幕投手を任され、フルシーズン先発の軸として回転。相手を寄せ付けない投球で連覇の大きな原動力となった。15勝を挙げ、シーズン防御率1点台を記録。奪三振タイトルに加えてMVPと沢村賞に選出され、一気にプロを代表する存在に。
肘の柔らかいしなりは抜群で、腕が遅れて出てくる打ちづらい球質。そこから繰り出す150kmの速球は当てるのも難しく、奪三振も極めて多い。また苦手がなく、完投能力もトップクラス。抜群のスピードに球種も多彩で、2点取るのも難しいほど付け入る隙が見えない。
08年も開幕5連勝スタート。五輪から帰国後も5連勝するなど順調そのもので、自己ベストの16勝。防御率は岩隈に、奪三振は杉内にわずかに及ばず、また選考基準をすべて満たしながら沢村賞もさらわれてしまったが、すべての面で満点と言っていい投球で絶対のエースとして君臨。WBC出場の09年も、7連勝など前半だけで10勝とチームを牽引。オールスターで打球を右肩に受けるアクシデントがあり、後半は故障で戦列を離れるなど苦しんだが、3年連続の15勝を挙げ、防御率1点台でタイトル獲得。2度目のMVPに。10年は後半勝ち星が伸びず12勝に留まったが、4年連続のシーズン防御率1点台を達成、2年連続のタイトルに。3度目の200三振突破でこちらも2度目のタイトル。
昨年は開幕戦7失点でおやと思わせたが、直後8連勝、一つ負けた後5連勝とオールスターまでに13勝をマーク。相変わらずの投球で君臨し、チームを引っ張った。自己最多の18勝に防御率1点台前半を記録。いずれも一歩田中に及ばずタイトルに届かなかったが、奪三振タイトルは譲らず。6完封も田中と並び両リーグ最多タイ。
これで防御率は5年連続1点台で、通算でも2点を切った。また276という奪三振は93年野茂以来となる数字で、久々の250突破。25歳ながらもはや日本球界に敵なしといった状態で、オフにはかねてから噂の根強かったメジャー挑戦を決断。ポスティングでレンジャーズが落札し、現在入団交渉中。国内で圧倒的だった投手がどういう活躍を見せるか注目される。

12 ウィルフィン・オビスポ

剛球右腕、育成上がり型

右投右打
巨人07(育成)〜10、日本ハム11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
09 巨人 14 1 6 1 0 1 58 2/3 44 7 48 11 4 0 16 2.46
10 巨人 14 0 2 3 0 1 48 1/3 60 9 22 18 7 2 28 5.21
11 日本ハム 2 0 0 0 0 0 1 4 1 0 3 0 0 6 54.00
通算 5年 32 1 8 4 0 2 109 109 17 71 33 11 2 50 4.13

最速157kmのスピードを誇る外国人投手。育成枠からスタートし、リザーブ的存在だったが、09年脚光を浴びる活躍。
アメリカでのプロキャリアスタート時は内野手、後に投手に転向。07年春季キャンプのテストに合格して巨人入り。当時22歳の若さで、キャリアの浅さもあって文字通り「育成選手」という存在だったが、シーズン中に支配下登録を勝ち取り一軍登板も経験。翌年肩を痛めて再び育成選手となったが、7月に再度支配下登録。この年は一軍登板無しも、二軍でストッパーとなり21セーブを記録、イースタンの最多セーブ投手となった。
そして迎えた3年目も、枠の関係から二軍スタート。しかしクルーンの故障から登板機会が巡ってきた。当初リリーフで投げていた時期はあまりパッとしなかったが、7月に入って先発に廻ると印象一変。来日初勝利・初完投を含む3連勝をマーク。その間わずか3失点と抜群の内容を見せた。一度連勝が止まった後再度3連勝し、計6勝をマーク。7度の先発はすべて6回以上投げ、3失点以上が2度だけと高い安定感。ポストシーズンでも先発勝利を挙げ、後半だけで鮮烈な印象を残した。
不恰好とも言えるようなフォームから、力強く押してくる投球が持ち味。四球を出さなくなったのが大きな変化で、08年ファームで34イニング20四球が、この年は一軍で58イニング11個に激減。ストライクゾーンで勝負できるだけの球威の持ち主。
だがこの活躍で待遇が良くなったことに安心したのか、10年はキャンプから調整に失敗。シーズンでも全く精彩を欠いた。7度の先発機会で5回まで持ったのが3試合だけと前年とは別人のように不安定。奪三振も激減し、せっかく減らした四球も増えてしまった。2勝のみでシーズン終了。
昨年はトレードで日本ハムに移ったが、再浮上どころかさらに落ち込むことに。開幕一軍でリリーフ起用されるも、敗戦処理のマウンドで1イニング5失点の大炎上。続く登板もやはり楽な場面ながら、連続四球で一死も取れず降板。二軍落ちするとこれ以降声はかからずに終わった。わずか2試合1イニングの登板で4安打3四球とボロボロの結果。
一度は輝きを見せたのだが、すっかり色褪せてしまった。戦力外はやむをえないところで、短い活躍に終わった。

13 石井 裕也

サイレントK、切れ勝負型

左投左打
横浜商工高〜三菱重工横浜硬式クラブ 中日05ドラフト6巡〜08途中、横浜08途中〜10途中、日本ハム10途中〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 横浜 35 0 2 0 0 14 45 1/3 28 3 40 16 2 0 12 2.38
09 横浜 28 0 0 6 6 3 25 1/3 26 4 18 11 1 0 12 4.26
10 日本ハム 13 0 0 0 0 5 10 2/3 8 0 8 2 1 1 3 2.53
11 日本ハム 39 0 3 1 0 9 34 1/3 27 1 22 11 0 0 5 1.31
通算 7年 166 0 12 11 6 40 191 171 13 153 79 7 4 70 3.30

先天性の難聴というハンデを抱えながら、プロ入りを果たした左腕投手。高校時代に話題となり、「サイレントK」の異名を取った。社会人を経て、即戦力として中日入団。
ドラフトの指名順位は低かったが、1年目開幕直後に一軍入り。2度目の登板で早くも初勝利を記録すると、次の登板でも勝利投手に。その後しばらくは僅差での登板が続いたが、徐々に捉まるようになって一軍定着とまではいかなかった。それでも3勝を挙げて上々のスタートを切った。
低め中心に集めて、切れで勝負するタイプ。奪三振はなかなか多く、異名に偽りはない。ややコースを意識しすぎて攻めきれず四球というのも目立ったが、力のあるところは見せた。
ルーキーイヤーに比べると、その後2年は登板数が伸びずやや印象薄。二軍暮らしが多くなった。07年終盤は光るところを見せるも、08年は開幕から二軍。しかし6月に横浜へ移籍して状況が大きく変わった。投手難に苦しむチームとあって、移籍後は貴重なリリーフ左腕として重用。そして自身もベストとも言える好投を見せ、セットアッパー格に浮上。35試合登板し14ホールドはチームトップ。負けが込むチームにあって目立ちはしなかったが、期待以上の活躍を見せた。
なかなか越えられなかった一軍定着の壁を、移籍によって突破した。しかし新ストッパーの期待がかけられた翌年は一転して急落。4月だけで6セーブと最初は良かったが、4月末にサヨナラ負けを喫すると、そこから悪夢の登板4連敗。抑えは山口となり、中継ぎに廻るも復調しきれず6月には二軍落ち。後半は立ち直りも見せたが、チームの大低迷もあってあまり目立てずに終わった。
主力から一転二軍スタートとなった10年は途中日本ハムへ移籍。6月に昇格すると目立たないながらもなかなかの好投を見せた。しかし夏場に離脱、復帰後すぐ腰を痛めるなど後半は故障に泣かされた。それでも昨年は復調。二軍スタートで前半は登板数も少なかったが、8月以降出番が急増。後半だけで28試合に登板し、3年ぶりの勝利を挙げるなど活躍。貴重なリリーフ左腕として再浮上に成功。
昨年は奪三振は控えめだったが失点少なく安定感があった。どちらかというとオーソドックスなタイプで、右打者相手のほうが強くワンポイントには不向き。1イニングを任せる起用がベストか。抑え失敗の不振を脱したが、過去いい状態が2年続かない傾向があるので今度はこれを持続したい。

15 榊原 諒

リリーフ台頭、勝ち運型

右投右打 新人王(10)
中京高〜三菱自動車岡崎〜関西国際大 日本ハム09ドラフト2位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
09 日本ハム 10 0 0 1 0 1 26 2/3 37 5 23 8 1 0 18 6.08
10 日本ハム 39 0 10 1 0 6 72 60 3 54 11 0 1 21 2.63
11 日本ハム 60 0 1 3 0 23 59 2/3 39 1 36 16 3 0 11 1.66
通算 3年 109 0 11 5 0 30 158 1/3 136 9 113 35 4 1 50 2.84

2年目の10年リリーフで二桁勝利を記録し、新人王に輝いた右腕。スクランブル登板からチャンスを掴み一軍戦力に。
高校時代は中川(中)、城所(ソ)らと同期で、エースとして甲子園2度出場の活躍。その後社会人に進んだが、所属チームが休部となってしまい、そこから改めて大学に進んだ。関西国際大ではオリックス入りした伊原と同期で左右の両輪として活躍。評価を高めていきドラフト2位で日本ハム入り。
即戦力の期待もあって、1年目は序盤4試合に先発。だがいずれも結果を残せず、主に二軍で過ごした。その下では30試合に登板し4勝3セーブ。後半には一軍に再昇格しリリーフで登板。それほど印象を残せなかったルーキーイヤーだったが、2年目の10年は大きく視界が開けた。二軍スタートで1度目の昇格ではパッとしなかったが、6月再昇格するとそこからはなかなかの投球。そして交流戦で、アクシデントで1回降板した先発の後を受け2回からリリーフしプロ初勝利。続く登板はまたも先発が負傷降板した緊急リリーフで2勝目をマーク、さらにその後3リリーフ登板で2勝を挙げる活躍を見せ、一躍脚光を浴びた。その後もう1勝しリリーフで5連勝をマーク。8月中旬の先発登板で敗れ、連勝は止まったものの、続くリリーフではまた立て続けに勝利投手に。その後シーズン終了までリリーフ5連勝を挙げ、最終的にすべて救援勝利で10勝到達。甲藤を抑え新人王に選出された。
非常に「オーソドックス」という印象の投手で、フォームも大きな癖はないが速球派のオーソドックスな形。速球と大きなスライダーが軸で、切れ味はなかなかのもの。四球が少ないのも好印象。
信用を掴み昨年もリリーフの一角に定着。開幕から7月頭まで、25試合で自責0と安定した投球を展開。ロングリリーフ要員ではなく、セットアッパーの一人として継投を支える活躍を見せた。9月疲労からか失点が目立つ時期もあったが、シーズン60試合に登板し23ホールドをマーク。前年のような勝ち星には恵まれずも防御率は1点台。
10勝した10年はそこまでビシッと抑えてはいなかったが、昨年は被打率1割台で非常に安定していた。着実に存在感を増し続け、今季も重要な戦力として期待される。

17 宮本 賢

リリーフ左腕、伸び悩み型

左投左打
関西高〜早大 日本ハム07希望枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 9 0 0 0 0 0 8 1/3 11 0 6 4 0 2 5 5.40
09 日本ハム 12 0 0 0 0 1 14 2/3 14 1 3 7 1 0 5 3.07
10 日本ハム 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 -
11 日本ハム - - - - - - - - - - - - - - -
通算 5年 22 0 0 0 0 1 23 26 1 9 11 1 2 10 3.91

小柄な体躯の左腕投手。希望枠入団も即戦力にはなれず、ここまでは伸び悩みで二軍生活が続いている。
高校時代はセンバツに2度出場し、ベスト4の実績。大学で一時外野転向も、すぐに投手に戻って主力として活躍し、通算23勝を挙げた。主将も務め、六大学を代表する投手と評価されて希望枠で日本ハム入り。
ただプロでは苦しんだ。1年目は二軍で2勝0敗1セーブも防御率6点台と内容が悪く、一軍登板なし。2年目は一軍登板を果たし途中までは抑えたものの、一度派手に打ち込まれて成績は落ち、後半は二軍暮らしに。その二軍でも後半ガタガタに崩れてしまい、いい結果を残せずに終わった。
それでも3年目の09年はようやく上昇気配。二軍で好結果を残し、5月に昇格。交流戦で3イニングをノーヒットに抑えるなどリリーフでいいところを見せた。7月に失点がかさんで数字を落とし、8月前半を最後に二軍に戻ってしまったが、登板数が二桁に乗り少し前進に成功。
しかし翌年は大きく後退し、シーズンのほとんどを二軍暮らし。8月1度だけ一軍登板したが、ワンポイント登板で2ベースを打たれアウトを一つも取れなかった。昨年はとうとう登板機会がなく、シーズン通して二軍暮らし。そのファームでもあまりパッとしない成績に終わった。
豊富な球種を持つが球威が物足りず、決め手不足で制球も微妙。ここ2年はますます一軍が遠くなり、全体的に見切りの早いチームだけにかなり危険な立場。今季は背番号が一気に69と重くなり、崖っぷちに立たされた。

18 斎藤 佑樹

大物新人、半技巧派型

右投右打
早実高〜早大 日本ハム11ドラフト1位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 日本ハム 19 1 6 6 0 0 107 122 5 62 35 5 6 32 2.69
通算 1年

高校時代「ハンカチ王子」の異名で全国区の知名度を得た投手。大学を経て昨年プロデビュー。
名門校のエースとして甲子園に春夏出場。特に夏の大会で、マウンド上でハンカチで汗を拭う姿が話題となり、上記の異名が広まり注目度上昇。さらに決勝に進み、田中(楽)擁する駒大苫小牧と延長再試合の大熱戦を展開。これを制して優勝投手となり、そのネームバリューが決定的なものとなった。進学後も常に注目を集める中、大学通算31勝の記録を残し、ドラフトでは同僚大石(西)と人気を二分。4球団が競合の末日本ハム入りとなった。
スター候補としてやや報道が過熱気味の中、開幕5戦目に先発登板すると4失点(自責は1)ながらプロ初勝利。以降先発で投げ続けた。5月前半に脇腹を痛め約2ヶ月離脱したが、復帰後はローテーション入り。9月に4連敗を喫するなどしてシーズン6勝と、話題性からすると少し物足りないものの、1年目としてはまずまずの結果を残した。
投手としては多彩な球種が持ち味の半技巧派タイプで、打たせて取る投球スタイル。驚くようなボールはあまりなく、スピードは平均レベルといったところ。ただ場数を踏んできた経験値の高さは感じさせる。
大学時代なかなか直らなかった「前に体重が乗っていかない」フォームの悪癖はプロですぐに修正された。投球内容自体は被打率が高く、かなり走者を出しながらも大崩れせず踏み止まる傾向が強かった。ただこれを粘り強いと見るか、たまたまと見るかで評価は大きく変わる。昨年はかなり慎重な使われ方をしていた印象もあり、意地の悪い見方をすれば完全に崩れる前に替えられていたという部分も無きにしも非ず。この結果を踏まえた今季に真価を問われそう。力で牛耳るタイプではないので、生命線は制球力となるか。

19 林 昌範

長身左腕、奪三振型

左投左打
市立船橋高 巨人02ドラフト7巡〜08、日本ハム09〜11、DeNA12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 11 0 0 0 0 1 10 2/3 15 3 14 12 1 2 8 6.75
09 日本ハム 46 0 3 2 0 9 46 35 3 42 25 3 4 17 3.33
10 日本ハム 36 0 2 2 0 14 30 2/3 20 3 25 9 0 0 9 2.64
11 日本ハム 5 0 0 0 0 2 4 10 0 2 3 0 0 6 13.50
通算 10年 295 0 19 23 21 74 432 1/3 394 49 424 183 19 22 168 3.50

長身から投げ下ろす速球とフォークを武器とするリリーフ左腕。巨人時代の2年目に颯爽とデビューし、それ以降主力に定着。
高校からドラフト下位でのプロ入りで、当初は無名に近い存在。一軍デビュー時96番というとてつもなく大きい背番号をつけていた。しかし2年目に抜擢されると角度ある速球とフォークで快調に三振を奪い、にわかに注目されることに。ベテランの離脱した先発の穴を埋め、なかなか援護に恵まれなかったが最終的には3勝をマーク。奪三振は投球イニングを上回り、特にフォークはほとんど打たれることはなかった。翌04年は大きく負け越し、少々期待を裏切ったが、05年リリーフに廻って飛躍に成功。6月までで30試合に登板とフル回転。多少のポカはあったが、防御率は1点そこそこと安定。オールスター以降はほぼ抑えに定着して13セーブ、通年で18セーブを挙げた。完全に主力に定着。
登場時に比べるとスピードも向上し、だいぶスケールアップ。制球はやや粗っぽいが、それもまた武器になるだけのボールを持っている。被打率の低い投手で、三振が取れるのも大きな強み。
06年は再び中継ぎに廻り、チームトップの62試合に登板、同じくトップの24ホールドを記録した。ただこのあと2年は蓄積疲労からか故障に泣かされることに。07年はそれでも41試合登板と戦力になったが、08年は肘の手術から出遅れ、前半は散々な結果に。終盤は立ち直りを見せたが、登板数激減で目立たないシーズンに終わった。
二岡とともに09年日本ハムへ移籍。不調で開幕は二軍スタートも、4月末には昇格し以降リリーフの一角に。やや安定感に欠ける時期もあったが、46試合に投げ不調からは脱出に成功。翌年は前半不調で精彩を欠いたが、二軍調整後8月以降は復調。快調な投球を見せ、トータルの登板数は減ったものの前年より成績を向上させた。
しかし昨年は一気に急落。開幕一軍もリリーフ5試合で6失点、被打率5割超というボロボロの状態ですぐに二軍落ち。以降一軍に戻れず、わずか一桁の登板に終わった。シーズン後には戦力外に。
昨年はとにかく何を投げても打たれるという状態だった。今季は横浜DeNAに移り、復調を期すことに。このところ徐々にスピードが低下しているのが気になるところだが。

20 糸数 敬作

先発候補、技巧派型

右投右打
中部商高〜亜大 日本ハム07ドラフト(大・社)3巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム - - - - - - - - - - - - - - -
09 日本ハム 13 2 4 5 0 0 71 53 8 43 27 8 0 36 4.56
10 日本ハム 8 0 2 2 0 0 36 1/3 38 10 17 10 4 0 27 6.69
11 日本ハム 5 1 2 1 0 0 26 33 2 14 3 5 0 13 4.50
通算 5年 26 3 8 8 0 0 133 1/3 124 20 74 40 17 0 76 5.13

先発の一角を狙うサイドハンド右腕。3年目の09年初めての一軍で結果を残し、ローテーション入りが期待される存在に。
大学3年までは無名に近い存在だったが、最後のリーグ戦で5勝の活躍でMVPに。急激に評価を上げ、大・社ドラフト3巡で日本ハム入り。当初の2年は完全に二軍だったが、1年目7勝を挙げるなど好成績を残していた。
転機となった09年はサイドスローに転向。5月中旬に初の一軍昇格を果たした。最初のリリーフ登板では失点も、続く先発では敗れたものの6回3失点と及第点の投球。その後しばらくローテーション入りすることに。スタートから3連敗を喫していたが、6月末にプロ初勝利をマーク。夏場二軍落ちの後、8月末に再昇格するとそこから先発で3勝。完投勝利も記録し、上向いた状態でシーズンを終えた。ポストシーズンにも先発登板し、1年で存在感急上昇。
以前は140km台後半の速球を持っていたようだが、横手に変えてからは平均130km台前半と「遅い」タイプの投手。コースの内外を揺さぶって打たせて取る技巧派の投球に。それほど球威は感じさせず、制球も抜群にいいという訳でもなかったが、打ちづらいのか被打率はかなり優秀だった。
この活躍をステップにシーズン一軍定着が期待されたが、ここ2年は停滞。10年は開幕7戦目で先発登板も7失点で敗戦投手となり、しばらく二軍調整。6月再昇格も、今度は脇腹を痛めて離脱と前半さっぱり。8月中旬に復帰して先発2勝を挙げたが、最後の2度はピリッとしない投球だった。昨年は6月頭に先発してすぐに抹消、7月頭に勝利を挙げてまた抹消と前半は飛び飛びの登板。再々昇格した8月中旬プロ初完封勝利を記録したが、続く登板では3回KOされ以降は二軍とさらに登板数が減った。
谷間要員としてそこそこの印象は残したが、空席の先発6番手に納まりきることは出来なかった。被打率3割超はやはり物足りないところで、球威の不足をカバーする制球力がほしいところ。左打者対策も必要。

21 武田 久

小兵リリーフ、守護神型

右投左打 最優秀中継ぎ(06)、最多セーブ(09,11)
生光学園高〜駒大〜日本通運 日本ハム03ドラフト4巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 62 0 4 7 6 21 61 1/3 68 9 40 19 1 0 30 4.40
09 日本ハム 55 0 3 0 34 4 60 54 1 38 14 0 0 8 1.20
10 日本ハム 58 0 1 5 19 4 56 1/3 63 5 37 16 5 2 24 3.83
11 日本ハム 53 0 2 2 37 1 52 1/3 32 0 28 9 1 0 6 1.03
通算 9年 410 0 25 23 103 102 445 1/3 396 19 296 101 19 3 121 2.45

05年から台頭、以降大車輪の活躍を見せるリリーフ右腕。公称身長170cmとかなり小柄ながら、勢いのある小気味いい投球が特徴。
即戦力として入団も当初はいまいちパッとせず、1年目は13試合に登板も2年目は結果が出ず。05年も夏場までは二軍暮らしだった。しかし一軍昇格するとそこから急台頭。8月の下旬からシーズン終了まで15試合、22イニング連続無失点と抜群の安定感を発揮し、一気に勝ちパターンの継投に割って入った。右打者を圧倒的に抑えて、抑えを任せてもいいほどの存在感を見せ付けた。
小さな体でも躍動感のあるフォームで、思い切り前に踏み込んでの速球は伸び上がってくる威力。四死球が非常に少なく、投球テンポの良さも持ち味。どんどん攻め込んでくる活きのいいピッチング。
前年来の勢いに乗った06年は、まさに大飛躍の1年。開幕からセットアッパーとして全力回転し、両リーグトップの75試合登板に45ホールドを記録、見事にタイトルに輝いた。これだけ投げて、被本塁打は5月の1本のみ。抜群の安定感でチームの優勝に不可欠な存在に。疲労が懸念された翌年も不動の存在として活躍。夏場に4敗を喫するなど前年に比べれば少し落ちたが、最後は13試合連続無失点と立て直した。タイトルには届かなかったがリーグ2位の35ホールドで連覇に貢献。
もはやリリーフの絶対的な存在で、チームの勝敗の鍵を握る投手。08年は後半不調に陥り、8月以降19試合で17失点という乱調。蓄積疲労が懸念されたが、09年その不安を払拭する活躍。マイケル移籍で順当にクローザーとなり、開幕すると6月頭まで自責点0の快投。最終的に自責点はわずか一桁に収め、1点台前半の防御率を記録。順調にセーブを積み上げ、競り合いを制して最多セーブのタイトル獲得。
ところが10年はタイトルの栄光から一転して大不振に。開幕から4連続リリーフ失敗、3敗を喫する乱調で、しばらく抑えを外れる事態に。6月から抑えに戻ったものの、またしばらく不安定な状態続き。ようやく落ち着いてきたのは8月も後半になってからで、チームトップの19セーブは挙げたものの防御率は3点台後半と冴えない結果に終わった。
長くタフなシーズンを続けてきた投手で、消耗が不安視されたが、昨年またもその懸念を一蹴する活躍。開幕から抑えとして安定した投球を続け、セーブ数リーグトップを快走。そのまま大きく乱れることもなくシーズンを完走し、自己最多更新の37セーブでタイトル奪還。一桁の失点で防御率は1点ジャストに近い数字。
昨年は内野ゴロで打ち取るケースが非常に多く、統一球をうまく利用した印象。前年の不調の姿は全く感じさせず、完全に復調を果たした。これで6年連続50試合以上登板と体格に似合わぬタフさも健在。今季もクローザーとして計算される存在。

25 宮西 尚生

リリーフ左腕、タフネス型

左投左打
市立尼崎高〜関学大 日本ハム08ドラフト(大・社)3巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 50 0 2 4 0 8 45 1/3 47 5 25 15 2 2 22 4.37
09 日本ハム 58 0 7 2 0 13 46 2/3 39 6 55 15 1 0 15 2.89
10 日本ハム 61 0 2 1 1 23 47 2/3 29 1 49 9 4 0 9 1.70
11 日本ハム 61 0 1 2 0 14 53 38 3 56 14 8 2 13 2.21
通算 4年 230 0 12 9 1 58 192 2/3 153 15 185 53 15 4 59 2.76

プロ入り以来常にリリーフでフル回転を続けている左腕。年とともにますます重要度を増し、左の一番手として欠かせない存在に。
高校では金刃(巨)の1年後輩。大学では早い内から活躍を見せ、関西学生リーグとしては新記録となる48イニング連続無失点を達成。代表選手として国際大会にも何度か出場した。大・社ドラフト3巡で日本ハム入りすると、実績ある左腕リリーフが皆無というチーム事情から開幕一軍入り。そしてその期待にしっかり応えた。序盤からフル回転で主力リリーフの一角を占め、前半は防御率1点台の好成績。後半はちょっと失点する場面が増え、最終的な防御率は大幅に落ちてしまったが、最後まで一軍に留まり、主力に定着を果たした。
力強く腕を振り、全身でぶつかっていくような力感あふれるフォームが特徴。速球とスライダーを軸に攻める力投型で、打者に向かっていく姿勢が魅力。非常に勢いを感じさせる攻撃的な投球スタイル。
即戦力として活躍後、2年目以降はさらにパワーアップ。09年は投球に力強さが増し、菊地と並ぶチームトップタイの58試合に登板、7勝。ゲーム終盤を支える大きな戦力となると、翌年はもう一段レベルアップ。開幕から13試合連続無失点など序盤から安定感の高い投球を展開し、シーズンの最後まで崩れなかった。チームトップの61試合に登板し防御率1点台と自己ベストを更新。左打者を1割3分と圧倒的に抑え込んだ。
昨年も引き続き主力リリーフとして安定した活躍。シーズン通して存在感を示し、日程の詰まった8,9月は2ヶ月で24試合登板。その9月は4度失点と多少のバテも見えたが、最終的にチームトップの61試合登板。入団以来4年連続50試合以上、2年連続60試合登板とタフネスぶりを存分に発揮。
全体的な被打率が1割台と低く、昨年はむしろ右打者のほうを得意とした。三振を多く奪い、これだけ投げ続けても切れ味は全く鈍っていない。ゲーム後半を支えるリリーフ陣の要として今季も計算される存在。

29 八木 智哉

先発左腕、乱高下型

左投左打 新人王(06)
日本航空高〜創価大 日本ハム06希望枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 2 0 1 1 0 0 10 2/3 14 3 10 2 2 0 8 6.75
09 日本ハム 20 3 9 3 0 0 122 115 16 76 40 5 3 39 2.88
10 日本ハム 9 0 1 4 0 0 39 47 10 27 18 4 1 30 6.92
11 日本ハム 3 0 1 1 0 0 15 17 0 4 4 2 2 7 4.20
通算 6年 75 8 28 23 0 0 442 2/3 426 53 261 135 20 10 174 3.54

1年目の06年12勝を挙げてチームの優勝に貢献、新人王に輝いた先発左腕。だが2年目以降は状態が安定せずにいる。
希望枠で日本ハム入りし、即戦力の期待通り開幕ローテーション入り。初登板で先発勝利と幸先の良いスタートを切った。何より八木の名前を高めたのは4月中旬のソフトバンク戦、斉藤和と投げ合って10回無安打の快投。自身に勝ちは付かなかったものの、後続の投手も抑えて「ノーヒットノーランリレー」と話題になった。これで波に乗り、4月末から先発5連勝をマーク。この時点では平野佳(オ)と並走といった感じだったが、平野が徐々に調子を落としていったのとは対照的に最後まで好調を維持。左のエースとして12勝の堂々たる成績を残し、結果的に新人王は独走状態となった。防御率もリーグ3位となり、期待以上の大きな戦力となった。
テイクバックの際にグラブを顔の前に突き出す独特のフォーム。変則投法だが持ち味は強気な攻め。かなり大胆にテンポ良く投げ込む投手で、小気味良さが大きな魅力。ずば抜けて速いわけではないが、力強さを感じさせる。
最高のスタートを切ったが、2年目は一転して不調。開幕当初こそ3勝と悪くない滑り出しだったが、5月以降全く勝てなくなり、何度か二軍落ちも。後半復帰後も3連敗を喫するなど精彩を欠き、前年カモにしたソフトバンクにも4戦3敗5点台と散々。わずか4勝止まりと大誤算のシーズンとなった。狂ったリズムは翌年も戻らず。シーズンのほとんどを二軍で過ごし、わずか2試合1勝という成績。
大きく落ち込んだが09年切れを取り戻し復活。二軍スタートも4月後半に昇格すると、そこから前半負けなしの先発6連勝をマーク。間隔を空けた登板ではあったが、高い安定感を見せた。後半ペースダウンし二桁には届かなかったものの9勝を挙げ、日本シリーズでも先発勝利。戦力に返り咲きのシーズンに。
ところがこれが2年続かず、10年はまた不調。開幕から2試合先発して内容が悪く二軍落ち。その後も状態は一向に上がらなかった。9試合先発で1勝のみ、防御率は7点近い大幅な落ち込み。すると昨年は出番が激減し、シーズン序盤の3試合登板のみ。前年ほど悪くはなかったものの良くもなく、全く存在感のないままシーズンを終えた。
どうも体調を維持できないのか、活躍の翌年切れが鈍って大幅に落ち込んでしまう。さらに困った点がスランプの長さで、一度落ち込むと2年は引きずるというのではさすがに問題が多すぎる。本来ならばローテーションに定着していなければいけない存在なのだが。今季も不調から立ち直れないようだと見切られる可能性も。

31 ボビー・ケッペル

先発右腕、癖球型

右投右打
日本ハム10〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
10 日本ハム 25 2 12 8 0 0 158 2/3 156 10 85 53 9 7 59 3.35
11 日本ハム 26 0 14 6 0 0 162 162 10 66 56 12 1 58 3.22
通算 2年 51 2 26 14 0 0 320 2/3 318 20 151 109 21 8 117 3.28

先発で活躍する外国人右腕。ローテーションの一角を占め、来日から2年連続二桁勝利を記録。
00年のドラフト1位選手だが、マイナー暮らしが長くメジャー初昇格は06年。その年は結果を残せなかったが、リリーフに廻った09年37試合に登板しメジャー初勝利とキャリアハイの成績を残した。調子を上げてきたところで、先発を求める日本ハムが獲得。
開幕すると3戦目に先発登板したが、脇腹を痛め1イニングで降板と出足はいきなり躓いた。しかし間を置かず4月上旬に復帰すると来日初勝利を記録。そして2勝目の4月後半から怒涛の快進撃が始まった。交流戦を挟み2ヶ月間負けなし、先発9連勝をマークしチームの10勝一番乗り。後半に入ると2勝7敗と急停止してしまったが、12勝を挙げ大きな戦力となった。
196cmの長身から投げ下ろす、速い癖球が大きな持ち味。150kmに迫るスピードで手元で動く。これにスライダーやチェンジアップなどを交え、アウトの半分以上がゴロという典型的なグラウンドボーラー。奪三振は少ないが芯を外して打たせて取るのが持ち味。
後半の失速から2年目には不安もあったが、昨年も先発としてしっかりと戦力に。開幕4連勝と好スタートを切り、オールスターまでに9勝をマーク。後半に入るとまた調子を崩し大量失点が続いたが、終盤には立て直し、前年を上回る14勝を挙げた。チームではダルビッシュに次ぐ成績を残し欠かせない存在に。
圧倒的な前半に比べると後半に落ちる傾向だが、昨年は前年ほどには不調が長引かなかった。完璧に抑えきるというタイプではなく、援護や守備に左右されやすいが、今季も貴重な先発要員として期待がかかる。

32 根本 朋久

リリーフ左腕、一軍半型

左投左打
帝京安積高〜横浜商大 ロッテ08ドラフト(大・社)3巡〜10、日本ハム11〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ロッテ 25 0 0 3 0 3 18 2/3 25 2 10 10 0 3 14 6.75
09 ロッテ 4 0 1 0 0 0 4 1/3 7 0 2 1 0 0 2 4.15
10 ロッテ 10 0 0 0 0 0 14 2/3 13 0 10 4 2 0 3 1.84
11 日本ハム 2 0 0 0 0 0 2 2 0 1 2 0 0 2 9.00
通算 4年 41 0 1 3 0 3 39 2/3 47 2 23 17 2 3 21 4.76

リリーフを期待される左腕。1年目は登板数も多かったが、以降は二軍に埋没気味。
大学4年で急成長し大・社ドラフト3巡でロッテ入り。即戦力リリーフを期待され、4月前半に一軍昇格すると、5月には13試合に登板。1年目から25試合登板のデビューを果たした。ただ5月後半から3連敗を喫するなど抑えきれない場面が目立つようになり、後半は二軍のほうが長かった。一軍レベルでは三振が奪えず、被打率も3割以上とだいぶ悪い数字。左にも良く打たれ、もう一つ通用しなかった。
翌年は登板機会が4試合に激減しほとんど二軍暮らしに。終盤昇格してプロ初勝利を記録も、4試合で2度失点を喫する物足りない内容。10年も前半はずっと二軍だったが、後半昇格して10試合に登板。防御率1点台というほど抜群の内容ではなかったが、多少上向くことに成功。
しかしトレードで日本ハムに移った昨年はまたほぼ二軍暮らし。一軍登板は7月の2試合だけで、結果を残せず登板数を減らしてしまった。左に強いタイプではないため、どうも一軍でアピールする点が乏しい。この辺りでもう一段の成長が欲しいところだが。

34 吉川 光夫

先発候補、荒れ球型

左投左打
広陵高 日本ハム07ドラフト(高)1巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 7 0 2 4 0 0 34 2/3 39 7 23 22 0 5 24 6.23
09 日本ハム 3 0 0 2 0 0 16 1/3 19 2 18 10 0 0 12 6.61
10 日本ハム 9 0 0 4 0 0 26 35 7 20 11 1 2 20 6.92
11 日本ハム 7 0 0 5 0 0 38 45 4 25 20 1 1 20 4.74
通算 5年 45 1 6 18 0 0 208 1/3 221 26 138 109 7 14 114 4.92

先発での活躍を期待される若手左腕。高卒1年目に颯爽とデビューしたが、近年はいいところを見せられず停滞が続いている。
甲子園には無縁だったが、ドラフト時には高校生左腕bPの高評価。高校生ドラフト1巡指名でプロ入りとなった。まずは体作りと思っていたが、5月に昇格で予想以上に早いデビュー。さらに初先発で6回1失点の好投を見せ、3度目の先発でプロ初勝利。八木・金村を欠いた先発陣に一気に割って入った。7月には完封勝利も記録し、シーズン4勝と高卒1年目としては上々のデビュー。新たな若手の有望株に。
スピードも最速140km台中盤から後半となかなかのものだが、それ以上にカーブの切れが際立つ。制球は粗っぽかったが、これが当初は荒れ球効果をもたらした。ただ夏場からは捉まり始め、オールスター以降の防御率は4点台後半と失速。
そしてボール球を見られるようになり、以降は苦しい投球が続いている。08年は開幕ローテーション入りして2勝も防御率6点台の不安定な内容で5月中旬に二軍落ち。以降再昇格なく終わった。09年は終盤までずっと二軍。9月に昇格して3試合先発するも1勝も出来ず。10年何度も登録されては先発登板したが、全く結果を出せず。4敗を喫し、前年からの連敗を6に伸ばしてしまった。終盤はリリーフで起用され、ここではまずまず。それでも先発での失点が多すぎ、通年防御率は7点近くに。
昨年も引き続き先発を期待され、何度もチャンスを与えられたものの結果は伴わず。好投して報われなかったという試合もあったが、5連敗を喫してシーズンを終えた。勝ち星に丸3年見放され、09年以来3年越しで11連敗中。
前年減らした四球がまた増え、課題は一向に改善されない。好投があったといっても5回持たずに降板という試合のほうが多く、これでは一軍定着は難しい。二軍では抜群の結果を残し、イースタンの最多勝(タイ)・最優秀防御率・最高勝率の三冠受賞。ボールの力は上でも充分通じるものを持っているのだが。

38 武田 勝

技巧派左腕、制球安定型

左投左打
関東一高〜立正大〜シダックス 日本ハム06ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 20 1 8 7 0 0 121 2/3 110 18 68 19 5 1 40 2.96
09 日本ハム 24 2 10 9 0 0 144 1/3 150 17 99 20 4 0 57 3.55
10 日本ハム 26 3 14 7 0 0 168 1/3 161 12 106 19 1 0 45 2.41
11 日本ハム 25 3 11 12 0 0 164 2/3 143 7 87 18 3 0 45 2.46
通算 6年 159 10 57 41 1 13 832 745 77 515 108 22 2 248 2.68

変化球を低めに丁寧に集め、打たせて取る技巧派左腕。当初は先発・リリーフ兼業だったが、3年目以降先発に専念し左のエース格に。
社会人から27歳でプロ入りの遅咲き。パッと見凄みのあるタイプではないが、変則気味のフォームからコーナーを突く投球が持ち味。巧さを感じさせる投手で、スライダーやシュートを駆使して淡々と抑えていく。
1年目は貴重なリリーフ左腕として開幕一軍入りし好投。6月以降は先発でも投げるようになり、途中骨折による離脱を挟んだものの安定感の高い投球を見せた。チームの苦しいところを補う活躍。そして2年目はさらに飛躍。シーズン当初はリリーフだったが、先発不足を補うため5月末から先発に。そこから圧倒的な安定感を見せ、後半は完全にローテーションの中心に収まった。一時は防御率タイトルが視界に入る活躍で、グリンと並びチームでは2番目となる9勝をマーク。先発として強い印象を残す一方でリリーフ17登板はチームの左腕で最多。どちらでも落ち着いた投球が光った。
基本的には大崩れしない投手で、自分の持ち味をよく心得ている。安定した制球力で、決してムキにならず冷静さを感じさせるマウンド捌きが特徴。球威には欠けるため被弾はやや多めだが、計算の立てやすい投手。
近年は先発に専念し、主力として活躍。08年は打球直撃の骨折で2ヶ月の離脱があり、8勝に留まるもシーズン防御率は2点台を維持。09年は体調を崩して開幕に出遅れ、前半は波に乗れずにいたが、8月以降6勝と大きく巻き返し。特に終盤4勝を挙げて、自身初の二桁勝利に到達した。ダルビッシュに次ぐ先発の柱として大きな戦力に。
そして10年はさらに存在感アップ。前半はいつも通りという印象も、後半怒涛の活躍を見せた。7月前半から9月半ばまで先発8連勝、この間勝敗つかなかったのは1試合だけという大安定投球。7月以降の防御率は1点台で、9勝を上乗せしてチーム勝ち頭となるシーズン14勝。同僚ダルビッシュに次ぐリーグ2位の防御率を記録し、二本柱としてチームを牽引。
昨年も引き続き左のエース格として活躍。連勝スタートの後5連敗、その後6連勝と前半は連勝連敗が極端だったが、前半で8勝をマーク。7月末時点で防御率は1点台前半だった。だが後半は調子を崩してしまい、失点がかさんで負けが込むように。8月以降の防御率は4点台中盤とらしくない状態で、3年連続二桁勝利はなったものの、二桁敗戦で初の負け越し。
どちらかといえばシーズン後半のほうが強い投手だったが、完全に逆のパターンとなった。5失点以上した試合が5試合あり、内4試合が8月末以降。優勝を争っていたチームが急失速する一因ともなってしまった。得意のはずのソフトバンクにも1勝4敗と苦戦。
後半のせいで随分印象を落としたが、それでも11勝を挙げ主力先発の地位は揺るぎない。今季は調子を戻し、再び「勝てる」投球を期待される。梨田監督はなぜか武田勝に関しては、勝っている時は早すぎるぐらいにスパッと替えて、負けている時はイニングを引っ張る傾向があったが、新首脳陣はどうか。

42 木田 優夫

メジャー帰り、大ベテラン型

右投右打
日大明誠高 巨人87ドラフト1位〜97、オリックス98、米メジャー99〜00途中、オリックス00途中〜01、米メジャー・マイナー03〜05、ヤクルト06〜09、日本ハム10〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
メジャー通算 65 0 1 1 1 - 95 2/3 114 9 68 39 6 10 62 5.83
08 ヤクルト 19 0 2 0 0 3 20 2/3 13 4 12 8 3 2 7 3.05
09 ヤクルト 30 0 3 4 0 5 48 2/3 58 6 31 17 5 0 30 5.55
10 日本ハム 21 0 5 2 0 3 52 2/3 63 7 30 23 3 2 28 4.79
11 日本ハム 3 0 0 0 0 0 4 4 0 3 2 0 0 2 4.50
日本通算 20年 515 26 73 82 50 50 1268 2/3 1247 153 1036 445 51 54 551 3.91

若い頃は150kmの速球で名を馳せた長身右腕。2度の米球界挑戦や浪人生活など様々なキャリアを重ねてきたベテラン。
巨人が高校生投手を精力的に獲得していた時期のドラフト1位。3年目の89年に一軍初登板を果たすと、翌90年、圧倒的な速球を武器に急台頭。先発にリリーフにフル回転し、12勝7セーブの活躍。リーグトップの奪三振を記録し、斎藤・槇原・桑田の三本柱が君臨していた投手王国に一気に割って入った。
しかし翌91年以降、期待されながらいまいちの状態が続く。速いのは大きな武器なのだが、やや見やすい球筋に加えて投球も単調で、スピードに慣れられてくると捉まるケースも目立ってきた。またそれ以上に、93年以降は役割が一定せず、先発にリリーフにと中途半端な状態。シーズン中にころころ配置が換わり、あまりにも便利使いされすぎた面も強い。結局91年以降はシーズン7勝が最高。
98年に野村との交換でオリックスに移籍。抑えとして16セーブを挙げたが、防御率は4点台後半と安定感はなかった。この年FA権を取得すると、メジャー移籍。だが成績は悪く、翌年にマイナー落ちとなるとオリックスに復帰。しかしここでも内容はいまいちで、01年オフに自由契約となった。02年はどこにも所属しなかったが、03年からは再びアメリカへ。ほとんどマイナー暮らしではあったが、何度かメジャー昇格も果たした。自由契約となり06年ヤクルトに復帰。
年齢と直近の成績から不安のほうが大きかったが、06年は見違えるような活躍を見せた。故障者続出のリリーフ陣にあって大車輪の奮闘。同じく復帰の高津とともにゲーム終盤を支え続けた。チームトップの56試合に投げ、抑え役も兼業して8セーブ。チームにとって非常に意義のある補強となった。
以前に比べると随分腕の位置が下がり、スリークォーターからサイドに近い振りに。むしろ球質は良くなった感もあり、若い頃の真上から投げ下ろす投法よりもこちらのほうが向いていたのかもしれない。07年も50試合登板でチームトップの16ホールドと、貴重なリリーフとして活躍。08年は二軍生活が長く登板数が大幅に減ったが、09年は41歳にして先発転向を図り、日本では11年ぶりとなる先発勝利を記録。ただ序盤はまずまずも後半は大きく調子を崩し、シーズン成績を大きく落とした。
42歳となる10年は日本ハムへ。前半はリリーフが中心も1度先発で好投。後半になると谷間の先発要員となり、7月以降は間隔を空けながら6試合すべて先発登板、その間3勝をマークした。内容自体はそういいものではなかったが、足りないところを埋める働きで貴重な戦力となった。シーズン5勝は日本では巨人時代以来14年ぶり。
ただ昨年はほとんど二軍で過ごし、一軍登板は8月の3試合のみ。ほとんど存在感のないままシーズンを終えた。今季も現役続行だが、すでに43歳となり、さすがにかつてのスピードはない状態。ベテランの味をどこまで発揮できるか。

43 増井 浩俊

速球派、セットアッパー型

右投右打
静岡高〜駒大〜東芝 日本ハム10ドラフト5位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
10 日本ハム 13 0 3 4 0 0 60 62 9 34 31 4 5 29 4.35
11 日本ハム 56 0 0 4 0 34 53 2/3 38 2 58 19 0 3 11 1.84
通算 2年 69 0 3 8 0 34 113 2/3 100 11 92 50 4 8 40 3.17

2年目の昨年リリーフに転向、セットアッパーに定着した速球右腕。武田久につなぐ存在として一気に飛躍を遂げた。
大学では野本(中)と同期。卒業後社会人で3年プレーした後、ドラフト下位指名され日本ハム入りした。開幕後間もない4月前半に一軍昇格し、プロ初登板から先発。3度目の登板で7回零封の好投を見せ初勝利を挙げた。ローテーションの一角を占めると交流戦で連勝し脚光を浴びた。ただ6月半ばに負傷降板し、2ヵ月離脱。8月後半に復帰したが、3試合先発もいずれも5回まで投げきれず。終盤は二軍となり活躍は前半のみに留まった。
先発として起用されていた1年目だったが、昨年は最初からリリーフに。すると力のある投球でセットアッパーとなり、開幕からフル回転。継投の要としてどんどん存在感を増していった。終盤やや疲れを見せた面もあったが、シーズン通して活躍しチームトップ、リーグ2位タイの34ホールドを記録。一気に欠かせない戦力にジャンプアップ。
もともと速かった速球はリリーフに廻ってコンスタントに150kmを突破。スピードボールとフォークの二本柱で攻めるパワーピッチングを確立した。1年目より奪三振率が飛躍的に上昇し、能力を存分に発揮。
アバウトさは残るものの、力強さで圧倒した。09年活躍の菊地が戦力外となったのは、タイプが共通しスピードに勝る増井の台頭もあったかもしれない。終盤多少疲労感があったのは気がかりだが、リリーフの重要性が増しそうな今季も活躍が望まれる。

47 菊地 和正

リリーフ台頭、奪三振型

右投右打
樹徳高〜上武大 日本ハム05ドラフト6巡〜11、横浜12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 11 0 0 0 0 0 10 17 1 4 3 0 0 11 9.90
09 日本ハム 58 0 5 2 0 21 61 1/3 59 5 62 11 2 2 25 3.67
10 日本ハム 17 0 1 1 0 1 18 2/3 18 0 13 6 0 0 3 1.45
11 日本ハム - - - - - - - - - - - - - - -
通算 7年 88 0 6 3 0 22 93 95 6 83 21 2 2 39 3.77

5年目の09年リリーフで急台頭の右腕。上武大初のプロ選手として日本ハム入りも、08年まではほぼ二軍暮らしだったが、一気に浮上。
ドラフト6巡指名でプロ入りし、1年目にプロ初登板を果たすも、翌年は一軍登板なし。07年もわずか1試合の登板。ここまでは二軍でもあまり目立つ成績ではなかった。気配が変わったのは08年で、リリーフに専念し6セーブ。結果は伴わなかったが一軍登板数も増加した。そして09年は開幕一軍入りを果たし、一気にブレイク。
140km台中盤の速球とフォークで攻める投手で、奪三振の多い、いかにもリリーフ向きのパワーピッチャー。4月の8試合を無失点に抑えプロ初勝利を記録。これで完全に一軍定着となり、以降は主力リリーフとして回転した。シーズン最後まで投げきり宮西と並ぶチーム最多の58試合登板、5勝に加えチームトップのホールドを稼ぎ、セットアッパーとして活躍した。終盤少し疲れも感じさせたが、5年目に大きくジャンプアップ。
シーズン全体ではやや不安定なところも見せたが、思ったよりはるかに四球が少なく大きな戦力となった。しかし10年はキャンプ中の骨折で大幅に出遅れ。二軍登板でも状態がなかなか上がらず、一軍昇格は7月半ばまでずれ込んだ。そのため登板数は大幅減。復帰後は走者を負いながらも失点を許さず、17試合で1点台前半の防御率を記録。ビシッと抑えることはほとんどなかったものの、まずまずの投球を見せた。だが昨年はさらに落ち込み、シーズン通して二軍暮らし。ファームでは抑え役で9セーブを記録も、最後まで声はかからず。一軍登板0で終わり、シーズン後には戦力外に。
昨年二軍成績を見ると、37イニングで奪三振が18と別人のように少なくなっている。本調子ではなかった前年の一軍よりも大幅に減っており、相当状態が良くなかったのかもしれない。今季は横浜へ移籍。台頭に時間がかかったため来年で30歳と決して若くはないが、まだ諦めるような年齢ではない。

48 谷元 圭介

小兵投手、力投型

右投右打
稲生高〜中部大〜バイタルネット 日本ハム09ドラフト7位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
09 日本ハム 24 0 2 0 0 3 27 2/3 25 4 20 20 1 1 17 5.53
10 日本ハム 14 0 1 2 0 2 15 2/3 18 2 12 4 0 1 10 5.74
11 日本ハム 47 0 1 2 0 5 47 1/3 51 4 45 16 1 2 13 2.47
通算 3年 85 0 4 4 0 10 90 2/3 94 10 77 40 2 4 40 3.97

身長166cmと現役投手で最も背の低い右腕。入団テストを経てプロ入り。
もちろん非常に小さいが、力強い投球を見せる力投派で、同じように小柄ながら活躍する武田久を髣髴とさせるところも。テスト入団ということでドラフト指名は下位だったが、評価は非常に高く堂々開幕一軍入り。そしてデビューから5試合連続無失点で4月中旬にはプロ初勝利と、順調なスタートを切った。その後派手な失点が続くようになり二軍落ち、不安定な投球で5点台の防御率に終わったが、1年目から24試合登板となかなかの実績を残した。
2年目は大炎上を見せるなど一歩後退し、登板数を減らしてしまったが、昨年大きく再浮上。主にビハインド時のリリーフ要員として開幕から登板を重ね、自身も好調。7月には早くも自己最多登板を更新した。計47試合に投げ、シーズン通して戦力に。
入団当初非常に多かった四球は少なくなり、切れのいい投球を展開。たださすがにばてたか、終盤9月以降はやや投球内容が落ちた。トータルの4割に当たる21安打を9月以降の11試合に喫し、シーズン被打率が3割近くに悪化。体格のない投手だけに、体力をいかに維持するかが課題となりそう。充分アピールは出来たので、昨年の疲労は残さないようにしたい。

49 加藤 武治

長身サイド、リリーフ型

右投右打 最優秀中継ぎ(06)
山形南高〜東京学芸大〜三菱ふそう川崎 横浜03ドラフト4巡〜09、日本ハム10〜11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 横浜 14 0 0 1 0 0 12 17 1 12 2 0 0 8 6.00
09 横浜 9 0 0 1 0 0 11 15 2 11 5 0 2 7 5.73
10 日本ハム 21 0 0 1 0 1 20 18 3 16 7 1 1 9 4.05
11 日本ハム - - - - - - - - - - - - - - -
通算 9年 294 0 30 28 9 48 454 1/3 449 48 443 113 19 6 185 3.66

サイドスローから150km級の速球を誇った右腕。03年ルーキーながら颯爽とデビューし、横浜時代主力投手として活躍。
武器はなんと言っても速球、それとスライダー。186cmの長身をグッと屈ませるフォームは力強く、長い腕から繰り出される速球はホップ気味でかなりの威力。コントロールもなかなかまとまっており、低迷するチームにあって投手陣では最高の輝きを見せた。
ドラフト下位入団ながら1年目から44試合に登板と即戦力の活躍。当初はリリーフ中心で一時は抑えにもなったが、04年後半から先発に。中盤までは力で押せるスタミナがあり、充分こなせるところを見せた。だが05年は4度の先発で7点台の防御率と散々な状態で5月に一時二軍落ち。復帰後は再びリリーフで台頭した。かつては連投するとスピードが落ちる傾向があったがそれも払拭。06年はチームが最下位に沈む中健闘を見せ、リーグトップタイの65試合登板。藤川と並ぶ中継ぎタイトルに輝いた。8勝と2点台前半の防御率は自己ベスト。先発が早期に崩れた場面でのリリーフなど、非常にタフな1年となった。
この活躍から、翌年は不足の先発に再チャレンジ。しかし9度先発して防御率6点台で1勝、6試合で5回持たずとこれは完全に失敗。結局6月以降はリリーフに再転向。こちらでは2点台の防御率に抑え7勝と別人のような働きを見せた。10被弾の内8本が先発時に喫したもので、四死球も先発38イニングで20個に対し、リリーフでは43イニングで12個。数字上ではっきりと「リリーフ向き、先発不向き」を示す結果に。
先発はうまくいかなかったがリリーフとして長年主力で活躍。ところが08年開幕直後に故障で離脱し、以降急激に失速。この年は前半に復帰するも夏場には再び二軍落ちし、後半は下でも登板せず。翌09年も故障の影響からか精細を欠き、シーズンのほとんどを二軍暮らし。わずか9試合の登板で終わった。
10年日本ハムへ移籍。シーズン中盤に一軍昇格し21試合に登板と多少持ち直しはしたが、投球内容はもうひとつ。復調とまでは言えず、終盤はまた二軍に戻って印象の薄いままだった。そして昨年は二軍でも10試合で19失点(自責は12)と散々な状態で、プロ生活で初めて一度も一軍に上がれず。さらに故障があったか8月以降は二軍でも登板なく、全く戦力になれなかった。
08年の故障以降かつてのスピードを失い、投球が成り立たなくなってしまった。さすがにこの状態では苦しく、シーズン後戦力外に。現役を退き、今季は二軍投手コーチに就任することに。

59 金森 敬之

一軍半右腕、停滞型

右投右打
東海大菅生高 日本ハム04ドラフト6巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 10 0 0 1 0 0 12 14 1 7 5 0 1 6 4.50
09 日本ハム 18 0 0 0 0 2 21 1/3 17 0 9 8 1 0 2 0.84
10 日本ハム 17 0 1 1 0 0 35 1/3 50 10 22 14 1 3 26 6.62
11 日本ハム - - - - - - - - - - - - - - -
通算 8年 60 0 5 3 0 2 91 2/3 101 11 47 30 2 4 40 3.93

07年一軍デビュー、リリーフ陣に割って入った投手。4勝を挙げ注目を集めたが、以降停滞が続く。
高校からドラフト下位でプロ入り、1年目に故障を経験するなど順調ではなかったが、着実に力をつけ4年目の07年5月に一軍昇格。すると初登板プロ初勝利をマーク。その後7月に二軍落ちするも、終盤再昇格後は9試合で3勝、一気に一軍リリーフ陣に食い込む活躍を見せた。
力強い速球を軸にする本格派で、一番の魅力は度胸の良さ。実際07年のマウンド姿を見ても、これが実質1年目とは思えないような風格を感じさせた。二軍ではチームトップの12セーブを記録し、抑えの適性も発揮。
ただデビューはなかなか鮮烈だったものの、そこからいまひとつ伸び切れていない。08年は勢いが続かず、パッとしない成績に終わった。キャンプ中の故障から出遅れ、トータル10試合の登板。翌年後半は持ち直し、18試合登板で防御率1点未満と好成績。ただ実際には綱渡りの投球が多く、この数字ほど安定感はなかった。
10年も開幕からリリーフで投げるも、4月に失点が続いて一時二軍落ち。5月末に再昇格後今度は先発起用され、6月には3年ぶりの勝利。だが続く2試合はいずれも早い回に降板となり、オールスター以降はずっと二軍暮らし。ホームでは良かったもののそれ以外がさっぱりで、突き抜けることは出来なかった。
近年は伸び悩みと言ってもいい状態で、07年を越える結果を残せないままでいる。昨年はずっと二軍で過ごし、4年ぶりに一軍登板なし。故障があったか間隔も飛び飛びで、二軍でも10試合しか投げなかった。台頭時の印象はすっかり薄れ、ちょっと微妙な状況。そろそろもう一度存在感を示したいが。

65 多田野 数人

技巧派右腕、巻き返し型

右投右打
八千代松陰高〜立大(〜米メジャー) 日本ハム08ドラフト(大・社)1巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 19 0 7 7 0 0 105 1/3 107 18 61 22 1 4 56 4.78
09 日本ハム 13 1 5 5 0 0 70 1/3 71 10 46 27 3 3 45 5.76
10 日本ハム 2 0 0 1 0 0 8 2/3 10 0 8 3 0 1 5 5.19
11 日本ハム 19 0 0 0 0 1 34 1/3 35 4 17 6 3 0 12 3.15
通算 4年 53 1 12 13 0 1 218 2/3 223 32 132 58 7 8 118 4.86

曲折を経て日本ハム入りした右腕。メジャー帰りの逆輸入投手として1年目から戦力となった。
もともとは大学時代争奪戦が繰り広げられた大物。豊作の「松坂世代」の中でも上位の存在で、六大学の右腕ではトップと称されていた。自由枠で横浜が獲得と報じられていたが、ここで過去のスキャンダルが発覚。横浜が「諸般の事情により獲得断念」と会見する事態となった。
結局ドラフト指名はされず、03年渡米してインディアンズとマイナー契約。ここで実力を見せ、メジャーまで這い上がる活躍を見せた。その後マイナーでプレー、06年秋にはアイランドリーグ徳島に短期参戦したことも。そして07年の大・社ドラフトで日本ハムが1巡指名、日本プロ野球入りとなった。
異色の経歴だが、投球も非常に特徴的。ステップ幅の小さい独特のフォームで、球速は平均より下でも手元で動く癖球。多彩な球種を操り、全体的に遅いボールを駆使して打たせて取る。50km未満というとんでもないスローボールを見せたこともあり、非常に個性的な投手。
1年目いきなり自主トレ中に骨折し少し出遅れとなったが、5月に昇格すると7回零封の好投で即先発勝利。続く登板でも連勝を飾り、ローテーション入りを果たした。7月に3勝を挙げてシーズン7勝。ただ防御率は4点台後半。8月以降は8点台の防御率と失速し、ちょっと慣れられた感もあった。翌09年は7月に初完封を記録するも、半分の登板で5失点以上と前年より成績悪化。再三二軍落ちでローテーションに残れず。
そして10年はさらに落ち込むことに。序盤に2試合先発するも、いずれも5回持たず降板で二軍落ち。その二軍でも防御率6点台と結果を出せず、そのまま一軍に戻れずに終わった。さらにはシーズン後一時戦力外に。
結局日本ハムと再契約し残留。昨年は意地を見せて再浮上のシーズンとなった。開幕後に昇格してリリーフ登板。夏場しばらく二軍にいたが、8月中旬以降は登板機会が増えた。回の浅い段階からの登板が多く、2〜3イニングのリリーフがメイン。勝敗はつかずも19試合は自己最多タイで、地味ながら戦力に。
話題となった極端に遅いボールはほとんど見せなくなったが、昨年は以前より全体的にスピードが上がっており、少し力強さが増した。アウトの半数近くがフライで取ったもので、やや高めに浮き気味のところもあったが差し込むことも多かった。ただ最後の3登板連続で一発を浴びたように、一歩間違えればという危険性は多分に残る。ともあれイニングを食えるリリーフとしてアピールし、復調に成功。右打者に弱かった点は要改善。