福岡ソフトバンクホークス

00 吉川 輝昭

巨漢投手、移籍変身型

右投右打
厳木高〜日本文理大 横浜04自由枠〜10途中、ソフトバンク10途中〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 横浜 4 0 0 0 0 0 14 2/3 14 0 5 6 0 0 3 1.84
09 横浜 10 0 0 3 0 0 18 2/3 34 4 10 10 0 0 24 11.57
10 ソフトバンク 7 0 0 0 0 0 12 10 2 9 3 1 2 4 3.00
11 ソフトバンク 40 0 0 0 0 6 37 1/3 26 3 23 5 0 1 10 2.41
通算 8年 114 0 1 6 0 7 173 232 25 105 59 3 6 113 5.88

身長185cm、体重95kgという堂々たる体格を誇る豪腕投手。長く伸び悩んでいたが、移籍2年目の昨年大きく成績を伸ばして一軍定着。
高校時代は無名だったが、大学で開花。4年時に全日本大学選手権優勝の原動力となり、自由枠で横浜入りとなった。1年目はほぼ1年通して一軍帯同し、24試合に登板して初勝利も記録。内容はもう一つでも可能性は感じさせた。
ゴツイ体から繰り出す速球で押すスタイルで、無骨なイメージの投手。ただ不器用に過ぎる面も強く、頼れる変化球に乏しく一本調子になりがち。いかにも発展途上という印象で、制球も甘く被打率が悪かった。
期待は大きく、2年目は開幕ローテーション入り。しかし3試合だけでリリーフに廻ると、呆れるほどの滅多打ちを食らって二軍落ち。再調整後も不安定な投球は変わらず、完全に期待を裏切ってしまった。これ以降一軍が遠くなり、一桁登板のシーズンがしばらく続くことに。09年は久々に10試合の登板を果たしたが、内容のほうはさっぱりだった。3度の先発はすべて5回まで持たず、7試合のリリーフも内4試合で計15失点という炎上。打たれだすと止まらなくなる傾向が消えず、二軍を脱することは出来ず。
10年も二軍にいたところで、4月後半にソフトバンクへトレード。後半に一軍登板機会を得、7試合投げて悪くない内容ではあったが、敗戦処理中心で印象は薄かった。しかし移籍2年目の昨年は大幅に登板数増。開幕からほぼシーズン通して一軍帯同し、敗戦処理中心で地味ながらも好投を持続。結果自己最多の40試合登板、2点台前半の防御率を記録し、リリーフ陣の一角に定着を果たした。
移籍後目に見えて変わったのが四球の急激な減少。攝津を参考にしたというフォーム修正も功を奏し、シュート・スライダーで左右を揺さぶれるようになった。オフにはプエルトリコのウインター・リーグに派遣され、今季は先発転向プランも浮上。この上昇の勢いを持続できるか。

11 小椋 真介

快速左腕、制球難型

左投左打
福岡工大付高 ダイエー/ソフトバンク99ドラフト3位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 29 0 3 0 1 6 33 1/3 31 7 33 12 2 3 20 5.40
09 ソフトバンク 1 0 0 0 0 0 0 2 0 0 3 0 0 2
10 ソフトバンク 24 0 4 8 0 0 102 98 14 113 67 3 9 60 5.29
11 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
通算 13年 69 0 7 9 1 6 162 1/3 157 26 170 98 6 15 101 5.60

左腕からの150kmの速球が魅力の投手。ただ制球力の低さや故障の多さなどでなかなか一軍半から脱しきれない。
入団当初からその類稀なスピードは注目され、地元出身ということもあって非常に期待されていた。3年目の一軍初登板は先発。しかし速さはあってもコントロールが非常に悪く、なかなか二軍を脱出できず。肘の靭帯断裂などもあって、03年から4年間一軍登板なし。
ちょっと年数が経ちすぎてしまったが、07年久々に一軍登板。故障を経ても球速は健在。ただしノーコンも健在で、イニングとほぼ同数の四死球を出し二軍卒業は果たせず。この年は顔見せ程度の登板に留まった。しかし翌08年は大きく前進に成功。故障者続出の投手陣に割って入り、4月10年目にして待望のプロ初勝利。リリーフでの起用が一気に増え、特に5月は11試合で2勝、1点台の防御率とかなりの活躍を見せた。一時は左腕リリーフ一番手に浮上。
たださすがに急激な登板増で疲れたか、6月以降痛打を浴びるようになり二軍調整。最後は随分数字を落として終わってしまった。せっかくの台頭も翌年につながらず、09年は唯一の一軍マウンドで一死も取れず3四球に連続長打の大炎上。さらに左足の手術で後半を完全に棒に振り、大きく後退。
それでも10年は先発転向で再浮上。4月中旬に一軍昇格、2試合リリーフの後8年ぶりの先発、そして2年ぶりの勝利を挙げ、ローテーション入りに。24試合の内20試合を先発で投げ、自己最多の4勝をマーク。ただ8敗を喫し防御率も5点台と内容はいいとは言えなかった。4勝目は7月中旬で、8月以降は極端に崩れることが多くなり、終盤は登板機会も減少とジリ貧。
奪三振の多さが示すようにスピードは非常に強力な武器。ただ基本的に球種が少なく、また変化球の精度がいまいち低い。そのため苦しくなると速球で押す以外に攻め手がなくなってしまう。また相変わらず制球は粗く、幅の狭さもあいまって球数が非常に多くなりがちで、4,5回に入ると息切れしてしまう。
そしてもうひとつの問題は故障の多さ。昨年は序盤二軍で3試合に投げた後肘の不調で長期リタイア。9月に手術をし、5月以降の実戦登板はないまま終わった。期待されながらもすでに13年が経過し、もうすっかり中堅の年齢。そうそう打ち返されない抜群のスピードは大きな魅力だが、さすがにそろそろ崖っぷち。今季は正念場。

13 橋 秀聡

豪腕サイド、制球不安型

右投右打
盾津高〜九州共立大 ソフトバンク05ドラフト5巡〜11、オリックス12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 20 0 1 1 1 3 31 29 1 31 13 2 1 14 4.06
09 ソフトバンク 12 0 3 4 0 0 47 2/3 43 8 42 22 5 2 26 4.91
10 ソフトバンク 5 0 2 2 0 0 24 1/3 29 1 16 10 3 1 15 5.55
11 ソフトバンク 1 0 0 1 0 0 3 1/3 6 1 3 1 0 1 5 13.50
通算 7年 46 0 7 12 1 3 141 2/3 144 16 124 61 16 6 79 5.02

下手投げに近いサイドスローから140km台後半の速球を投げ込む右腕。大学では馬原の1年後輩で、同校から3年連続のホークス入りとなった。
指名順位は低かったが、1年目から二軍のローテーション入り。2位に倍近くの差をつけるウエスタンの奪三振トップを記録した。それ以上に終盤一軍昇格してチームの連敗を止める先発勝利で脚光を浴びた。これで一躍先発候補に名乗りを挙げたが、これ以降足踏み。
抜群のスピードと変化の大きなスライダーを持ち、ボールの威力は一級品。ただ制球が非常に悪く、1年目二軍成績は先述の奪三振と同時に四球数もトップ。特にスライダーが右打者の外角にとんでもなく流れてしまう傾向があり、カウントを取るのに四苦八苦していた。2年目は一軍ですべて先発も4戦全敗。07年はずっと二軍状態だった。
伸び悩みが続いていたが、08年久々に一軍再台頭。5月の昇格時はすぐにUターンになったが、7月一気に登板数増加。先発も一度、1回から緊急リリーフという場面も。プロ初セーブを記録し、8月には3年ぶりの勝利も挙げた。
以前よりスライダーが小さくなった分制球しやすくなったようで、多少まとまりが出てきた。とはいえ依然として制球は粗く、安定感には欠ける。09年は序盤2試合登板も内容が悪く、前半はほぼ二軍暮らし。それでも夏場に再昇格し、8月以降はローテーション定着と多少の前進は見せた。3勝は自己最多。
ただここ2年はシーズンのほとんどを二軍暮らし。10年は序盤に先発連勝という場面があったが、後が続かず残る3試合はいずれも5回持たずに降板。後半は一軍に上がれずに終わった。昨年はチャンスが目に見えて減り、9月頭に一軍初登板。しかしせっかくの先発も打者二巡目にガタッと崩れる5失点KOでアピールできず。これが唯一の一軍マウンドだった。
以前よりスピードが落ちた分粗っぽさは落ち着いてきたものの、左打者を抑える術を失っている。昨年唯一の登板でも6安打中4本が左に許したもの。二軍では防御率1点台で4勝3セーブと先発にリリーフに好投を見せたが、後続の台頭もあり上に呼ばれる機会が確実に減っている。年明けてからトレードが決まり、今季はオリックスへ。ここでしっかりアピールしたいところ。

14 馬原 孝浩

快速球右腕、守護神型

右投右打 最多セーブ(07)
熊本市立高〜九州共立大 ダイエー/ソフトバンク04自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 21 0 0 2 11 2 19 1/3 14 1 23 6 0 3 6 2.79
09 ソフトバンク 53 0 4 3 29 4 58 1/3 58 5 67 19 2 5 14 2.16
10 ソフトバンク 53 0 5 2 32 2 60 2/3 54 1 49 12 1 3 11 1.63
11 ソフトバンク 33 0 1 2 19 2 32 1/3 29 2 33 8 0 1 11 3.06
通算 8年 318 1 21 26 180 14 418 2/3 388 25 407 132 13 23 124 2.67

長年ソフトバンクの守護神として君臨する快速球投手。150kmを越す速球とフォークを武器に、リリーフに廻って素質開花。
大学屈指の好投手として自由枠入団、新人王有力候補と非常に高い評価を得ていた。1年目から開幕一軍入りし、初先発でいきなり勝利を飾るなどスタートは上々。だが夏まで勢いは持たず、後半は二軍暮らしでわずか3勝止まり。2年目も開幕3戦目で初完投勝利とスタートは良かったが、2勝目のあと3連敗で先発から脱落。ここまでは期待はずれの状態。
しかし二軍調整の後リリーフ転向で大きく才能開花となった。再昇格すると不調に陥った三瀬に替わってクローザーに定着。威力を増した速球でねじ伏せ、6月以降だけでリーグ2位タイの22セーブを稼いだ。全力で投げるリリーフのほうが合っていたようで、奪三振率も大きく上昇。一気に主力投手にのし上がり、翌年は開幕から抑えに定着し29セーブ。9月に打たれるまで被弾0と安定し、チームの継投を締める存在として活躍。さらに状態は上がり、07年は球団新記録の38セーブを挙げリーグトップを快走。念願のタイトル獲得を果たした。
もともとスピードのある投手だったが、短いイニングで球速は最速で156km、常時150km越えにパワーアップ。日本人トップクラスのスピードとフォークを投球の柱とし、力強さを増して四球も大幅に減った。
フル回転が続いた反動か、抑え4年目の08年は肩の不調で前半を棒に振り、一軍復帰は7月後半以降。不在の間チームは抑えに非常に苦しみ、改めて存在の大きさを認識させた。復帰後はまたクローザーとなり11セーブ。WBCにも出場した09年は開幕から回転し、3度目の50試合以上登板で29セーブを挙げた。セットアッパーとなった攝津・ファルケンボーグらと「SBM」と呼ばれることに。ただ表面上の数字ほど状態は良くなく、シーズン序盤から常に走者を負う綱渡りの投球で、辛うじて抑えているという印象が強かった。それでも翌10年は安定感を取り戻し、不動の存在として君臨。4月末までに10セーブと特に序盤は快調。その後も状態を維持してチームの優勝に貢献。タイトルには僅差で及ばなかったものの32セーブを挙げ、防御率も1点台をキープ。
しかし昨年は不調に故障と大きく成績を落とすシーズンに。開幕直前家庭の不幸があり、数日遅れて登録。だがフォークが全く落ちない状態で、5試合続けて失点と不調に喘ぎ二軍落ち。1ヶ月の再調整後は抑えとして調子を取り戻していたのだが、7月半ば今度は肩の故障で抹消。約2ヶ月の離脱となった。9月半ばに復帰し7セーブを上積みしたものの、内容は格段に落ち09年のような綱渡り状態。日本シリーズで連続してリリーフに失敗すると一時的に抑えの地位を剥奪。信頼を大きく損ねるシーズンとなってしまった。
故障以降腕が横振り傾向になりシュート回転が多発。そのためフォークの切れも鈍り、勝負できる球がないという場面が何度も見られた。もともとフォームに癖がなく「見やすい」タイプの投手で、スピードだけで押し切るのは困難。フォームの崩れのせいか昨年は対右打者の成績が極端に悪かった。今季も肩の不調で開幕には微妙と伝えられる状勢。不動のクローザーが正念場を迎えた。

17 大場 翔太

速球右腕、未熟型

右投右打
八千代松陰高〜東洋大 ソフトバンク08ドラフト(大・社)1巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 13 2 3 5 0 0 78 83 14 73 30 3 5 47 5.42
09 ソフトバンク 22 0 1 4 0 0 74 61 5 77 43 3 4 35 4.26
10 ソフトバンク 4 0 0 1 0 0 9 1/3 18 1 9 9 0 1 17 16.39
11 ソフトバンク 23 1 7 2 0 0 70 2/3 52 4 51 25 6 2 20 2.55
通算 4年 62 3 11 12 0 0 232 214 24 210 107 12 12 119 4.62

大学・社会人ドラフトで6球団が競合、07年のアマチュアbPと謳われた投手。プロでも華々しいデビューを飾ったが、その評判に見合う結果はここまで残せずにいる。
大学時代通算33勝、東都リーグ新記録の14連勝に通算410奪三振と輝かしい実績を引っさげ、新人王最右翼の即戦力として鳴り物入りでソフトバンク入り。当然期待は大きく、開幕ローテーション入り。プロ初登板でいきなり無四球完封勝利を挙げ、3試合目には16奪三振の完封。これは下馬評通りの大物出現と思わせた。しかしここから未熟さをさらけ出し急降下。非常に被弾が目立つようになり、5月初めに3勝目を挙げるとそれ以降はさっぱり。7月に連続KOで二軍落ち。シーズン3勝止まりで、新人王どころか即戦力にもなりきれなかった。輝きは一瞬で消失。
140km台中盤の表示以上に伸び足を感じさせる速球とスライダーも鋭く、奪三振の多さで分かるとおりボールの力は一級品のもの。ただ常に全力でしか投げられない無骨な投法で、かなり一本調子。制球が粗く、ベースカバーに何度も遅れるなど全体的な技術レベルも低かった。力で抑え込む以外の術がなく、プロでは通用しなかった。
そしてこの傾向はこれ以降も変わっていない。飛躍を期待された2年目も、12試合の先発は5回まで持ったのが5試合だけで、一つも勝てず4敗。リリーフではなかなかいいところも見せて、9月ようやく1勝。しかしその後の先発機会は活かしきれなかった。そして3年目の10年は開幕直後2試合のリリーフで計13失点の大炎上、すぐに二軍落ち。夏場の先発機会も活かせず、1勝もできずにシーズンを終えてしまった。
昨年は開幕から一軍も前半はリリーフ起用。ただこれまでとは少し違う投球を見せ、徐々に信頼も上昇。7月リリーフで2年ぶりの勝利を挙げると、続く先発チャンスでは10三振を奪う力投で勝利。8月からはローテーションに加わり開幕から6連勝をマーク。力強い投球で久々に輝きを見せた。最終的に自己最多の7勝、防御率も2点台の好成績。
ただこれで完全脱皮とはいかないのが歯がゆい。勢いに乗っている時は圧倒的な力を見せたが、8月末に連勝ストップすると途端に浮き足立った。ノーゲームになったものの9月には一死も取れず危険球退場と2年前と同じ失態で信頼を落とし、続く登板で6失点すると終盤は二軍落ち。走者を置くと崩れるという課題は少し克服されたものの、一度躓くとあまりにも脆かった。とりあえず結果を残しはしたが、最後でだいぶ印象を落とした。精神面の強化はまだまだ必要。

18 新垣 渚

大型右腕、長期低迷型

右投右打 最多奪三振(04)
沖縄水産高〜九州共立大 ダイエー/ソフトバンク03自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 15 0 4 6 0 0 92 2/3 89 7 105 39 6 15 43 4.18
09 ソフトバンク 4 0 0 2 0 0 19 1/3 31 5 15 10 1 3 17 7.91
10 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
11 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
通算 9年 128 27 53 44 0 0 855 809 66 842 303 44 73 352 3.71

エース級の実績を残しながら、近年低迷が続く先発型右腕。3年連続二桁勝利の実績が嘘のように落ち込み、すっかり存在感も失ってしまっている。
甲子園での速球で松坂とともに話題をさらい、その年のドラフトでオリックスに1位指名されたが拒否。大学を経てダイエー入り。完成度の面で不安視する向きもあったが、1年目開幕からローテーション入りし8勝。序盤こそ不安定な面も見せたが徐々に解消し、3試合連続二桁奪三振という記録も残した。2年目は開幕直後なかなか乗れなかったが、気温の上昇とともに調子を上げ、前年果たせなかった二桁勝利も達成。チームの勝ち頭となり、最多奪三振のタイトルにも輝いた。
189cmの長身から投げ下ろす速球は常時150km前後、そして非常に変化の大きいスライダーを武器とした。球種はほぼこの2つだけだったが、スライダーは魔球と形容できるほどの落差と変化量を誇り、絶対の決め球として高い奪三振率をマーク。
05年10勝、翌年は球種を増やして自己最多の13勝、3年連続二桁勝利でここまでは完全に安定戦力。同年齢の杉内・和田とともに主力投手として君臨。ところが07年から急激に雲行きが怪しくなった。不安定な投球が続き、防御率こそ3点台だが10勝には届かず初の二桁敗戦。勝敗もさることながら、あまりにも多すぎる暴投で話題となってしまった。7月に早々とシーズンワースト記録を更新、最終的に25暴投という不名誉な記録を樹立。もともと多い投手ではあったが、1年で過去3年分の数字は異常であり、あまりに規格外のものだった。
そしてこれ以降はっきりと輝きを失い急失速。08年は6月に至っても未勝利と前年以上の不振。8月中旬にようやく復帰してからは4勝、立ち直りの兆しは見せたが、1試合5、1イニング3暴投のワーストタイ記録を残し2年連続の暴投王。そして翌09年は体調不良から出遅れ、4月中に昇格するも4度の登板すべて崩れて5月前半に早くも二軍落ち。以降ずっと二軍で過ごし、プロ生活で初めて1勝も出来ないまま終わってしまった。肩のリハビリからスタートした翌年はとうとう一度も一軍登板できず。二軍レベルでも良かったり悪かったりの内容で、本来格上のはずの存在感は全くなかった。復活を期した昨年も一度も一軍に上がれず、2年続けてシーズン通して二軍暮らし。かつての面影は完全に消えてしまった。
07年開幕前にシュート習得に挑み失敗。これ以降暴投が急増し、すべてが狂ってしまった。近年はフォームの崩れも目立ち、角度を失って速球も軽々弾き返されるように。昨年は代名詞とも言えるスライダーを封印し、投球スタイルを変えて挑んだが、ファーム6勝はいいものの暴投10はリーグ最多と相変わらずの状態。試行錯誤が続くが、どうも方向性が狂っているような気もする。果たして復活できるか否か、今季はそろそろ結果を残せないと厳しい。

19 森福 允彦

サイド左腕、リリーフ覚醒型

左投左打
豊川高〜シダックス ソフトバンク07ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 6 0 0 0 0 0 6 2/3 9 0 3 6 0 1 5 6.75
09 ソフトバンク 13 0 0 0 0 2 11 12 1 11 3 1 0 6 4.91
10 ソフトバンク 36 0 3 1 0 5 48 2/3 34 5 45 10 3 0 14 2.59
11 ソフトバンク 60 0 4 2 1 34 55 2/3 38 3 45 10 1 0 7 1.13
通算 5年 122 0 7 3 1 41 128 96 9 111 30 7 1 33 2.32

非常に小柄なサイドスロー左腕。一気に自信を掴み、昨年はチームの日本一に大きく貢献。
公称171cmという身長に加え、非常に細身の選手で、プロのグラウンドに立つと周囲より二周りは小さく見える。所属していた社会人チームが廃部となったため、規定より1年早くドラフト対象となり、分離ドラフト下位指名でソフトバンク入り。リリーフの即戦力の期待も高かったが、1年目の一軍登板は7試合6イニングのみ。いい結果は残したが、2年目は四球がかさんで一歩後退。二軍でも冴えない投球が続いた。
小さな体を目一杯使うフォームで、フィニッシュ後体が完全に後ろを向いてしまうほど回転が強い。08年まではスリークォーター中心の腕の振りだったが、腰の回転は完全に横方向。それもあって、08年秋季キャンプから腕を下げてサイドスローに完全に転向。
横手となった09年は前半こそわずかな登板数だったが、球宴後登板数増加。完全に定着というところには届かなかったが上昇気配を見せた。そして10年は大幅な飛躍に成功。シーズン序盤はさっぱりでしばらく二軍で過ごすも、再昇格した6月以降内容が一変。非常に安定した投球を続け、完全に一軍定着。強力と言われたリリーフ陣の一角を占め、貴重な左腕として存在感を見せた。
そして昨年はさらなる成長で欠かせぬ存在に。開幕からフル回転で6月頭まで無失点を継続。7月後半から9月前半にかけて20試合連続無失点と抜群の安定感でリリーフ陣を支え続けた。9月疲れを見せた時期もあったが、すぐに立て直しシーズン60試合登板。自己最多の4勝に34ホールドはチームトップ。前年の攝津と甲藤の役割を一人でこなすような活躍で、優勝の大きな原動力となった。ポストシーズンでも勢いは衰えず、日本シリーズでは無死満塁を無失点で切り抜け流れを呼び込む快投。
さほど球速はなくとも攻め込むボールとスライダーの切れが身上で、腕を下げたことで球筋が非常に鋭くなった。左打者への強さもさることながら、対右には外角のシュートが有効で、このコントロールに大きな自信を持っている。左右関係なく投入できるのも強み。
かなり攻略の難しい投手となった。小柄ゆえ登板数増加の反動が不安点だが、今季もリリーフの中心として期待大。一塁寄りに立ってさらに背中を向けるような構えは特徴的。

21 和田 毅

変則速球派、奪三振型

左投左打 新人王(03)、MVP(10)、最多勝(10)、ベストナイン(10)
浜田高〜早大 ダイエー/ソフトバンク03自由枠〜11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 23 3 8 8 0 0 162 167 12 123 36 3 3 65 3.61
09 ソフトバンク 15 1 4 5 0 0 84 1/3 72 13 87 24 1 1 38 4.06
10 ソフトバンク 26 1 17 8 0 0 169 1/3 145 11 169 55 1 2 59 3.14
11 ソフトバンク 26 4 16 5 0 0 184 2/3 145 7 168 40 4 5 31 1.51
通算 9年 210 36 107 61 0 0 1444 2/3 1263 142 1329 395 21 26 503 3.13

「ボールの出所を隠す」変則的なフォームが特徴の先発左腕。プロ入り以来コンスタントな活躍を続ける中心投手。
東京六大学で江川の持っていた奪三振記録を塗り替え、「松坂世代」で花盛りの大学生の中でも目玉とされた存在。自由枠でダイエー入りすると、1年目からその前評判に違わぬ活躍を見せた。即先発ローテーション入りし、14勝をマークして優勝に貢献。パ・リーグでは木田勇以来23年ぶりとなる満票獲得で新人王選出。これ以降突出した成績は残さないものの主力として安定した活躍を続ける。WBCに出場した06年は初めて防御率を2点台とするなど常に一定以上の結果を出し、プロ入りから5年連続二桁勝利を記録した。
テイクバックで腕が体の後ろに隠され、また俗に言う「女投げ」とも映る独特な腕の使い方をする。リリースのタイミングも他の投手とは若干ずれており、これがわずかであるがゆえに意識して対応することが難しい。非常に球の出所が見づらい上にタイミングも合わせにくいという特異なタイプ。スピードは平凡ながら多くの打者が振り遅れ、多くの三振を奪う投球スタイル。一見技巧派に見えて、実際は速球主体で攻める投手。
ずっと安定していたが08年はやや停滞。開幕からやや不安定で、前半までに7勝を挙げたが内容はあまり良くなかった。後半になると勝ちがつかないようになり、北京五輪から帰国後は1勝もできず4連敗でシーズン終了。連続二桁勝利が途絶えると、翌09年は肘の故障で長期戦線離脱。終盤9月に一軍復帰も見切り発車の印象が強く、早い回にKOされるなど状態はいまいち。シーズン4勝と不本意なシーズンに終わった。
やや頭打ち感も漂っていたが、10年復調に成功。というよりも一回り成長のシーズンとなった。開幕から先発の中心として安定した投球を見せ、5月から6月にかけて5連勝など前半で10勝到達。後半も8月にやや乱れた以外はペースが落ちず、3年ぶり6度目の二桁勝利は自己最多の17勝。金子と並び最多勝獲得、さらにMVPに選出とベストと言える結果を残した。
体調が戻ったことも大きいが、それ以上に低めの制球力が大幅に向上。これまでの大雑把なところが薄まり、投球全体が丁寧になってきた印象。昨年も前年以上に快調で、5月から7連勝マークなど安定した活躍。終盤も5連勝し、特に最後の4試合は30イニング無失点で全勝。タイトルには届かずも、16勝を挙げ1点台半ばの防御率はリーグ3位。チームを優勝に導く活躍で存在感を見せ付けた。
今度は相手を選ばずほぼ満遍なく快投し、MVPとなった前年以上の安定感を発揮。特に前年やられた西武を3試合で2点と抑え込んだ。入団時からメジャー志向が強いことで知られ、オフに海外FA権を行使。オリオールズと契約し、今季は米移籍ということになった。見かけによらずアバウトな速球派という投球スタイルがメジャーでどうなるか。

25 ブライアン・ファルケンボーグ

鉄壁リリーフ、ハイタワー型

右投右打 最優秀中継ぎ(10)
ソフトバンク09〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
09 ソフトバンク 46 0 6 0 1 23 51 2/3 39 1 62 9 1 1 10 1.74
10 ソフトバンク 60 0 3 2 1 39 62 39 0 83 8 0 1 7 1.02
11 ソフトバンク 53 0 1 2 19 20 50 2/3 27 2 79 16 2 0 8 1.42
通算 3年 159 0 10 4 21 82 164 1/3 105 3 224 33 3 2 25 1.37

09年の来日以来鉄壁の投球を続ける外国人リリーバー。難攻不落のセットアッパーとして「絶望の8回」などとも呼ばれる存在感を発揮する。
メジャー通算64試合登板、06年からの3年間3Aで52セーブのリリーフ型。楽天も獲得を目指していた投手で、前年リリーフに泣いたソフトバンクにセットアッパー候補として入団。そして開幕から期待以上の活躍を見せた。出産立会いの一時帰国を挟んで、5月後半まで16試合自責点0。その後も安定感の高い投球が続き、攝津とともに継投の大きな要に。オールスターまでに18ホールドを挙げ、「SBM」と名づけられた勝ちパターンの一角としてチームを支える活躍。8月に肘を痛め1ヶ月離脱、復帰するも状態悪くすぐ離脱と、終盤にかけては順調さを欠いたものの、46試合にリリーフ登板して6勝、1点台の防御率をマーク。
2mの長身に加え、ステップ幅の小さいフォームで非常に高い位置でリリースする。ここから繰り出す150km超の速球と落差の大きいフォークで空振りを奪う。縦のカーブも織り交ぜ徹底的に角度を活かした投球スタイル。ストライクゾーンで勝負できるため四球は少なく、たまに高めに抜けてくるボールがあっても打者が空振りしてしまう。球速差、フォークの落差、高角度と厄介な要素が揃い、まともに打ち返すのも至難の投手。
残留した10年も引き続き鉄壁の投球を展開。8月半ばにやや乱れた以外は終始安定した活躍で、今度は離脱もなく60試合に登板。前年同様攝津とセットアッパーの両輪となり、ホールドポイント同数で中継ぎタイトルを分け合った。単独のホールド数はリーグトップで、防御率はやっと1点を越える数字。
3年目となる昨年は攝津が先発転向、そして馬原が不調で二軍調整となり、シーズン序盤はクローザーを務めた。馬原復帰後はセットアッパーに戻ったが、夏場馬原が故障離脱すると再び抑えに。自身も8月短期間の離脱があったが、チームトップタイの19セーブを記録し、リリーフの中心として活躍。日本シリーズでも2セーブ3ホールドでチームの日本一に大きく貢献。
交流戦で2試合連続被弾など前半は失点もあったのだが、圧巻はここから。7月2日を最後に実に3ヶ月以上、31試合連続無失点でシーズンを終えた。やや四球は増えたものの奪三振率は14に達し、被打率も圧倒的な低さ。先発陣の実績者がごっそり抜けた今季はさらに重要な存在となりそう。馬原の不調が続くようならずっと抑えということも考えられるが、肘に抱える爆弾のため基本2連投までという制約でどうなるか。

28 大隣 憲司

速球左腕、先発型

左投左打
京都学園高〜近大 ソフトバンク07希望枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 22 6 11 8 0 0 155 2/3 122 16 138 39 5 1 54 3.12
09 ソフトバンク 26 0 8 10 0 0 129 1/3 144 19 107 41 5 2 66 4.59
10 ソフトバンク 20 0 4 9 0 0 110 2/3 116 12 91 43 1 4 53 4.31
11 ソフトバンク 9 0 3 0 0 0 34 2/3 22 2 33 4 3 1 9 2.34
通算 5年 85 6 28 31 0 0 474 447 56 402 151 16 11 211 4.01

アマチュアbPと呼ばれドラフトの目玉だった速球派左腕。即戦力の期待を1年目は大きく裏切ったが、2年目の08年本領発揮。
大学で脚光を浴び、リーグ戦通算22勝をマーク。同じリーグでは金刃(巨)とライバルと言われた。左腕、速球主体の投球、どっしりした体型、関西出身という諸条件が重なったことから「江夏2世」の異名も。06年のアマチュア最大の目玉として注目され、希望枠でソフトバンク入り。
当然即戦力として大いに期待されたが、1年目はキャンプから腰を痛めるなど順調さを欠き、一軍昇格は6月になってから。初登板の先発で初勝利を挙げるも、その後はあまり内容も伴わず、後半はまた故障で離脱。結局2勝しかできず、非常に不本意な結果に終わった。しかし2年目の08年は発奮。開幕ローテーション入りし、完投完封の連勝スタート。その後4連敗と躓きかけたが、6月以降復調。夏場はチームで一番の安定感を見せ、先発の軸となった。11勝を挙げ2年目に躍進成功。
球種は多くないが、速球で空振りを取れる本格派タイプ。乗った時の切れ味はさすがに一級品で、上背はないながらも力で押し込める。立ち上がりの良くない尻上がりタイプで、その分完投能力は高い。
これで一本立ちかと思われたが、これ以降精彩を欠くように。主力と見込まれた09年非常に不安定な投球が続き、一時先発を外されることに。最終的に8勝はしたが、4点台後半の防御率で10敗を喫した。翌年はさらに冴えない状態となり、4月に1勝した後6連敗を喫して一時二軍落ち。後半復帰後3勝も出入りの激しい投球は変わらず。4勝止まり、9敗と大きく負け越して終了。
見かけによらず精神的に弱い面があり、逃げの投球に走ることが多々ある。再三脆さを見せたことから信用を落とし、先発充実の昨年は一軍滞在が短く登板数が激減することに。5月にはリリーフで起用されていた。だがこういった立場に追い込まれたことで発奮したか、先発起用となった夏以降は久々に輝きを見せた。7月のマウンドでは8回1安打零封、ここから2ヶ月もチャンスがなかったが、9月中旬から3連勝をマーク。やや置いていかれていた先発争いにもう一度名乗り。
このところ見られた置きに行くような投球が昨年は見られなかった。非常に機会は限られ登板数は一桁に留まったものの、印象としては過去2年より良好なほど。本来二桁狙える投手で、今季はフルシーズンの一軍に返り咲きたい。

34 山田 大樹

大型左腕、育成上がり型

左投左打
つくば秀英高 ソフトバンク07育成ドラフト1巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク (- - - - - - - - - - - - - - -*育成)
09 ソフトバンク (- - - - - - - - - - - - - - -*育成)
10 ソフトバンク 13 0 4 4 0 0 58 2/3 59 6 44 33 7 3 30 4.60
11 ソフトバンク 17 1 7 7 0 0 110 2/3 88 7 67 33 5 2 35 2.85
通算 5年 30 1 11 11 0 0 169 1/3 147 13 111 66 12 5 65 3.45

育成選手として3年を過ごした後、10年一軍台頭を果たした若手左腕。先発候補として着実にステップを踏み、前進中の存在。
身長188cmの大型投手で、高校から育成ドラフトでソフトバンク入り。2年目の08年に肘を疲労骨折するなどしたが、復帰した09年は球速が向上。育成のまま3年経過したため09年オフ一旦自由契約も、秋季キャンプにテスト参加。この時王会長の目に止まったとされ、育成再契約となった。自由契約時に他球団から声がかかったという話も。
そして10年は急上昇のシーズンに。開幕前に支配下登録され、左投手の花形とも言える背番号34に大幅「昇格」。これまで結果を出せていなかった二軍戦で5連勝をマークし、6月一軍昇格。3度目の登板で終盤まで1失点の好投を見せプロ初勝利も挙げた。以降先発として起用が続き、シーズン4勝。ローテーションの一角をうかがう活躍。
速球にスライダー・チェンジアップを中心とする速球派。育成時代は最速150km超というスピードが注目されていたが、これを少し控えめにする代わり、非常に球持ちが良くなった。制球に粗さを残すも、長身から粘っこいリリースで投じる。
オーストラリアのウインター・リーグに参加し、迎えた昨年はさらに向上。先発5番手として戦力となり、交流戦ではプロ初完封を記録。夏場やや乱れたことから後半は登板機会が減ったものの、シーズン7勝と前進に成功した。日本シリーズでも6回無失点で勝利投手に。
四球が大幅に減ったように確実に成長を続けている。最も多く投げた日本ハム戦は2勝3敗ながら防御率1点台と相性が良く、6試合中4試合がダルビッシュとの投げ合い。ピンチに動じない精神力の強さも魅力で、今季はシーズン通してローテーション定着を望まれる存在。一気に二桁勝利の期待がかかる。

38 神内 靖

力投左腕、力勝負型

左投左打
延岡学園高 ダイエー/ソフトバンク02ドラフト4巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク - - - - - - -- - - - - - - - -
09 ソフトバンク 26 0 2 3 0 3 34 2/3 26 4 33 22 2 4 15 3.89
10 ソフトバンク 10 0 0 0 0 0 16 2/3 18 3 17 6 1 3 13 7.02
11 ソフトバンク 2 0 0 0 0 0 1 2/3 4 1 2 0 0 1 3 16.20
通算 10年 130 0 12 11 0 18 248 235 28 239 106 11 19 114 4.14

球威ある速球で押すスタイルの左腕。先発もリリーフもこなし、05年に急台頭。
高校時代は2年の時に甲子園出場。同郷・同年齢の寺原とはライバル的存在だった。入団早々に実績を残した寺原とは対照的に1,2年目は二軍で過ごしたが、04年一軍昇格を果たし初先発も経験。徐々に力をつけて、一軍に近づいてきた。そして4年目の05年は開幕一軍入りを果たし、4月だけで3勝をマーク。前半の活躍からリリーフとして完全に一軍定着。後半は失速したが、46試合に登板し主力の一角に。一時はセットアッパーを務めるほどの勢いを見せた。そして06年はさらにパワーアップ。一目で分かるほど体が大きくなり、何よりスピードが5km以上アップ。リリーフ専門から先発候補にも浮上し、不振の杉内に代わって一時ローテーション入り。自己最多の6勝を挙げ、さらに存在感を高めることに成功した。先発に廻っても奪三振率は落ちずむしろ上昇。非常に力強さを感じさせた1年だった。
最大の武器は速球で、スピードガン表示以上の伸びを感じさせる球質。上背はないが真上から投げ下ろし、全身でぶつかっていくような迫力あるフォームで投げ込む。抜群の球威とともに、落差の大きいカーブとの緩急も駆使する。
ここまでは順調な成長を見せていたが、07年大きく足踏み。開幕後に調子を崩し、さらに故障で長期離脱。後半復帰も投球は冴えず、わずか8試合1勝と大きく期待を裏切ってしまった。08年は3月に肘を手術し、二軍でも実戦登板なし、完全にリハビリのシーズンに。
故障を境に制球難が顕著となり、近年はどうも停滞状況に陥っている。09年は故障明けながら開幕一軍入りし、シーズン最初の登板で2年ぶりの勝利投手になるなど幸先の良いスタートを切った。しかし徐々に不安定となり、後半は一軍半状態に。復調とまでは言えない結果に終わった。そして10年も序盤こそ一軍に留まるも、ロングリリーフで好投しながら、続く先発では早々にKOなど不安定な投球。リリーフでピリッとしない投球が続くと二軍落ちとなり、以降一軍に戻れなかった。登板数半減で大きく後退。
ここ数年で存在感が急激に落ちている。昨年は調子が上がらずずっと二軍。8月末にようやく一軍昇格したが、リリーフ2登板いずれも失点とさっぱりの投球ですぐに二軍落ち。結局さらに落ち込む結果に終わった。力強さはあっても制球が荒れることから以前よりカーブが効果的に使えず、投球が単調に、そして雑になっている。落ちる一方の成績を上向かせないとそろそろ危ない立場。

39 久米 勇紀

速球サイド、頭打ち型

右投右打
桐生一高〜明大 ソフトバンク08ドラフト(大・社)3巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 40 0 4 1 3 15 36 48 2 20 12 4 3 13 3.25
09 ソフトバンク 18 0 1 0 0 0 19 14 2 13 9 0 0 5 2.37
10 ソフトバンク 4 0 0 0 0 0 3 4 0 1 7 0 0 6 18.00
11 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
通算 4年 62 0 5 1 3 15 58 66 4 34 28 4 3 24 3.72

入団即リリーフで活躍したサイドスロー右腕。故障者多数の投手陣にあって、前半救世主的存在となった。
高校大学ともに一場(ヤ)の3年後輩。高校時代は内野手で、投手転向は大学から。分離ドラフト3巡でプロ入りすると、即戦力として高い評価を受けて開幕一軍入り。開幕戦早速登板し、チームのサヨナラ勝利でプロ初勝利、次の登板でもサヨナラで連勝と幸運なスタートを切った。その勢いのまま前半は大車輪の活躍。馬原も水田も不在という状況から重要な場面で積極的に起用され、ゲーム終盤を支える活躍を見せた。6月終了時で30試合に登板、4勝2セーブに14ホールド、防御率は1点未満と獅子奮迅の働き。
横手から140km台中盤の速球を繰り出す力の投手で、特徴的なのはそのフォーム。大学入学まで内野手だったという経歴を示すように非常に野手投げに近い投げ方で、テイクバックもステップも小さめ。普通の投手とは少しタイミングが違っており、そこから繰り出す伸びのある速球が最大の武器。
大きな存在となった前半だったが、さすがに後半は失速。二軍落ちも経験し、7月以降は10登板、その内7試合で失点と息切れに終わった。2年目の09年は調子を戻し、主にリードされている場面ではあったが好投続き。ところが6月練習中に右手首を骨折するアクシデントで離脱となり、後半を完全に棒に振った。すると10年は無事に登板するも一転ガタガタの内容に。開幕一軍も2試合続けて失点で二軍落ち。5月再昇格も、大差のついた終盤に1イニング投げきれないという内容で、これ以降は最後まで二軍暮らし。わずか4試合の登板、そのうち3試合で失点というさっぱりな結果に終わった。
元来アバウトなタイプではあるが、このところは制球の粗さが強く出てしまっている。昨年はシーズン通して二軍暮らし。下では32試合で防御率1点台前半と好成績を残したが、一軍のリリーフ陣が好調で割り込めないまま終わった。デビューをピークに完全にジリ貧状態となっており、この辺りでその流れを止めないと厳しくなる。要再奮起。

40 藤岡 好明

速球サイド、奪三振型

右投右打
宮崎日大高〜JR九州 ソフトバンク06ドラフト(大・社)3巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 11 0 0 0 0 0 8 7 0 4 1 1 0 3 3.38
09 ソフトバンク 38 0 5 8 0 2 101 2/3 98 10 82 38 4 5 52 4.60
10 ソフトバンク 32 0 1 2 0 1 54 56 1 57 21 3 3 27 4.50
11 ソフトバンク 5 0 1 0 0 0 8 1/3 10 1 8 5 2 1 9 9.72
通算 6年 184 0 13 15 1 36 269 261 15 241 102 17 12 127 4.25

入団1年目から主力リリーフとして活躍したサイドスロー投手。しばらく不調に陥っていたが、一時は先発にも挑戦。
社会人から分離ドラフト3巡指名でソフトバンク入り。シーズン前はそれほど注目は高くなかったが、開幕一軍入りを果たすと実戦で活きのいいピッチングを展開。セットアッパーを任されるようになり、何度か好不調の波はあるも、シーズン通してリリーフの中心に定着。チームトップの62試合に登板、31ホールドを記録し、文字通り即戦力となった。投手陣の新星として活躍。
サイドスローから常時140km台中盤を記録する速球が最大の武器にして特徴。力勝負でぐいぐい押す、ある意味単調な投球でもあるが、切れ味鋭く三振奪取率が高い。これだけ速球勝負をしながら被本塁打0が光った。外国人の懐に攻め込む度胸の良さも武器。
ただ荒削りな部分も多く、2年目はそれが前面に出た。開幕から失点続きで5月時点の防御率が10点台と散々。セットアッパー1番手の期待を大きく裏切ってしまった。故障もあって2ヶ月以上離脱、終盤は好投も見せたが前半の失点が響いて5点近い防御率に。不調は翌08年も続き、また故障もあって登板数激減。全く目立たぬまま終わった。
09年ようやく復調を果たし、序盤はリリーフで好投。その後意外な形で存在感を発揮した。5月半ば頭数の揃わない先発に穴埋めする形で廻り、なかなかの投球を披露。以降しばらくローテーション入りすることに。夏以降調子を落としてまたリリーフに戻ったが、14試合に先発して5勝をマークした。
しばらく悩まされていた股関節の不安を払拭し、スライダーが切れ味を増した。ただ元来力投型のリリーフ、先発は急造ということでスタミナは大いに不足。先発陣に右が手薄というチーム事情から10年も当初は先発でスタートしたが、今度はさっぱり。1勝(これも5失点)したあと派手に失点して連敗。4月後半からはリリーフに戻り、そのままシーズンを過ごした。ビハインド時のロング要員という位置づけで計32試合に登板。
先発としては一巡目は良くても二巡目となるとはっきり捉まってしまう。左に弱い傾向もはっきりし、リリーフに戻った昨年だったが登板数激減。5試合は自己最少で、内容も悪く一軍から遠ざかってしまった。力強さの反面少し投球に粗っぽいところがあり、昨年はそれが強く出てしまった印象。随分信用を落としてしまったが、今季は何とか一軍に巻き返したい。

41 岩嵜 翔

先発台頭、期待株型

右投右打
市船橋高 ソフトバンク08ドラフト(高)1巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 1 0 0 0 0 0 3 7 0 1 0 0 0 3 9.00
09 ソフトバンク 1 0 0 1 0 0 4 1/3 7 0 1 1 0 0 3 6.23
10 ソフトバンク 6 0 0 3 0 0 22 1/3 30 2 9 9 1 0 20 8.06
11 ソフトバンク 13 2 6 2 0 0 79 1/3 70 4 33 22 5 4 24 2.72
通算 4年 21 2 6 6 0 0 109 114 6 44 32 6 4 50 4.67

4年目の昨年先発の一角に食い込んできた若手右腕。将来の主力と期待されていた存在が頭角を現してきた。
高校時代一時サイドスローにしていたが、オーバーに戻して球速が向上。オリックス入りした山崎正との二枚看板で3年時夏に甲子園出場。高校生ドラフトでは中田(日)の外れ1巡だったものの、中日とソフトバンクが競合指名。抽選の末ソフトバンク入りとなった。
188cmの長身と肩の柔軟さから「斉藤和巳の後継」と期待され、1年目から二軍で1点台の防御率で5勝の好成績、ファーム選手権では完投勝利と活躍。一軍でも打ち込まれたものの先発登板を記録した。ただその後2年は二軍では安定した結果を残すも一軍の壁を突破できず。先発機会を与えられるも4連敗と食い込めずにいた。
しかし4年目の昨年ついに一軍台頭。6番目の先発に食い込み、なかなか手にできなかった初勝利を5月半ばに記録。あくまで先発6番手の「候補」という立場から常時一軍ではなく、登板間隔はまばらだったが、ここから8月中旬にかけて初完封を含む5連勝を記録。終盤少し乱れた後最後の登板で勝利し、一気にシーズン6勝を挙げた。
転機は昨オフ派遣されたプエルトリコのウインター・リーグ。ここで10試合8勝の結果を残し、最多勝に最優秀投手受賞。所属したチームから帰国予定を延期して年明けのチャンピオンシップにも出場して欲しいと頼まれるほどの大活躍を見せた。自信を掴むと同時に、ここで習得・武器としたツーシームが大きな財産に。これまで速さはあるものの球筋が素直すぎて空振りが取れず、一軍レベルでは決め手不足が顕著だったが、打たせて取る投球スタイルを確立したのが台頭の原動力となった。昨年取ったアウトの半数近くがゴロによるもの。
まだ相手を選んで起用されており、昨年対パの登板は3勝ずつを挙げた楽天と西武戦のみ。まだ運と統一球に恵まれた面も否めないが、最後の登板では力強さも垣間見せ、今季さらなる飛躍が期待される。次は常時一軍のローテーション入りを狙いたい。

47 杉内 俊哉

先発左腕、奪三振型

左投左打 最多勝(05)、最優秀防御率(05)、MVP(05)、ベストナイン(05)、沢村賞(05)、最多奪三振(08,09)、最高勝率(09,10)
鹿児島実高〜三菱重工長崎 ダイエー/ソフトバンク02ドラフト3巡〜11、巨人12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 25 8 10 8 0 0 196 162 15 213 36 2 3 58 2.66
09 ソフトバンク 26 6 15 5 0 0 191 145 14 204 63 4 7 50 2.36
10 ソフトバンク 27 5 16 7 0 0 182 2/3 169 12 218 60 8 10 72 3.55
11 ソフトバンク 23 7 8 7 0 0 171 1/3 122 8 177 49 8 5 37 1.94
通算 10年 225 42 103 55 0 0 1520 1/3 1296 117 1597 446 41 35 494 2.92

日本球界を代表する先発左腕。数々のタイトルに輝き、二桁勝利6度の実績を持つ。奪三振が非常に多い投手。
高校時代から評判の投手で、甲子園でノーヒットノーランを記録。社会人に進んで球速を伸ばし、02年に当時のダイエー入り。即戦力を期待されるも1年目は2勝止まりと結果を残せなかったが、2年目に急成長。前半こそ中継ぎに廻るなど苦しんだが、先発復帰を果たすと連勝街道に突入し10勝到達。日本シリーズでMVP獲得と大きな飛躍を遂げた。これで一気に中心投手に、と思われたが、04年大きな足踏み。なかなか調子が上がらず、KOされた憤慨からベンチを殴打して両手指を骨折。大失態でシーズン後半を棒に振ってしまった。
この“熱くなりすぎる”性格が投球面でも問題だったが、この不祥事をバネにして05年は別人のように大変身。開幕から落ち着いた投球で8月一杯まで1点台の防御率を維持。快調に白星を積み上げ18勝、最多勝に最優秀防御率獲得、奪三振率・被打率ともに両リーグトップで、MVPに沢村賞とタイトルラッシュ。その名を大いに高めるシーズンとなった。
フォームに独特の間を持つ投手で、ゆったりとしたモーションからピッと空気を切るようなリリースが特徴的。ストレートは球速表示以上のスピード感があり、空振りを奪える球質。スライダーやチェンジアップも切れ味鋭く、好調時には高い確率で二桁三振を奪うタイプ。
WBC代表にも選出された06年は一転して不振。制球が荒れ気味で、カウント作りに苦しみ7勝止まりと不本意な結果に。翌07年は好調でオールスターまでに12勝。最終的に15勝で3度目の二桁勝利と、ここまでは完全な隔年状態。しかし08年10勝を挙げそのサイクルから脱出に成功。五輪から帰国後の終盤はやや出入りが激しかったが、3年ぶりの200三振突破で奪三振タイトル獲得。
斉藤が故障で離脱以降はエースとしてチームを牽引。09年は2度目のWBCで5試合をノーヒットに抑える鉄壁リリーフを見せ、シーズンでも5月から7月にかけて7連勝、そのあとまた6連勝と快進撃。最多勝には一歩届かずも15勝、2年連続の大台突破で最多奪三振。さらに最高勝率タイと文句のつけようのない活躍。和田の故障などで手薄になった先発陣を支え続けた。10年は4月末時点で6勝、4月前半から5月にかけて6連勝と絶好のスタートを切り、前半だけで10勝到達。終盤乱れるところも見せたが、4年連続二桁となる16勝をマーク。タイトルには届かずも、勝利、奪三振リーグ2位の結果を残し、奪三振は自己ベストタイ。ただ内容自体は近年の中では悪いほうで、防御率も4年ぶりに3点台に。
10年は威力を増したチェンジアップに少し頼りすぎという面もあったが、昨年は大きく改善された。開幕から安定した投球を続け力を発揮。援護に恵まれず、さらに終盤肩の痛みで1ヶ月の離脱。そのため8勝止まりで4年続いていた二桁勝利に届かなかったが、防御率は自身初めての1点台。エースとしての存在感は充分に見せたシーズンだった。
同じ左腕で同い年、同僚だった和田との比較で言えば、力では杉内が上回る。好調時には全く手がつけられない投球をする一方、安定感では和田に軍配。杉内も不安定な訳ではないが、ゲーム中の修正力にやや欠け、不調時は立ち直れないままという場面も稀に見られる。
前年からフロントとの確執が取り沙汰され、オフにFA宣言。残留交渉でも溝は埋まらず、今季は巨人へ移籍となった。リーグが変わっても通常の状態ならばタイトル争い必至の投手で、巨人にとっては途轍もなく大きな補強。一方ソフトバンクにとっては非常に痛手。欠点を強いて言えば、三振を狙いすぎるため投球数がかさむ傾向が強い点か。

48 甲藤 啓介

力投右腕、リリーフ台頭型

右投右打
高知高〜近大 ソフトバンク06ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 9 0 0 1 0 0 18 2/3 22 3 11 11 0 1 10 4.82
09 ソフトバンク 6 0 0 0 0 0 6 2/3 5 1 4 1 1 1 2 2.70
10 ソフトバンク 65 0 2 0 0 15 76 66 3 74 23 9 1 25 2.96
11 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
通算 6年 81 0 2 1 0 15 102 1/3 93 7 89 35 10 3 37 3.25

10年一気に登板数を増やし、一軍定着を果たした右腕。チームの投手陣で一番とも言える伸びを見せ、大きな戦力となった。
大学は大隣の1年先輩。1年目は完全に二軍だったが、2年目はチームのファームで唯一規定投球回に到達、一軍初登板も記録した。にわかに注目されたのが3年目の08年で、キャンプからオープン戦と一軍に帯同、開幕6戦目にプロ初先発登板。ただ結果的には登板数一桁にとどまり、09年も終盤の6試合のみ。ここまでは一軍半に落ち着いていた。
しかし5年目となる10年は開幕から一軍に入り、登板数が飛躍的に増えた。序盤は失点も多くさほど内容は良くなかったが、5月以降急激に安定感が向上。重要な場面の起用も増え、いつしか僅差の中盤を任されるように。前年確立した勝ちパターン「SBM」と並び称されるようになり、背番号48を加えた「SBM48」なる呼称も生まれた。一軍定着どころか主力と目される存在に。最終的にチームでは攝津に次ぎ、リーグでも2位タイという65試合に登板、防御率2点台のままシーズン終了。さすがに後半はバテも見えたが、チームの優勝に大きな戦力となった。
速球とスライダーが中心で、勢いのあるフォームで力いっぱい投げ込む力投型の投手。細かいコースを突くのではなく力で押し込む投球が持ち味。プロ入り当初より球速が増しており、また10年はこれまでの決め手不足が解消。大幅に奪三振率が上がった。
投げ続けることで自信を深め主力となったが、投げすぎの反動はやはり出た。昨年はキャンプで肘を痛め離脱。実戦復帰は6月の後半、三軍でのもので、二軍戦登板も終盤になってから。前年から一転5年ぶりに一軍登板なしに終わった。
シーズンをほぼ棒に振り、今季一軍復帰を目指す。どこまで状態を戻せるかが焦点だが、勢いで抑えていた部分もあり、それが一度止まったことでどうなるかという点も気になるところ。躍動感ある投球を復活させたい。

50 攝津 正

先発転向、高バランス型

右投右打 最優秀中継ぎ(09,10)、新人王(09)
秋田経法大付高〜JR東日本東北 ソフトバンク09ドラフト5位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
09 ソフトバンク 70 0 5 2 0 34 79 2/3 51 3 102 35 1 3 13 1.47
10 ソフトバンク 71 0 4 3 1 38 82 1/3 52 3 89 21 5 1 21 2.30
11 ソフトバンク 26 3 14 8 0 0 177 2/3 148 10 150 31 6 2 55 2.79
通算 3年 167 3 23 13 1 72 339 2/3 251 16 341 87 12 6 89 2.36

プロ入りすると即セットアッパーとしてフル回転し、昨年は先発転向で二桁勝利の右腕。様々な活躍でチームに欠かせない重要な存在となっている。
早い内から好投手という評価は得ていたが、なかなかプロから声はかからず、8年という長いキャリアを社会人で過ごした。ドラフト時26歳とやや遅めの年齢でプロ入り。指名順位も5位と低めだったが、オープン戦10試合無失点の快投で開幕一軍入り。
そしてシーズンに入るとさらなる活躍を見せた。4月2敗は喫するも11試合投げて失点はその2試合のみ。4月末からは抜群の安定感を発揮して、一気にセットアッパーの一角に定着。同じく新加入のファルケンボーグとともに馬原につなぐ継投パターンを確立し、親会社にひっかけて「SBM」とも呼ばれるようになった。その後も勢いは衰えず、後半ファルケンボーグが離脱すると中継ぎの一本柱として奮闘。リーグ最多登板で1点台前半の防御率を維持、ホールドポイント最多でタイトルに輝き、文句なしの新人王に選出。
テイクバックの際腕を背中側に出さず、和田毅をそのまま右投手にしたような形を取る。ボールの見にくいフォームもさることながら、全体的に完成度が非常に高かった。特に光ったのが制球力の良さで、140km台中盤の速球をコーナー一杯に決めて見逃し三振に取る場面が多かった。カーブやシンカーといった変化球もきっちり操り、これほどの投手が長く指名されなかったのが信じられないレベルの投球。
2年目の10年は開幕当初もうひとつの状態で、制球もややバラついていたことから疲労を懸念されたが、調子上昇で払拭。前年と同じく不動のセットアッパーとなり、8月には14試合で1失点の快投。1年目に続いて70試合に登板、リーグ2位の38ホールドを記録。ホールドポイントで並び、2年連続の中継ぎタイトルをファルケンボーグと同時受賞。チームの優勝に大きな貢献を果たした。
リリーフの柱だったが、2年連続フル回転の負担考慮とチーム事情から昨年は先発に転向。過去に失敗例も数多い転向だったが、見事に結果を残した。シーズン初登板こそ8失点KOされるも、徐々に先発のペースを掴んで安定。ローテーションに完全定着し、8月頭には10勝到達。終盤も連勝で最終的に14勝をマーク。コンスタントに力を発揮し、大半のゲームで2失点以内に抑えた。レギュラーシーズンではすべて先発だったが、日本シリーズでは1度先発の後リリーフ起用され、胴上げ投手に。
速球はもちろん、変化球すべてが勝負球になるのが大きな強み。先発でもこの幅広さと緩急は武器となった。特に日本ハムには4勝1敗と好相性で、イニングを越える三振を奪取。今オフ主力投手が続々退団したことで、今季は必然的に先発の中心を期待されることに。今度はエースという立場を望まれる。

51 金澤 健人

球威リリーフ、力投型

右投右打
磯原高〜NTT関東 阪神99ドラフト2位〜06、日本ハム07〜08、オリックス09〜10途中、ソフトバンク10途中〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 日本ハム 4 0 0 1 0 0 18 23 5 8 7 1 1 12 6.00
09 オリックス 5 0 0 0 0 0 7 2/3 10 2 5 3 1 0 4 4.70
10 ソフトバンク 38 0 1 1 0 1 46 2/3 40 3 30 18 3 1 15 2.89
11 ソフトバンク 53 0 1 1 3 16 43 1/3 31 2 30 12 3 2 8 1.66
通算 13年 256 0 12 11 4 22 345 342 41 247 111 27 16 151 3.94

シュート・スライダーによる左右の揺さぶりと球威を身上とする投手。ここまで4球団を渡り歩き、13年目の昨年キャリアハイの活躍。
99年、所属する社会人チームの統合により規定より1年早く阪神入り。当初から即戦力ではなく数年後に期待という評価で、1年目は二軍暮らし。2年目に初めて一軍のマウンドに立ったが、防御率6点台と散々。しかし02年から常時一軍の投手に成長してきた。
02年は50試合に登板しプロ初を含む5勝。03年も主にリードされている場面だが順調に登板機会を貰い、成績もかなり向上。特に4点台だった防御率を2点台に向上させた。ただ04年は成長が止まったような印象で、すべての面で停滞風味。結果だけ見ればまずまずも、もう一つ信頼されるに至らなかった。
メインはリリーフでも、先発をこなせる利便性がある投手。圧倒的に抑えるわけではないが、それなりの安定感は持っている。細かい制球ではなく力でねじ伏せにいく力投型で、ややポカが多いためセットアップや抑えを任せるには怖いが、使い勝手の良さに魅力がある。
05年は肘の手術で一軍登板なし。06年復帰し内容は物足りないながらもまずまずの登板機会を得た。しかし日本ハムへ移籍して以降しばらく低迷が続いた。07年序盤はまずまずも、先発した辺りから大きく調子を崩し、長期二軍暮らし。自己ワーストの防御率に終わった。08年も二軍が長く、ダルビッシュ不在の夏場に先発要員として昇格も、結局4試合だけで8月一杯で二軍に。戦力外となり09年はオリックスに移ったが、ここでもほとんど二軍暮らし。10年も二軍にいたところでソフトバンクへ移籍。
一軍から遠ざかり崖っぷちというところにいたが、このシーズン途中のトレードから息を吹き返した。移籍当初は不安定さが目に付きそれほど存在感はなかったが、8月以降これが一変。急激に安定感が増し、主にビハインド時のリリーフとして戦力に食い込んだ。9月には3年ぶりの勝利も挙げ、登板数は7年ぶりに30試合を突破。2点台の防御率も7年ぶりで、久々に浮上に成功。
そして昨年はさらなる活躍で存在感を大きく向上、欠かせない戦力となった。開幕から好投を続け、特に6月中旬から9月にかけて22試合連続無失点の快投。信頼度は大幅に上昇し、馬原に続いてファルケンボーグも離脱した夏場には抑え役も任され3セーブ。左の森福とともにシーズン通してリリーフを支える働きで優勝に貢献。53試合登板は9年ぶり更新の自己最多、そして防御率1点台と目覚しい働きの一年だった。
実際の投球では抜けた甘い球も多かったのだが、打者がことごとく打ち損じたのは腕の振りが良かったためか。気合の入った投げっぷりで難しい場面もこなし、得難い存在となった。30歳を越えてから自己ベストの結果を残し、今季も活躍を望まれる。

54 D・J・ホールトン

先発成功、緩急型

右投右打 最多勝(11)
ソフトバンク08〜11、巨人12〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 28 0 4 7 6 0 84 1/3 82 10 86 31 3 0 40 4.27
09 ソフトバンク 25 3 11 8 0 0 171 137 22 138 43 6 2 55 2.89
10 ソフトバンク 16 0 8 6 0 0 79 97 11 69 25 1 1 50 5.70
11 ソフトバンク 26 3 19 6 0 0 172 1/3 132 8 121 36 7 2 42 2.19
通算 4年 95 6 42 27 6 0 506 2/3 448 51 414 135 17 5 187 3.32

先発で活躍する外国人右腕。左腕の多いソフトバンクの先発陣にあって右のエース格とされた存在。
パウエルの契約問題がごたついていたさなかの08年春季キャンプ直前に契約。05年にメジャー6勝の実績を持つが、流動的だったパウエルも含めるとチームで6人目の外国人投手ということで、当初は保険的な立場と見られ注目度は高くなかった。しかし故障者の多い状況から4月前半に昇格するとリリーフで戦力に。馬原が肩の違和感で大きく出遅れたこともあり、序盤はしばらく代役抑えを務めた。4月は6試合9イニングでわずか1安打しか許さない快投も、長くは続かず交流戦で乱調となり、一旦二軍落ち。その後先発として調整し、7月に再昇格以降はローテーション入り。最終的な成績はパッとしないものの、チームの手薄なところを補う働きを見せた。複雑な起用法ながら、結局6人の外国人投手の中で最も戦力となり残留。
140km台前半のストレートに、大きなカーブとチェンジアップで緩急を駆使するタイプ。スピードガン表示は平凡ながらも、外国人には珍しく縦のスピンが効いた伸びのある速球で、球持ちの良さもあいまって真っ直ぐで空振りが奪えるのが特徴。速球は高めに浮き気味できめ細かいコントロールではないが、四球は少なく自滅はしない投手。
最初から先発となった2年目は前年以上に大きな戦力となった。先発陣の足並みが揃わない中、開幕から安定した投球を展開。右の1番手としてチームを支え続けた。7月末時点で2点台前半だった防御率は、8月以降で若干落としたものの、杉内とともに最後までローテーションを維持。二桁11勝を挙げ、Aクラス浮上の原動力の一人となる活躍。
だが翌10年は一転して不調。前年4勝とカモにした日本ハムに崩されたのを皮切りに、不安定な投球が続いた。さらに5月には足の故障で離脱。復帰後も調子は上がらず、終盤には故障再発で再度離脱。8勝はしたものの、防御率は5点台後半と大幅に成績を落としてシーズンを終えた。
この状態から一時自由契約となるも、再契約して臨んだ昨年は急上昇。初戦に敗れた後6連勝し、球宴前に早くも10勝到達。その後も活躍を続け、9月以降再び6連勝。19勝を挙げ、田中と並ぶ最多勝のタイトルに輝いた。日本シリーズでも先発勝利を記録し、チームの優勝・日本一に大きく貢献。
飛びにくいとされる統一球が有利に働き、また打線の良かったチームの中でも一際援護が多く、早い回での援護で余裕を持って投げられたことも大きかった。欠かせない戦力だったが、前年に続いて契約交渉が難航。最終的にまとまらず自由契約となり、今季は巨人へ移籍となることに。ソフトバンクとしては和田・杉内に続いて3本柱が揃って抜けるという事態。一方の巨人にとっては大きな補強。ただ、一番頼れる武器が高めのストレートという典型的なフライボールピッチャーで、狭い球場のあるセ・リーグ、ホームランの出やすい東京ドームをホームとしてどうなるかは若干不安材料。

57 アンソニー・レルー

先発右腕、不運型

右投右打
ソフトバンク11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 ソフトバンク 4 0 0 0 0 0 5 6 0 1 1 0 0 1 1.80
通算 1年

昨年ソフトバンク入りの外国人投手。メジャー実績は通算20試合で1勝のみと乏しいが、前年3Aで9勝をマークした先発タイプの投手。長身からのストレートとチェンジアップで打たせて取るタイプ。
本来の獲得意図は先発要員であり、10年左偏重だったローテーション候補として入団。しかし開幕前に充分アピールできず、さらに開幕すると6人の先発がすべて好調という状態。入る余地が全くなく、一軍登板4試合はすべてリリーフ、それも点差の開いた楽な場面ばかりだった。6月頭に二軍落ちとなると、以降再昇格なくシーズン終了。
アピール不足が最大の理由ではあるが、それにしても先発陣に全く穴が開かない状況はレルーにとっては不運なものだった。リリーフ向きの投球ではなく、といって先発はノーチャンス状態。仮に10年に在籍していたらチャンスはもっと多かっただろうが…。1年限りで退団。

63 藤田 宗一

鉄腕リリーフ、パワー型

左投左打 最多ホールド(00)
島原中央高〜西濃運輸 ロッテ98ドラフト3位〜07、巨人08〜10、ソフトバンク11
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 巨人 39 0 0 0 0 13 29 30 2 21 8 1 0 10 3.10
09 巨人 19 0 1 0 0 2 17 1/3 20 1 10 1 0 0 4 2.08
10 巨人 - - - - - - - - - - - - - - -
11 ソフトバンク 19 0 0 1 0 5 9 1/3 10 1 8 5 3 0 10 9.64
通算 14年 600 0 19 21 8 77 454 478 39 366 124 15 9 196 3.89

長年ロッテの左の中継ぎエースだった投手。プロ入りから5年連続、計7度の50試合以上登板を記録している鉄腕。特に1年目はストッパー的役割も果たした。
社会人からロッテ入りすると即戦力として活躍。左腕リリーフとして貴重な存在となり、この年不調に陥った河本の代わりに抑え役を任される場面も。1年目から56試合に登板し、2点台そこそこの防御率で6勝7セーブを挙げた。その後はショートリリーフがメインとなり、99,00年は連続リーグトップの登板数。02年まで常に50試合以上登板と、使い減りしないタフさで活躍。00年は70試合に投げて最多ホールドにも輝いた。
投手としては小柄な方だが、どっしりした体形から力強いボールを投げる。球種は少ないが直球のスピードとスライダーの切れはかなりのレベル。グイグイ押すピッチングで制球はやや甘いが、強気に攻め込むのが持ち味。
03年は開幕に出遅れ、28試合登板と不本意なシーズンとなった。しかし翌年には鉄腕復活。さらに05年は自身最高のピッチングを見せ、抜群の安定感でチームの継投プランを支えた。ポストシーズンでも6試合無失点に抑え、優勝にも大きく貢献。06年は終盤打ち込まれて少し落ちたが、それでもチームトップのホールドを記録。チームに左腕リリーフは他に敗戦処理中心の高木がいただけで、接戦のマウンドは事実上藤田の独壇場だった。
しかし07年は信じられないような大不振。スタートも悪かったが5,6月に14試合で18失点という悪夢のような大炎上。再調整後も状態は上向かず、シーズン通して不調のまま終わった。4割近い被打率の滅多打ち状態で、防御率10点オーバーという目を疑うような結果に。この不振でシーズン後戦力外に。
力の衰えも懸念されたが、巨人移籍の08年は復調。特に前半はなかなかの安定感を見せた。8月以降失点がかさんで防御率を落としたが、どん底の状態から脱出成功。しかし翌09年は後続に押し出されるような形で登板数が半減。さらに10年はプロ入り後初めて一軍登板なく終わり、再び戦力外に。
昨年はソフトバンクとまずは育成契約を結び、開幕前に支配下登録。序盤5試合投げた後長く二軍が続いたが、8月再昇格後は出番がやや増えた。一旦抹消後終盤もう一度一軍に戻り、計19試合に登板。
ただ内容のほうはもうひとつ。ワンポイントとしては仕事をこなしていた時期もあったのだが、終盤4試合はいずれも簡単に走者を出し失点につながっていた。もう39歳というベテランで、ちょっと球威の落ち込みを隠しきれなくなってきた印象。シーズン後また戦力外となり、現役続行を希望も去就は未定。左腕の実績者といえど、さすがにそろそろ厳しいかもしれない。

91 陽 耀勲 (ヤン・ヤオシュン)

速球左腕、未熟型

左投左打
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 6 0 1 2 0 0 3 2/3 5 0 3 3 4 0 7 17.18
09 ソフトバンク 4 0 0 0 0 0 9 2/3 12 0 10 6 2 0 7 6.52
10 ソフトバンク 14 0 2 0 0 0 32 2/3 33 2 28 18 3 1 8 2.20
11 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
通算 6年 29 0 3 2 0 0 48 54 2 42 29 9 1 24 4.50

左腕から150kmを越すスピードが魅力の投手。日本ハムの陽岱鋼の実兄。ただ日本の高校を経てドラフトでプロ入りした弟と違って、台湾から直接ソフトバンク入りしたため外国人選手となる。
弟と同様身体能力の高さを評価されたが、技術面では非常に荒削りで、外国人とはいえ育成メイン。1年目5試合登板の後2年目はシーズン通して二軍。08年にプロ初勝利を挙げたが、枠の関係もあって一軍機会は少なく、09年まで常に登板数は一桁。
10年も当初は二軍で過ごしていたが、ホールトンの離脱からチャンスを掴み前半はリリーフ登板。そして後半は昇降格を繰り返す飛び飛びの機会ながらも4試合に先発し、初めて登板数が二桁となった。2勝をマークしやや前進。
快速球で押していく投球スタイルは迫力があるが、一方入団時からの課題である制球難はほとんど進歩が見られない。10年防御率こそ2点台前半と好成績だったが、自責にならなかった失点が10もあり、数字ほどの内容ではなく安定感はなかった。荒れ球の域を越している時が多々あり、魅力はあるが計算できないタイプ。
一軍の先発陣が充実した昨年は割り込む余地がなく、シーズン通して二軍。4年ぶりに一軍登板がなかった。台湾で開催されたアジアシリーズでは凱旋ということで多くマウンドに立ったが、快投したかと思えば酷く荒れまくり、数年来の課題は一向に解消されていなかった。
昨年二軍戦では野手として出場する場面があり、1本塁打を記録。身体能力は抜群のものを持っているが、それを御する技術が未だについてこない。年齢的にそろそろ育成とも言っていられず、実績者が大量に抜けた今季は一軍進出のまたとない機会で、同時に正念場でもある。

93 ヤンシー・ブラゾバン

緊急補強、リリーフ型

右投右打
ソフトバンク11途中
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
11 ソフトバンク 15 0 0 0 1 2 16 8 0 12 5 1 1 1 0.56
通算 1年

昨年ソフトバンクに途中入団の外国人投手。故障者の続いた時期に獲得され、その穴埋めを見込まれた。
かつて05年にはメジャーで21セーブという実績も持つが、翌年以降故障が続き、近年はマイナー中心。昨年7月末ソフトバンクと契約し来日となった。その少し前に馬原が肩の故障で離脱、入団発表の4日後にはファルケンボーグも抹消と、ちょうどこの時期チームはリリーフ陣に離脱者が相次いでいた。
緊急補強といった趣も、すぐに起用されることはなくまずは二軍調整。4試合投げたところで8月後半一軍昇格となった。そのまま一軍に留まり15試合に登板、10月には来日初セーブも記録。ただ競った場面の登板は少なく、ほとんどが点差の開いた状況でのものだった。
非常に胴回りの太い巨漢体型の投手で、150km前後の速球と変化の大きいスライダーが投球の軸。昇格時にはすでにファルケンボーグが復帰しており、その前から金澤・森福が奮闘。一軍に来た時にはもうリリーフは安定していたため、前述の通り厳しい場面で使われる機会がなかった。
15試合でわずか1失点(ちなみにその1失点はセーブを挙げた試合でのもの)とかなりの好成績だが、最後まで存在感は薄いままだった。もう少し早く入団していたらもっと違う使われ方をしていたかもしれないが、時を逸していたという印象。契約は更新されず数ヶ月のみの在籍に。残っても面白そうではあったが出番は望めなかったか。

*131 柳瀬 明宏

速球派、故障低迷型

右投右打
如水館高〜龍谷大 ソフトバンク06ドラフト(大・社)6巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
08 ソフトバンク 30 0 1 2 3 6 29 2/3 41 5 23 13 1 5 17 5.16
09 ソフトバンク 3 0 0 0 0 0 4 10 1 2 3 1 2 8 18.00
10 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
11 ソフトバンク (- - - - - - - - - - - - - - -*育成)
通算 6年 87 0 5 3 5 16 98 1/3 97 11 81 44 6 8 45 4.12

1年目プレーオフで脚光を浴び、2年目に飛躍したリリーフ右腕。だが近年は故障もあって苦しんでいる。
ドラフトでは下位指名。これは直前に肘の手術をしていたためで、プロ入り後も当初はリハビリ。しかし二軍で実戦登板すると評価がにわかに高まり、8月末に一軍昇格。8試合連続無失点で終盤はリリーフの一角に加わり、ポストシーズンの秘密兵器と目された通りプレーオフで2試合続けて勝ち投手に。この活躍でセットアッパー候補に浮上。
力の抜けたフォームから繰り出す140km台中盤の速球とフォークのコンビネーションが武器。かなり手元で伸びる球質で、三振が奪えるのが魅力。制球は粗っぽいタイプで、四球は多いが力で押し切る投手。
この活躍から2年目は藤岡とともにセットアッパーとして期待され、一気に登板数増加。44試合登板で4勝2セーブの結果を残した。すっかりリリーフの主力となったが、ただ投球にムラがありすぎ、重要な場面を任せきるには不安も大きかった。その不安は翌年一気に表面化。序盤から不安定極まりない投球続きで、前年より大幅に成績を落とした。チームがリリーフ難に陥った原因の一人となってしまった。
1年目終盤から2年目にかけての輝きを急速に失い、09年はシーズンのほとんどを二軍で過ごし、3試合リリーフ登板してすべてに失点と全くいいところのないままだった。さらにここから故障に悩まされ、09年秋・10年夏と2度肘を手術。二軍でも実戦登板がない状態で、昨年からは育成契約に。
実戦から随分遠ざかってしまった。今季も引き続き育成契約だが、年齢的にもブランク的にもそろそろ復帰の目処を立てたいところ。まずは投げられる状態に戻さないと。