読売ジャイアンツ

11 久保 裕也

リリーフ専念、再台頭型

右投右打
沖学園高〜東海大 巨人03自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 6 0 2 0 0 1 17 2/3 17 0 14 4 0 2 4 2.04
09 巨人 7 0 1 0 0 0 27 1/3 24 3 25 10 1 3 10 3.29
10 巨人 79 0 8 1 1 32 91 72 8 96 23 7 5 28 2.77
11 巨人 67 0 4 2 20 21 69 45 1 67 20 1 5 9 1.17
通算 9年 368 2 43 31 36 90 614 1/3 596 68 566 181 32 37 228 3.34

一時低迷の後主力に返り咲きを果たした右腕。長年万能型の投手として起用されてきたが、リリーフ専念で再台頭に成功。
「松坂世代」の一人で、大学時代から多彩な変化球を持つ本格派として知られており、豊作と言われたこの年の大学生投手の中でも評価の高かった一人。自由枠で巨人入りすると、プロでも1年目から前評判通りの幅広さを見せた。同期入団の木佐貫とともに1年目から開幕一軍入り。もっぱら中継ぎでの起用が中心だったが後半には先発もこなし、38試合登板で6勝。万能型の貴重な戦力として存在感を発揮した。
ただデビューから先発もリリーフも器用にこなしたことで、便利屋的起用が多くなった面も。2年目も当初は先発、途中で抑え、その後また先発とめまぐるしく役割が変わった。チーム事情から中途半端な起用が続き、疲労の蓄積から痛打されるシーンも目に付いた。
05年は開幕3戦目に一度先発したが、KOされた上にミセリの大誤算もあって以降はすべてリリーフ。役割が固定されてようやく安定感を発揮した。夏場以降調子を上げ、後半は1点台の防御率。06年もその好調を持続し、8月終了時点で防御率は2点台前半とリリーフで好投を見せた。この時期は主力として活躍。
しかし06年終盤派手な炎上を見せた辺りから急失速。この辺りでまた先発に軸足を移したが、これも裏目に出た。翌07年は4月後半に昇格して先発起用も、勝ち負け交互の内容で定着できず二軍落ち。後半再昇格後も安定感のない投球が続き、出入りの激しいままのシーズンに終わった。ここから一軍が遠くなり、08年は9月に入るまでずっと二軍暮らし。ようやく終盤昇格し先発にリリーフにと投げて2勝、光るところを見せたが、09年は前半の内容が悪くまた長期の二軍暮らし。2年続けて登板数一桁と大きく落ち込むことに。
存在感も薄くなっていたが、リリーフ専念となった10年大きく巻き返しに成功。4年ぶりに開幕一軍入りを果たすとそのまま好投が続き、4月末には5年ぶりのセーブも記録。セットアッパーとして安定した働きを続け、勝ちパターンの一角として回転し続けた。自己最多の79試合登板はリーグトップで、ホールドポイントはリーグ2位。8勝も自己最多と完全復活のシーズンに。
10年奪三振が大幅に増え、球威と切れが格段に向上。昨年も勢いは継続し、開幕からセットアッパーとして活躍。さらに外国人が長続きせず空白状態となっていた抑え役もこなすようになり、オールスター明けからは完全なクローザーとなった。そこでも安定した投球で、7月以降で20セーブをマーク。シーズン失点は一桁に留まり、1点をやっと越える防御率と抜群の好成績を残した。
ここ2年で改めて、先発よりリリーフというのがはっきりした印象。オフに股関節を手術し今季開幕は微妙な情勢だが、抑えとして一本立ちしただけに早い復帰が待たれる。

13 高木 康成

技巧派左腕、球種多彩型

左投左打
静岡高 近鉄00ドラフト2位〜04、オリックス05〜09、巨人10〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 オリックス 10 0 1 2 0 2 15 1/3 21 3 8 3 1 0 15 8.80
09 オリックス 6 0 1 2 0 0 20 18 1 4 14 0 0 11 4.95
10 巨人 21 0 1 1 0 3 24 2/3 15 1 19 11 2 3 3 1.09
11 巨人 46 0 1 3 0 12 36 1/3 31 3 24 20 2 1 15 3.72
通算 12年 217 0 15 25 0 26 322 2/3 291 29 241 144 14 15 142 3.96

非常に落差の大きいカーブを軸とする技巧派左腕。かつては先発も多かったが、近年はリリーフが中心。
甲子園でも活躍し、ドラフト2位で近鉄入り。2年目の01年に初の一軍マウンドに立ったが、結果は散々。しかし02年途中からリリーフで台頭。終盤には先発もこなし、防御率2点台とかなりの好成績を残した。もともと期待の大きかった投手だが、予想よりも早い成長を見せた。
高校時代からストレートは速くなく、スピードには欠けるが独特の軌道を描くカーブが大きな持ち味。これで緩急をつけ、多彩な球種を織り交ぜて打ち取る軟投派タイプ。先発もリリーフも可能な柔軟性を持ち合わせる。
03年故障で一軍登板なく、これ以降ちょっと足踏み状態に。04年、球団合併でオリックスに移った05年と先発中心に起用されたが、2年で3勝10敗と結果を残せなかった。良くなりかけていた制球がまた悪化していたが、07年久々に再浮上。リリーフ専念で好投を見せ、自己最多、チームでも加藤大に次ぐ54試合に登板。リリーフ左腕の1番手として活躍を見せた。4勝も自己最多で、重要な戦力に。
しかし翌年は開幕直後こそ良かったが、チーム事情から先発もした4月大きく落ち込んだ。中旬から派手な炎上続きで二軍落ちし、復帰できないままシーズン終了。肘を手術して挑んだ09年だったが、3試合ずつの先発・リリーフいずれも内容が冴えず。あまり目立たないまま終わった。
良くなってきたかと思うと制球難再発を繰り返して10年が経過。しかし巨人に移籍した10年光るところを見せ再台頭。開幕からずっと二軍暮らしだったものの、夏場に昇格するとリリーフで好投続き。そのまま最後まで一軍に留まり、21試合登板で1点そこそこの防御率という快投。再浮上に成功。
昨年はその流れのまま開幕からリリーフで多く登板。5月末に先発するも制球を乱して初回2失点で降板し、一時二軍落ち。6月後半に再昇格以降はすべてリリーフ登板となった。ショートリリーフ中心に起用され、登板数は前年から倍増。
ただ前年抑えた対左が昨年は少し微妙。被打率はそこそこ(右より悪かったが)も四球が多く、3割後半の出塁を許してしまってはワンポイントとして役目を果たしたとは言いがたい。また終盤は毎回のように安打を許す不調で、9月中旬には立て続けに敗戦投手に。シーズン自責点の半分を9月以降の12試合に喫し、最後の印象が非常に悪かった。今季もいまのポジションを維持するには、10年のように左をしっかり封じたいところ。

15 澤村 拓一

本格派、即戦力型

右投右打 新人王(11)
佐野日大高〜中大 巨人11ドラフト1位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 巨人 29 5 11 11 0 0 200 149 14 174 45 5 5 45 2.03
通算 1年

プロ1年目から200イニングを投げきり二桁勝利マークの速球右腕。高かった前評判通りの活躍で新人王に。
高校時代は目立った活躍はなかったものの、大学に進むと早いうちから主戦に。チームをリーグ1部に押し上げる活躍を見せ、150kmを越えるスピードで注目された。早い段階からドラフトでは目玉となると評され、力量では早大の二人(斎藤・大石)を上回るという評価も。同時にこれも早いうちから強い巨人志望も伝えられ、単独1位でプロ入り。
新人王最有力候補の下馬評どおり開幕ローテーション入りし、2戦目にプロ初勝利。直後に3連敗を喫したものの、常に先発でなかなか安定した投球を続けた。あまり援護には恵まれず、夏場には抑えているのに勝てないといった時期もあってだいぶ負け越していたが、9月半ばからシーズン終了まで5連勝を記録。負け越しを消し、二桁11勝をマークした。防御率、奪三振ともにリーグ3位という好成績を残し、新人王に選出。内海とともに先発の軸として活躍。
最速で150kmを越える速球を軸にスライダー、フォークを交える本格派投手。完投能力も高く、もっと勝てていても不思議ではなかった。エース級の能力の高さを1年目から実証し、今季も右のエース格として期待大の存在。調子次第ではタイトル争いも可能か。

17 東野 峻

大型右腕、エース格型

右投右打
鉾田一高 巨人05ドラフト7巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 28 1 2 0 0 2 54 35 7 53 16 3 3 17 2.83
09 巨人 27 1 8 8 0 0 153 1/3 133 18 133 57 13 6 54 3.17
10 巨人 27 1 13 8 0 0 157 152 11 140 55 9 4 57 3.27
11 巨人 31 2 8 11 2 0 161 141 7 115 55 5 3 62 3.47
通算 7年 114 5 31 27 2 2 526 462 43 441 184 30 16 190 3.25

高卒4年目から急台頭、一気に一軍定着し主力となった若手右腕。ローテーションに食い込み、現在は右のエース格と目される存在に。
身長186cmと恵まれた体格の持ち主。ただ指名順位は下位で、さらに1年目に足を手術、2年目は肩の故障とスタートは非常に苦しかった。しかし06年オフにハワイ・ウインターリーグに派遣されたことを契機に急成長を見せる。07年はファームで27試合に投げて防御率1点台という好成績を残し、一軍初登板も記録。そして翌年本格的に一軍進出。
08年序盤こそ壁に跳ね返されていたが、6月再昇格するとそこからリリーフで好投。徐々に信頼を掴み、優勝争いが白熱した9月初先発で初勝利をマーク。続く先発では完投勝利を飾り、先発2戦2勝の活躍で名を売った。当時93という一際大きい背番号をつけていたように、ほぼ無名に近いところから急台頭を見せ、すっかり一軍戦力に。
150kmに迫る速球に、大きなカーブとスライダーを軸に攻める速球派。特に横滑りするスライダーは威力があり、奪三振の多いタイプ。翌09年は背番号が17と一気に若返り、開幕からローテーション入り。連勝スタートを切るもその後4連敗など、勝ったり負けたりという内容だったが、1年間先発の座を維持し続けた。3点台前半となかなかの防御率で8勝をマークし、主力投手の一人に成長。
そして10年は最初の登板で敗れた後、5月末まで8連勝をマーク。自身初の二桁勝利に前半だけで到達と怒涛の勢いを見せた。8月から5連敗するなど後半ははっきり失速してしまったが、最終的にチームトップの13勝。外国人の誤算でピリッとしなかった先発陣の軸として活躍。短期間で中心投手に成長。
昨年は開幕投手を務め、そこで勝利。だが前年後半の不調を引きずり、4月末から5連敗、一つ勝った後また連敗。パッとしない状態が続くと、7月半ば突如抑え転向。いきなりサヨナラ負けを喫し、1勝2セーブを挙げたところでまた先発に再転向。非常にドタバタした前半となった。先発に戻った当初は3連勝と良かったが、終盤はまた乱調気味となり、通年で8勝止まり。二桁11敗で、かなり物足りない結果に終わった。
シーズン中の強引な配置転換は度外視しても、やはり昨年はやや期待はずれ。3連続被弾を浴びたり、快投一転突如として崩れるなど、どうも印象の悪い投球が目立った。今季はもっと安定感を高めたいところ。阪神戦にはとことん悪く、5戦4敗防御率6点台とかなり苦手とした。

22 越智 大祐

パワー投手、リリーフ型

右投右打
新田高〜早大 巨人06ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 68 0 3 3 0 10 71 1/3 54 4 101 29 5 15 19 2.40
09 巨人 66 0 8 3 10 24 71 63 6 70 22 2 5 26 3.30
10 巨人 59 0 4 4 5 21 56 1/3 52 6 49 23 2 3 20 3.20
11 巨人 42 0 3 2 0 11 39 1/3 27 1 43 18 2 1 12 2.75
通算 6年 235 0 18 12 15 66 238 196 17 263 92 11 24 77 2.91

3年目の08年急台頭し、リリーフに定着した速球右腕。大卒入団も当初2年は二軍暮らしだったが、一気に躍進しセットアッパーに。
高いところから150km超の速球とフォークを投げ下ろす豪腕タイプ。入団当初は荒削りすぎて戦力にならず、07年は二軍で成績向上も故障離脱。しかし08年は順調で開幕一軍を勝ち取り、リリーフの一角として台頭。
シーズン序盤は失点も目立ち重要な場面の登板はなかったが、5月途中から調子を上げ信頼も上昇。夏場以降は左の山口とともにリリーフの軸的存在となった。奇跡的な逆転優勝の原動力の一人ともなり、登板数は一気に60越え、プロ初を含む3勝をマーク。チーム投手陣最大の新星となり、大飛躍の一年となった。
完全に上体の勝ったパワーピッチャーで、お世辞にも理想的とは言えない無骨なフォームではあるが、ボールの威力は絶品。奪三振率は12という高水準に達し、最速157kmも記録した速球と角度あるフォークで豪快な投球を見せる。
これ以降はすっかりリリーフの顔となり、翌年も引き続き山口と左右の両輪。2年連続で60試合以上に投げ8勝をマーク、ホールド倍増。そして離脱の多かったクルーンに代わって抑えを務める機会も多く、10セーブを挙げた。ただ後半はばてて不安定となり、前半1点台だった防御率は3点台に落ちた。
2年続けてのフル回転にやや不安も垣間見えたが、10年も変わらずセットアッパー。60には届かなかったものの、59試合登板で21ホールドを稼いだ。また序盤にはやはりクルーンの代役を務め、シーズン5セーブ。だが昨年は少し影が薄いシーズンとなった。不調から開幕は二軍スタート。すぐに一軍に戻ったものの、交流戦では再三失点。夏場ピリッとしない投球で二軍落ちするなどもうひとつという状態が続いた。登板数は42に減少しホールドは半減。防御率は2点台だったものの、前年より印象の薄いシーズンだった。
もともと粗っぽいスタイルの投手だが、昨年は四球が増加。被打率は1割台でも無駄な走者を出すことが目立った。ちょっと信頼も落ちてしまったので、今季はそれを取り戻したい。

26 内海 哲也

エース左腕、先発型

左投左打 最多奪三振(07)、最多勝(11)
敦賀気比高〜東京ガス 巨人04自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 29 2 12 8 0 0 184 1/3 166 7 154 68 7 3 56 2.73
09 巨人 27 5 9 11 0 0 179 2/3 161 23 115 36 4 3 59 2.96
10 巨人 27 2 11 8 0 0 148 168 14 121 32 4 1 72 4.38
11 巨人 28 4 18 5 0 0 185 2/3 153 13 144 47 7 4 35 1.70
通算 8年 199 21 80 61 0 2 1207 2/3 1146 105 982 318 44 30 417 3.11

5度の二桁勝利を記録した巨人のエース左腕。06年以降先発の中心として活躍を続けている。
高校時代に注目され、田中(元ロッテ)、森(元横浜)らとともに「北陸三羽烏」と呼ばれた。オリックスのドラフト1位指名を受けたがこれを拒否、社会人を経て自由枠で巨人入り。即戦力ではなく将来性を買われ、1年目はファームで過ごした。それでも下で9勝を挙げ、防御率タイトル獲得といきなり素質の高さを実証。終盤には一軍マウンドも経験し、翌05年は飛躍を期待されて開幕ローテーション入り。ただこの時は序盤に3勝と好スタートも、開幕一月を過ぎるとさっぱり勝てなくなり、6月の4勝目以降勝ち星なし。5点台の防御率で先発定着までは至らず、一軍の壁を実感する結果に。
しかし翌年急成長を遂げる。リリーフでスタートも先発入りすると3連勝、後半は完全にローテーションに定着し、先発の軸となる活躍。負け越してリーグ最多の13敗を喫したもののチームトップの12勝をマーク、200イニング近く投げて防御率は2点台に収めリーグ4位。前年より腕の振りが明らかに大きく鋭くなり全体的にパワーアップ。奪三振が飛躍的に増え、完全に一本立ちを果たした。
140km台中盤に達するストレートを軸に、スライダーとチェンジアップを交える速球派。当初暴投が多いなど粗っぽい面も強かったが、奪三振多く力強い投球スタイルで牛耳った。球が走っている時はなかなか手がつけられない。
これ以降は常に主力投手となり、開幕投手となった翌07年は自己最多の14勝。後半防御率を悪化させてしまったものの、奪三振タイトルを獲得し先発の柱に。08年はシーズン中盤勝てない時期があったものの、終盤3連勝で盛り返し12勝、3年連続二桁勝利。タイトルには届かなかったものの、防御率、奪三振ともにリーグ3位の好成績を残した。
すっかり安定戦力となり09年はWBC代表にも選出。ただこの年ペナントでは負け越しで二桁に届かず9勝止まり。2点台の防御率というほどの好印象は残せなかった。続く10年は開幕4連勝と絶好のスタートを切ったものの、脇腹を痛め一時離脱。短い期間で戻りはしたが、5月以降はパッとしない投球が続いた。特に7月から4連敗と後半ははっきり不調。11勝はしたものの非常に不安定で、シーズン防御率も4点台と物足りない結果に。
09年から四球が大幅に減少。投球スタイルをやや転換したが奪三振減少と被弾増加で力強さが失われていた。信用を落とした影響で昨年は開幕投手を東野に譲り、さらに2度目の登板はリリーフ起用。しかし見事に復調を果たしエース復権のシーズンとなった。5月から6月半ばまで先発7連勝をマーク。交流戦は5戦全勝で終え、7月中に10勝到達。その後も安定した活躍を続け、最後はリリーフを含む4連勝。激しいタイトル争いの末、自己最多の18勝で吉見と並ぶ最多勝に輝いた。防御率もタイトルに僅差の2位で自身初の1点台。
ここ2年の状態から一気の飛躍を遂げた。阪神に非常に強く6試合で失点は10のみ、被安打35とほとんど打たせず。力押しだけではないスタイルを完全にモノにしたようで、今季もエースとしての働きを期待できそう。特に故障なく来ているのも魅力。

28 金刃 憲人

両刀左腕、平均点型

左投左打
市立尼崎高〜立命大 巨人07希望枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 8 0 0 2 0 0 23 2/3 35 2 18 12 0 1 21 7.99
09 巨人 6 0 1 0 0 0 5 4 0 3 1 1 0 2 3.60
10 巨人 21 0 1 0 0 4 19 2/3 22 4 18 8 1 2 11 5.03
11 巨人 24 0 2 4 0 0 57 1/3 59 6 40 12 3 2 25 3.92
通算 5年 81 1 11 12 0 5 227 1/3 236 32 155 66 10 11 107 4.24

07年の希望枠ルーキー。1年目前半ローテーション入りの活躍で、期待通りの即戦力となった。
早い内から話題となっていた投手で、大学時代はソフトバンク入りした大隣と並び称された存在。06年ドラフトの目玉の一人として希望枠で巨人入り。期待は大きく開幕5戦目に先発でプロ初登板となった。この試合は勝てなかったものの、次の登板でプロ初勝利を挙げるとそこから4連勝。内海・高橋尚とともに「左の三本柱」としてチームを引っ張る活躍を見せた。
びっくりするほど速いというタイプではないが、強気で押していく攻めの投球が身上。右打者の懐を攻めるクロスファイアーが持ち味で、前半は活きのいい投球を見せていた。また一軍でやれるだけの制球力も持っていた。
ここまでは良かったが、7月に調子を崩して4敗を喫すると後半は全く勝てず。最終的に7勝も終盤は先発からも外れてしまった。この失速で有力と見られた新人王争いも上園に逆転を許すことに。そしてこの不調はしばらく引きずり、08年は先発するも打ち込まれて5月中旬から長期二軍。後半再昇格後も結果を残せず、結局1勝もできずに終わった。09年はリリーフに足場を移したが、故障もあってシーズンの大半を二軍暮らし。一軍登板数はさらに減ってしまった。
抜群のスピードや鋭い変化球といったわかりやすい武器を持っていないため、勢いが止まってからはちょっと苦戦中。10年は序盤リリーフとしてなかなかいいところを見せ、春先は戦力に。しかしすぐに捉まるようになり、6月前半に二軍落ちすると以降昇格なし。21試合登板と久々に上向いたものの、復活とまではいかずに終わった。
昨年はリリーフでスタートし好投、5月からは久々に先発となりしばらくローテーション入り。4年ぶりの先発勝利も挙げたが、その後4連敗を喫して7月からはまたリリーフに戻った。ただ二軍落ちするなど後半はピリッとしない状態で、それほど印象を残せず。
一時の不調は脱したものの、どうも前半だけで息切れしてしまう傾向が顕著。先発リリーフどちらの適性ももう一つ見えてこない。シーズン通して力を出せるようにしたいところ。もう一段階の成長が欲しい。

29 セス・グライシンガー

制球安定、ハイタワー型

右投右打 最多勝(07,08)、ベストナイン(08)
ヤクルト07、巨人08〜11、ロッテ12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 31 0 17 9 0 0 206 201 20 167 31 9 3 70 3.06
09 巨人 25 1 13 6 0 0 161 173 11 91 26 5 4 62 3.47
10 巨人 6 0 0 2 0 0 21 1/3 31 5 16 1 1 0 13 5.48
11 巨人 9 0 1 5 0 0 47 2/3 52 2 33 18 2 1 22 4.15
通算 5年 101 4 47 30 0 0 645 642 52 466 107 21 15 233 3.25

2年連続の最多勝など、来日から大活躍を続けた外国人投手。かつてはメジャードラフト1位の長身投手で、06年は韓国で14勝。ヤクルト入りすると安定した投球でチームの大黒柱に。
身長190cmから投げ下ろす投球以上に、最大の持ち味は四球の少ない制球の良さ。9イニング平均で1個台の与四死球率は、07年の規定投球回到達者中リーグトップ、両リーグを合わせても武田勝に次ぐ少なさ。外国人投手はアバウトな制球で自分からリズムを崩すタイプが多いが、明らかに違う存在。やや変則的な腕の使い方からチェンジアップやカーブを操り、見た目にも非常に打ちづらそうなタイプ。
1年目初登板は負け投手となったが、その後3連勝。その時点で開幕から30イニング連続無四球の投球。一つ負けた後、オールスター直前まで7連勝を記録。苦しいチームを支える活躍を見せた。前半で10勝に到達し、最終的に16勝で最多勝に。後半若干内容が落ちて防御率タイトルは逃したが、非常にハイレベルな成績を残しエースとして君臨した。
まさに救世主的存在となり、改めてヤクルトの外国人スカウティングの良さを認識させたが、オフの契約交渉は難航。自由契約となり、08年は巨人へ移籍。そしてここでも期待に違わぬ活躍を見せた。前半は6勝6敗4点台の防御率と冴えない成績だったが、後半急上昇。7月4戦全勝、8月以降7勝と勝ちまくり、最終的に前年を上回る17勝で見事2年連続の最多勝獲得。チームの逆転優勝に大きな貢献を果たした。通年の防御率は3点台だったが、セ・リーグとの対戦では2点台前半。改めて能力の高さを見せ付けた。
2年連続の最多勝は松坂以来。リーグ初となる3年連続の期待もかかった09年だが、序盤は非常に不安定。5月末時点で防御率5点台と前年に続いてスタートが悪かった。それでも6月に立て直すと、7月中旬から9月にかけて6連勝をマーク。最多勝とまではいかずも、13勝で3年連続の二桁勝利達成。ただこの年は被打率がちょっと悪く、走者を出しながらしのぐ投球で防御率は3点台に収めたものの、これまでのような安心感のないシーズンだった。
それでも充分な結果を残し続けていたが、10年肘を痛めた影響から大幅に出遅れ。前半は全く投げられず、実戦登板が7月になってからという状態。わずか1度の二軍登板で8月から一軍復帰したが、やはり見切り発車の感は否めず、再調整を挟んだ6度の先発で5回投げきったのが1度だけ。2敗したのみに終わり、全く戦力にならなかった。
とりあえず残留した昨年だったが、開幕直後のマウンドでは2回で降板し二軍落ち。5月半ばに再昇格して1勝し、しばらくローテーションで廻ったが、4連敗と結果を残せず。後半はほぼ戦力外という状態。2年続けて登板数は一桁に終わった。
故障の影響からか、昨年は別人のように四球が増え、明らかにストライクゾーンで勝負できなくなっていた。すでに36歳と年齢も高く、決め手を失った今の状態では難しい。今季はロッテに移籍となるが、果たしてどれだけいい状態に戻せるか。

35 西村 健太朗

先発転向、シュート投手型

右投右打
広陵高 巨人04ドラフト2巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 43 0 6 2 0 12 45 41 0 26 16 3 4 15 3.00
09 巨人 11 0 2 0 0 0 12 2/3 15 1 10 5 1 1 7 4.97
10 巨人 14 0 4 5 0 0 73 2/3 85 10 38 18 6 2 37 4.52
11 巨人 37 1 7 5 0 4 123 1/3 100 7 91 39 6 4 25 1.82
通算 8年 208 1 27 23 1 27 481 489 44 302 160 29 18 196 3.67

150kmに届く速球と、ほとんど変わらないスピードのシュートを得意とする右腕。一時リリーフで主力となったが、ここ2年は先発候補の一角に。
センバツ優勝投手の実績を引っさげ、ドラフト2位でプロ入り。時間をかけて育成かと思われたが、抜擢は予想以上に早く、1年目7月には早くも一軍先発を経験。2年目は夏場以降に昇格し7度の先発、2勝を挙げた。そして06年は開幕二軍スタートも4月末に昇格。しばらくはリリーフだったが、チームが不振に陥る中徐々に先発機会も増え、14回の先発を含む31試合に登板。一気に登板数が増え、3年目にして一軍定着を果たした。
スピードはチーム内でも上位の存在ながら空振りを奪う球質ではなく、奪三振率は低め。球威で押し込み、得意のシュートとスライダーで揺さぶって打たせて取るタイプ。
当初は先発を視野に入れていたが、07年はほぼリリーフに専念し一気に登板数が増えた。8月にリーグタイ記録となる月間17試合登板をこなし、終盤ばてて防御率は4点台も、通年でもチームトップの57試合登板。翌年も前半はフル回転し、5月には月間4勝、6月にかけて抜群の安定感を発揮。
しかし肩の不調から離脱し、後半は7試合の登板のみ。前半で燃え尽きたような形で終わると、翌09年も故障に泣いた。シーズン途中に肘を痛め、手術に踏み切り後半は実戦登板なし。ほぼシーズンを棒に振り、登板数は11に激減。
2年連続の故障とチーム事情から、10年は先発に転向。開幕からローテーション入りし、5月末までに4勝とスタートは良かったが、6月に入ると急失速。3連敗を喫し、早期降板が続いて二軍落ち。後半は戦力になれず尻すぼみに終わってしまった。この結果から昨年はリリーフスタート。今度は好調を持続し、好投を続けると7月から先発に。すると5連勝をマークし、後半は完全にローテーション定着を果たした。最終的に自己最多の7勝を挙げ、防御率は1点台を記録。
先発・リリーフともに好結果を残し、後半は大きな戦力となった。今季はシーズン通して先発として活躍を見せたいところ。昨年終盤4連敗と先発としてはいい状態が長続きしなかった点は克服したい。

36 MICHEAL (M(マイケル)・中村)

異色右腕、魔球リリーフ型

右投右打 最多セーブ(06)
ウェズレイ・カレッジ高(豪)〜サウス・アラバマ大 日本ハム05ドラフト4巡〜08、巨人09〜11、西武12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 46 0 2 2 28 2 46 1/3 32 2 47 12 6 0 11 2.14
09 巨人 29 0 1 2 0 5 27 2/3 34 5 28 9 3 0 19 6.18
10 巨人 37 0 1 0 1 5 42 35 4 33 9 1 0 9 1.93
11 巨人 7 0 1 0 0 0 8 1/3 9 0 3 1 2 0 4 4.32
通算 7年 271 0 14 6 103 27 295 239 22 274 73 22 5 85 2.59

日本ハム時代タイトルにも輝いたサイドスローリリーバー。独特の球筋で活躍。
日本生まれのオーストラリア育ち、日豪の国籍を持ち、メジャーでの登板経験もある異色尽くめの投手。隠し玉的存在として、04年のドラフト指名で日本ハム入りすると、1年目から一軍戦力となった。最初の登板で打ち込まれ二軍落ちしたものの、再昇格すると5月後半から15試合、22回連続無失点の快投。腰痛のため離脱、後半はほとんど棒に振ってしまったが、即戦力でリリーフの軸に浮上した。
横手からややアーム式に腕を使う投手で、球威もあるが最大の特徴は大きな変化を見せる独特のカーブ。握りも独特で、すっぽ抜けのような軌道から大きく曲がり落ちる。腕の振りとあいまって、初見の右打者が思わず腰を引いてしまう魔球。荒れ球に近い制球のため時に投球が苦しくなるシーンもあるが、そのことも球筋を余計に怖いものにしている。
そして2年目以降はクローザーに定着。06年は7月に一時乱れるも、開幕から着実に数字を積み上げ強力リリーフ陣の締めとして大活躍。リーグ最多記録となるシーズン39セーブを挙げ、見事タイトルに輝いた。日本シリーズでも勝ちゲームすべてに登板して3セーブの活躍。チームの躍進に大きな貢献を果たした。この後も不動の存在として活躍し、07年は34セーブで連覇に貢献。08年は故障で3週間離脱という場面があったが、それ以外は相変わらず守護神となり、28セーブで球団史上初の通算100セーブ到達。
勝ちパターンの締めとして揺るぎなく君臨してきたが、シーズン後大型トレード成立で09年は巨人へ移籍。実績あるリリーフとして大いに期待されたが、全く別人のように不振を極めた。開幕から不安定な投球続きで、勝ちパターンには到底入れず。二軍調整を挟んでも調子は上がらず、8月半ばからは1ヶ月の二軍落ち。登板数を大きく減らし、6点台という自己最悪の防御率でシーズンを終えた。
かねてから見られた球威の低下が深刻化し、この影響で得意の変化球も威力が半減。信頼を大きく損ね、10年は前半二軍暮らし。しかしそこから巻き返してきた。6月末に一軍昇格すると、以降は安定した投球。後半はフルに働き37試合登板で1点台の防御率。前年とは段違いの内容で復調。
近年落ち込む一方だった球威が久々に回復し、力強さを取り戻した。だが昨年は一転してほとんど二軍暮らし。6月末に昇格も2試合の内容がいまいちですぐに二軍落ち。再昇格はシーズン終盤になってからで、わずか7登板に終わった。登板数一桁は自身初めて。
二軍では42試合登板とほぼフルに投げたように体調に問題はなかったが、一軍での内容はさっぱりだった。シーズン後戦力外となり、今季は西武に移籍。慢性的なリリーフ難のチームで再浮上を果たせるか。このところ浮き沈みが激しいのが気になる。

37 須永 英輝

中堅左腕、伸び悩み型

左投左打
浦和学院高 日本ハム04ドラフト2巡〜10、巨人11〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム - - - - - - - - - - - - - - -
09 日本ハム 9 0 0 1 0 2 18 20 6 7 8 3 0 17 8.50
10 日本ハム 5 0 0 0 0 0 10 1/3 14 1 9 5 0 1 9 7.84
11 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 8年 24 0 0 3 0 2 57 1/3 69 13 33 29 3 2 48 7.53

なかなか一軍定着を果たせずにいる左腕。入団時から期待され続けているが、もう一つ突き抜けてこない。
高校時代に評判となった投手で、2年上の大竹(広)からエースを引き継ぎ甲子園に3度出場。屈指の左腕としてドラフト2巡指名で日本ハム入り。1年目いきなり二軍で10勝を挙げ、イースタンの最多勝に輝いた。結果は散々だったものの一軍登板も経験。2年目は一転二軍で1勝9敗と不調に苦しむも、終盤一軍で先発し9回無失点の快投。引き分けで惜しくも初勝利にはならなかったが、大いに飛躍を期待させ、ここまではまず順調。
だが翌年開幕早々、一軍で好投をしながらリリーフが逆転されて初勝利を逃すと、これ以降いいところを見せられなくなってしまった。07年はリリーフで2度の大炎上がありボロボロの成績。08年は一軍登板がなく、二軍でも結果が出せずと完全な伸び悩みに。
プロ入り当初の勢いがすっかり翳ってしまった印象。09年は開幕一軍を勝ち取り、リリーフとして登板機会を得たが、じきに派手な炎上を見せて序盤で二軍落ち。8月再昇格して今度は先発、1度目は6回2失点の好投も2度目は1イニング3被弾、4発浴びて8失点の大炎上。10年も四球から崩れるなどで停滞状況から脱することは出来ず。
トレードで昨年は巨人へ。しかし一軍登板機会は全くなく、シーズン通して二軍暮らしに終わった。二軍ではリリーフで51試合登板とフル回転したが、年齢的にそろそろ一軍実績がないと苦しい。今季は勝負をかけないと。

38 朝井 秀樹

先発右腕、移籍復調型

右投右打
PL学園高 近鉄02ドラフト1巡〜04、楽天05〜10途中、巨人10途中〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 楽天 29 1 9 11 0 1 148 165 16 122 60 7 6 72 4.38
09 楽天 13 0 0 3 0 1 28 2/3 37 4 25 17 0 3 21 6.59
10 楽天 1 0 0 0 0 0 4 1/3 7 0 2 2 0 0 4 4.15
巨人 10 0 4 1 0 0 49 1/3 39 2 35 9 0 2 11 2.01
11 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 10年 113 6 25 33 0 3 492 2/3 529 39 378 189 21 24 224 4.09

楽天移籍後急成長でローテーションに食い込んだ右腕。07,08年は主力投手として活躍。
もともとドラフト1位指名の、期待の大きかった投手。高校時代は2年時に主戦として甲子園出場。それほど上背がないながら投打に素質を見せ、一部では「桑田二世」とも呼ばれた。ドラフト時には「打者としての素質も捨てがたい」と言われた存在。近鉄時代の3年間は育成中心で過ごし、分配ドラフトで楽天へ。注目度は高くなかったが、投手陣の崩壊から5月に期待込みで抜擢。すぐに訪れた先発登板で初勝利を記録し、貴重な若手の星として脚光を浴びた。
前述の通り身長はさほどではないのだが、マウンドではそれを感じさせない。見た印象では角度もあり、スピードも充分。そして持ち味は切れのいいカーブ。この球種が決まると緩急も効いて非常に打ちづらい投手となる。一方で制球はやや荒れ気味で自滅傾向も。
05年の2勝をステップに開花を期待された06年は、開幕連敗スタートで躓き6月以降二軍暮らしと大きく足踏み。しかし翌07年6月以降安定感が大きく向上し、完全にローテーション定着を果たした。四球率が前年から半分に減る制球力の向上で、チームでは田中に次ぐ勝利を挙げ、防御率も3点台前半。08年も引き続きローテーション定着で自己最多の9勝。ただこの年は5月までに5勝と序盤は良かったものの、夏場にまたムラッ気が強くなり、後半防御率が落ち込んで物足りないシーズンに終わった。
この不調は翌年さらに悪化し、09年は序盤KOの初登板を含め、3度の先発はすべて5回持たずに降板。リリーフでも結果を残せず二軍落ちを繰り返し、1勝も出来ないまま終わってしまった。これで信用を失ったか10年は二軍スタート。7月ようやく先発機会を得るも、5回持たずにKOされ再び二軍に。
この後シーズン途中に巨人へトレード。すると環境変わって復調してきた。8月に一軍昇格すると移籍初登板の先発で7回無失点の好投を見せ、2年ぶりの勝利。ローテーション入りとなり、3連勝を含む4勝をマーク。先発陣に不安を抱えるチームにとって大きな戦力となった。特にリリーフを含めた最後の5試合は18イニング連続無失点と大安定。
自身にとっても大きな移籍となったが、これが続かず昨年は一転登板機会なし。不足気味の先発陣の助けにならなかった。一軍登板がなかったのは新人年の近鉄時代以来9年ぶり。
特に故障もないのに二軍から抜け出せなかったのは、統一球に対応し切れなかったからという話も。二軍成績では四球が多くなっており、得意のカーブが制御できなかったかもしれない。先発入りのチャンスはまだ充分にあるので、今季は何とか復調したいところ。

39 レビ・ロメロ

長身右腕、育成上がり型

右投右打
巨人09(育)〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
09 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
10 巨人 6 0 1 0 0 0 7 2/3 7 1 9 0 0 0 0 0.00
11 巨人 41 0 1 3 11 8 41 35 1 36 19 1 2 15 3.29
通算 3年 47 0 2 3 11 8 48 2/3 42 2 45 19 1 2 15 2.77

育成枠から出発の外国人投手。3年目の昨年一気に出番を増やし一時抑えとして活躍。
04年米マイナー、ルーキー・リーグで8勝負けなしの活躍を見せるも、その後は故障もあって伸び悩み。アメリカでの実績は1A止まりだった。09年春季キャンプでテストを受け、育成選手として巨人入り。この時点で満24歳と非常に若い選手。
196cmの長身から投げ下ろす150kmの速球とフォークを軸とする投手。1年目7月に一度支配下登録されたものの、この年は一軍昇格はなく、10年は再び育成選手としてスタート。すると二軍の抑え役として活躍を見せ、6月に支配下登録、そして今度は夏場に一軍登板を果たした。5試合無失点のあと、自らのエラーをきっかけに3失点(自責は0)して二軍落ち。未熟さも露呈したが力のあるところも見せた。二軍では19セーブでイースタンのタイトル獲得。
そして昨年は大幅に出番が増え、重要な戦力に。開幕から一軍に入り、間もなく抑えとして起用されるように。5月ぐらいから不安定さが目に付くようになるなど長続きはしなかったものの、6月頭までに11セーブをマークした。後半も二軍という時期はあったがリリーフで起用され、計41試合登板。
ここ2年で急激に存在感を高め、リリーフ陣の一角に食い込むところまで来た。今季もスタートは枠を争う立場だが、伸び盛りの勢いで楽しみな存在。

41 ジョナサン・アルバラデホ

抑え候補、巨漢型

右投右打
巨人11〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 巨人 46 0 2 2 2 6 51 1/3 43 2 44 19 5 0 14 2.46
通算 1年

クルーンに替わる新たなクローザー候補として獲得された外国人投手。09年にリリーフでメジャー5勝、10年は3Aで43セーブを挙げ、リーグのセーブシーズン記録を樹立した実績を持つ。
長身に横幅もある非常に大きな投手で、140台後半から150kmを越えてくるスピードの持ち主という触れ込み。実績も充分なことから新守護神と見込まれたが、開幕前は制球難などを露呈してやや評価を落とし、開幕は中継ぎでスタート。それでも徐々に調子を上げてきて、4度目の登板で来日初勝利、4月末から15試合連続無失点を続け、その間2セーブを記録した。
平均して140km台後半のスピード以上に、投球の大きな武器が鋭く曲がるカーブ。タイミングを外すスローカーブ系とはやや違い、手元で大きく落ちて空振りを奪う球質。力強い投球で戦力となっていたが、6月半ばに久々の失点で敗戦投手となると翌日には逆転弾を喫してセーブ失敗。4試合連続失点と乱調に陥り、急激に信用を落とした。夏場に二軍調整をはさんだ後も安定感には欠け、後半はビハインドでの起用が中心。計46試合に登板したが、抑えの期待には応えられずに終わった。
不安視されていた四球の多さも顔を出す場面があったが、それ以上に一度躓いて以降の落差が大きすぎるのが問題。オールスター前の登板10試合で被安打19は多すぎで、その直前とはまるで別人の内容。スピードがやや落ちて打たれだした辺りから奪三振も減少。戦力になったとは言いがたく、1年限りが濃厚か。

42 カルロス・トーレス

先発右腕、一軍半型

右投右打
巨人11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 巨人 6 0 1 2 0 0 27 1/3 31 4 19 11 1 2 19 6.26
通算 1年

昨年の巨人の新外国人投手。先発候補だがサブ的な扱いで、谷間を埋める存在として獲得。
メジャー実績は13試合で1勝と乏しく、マイナー中心だった投手。3Aに定着したのは08年以降で、09年は2点台前半の防御率で10勝4敗の好成績を残した。グライシンガー、ゴンザレスの実績者が前年揃って不振に終わったこともあり、先発候補の一人として巨人入り。
無断帰国して制限選手となったバニスターを除外しても、チームに外国人投手が5人という状況で、当初は二軍。ただそこで好投を見せたことでチャンスを掴み、4月後半一軍昇格。3試合先発したがまずまず抑えた最初以外は続けて前半でKOされ、5月上旬からまた二軍暮らしとなった。その後オールスター明けに再昇格し、来日初勝利。続く登板も好投したが、6度目の登板で2回KOされると二軍落ちとなり、以降一軍登板はなかった。
最速は150kmだが、平均は140km台前半というところ。当初四球があまりに多く制球難の印象が強かったが、二軍調整でその点は修正。ただ毎回被安打の多い綱渡り投球で、信頼は置けなかった。二軍ではチームトップタイの7勝も、シーズン後戦力外に。

45 野間口 貴彦

サイド転向、停滞型

右投右打
関西創価高〜創価大中退〜シダックス 巨人05自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 17 0 2 3 0 0 52 2/3 58 8 39 11 4 1 29 4.96
09 巨人 25 0 0 1 1 3 29 30 4 28 20 4 0 16 4.97
10 巨人 12 0 1 2 0 0 19 1/3 22 6 12 9 1 0 14 6.52
11 巨人 12 0 1 0 0 3 13 2/3 12 0 10 3 0 0 3 1.98
通算 7年 108 2 13 12 1 9 229 1/3 231 35 170 83 11 3 118 4.63

社会人bPの評価を受け、入団前には争奪戦も繰り広げられた04年アマチュアの目玉投手。自由枠でプロ入りしたが、現状伸び悩み状態。
早くから評判になっていた投手で、カツノリの巨人移籍はこの野間口獲得のため(当時所属チーム監督が野村克也氏)とまで言われた。自由枠で巨人入りすると、投手陣の弱体化が進むチーム状況から即戦力として大いに期待された。1年目5月に昇格するといきなり連勝を飾るも、展開に恵まれた幸運なもので内容はさっぱり。6月までに6度先発したが防御率は8点近く、後半は二軍にいることが多かった。9試合登板で4勝と期待ほどの結果は残せず。
それでも2年目は主にリリーフで内容向上。あまり目立たなかったが成長のあとはうかがわせた。そして07年はシーズンの大半を二軍で過ごしたものの、終盤昇格後別人のような投球を披露。先発して無四球完投含む連勝、続くリリーフでも連勝し最後の4試合で4連勝。四死球わずか3とこれまでと全く違う面を見せ、わずかな登板でも光るものを見せた。
ただこれが持続しない。08年は前半谷間の先発要員として起用されたが、5点近い防御率で2勝と結果を残せず。後半は先発機会もなくなり、パッとしないまま終わった。翌年はリリーフに廻って25試合登板も、防御率は前年並みで重要な場面は少なく、主に敗戦処理。またも冴えない結果に終わった。
07年終盤の投球は覚醒を期待させたのだが…。10年も停滞は打破できず登板数半減。8月4イニングのロングリリーフで2年ぶりの勝利を挙げたのが唯一の輝きで、それ以外は失点も多く、二軍にいるほうが長かった。防御率は6点台に。
オフからサイドスローに取り組み、昨年は前半二軍。8月後半から一軍昇格し、すべてリリーフで12試合に登板。最初の内はしっかり抑えて1勝3ホールドを記録したが、段々内容が悪くなり長続きはしなかった。
防御率1点台ではあっても、後半の6試合は5イニングで9安打3四球5失点。フォームを変えたがいい状態を持続できない傾向は変わらなかった。この課題を克服しないとなかなか一軍定着は難しい。プロ入りから7年が経過し、そろそろはっきりした結果を残したいところ。今季は勝負どころ。

47 山口 鉄也

リリーフ左腕、大出世型

左投左打 新人王(08)、最優秀中継ぎ(09)
横浜商高〜米マイナー 巨人06育成ドラフト1巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 67 0 11 2 2 23 73 2/3 61 3 69 12 3 4 19 2.32
09 巨人 73 0 9 1 4 35 78 53 1 62 14 5 3 11 1.27
10 巨人 73 0 8 3 5 20 88 2/3 80 10 85 16 8 6 30 3.05
11 巨人 60 0 5 1 2 25 61 2/3 45 2 38 16 3 4 12 1.75
通算 6年 305 0 35 7 13 105 327 1/3 263 18 275 73 21 20 83 2.28

育成枠から這い上がり、主力リリーフとなった左腕。育成ドラフト出身者として史上初の一軍勝利を記録し、いまやチームに不可欠の存在に。
育成選手として入団した1年目はファームで25試合登板、防御率1点台の活躍。評価も高く、オフにも支配下登録と言われた。時期はずれ込んだものの07年4月下旬に「昇格」達成。間を置かずに一軍登録され、2度目の登板で幸運なプロ初勝利。その後いったん打たれて二軍落ちしたが、7月に再昇格。林の故障などリリーフ左腕に空きができるチャンスを見事に掴んだ。これ以降登板機会が大幅に増え、シーズン32試合に登板。一気にリリーフ陣に食い込むことに。
この活躍から背番号が左投手の花形とも言える47番になった08年、大車輪の活躍で大いに名を売った。開幕から好調で左腕リリーフ1番手に定着。その後も勢いは衰えず、後半は右の越智とともにセットアッパーの両輪に。8月以降はすべてリリーフで6勝を挙げ、逆転優勝に大きく貢献。シーズン11勝を記録し、新人王にも選出された。あっという間に重要な戦力に。
140km台中盤から後半の速球は力強く、スライダーの切れ味も充分。三振の取れる投手で、打者の左右を問わないのも心強い。安定感も高く、この投手が育成出身というのはもう信じがたいレベル。
這い上がってきた勢いでWBCの舞台も踏んだ09年はさらに鉄壁の投球を展開。開幕直後に浴びたのが唯一の被本塁打で、被打率も1割台と全く危なげのない状態。シーズン通してフル稼働し、70試合以上登板で防御率は1点台前半。9勝35ホールドで中継ぎタイトルに輝いた。連続優勝に大きく貢献し、CS・日本シリーズもフル回転。
もう不動のリリーフという存在になったが、10年は当初先発に挑戦。しかしリリーフ左腕の先発転向は成功例が乏しく、不安視する声も強かった。シーズンに入ると2度先発登板し1勝したが、その勝利した直後にリリーフ再転向。急な配置転換の影響で序盤はリリーフでも不安定な投球続き。冴えない状態だったが6月以降は本来の投球を取り戻した。フル回転で前年と同じく73試合に登板。ただ序盤の不調から防御率は3点台に。シーズン自責点の6割が5月末までに喫したもので、ベンチの方針に振り回された印象のシーズンだった。
昨年は完全にリリーフ専念。だったが、開幕して間もなく故障で1ヶ月ほど離脱し、復帰したのは5月後半以降。そこからはきっちりセットアッパーとなり、リリーフの中心に座り続けた。離脱があったため登板数は60と控えめも、チームトップの25ホールドを記録。防御率も1点台に。
リリーフの軸として何年も安定した活躍を続けており、継投に欠かせない存在。少し気になるのは昨年奪三振率がこれまでより大幅に下がったこと。その分ゴロに打たせて取る割合が随分多かった。故障開けの一過性のものか、それとも投球スタイルの変更を意識したものか、今季少し注目したい部分。

49 ディッキー・ゴンザレス

大変身、馬力型

右投右打 ベストナイン(09)、ゴールデングラブ(09)
ヤクルト04途中〜08、巨人09〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ヤクルト 8 0 1 5 0 0 44 58 4 36 9 1 3 21 4.30
09 巨人 23 2 15 2 0 0 162 134 11 113 25 7 2 38 2.11
10 巨人 25 0 5 13 0 0 132 2/3 161 12 88 32 11 6 78 5.29
11 巨人 13 0 3 3 0 0 75 58 3 63 15 4 0 15 1.80
通算 8年 128 5 41 38 0 6 656 1/3 673 56 474 126 32 23 254 3.48

巨人に移籍の09年見違えるような大活躍を見せた外国人右腕。ヤクルト時代も戦力となっていたが、予想を上回る働きで優勝に貢献。
04年途中にヤクルト入団、当初はリリーフをこなしていたが、終盤には先発に廻りトータル4勝。投球内容も良く、05年は初めからローテーション入りが期待された。だが開幕直前に故障で出遅れ。復帰後はリリーフで好投も先発では不安定で4勝、防御率5点台に終わった。06年は当初から先発も、外国人枠の関係で前半は登録・抹消を繰り返し、成績も勝ったり負けたり。ここまでは平凡だったが、ラロッカの故障で一軍定着となった8月下旬以降、波に乗って一気の5連勝。オールスター以降6勝で、通年で9勝の活躍を見せた。防御率も3点台前半と安定。
身長178cmと上背は平凡だが、どっしりとした体型で馬力のありそうなタイプ。小さいフォームもあいまって、一見投手らしく見えないがこれがなかなか曲者。球種は少ないが力のある真っ直ぐとともに、大きな変化のスライダーはかなりの威力。またどんどんストライクを放ってくるテンポの良さで、四球も非常に少ない。
前年の活躍から07年は二桁勝利の期待もかかったが、開幕前に肘を故障しシーズン絶望に。この年は一度も実戦登板できずに終わった。08年後半ようやく復帰したが、8試合先発で1勝のみ、2年ぶり勝利のあと3連敗と力は発揮できなかった。故障も多くなかなか活躍を持続出来なかった。
シーズン後戦力外となり、巨人へ移籍。あくまでリザーブという期待で開幕は二軍で迎えたが、5月に昇格するとここから快進撃が始まった。移籍初登板から先発6連勝を挙げてローテーション定着。一つ負けた後再び連勝街道を突っ走り、6月末から終盤10月まで破竹の9連勝。最後に1失点で敗れる不運で連勝は止まったが、実に13もの貯金を一人で稼ぎ、先発の軸としてチームを牽引。来日6年目にして初の二桁勝利は最多勝にあと一歩の15勝、防御率も2点そこそこでリーグ3位と抜群の好成績。開幕前の期待は決して高くなかったものの、5失点以上が一度もない安定感で非常に大きな戦力に。
チェンジアップの習得で投球の幅が広がり大変身を遂げた。しかし10年は一転、逆の方向に変身してしまった。初登板でいきなり7失点したのを皮切りに、前年が嘘のような不安定な投球続き。交流戦4戦全敗を含め5月から7月にかけて6連敗。以降も状態は全く上がらず、最後まで先発で投げ続けたもののリーグワースト13敗の大負け。09年と勝敗が逆転した形となってしまった。活躍で油断が生じたか、生命線の制球力さえ悪化し状態は上向かないままだった。
残留した昨年も序盤連続KOという状態で二軍落ち。しかし7月に再昇格すると、ここから復調を果たした。援護に恵まれず勝ちは伸びなかったものの、安定した投球を展開。8月末足の肉離れで離脱も、終盤戻ると2試合連続7回1安打無失点という快投。シーズン3勝止まりも後半の内容は非常に良かった。
どうやら不振は脱した模様。ただヤクルト時代からシーズン通しての活躍がほとんどなく、どこまで戦力として計算できるか不透明な部分がある。状態良ければ先発として期待大、あとは体調次第というところか。

59 福田 聡志

変則速球派、一軍半型

右投右打
伊都高〜東北福祉大 巨人06希望枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 2 0 0 0 0 0 2 1/3 3 0 3 1 0 0 2 7.71
09 巨人 9 0 2 0 0 0 44 41 6 31 17 3 1 17 3.48
10 巨人 18 0 3 4 0 0 44 36 4 22 17 3 0 18 3.68
11 巨人 6 0 0 1 0 0 17 2/3 22 2 12 6 0 0 9 4.58
通算 6年 72 0 13 12 0 6 192 1/3 199 17 134 88 12 9 96 4.49

希望枠でプロ入りの右腕。大学で台頭し、ドラフト戦線では早くから名前の挙がっていた存在。ただプロではもう一歩一軍に定着しきれていない。
150kmを越す速球とスライダーを武器にする速球派。特徴的なのはそのフォームで、モーションの早い段階からアゴが上がった状態で投げ込む。少年野球では真っ先に直されそうな基本を逸脱した形だが、これが福田にとって最も投げやすいフォームのようだ。大学時代はリリーフとして活躍し、将来の抑え候補として巨人入り。
1年目は開幕一軍入りを果たし、序盤2連勝と非常に幸先のいいスタートを切った。期待は高まり、4月末までに11試合に登板して3勝。しかしやがて不安定さが顕著になり、成績はどんどん悪化。後半は二軍暮らしで尻すぼみに終わった。イニングを上回る四死球で粗さをはっきり見せてしまった。
即戦力の期待を裏切ったが、2年目意外にも先発で台頭。5月に昇格すると即先発登板。この月リリーフの1勝を含め3勝の活躍を見せた。ずっとリリーフでやっていた投手だけに先発での働きは予想外だった。夏場に2勝上積みでシーズン5勝。ただ勢いは長くは続かず、6月は立て続けにKOで連敗。終盤はリリーフで打ち込まれて防御率は結局5点台に。するとこのあと2年は停滞が続き、08年はわずか2試合の登板。09年は開幕ローテーション入りし2勝したものの、好調が続かず後半は二軍暮らし。
存在感が薄まりつつあったが、10年は久々に持ち直し。前半はほとんど二軍も、夏場にまずはリリーフ登板を続けたあと、7月後半からしばらく先発入り。3年ぶりに二桁となる18試合に登板し3勝、内2勝を先発で記録した。ただリリーフ15イニングで四死球3が先発では29イニングで17と大幅に増加。被安打は多くなくても走者を背負いすぎで、安定感は全くなかった。終盤は二軍で過ごし、また一軍定着はできず。
昨年はまた登板数が激減し、前半は完全に二軍暮らし。終盤先発機会もあったが結果は残せなかった。二軍では防御率リーグ2位の好成績を残したが、一軍で被打率3割台中盤ではきつい。先発としてもリリーフとしても現状では中途半端という印象。年々状況は厳しくなり、そろそろはっきりした結果を残したいところだが。

60 小野 淳平

若手右腕、先発候補型

右投右打
大分商高〜日本文理大 巨人10ドラフト5位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
10 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
11 巨人 14 0 2 2 0 0 48 62 4 33 13 2 2 20 3.75
通算 2年

プロ入り2年目の昨年先発勝利を記録した若手。一軍デビューを果たし、先発入りの足がかりを掴んだ。
高校時代は全くの無名、大学で力をつけ、ドラフト下位でプロ入りとなった。大学では古川(オ)と同期。大学出とはいえ素材型とあって1年目は二軍。故障などもあり、成績としてもそれほど目立つ存在ではなかった。しかし2年目の昨年は二軍で好投を続け注目度上昇。5月に昇格してリリーフで一軍初登板。この時は続く登板機会なくすぐに二軍に戻ったが、7月再昇格して先発すると5回2失点でプロ初勝利をマーク。以降一軍に留まり続け、リリーフでもう1勝追加。最終的に14試合登板、内7試合に先発し、大きく前進のシーズンとなった。
速球とスライダーが中心の右腕。まだボールごとのばらつきは大きく、発展途上という印象。先発の最後の4試合はいずれも5回以前に降板し、終盤は二軍に。台頭したとはいえ被打率が高く、まだまだ課題は多い。とはいえ一軍で2勝したのは自信になるはずで、今後の飛躍が期待される。

63 中里 篤史

快速右腕、故障不安型

右投左打
春日部共栄高 中日01ドラフト1位〜09、巨人10〜11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 中日 13 0 0 0 0 0 10 1/3 6 1 5 6 0 1 4 3.48
09 中日 2 0 0 0 0 0 4 1/3 6 0 4 1 0 1 3 6.23
10 巨人 2 0 0 0 0 0 3 4 0 1 3 0 0 2 6.00
11 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 11年 34 0 2 2 0 0 40 2/3 40 3 32 24 1 3 21 4.65

ドラフト1位で入団しながら故障に苦しんできた右腕。素質の高さをなかなか発揮できずにいる。
甲子園には届かずも、高校屈指の本格派として期待され中日入り。1年目に2度の先発登板で一軍デビューを果たした。しかし2年目のキャンプ中に階段から転倒し右肩脱臼の重傷。ここから長い苦難が始まった。一時は投手生命を危ぶまれ、野手転向や引退という噂も流れたほど。回復の兆しが見えてきた03年オフにまた右肩を負傷。3年間実戦マウンドから遠ざかるという試練が続いた。
悪夢のようなプロ生活だったが、05年ようやく復帰への道が開けた。4年ぶりの実戦マウンドに上がり、終盤には一軍登板、リリーフでプロ初勝利を記録。翌06年は夏場に昇格し、一軍で二桁登板。
肘の柔らかい投手で、再三の故障で心配されたが、復帰後150km前後の伸びのある速球を投げ込み、改めて力強さを印象付けた。しかし07年またも故障で足踏み。翌年復帰したが13試合の登板に留まり、出てきそうで出てこないもどかしさも感じさせるように。09年2試合の登板に終わるとシーズン後戦力外に。
巨人へ移った10年だが、二軍では30試合に投げまずまずの成績を残したものの、一軍登板は7月の2試合のみ。そして昨年は一軍登板のないまま終わり、シーズン後再び戦力外に。度重なる故障からスピードも落ち、二軍から抜け出せないままとなってしまった。現役を退き、今季からスコアラーに。

95 星野 真澄

リリーフ左腕、育成上がり型

左投左打
埼玉栄高〜愛工大〜バイタルネット〜BC信濃 巨人10ドラフト(育)1位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
10 巨人 34 0 0 0 0 1 34 1/3 32 7 24 18 3 1 15 3.93
11 巨人 3 0 0 0 0 0 2 2/3 3 0 1 2 1 0 4 13.50
通算 2年 37 0 0 0 0 1 37 35 7 25 20 4 1 19 4.62

育成入団ながら即一軍戦力となった左腕。リリーフで多くの登板機会を得た。
大学まではほぼ無名の存在だったが、社会人で力をつけてきた。1年BCリーグでプレーした後、育成ドラフトで指名され巨人入り。だが評価は入団時からなかなか高く、1年目開幕前に早くも支配下登録された。そして4月後半から一軍で起用され、リリーフで34試合に登板。勝敗セーブはつかずともまずまずの結果を残し、即戦力に。
140km台中盤の速球を軸とする左腕で、変化球も含めなかなかの切れを持つ。制球面では課題が残り、被弾の多さから防御率は今ひとつだったが、被打率は好数字だった。
ただ2年目となる昨年は大きく後退。6月に昇格も、2度目の登板で連続四球を出し二軍落ち。9月にもう一度チャンスを与えられるも、2回2失点と結果を残せなかった。わずか3登板に終わり、シーズンのほとんどを二軍暮らし。
イースタンでは2勝6敗ながら防御率は2点台前半。ただ2年目ともなると一軍では制球の悪さにはっきりつけこまれるようになった。決して若くはないだけに、この課題は早めに克服しておきたい。

99 藤井 秀悟

総合力、故障復帰型

左投左打 最多勝(01)、ベストナイン(01)
今治西高〜早大 ヤクルト00ドラフト2位〜07、日本ハム08〜09、巨人10〜11、DeNA12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 19 0 3 8 0 0 110 2/3 115 11 76 41 5 2 40 3.25
09 日本ハム 22 0 7 5 0 0 114 2/3 120 11 63 48 6 3 45 3.53
10 巨人 23 0 7 3 0 0 122 107 16 91 34 6 4 51 3.76
11 巨人 1 0 0 0 0 0 5 6 2 1 1 0 0 3 5.40
通算 12年 247 8 70 69 0 2 1262 1/3 1180 167 963 441 46 33 532 3.79

先発で活躍する左腕。ヤクルト時代のプロ2年目に最多勝獲得、ここまで二桁勝利3度の実績を持つ。
大学からヤクルト入りした1年目はリリーフ専門。これは入団当初の評価通りで、31試合登板と即戦力にはなったものの目立つ存在ではなかった。しかし2年目の01年先発に抜擢されて大躍進。被弾は多いながら3点台前半の防御率をキープし、14勝をマーク。タイトルに輝きチームの優勝に大きく貢献した。これですっかり主力投手となり、翌年も自らの不注意で故障離脱がありながら10勝。
直球、変化球、制球と、どれもが及第点以上のバランスの取れたタイプ。突出した部分がなく良さがなかなか分かりにくいが、まとまった投球で攻める実戦派。球種は多彩で、特にスライダーが軸となる。低めを丁寧に突く粘り強さも特徴。
03年開幕直後に肘の故障で離脱し、シーズンを棒に振ることに。復帰した翌年はまだ試運転といった印象で4勝止まりだったが、05年からはローテーションに完全復帰。終盤まで防御率2点台前半と安定した投球を見せ、3年ぶりの10勝到達を果たした。一時はタイトルも視野に入る活躍で主力に復活。
ただシーズン終盤息切れして乱調に陥り、1ヶ月ほどで防御率が大幅悪化。この辺りを境に、どうも安定感に欠けるようになった。故障前に比べるとやや投球が粗っぽくなり、このあと2年続けて7勝止まり。内容は年々悪化し、07年は後半の乱調で防御率5点台。
大型トレードで08年は日本ハムへ。先発で投げるも打線の援護に恵まれず、3勝8敗と大きく負け越した。ただ防御率は大きく改善し、翌09年は7勝をマーク。序盤の好調を維持し切れなかったものの持ち直してきた。
FAで10年は巨人へ移籍。開幕から先発入りし、4月末から6連勝と前半は好調。特に5月は4登板いずれも1失点以内の快投を見せた。ところが7月に入ると急失速。連敗し、立て続けにKOされて二軍落ち。終盤は一軍復帰したものの、後半はパッとせずに終わった。7月以降の防御率は5点台。すると昨年は全く出番がなくなり、ほとんどシーズン通して二軍暮らし。唯一の一軍登板は9月、2回から5イニングのロングリリーフだったが、2ホーマー浴び3失点という結果だった。
ある程度計算は出来るものの、先発としては中盤目に見えて息切れするスタミナのなさがネック。シーズン通しての活躍も近年はなく、色々制約も多い投手。FA村田の人的補償として今季は横浜DeNAへ移籍。不足する先発陣に割って入れるか。

*011 木村 正太

リリーフ台頭、本格派型

右投右打
一関一高 巨人05ドラフト5巡〜11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
09 巨人 25 0 0 0 0 3 29 1/3 23 2 23 12 0 1 11 3.38
10 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
11 巨人 (- - - - - - - - - - - - - - -*育成)
通算 7年

5年目の09年、初登板から一軍へジャンプアップの若手右腕。08年まで完全な二軍暮らしだったが、一気に台頭してきた。
ドラフトの指名順位は低かったが、高校時代は東北地区でダルビッシュ(日)や佐藤剛(広)と並び称された存在。プロ入りすると08年までの4年間を二軍で過ごした。一時不調に陥って登板数も減っていたが、08年スランプを脱出。09年は二軍で抜群の安定感を見せるようになり、5月後半に待望の一軍昇格を果たした。最初の2試合は失点が続いたものの、後半に入ると落ち着きも出始め登板数増加。8月には10試合登板とアピールし、最終的にすべてリリーフで25試合に登板。実質1年目ながら後半はほぼ一軍定着で大きなアピールに成功。
140km台中盤の速球と縦に割れるカーブを武器とする本格派タイプの投手。三振を奪え、一軍でも充分通用するところを見せた。すでに主力となった同期入団の東野を追うように台頭。
この活躍から10年は背番号が92から15と一気に軽くなり、大きな期待を受けた。ところがキャンプ中に肘を故障。一転苦難を味わうシーズンとなってしまった。三軍戦には登板したものの、シーズン中再度故障離脱し、二軍の公式戦にも登板できず。
回復が思わしくないのか、シーズン後一旦自由契約となり、昨年は育成選手に。だが浮上することは出来ず、シーズン後には戦力外となってしまった。トライアウト参加も移籍は厳しく、現役引退ということに。