千葉ロッテマリーンズ

 1 清田 育宏

中距離打者、準レギュラー型

右投右打
市立柏高〜東洋大〜NTT東日本 ロッテ10ドラフト4位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
10 ロッテ 64 186 54 11 0 2 71 18 5 11 1 19 6 51 .290
11 ロッテ 78 238 58 21 0 3 88 25 2 3 3 15 3 63 .244
通算 2年 142 424 112 32 0 5 159 43 7 14 4 34 9 114 .264

1年目から即戦力となり、ポジションを争う一人となった外野手。一気に世代交代の進んだチーム外野陣の一角を担う。
大学時代は大場(ソ)と同期で、3年までは投手。最終学年から外野手に転向して頭角を現し、社会人を経てドラフト4位でロッテ入り。下位指名ながらも背番号1をつけた。同じく新人で同学年の荻野貴が大活躍する中、二軍スタートとなった1年目だったが、その荻野が故障すると入れ替わる形で一軍昇格。当初は控えでほとんど出番はなかったものの、低打率に喘ぐ岡田に替わって7月末からセンターを守り、ここでしっかり結果を残して以降はほぼレギュラーに。8月にプロ初ホームラン、9月には5盗塁を決めるなどアピール。1年目からなかなかの好成績を残し即戦力となった。シーズン中はまだ代役という印象も強かったが、CSのソフトバンク戦で2ホーマー。さらに日本シリーズでは第1戦に同点弾を放つなど7試合で6打点の活躍を見せ、優秀選手に選出。ポストシーズン15試合で3ホーマーとパンチ力を発揮し、ここで強烈な印象を残した。
三拍子揃った選手と評され、パンチ力を秘めた打撃とバランスの良さが持ち味。2年目は序盤調子がいまいち上がらず、さらに交流戦で死球骨折、2ヵ月近く戦列を離れるアクシデント。しかし復帰した後半、特に9月以降大きく巻き返した。終盤は打率以上に3割6分という高い出塁率をマーク。最終的に打率は前年より落としたものの、打席数は伸ばし2番以外のすべての打順でスタメンを経験。
昨年特徴的だったのは左投手への強さと二塁打の多さ。対左腕は3割3分の高打率を叩き出した一方、対右は1割台と苦戦した。二塁打は200台前半の打席数ながらチーム3番目の数字で、本塁打を含めるとヒットの4割が長打。
外野争いはいずれの選手も年齢層が近く熾烈だが、他の選手とは一味違った特徴の持ち主で存在感を発揮。もう少し右も打てればポジション獲りにも随分近付く。

 2 今岡 誠

クラッチヒッター、故障低迷型

右投右打 ベストナイン(02,03,05)、首位打者(03)、Gグラブ(03)、打点王(05)
PL学園高〜東洋大 阪神97ドラフト1位〜09、ロッテ10〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 阪神 55 169 29 3 0 7 53 29 0 0 3 13 1 38 .172
09 阪神 23 30 4 2 0 0 6 2 0 0 0 0 0 8 .133
10 ロッテ 26 44 10 2 0 0 12 6 0 0 0 1 0 3 .227
11 ロッテ 13 23 3 1 0 0 4 1 0 1 0 2 0 3 .130
通算 14年 1309 4607 1284 211 10 122 1881 594 17 94 36 304 28 650 .279

かつて高打率や多くの打点で優勝に貢献した内野手。バットコントロールが巧みで、時にとんでもないボールも打つ悪球打ちでも名高い。しかし近年は不調続きで存在感薄。
東都リーグで名を馳せた内野手であり、「チームの次代を担う」との期待を一身に受けてドラフト1位で阪神入り。入団1年目から準レギュラーに近い形で出場。2年目にはレギュラーとなり3割近い好成績。一発は少ないものの、順調に成長していると思わせた。だが翌年打撃不振に陥ると一時迷走。00年は長期の二軍暮らしを味わった。
しかし01年から一念発起したのか、徐々に本来の素質を発揮。一度失ったレギュラーの座を奪い返し、さらに「中心選手」としての地位も引き寄せた。02年は開幕から打棒開眼で打ちまくり、初の二桁本塁打と長打力も発揮。打率は翌年さらに伸び、前年逃した首位打者のタイトルも見事獲得。04年も3割を記録し、鈍足の右打者で3年連続達成の快挙。ホームランも飛躍的に伸ばした。中堅に差し掛かった年齢ながら、年を追うごとに激しい成長を見せ付けた。
かつては1番を打つことが多かったが、05年は5番に定着。すると勝負強さを存分に発揮して、面白いように打点を稼いだ。打率こそ落としたが、球団記録を55年ぶりに更新する147打点をマーク。金本と並ぶクリーンアップは優勝への大きな原動力となった。ホームランも自己新の29本。
守備位置はしばらくセカンドがメインだったが、05年からサードに転向。足は遅く守備力も微妙だが、一応内野は一通りこなせる。守備範囲の狭さが難だが、打撃で補って余りある活躍。
中軸としてチームを引っ張り記録を作るほどの活躍だったが、翌06年極端な不振に。開幕から2割がやっとの低空飛行が続き、5月には手首を傷めて離脱。復帰後にまた同じ箇所に死球を受け、これ以降のシーズンをほぼ棒に振ることとなった。
そしてここから長い不振のトンネルに突入。07年打率こそ持ち直したものの、5番で起用されながら別人のようにチャンスに打てず、打点は少ないまま。復活を期した08年はさらに状態悪化し、開幕から2割にも遠く及ばない低調で5月二軍落ち。長い調整を経ても上向かず、シーズン通して1割台という寂しい結果に終わった。代打中心となった09年も落ち込みは止まらず、とうとう二軍のほうが長い状態に。シーズン後に戦力外とされ、タイトルホルダーがわずか4年で一気に転落。
なかなか決まらなかった移籍先だが、春季キャンプでようやく合格を勝ち取り10年はロッテへ。開幕から3打数連続ヒットと好スタートを見せたものの、後が続かず5月に二軍落ち。再昇格は9月になってからで、ほとんど戦力にはならなかった。昨年も序盤は一軍にいたものの、前年よりさらに打てず出場数を減らし、シーズンの大半を二軍暮らし。
すでに37歳というベテランで、ここ4年は打率2割を越えたシーズンが1度だけという状態。今季はコーチ兼任という肩書となったが、選手という立場での出番は果たしてどの程度あるか難しいところ。いよいよ現役としては厳しくなってきた。

 3 工藤 隆人

俊足外野、小兵型

左投左打
弘前実高〜青森大〜JR東日本 日本ハム05ドラフト9巡〜08、巨人09〜11途中、ロッテ11途中〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 104 199 51 11 1 0 64 12 8 18 1 9 6 42 .256
09 巨人 49 51 13 2 1 0 17 1 1 2 0 2 1 18 .255
10 巨人 40 26 6 0 0 0 6 2 0 0 0 0 4 11 .231
11 ロッテ 53 100 20 3 1 0 25 5 3 5 0 4 3 21 .200
通算 7年 323 604 152 22 7 0 188 37 21 28 1 27 15 142 .252

日本ハム時代の07年急台頭でレギュラー争いに割って入った外野手。ただその後はチームを転々としている。
大学・社会人を経て日本ハム入り。1年目一軍出場もノーヒットだったが、二軍ではレギュラーの活躍。06年は一軍出場なく、07年も途中までは二軍だったが、6月後半に昇格するといきなり大暴れ。プロ初安打から4打席連続ヒット、先発3試合で7安打の活躍を見せ、ここから一気に一軍定着を果たした。勢いは8月末まで続き、後半はほとんどレギュラーに。終盤当たりが止まったが、最終的にもなかなかの結果を残した。
二軍では07年も含めて3年連続チームトップの盗塁を記録した俊足選手。プロ初安打を含め4本の三塁打を放ったように、スピードが最大の売り。背の低い選手だが、しっかり叩く打撃を持つ。
先行していた選手を一気に抜き去りレフト最有力となったが、08年は前半大不振。6月を終えて1割台とポジションを掴みきれなかった。7月5割超の大当たりを見せ、稲葉の五輪出場から出番の増えた後半3割以上と盛り返したが、前半の低調が響いて打率は前年よりダウン。初の100試合以上出場も打席数は減ってしまった。
糸井の台頭もあってポジション争いから後退すると、09年は巨人へ移籍。だがこちらでは松本の台頭に直面し、出番はあまり多くなかった。5月の昇格当初は打撃でアピールも、その後は波が激しく前年より出場数は半減。その松本に故障離脱のあった翌年も出場は40試合に留まり、その半分が代打でのもの。結果も残せず、8月頭以降は二軍で終えることに。
昨年開幕後ロッテへ移籍。7月に昇格し、夏場はスタメンに代打にとなかなかの出番を得た。ただ打撃のほうは低調で、特にチームトップタイの起用数だった代打で20打数2安打と結果を残せず。終盤はガクッと出番が減り、充分にアピールは出来なかった。
ここ数年はチーム内でやや埋没しかかっている。現在のロッテにしても俊足の若い外野手がポジションを激しく争っている状況で、いかに特徴を出していくか少々難しいところ。中堅の年齢だけにここは踏み止まっていきたいが。

 4 荻野 貴司

韋駄天、連続故障型

右投右打
郡山高〜関学大〜トヨタ自動車 ロッテ10ドラフト1位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
10 ロッテ 46 175 57 9 2 1 73 17 25 21 3 16 2 24 .326
11 ロッテ 23 91 24 4 0 0 28 10 14 3 1 7 1 6 .264
通算 2年 69 266 81 13 2 1 101 27 39 24 4 23 3 30 .305

プロ入りするや盗塁量産でチームに新風を吹き込んだ快速選手。ただ2年続けて同じ箇所を故障し長期離脱。
大学では宮西(日)の同期で、当時はショート。社会人で外野手に転向すると、1年目から主力となり大きな活躍。ドラフト1位でロッテ入りとなった。期待を受けて開幕戦2番スタメン出場すると、いきなり5試合連続ヒット。「2番センター」の座を固めると、打って走っての大活躍。この時期非常に好調だったチームの象徴的な存在として脚光を浴びた。
なんといっても最大の特徴はその脚力。右打者ながら内野安打を狙えるほどのスピードで、46試合で25もの盗塁を決め、失敗はわずかに3(過去10年の盗塁王でこれを越える成功率は02年の谷のみ)。西岡以外走れる選手のいなかった布陣に入り、チームカラーを変えるほどの存在感を見せた。足ばかり注目されがちだが打撃も確かなレベルで、バットを短く持ちソツなく実戦的なもの。左投手にはだいぶ苦労したものの、右投手は高打率で打ち崩し、追い込まれてもしぶとかった。
5月に入ってもコンスタントな活躍を続けていたが、ゲーム中に膝を痛め、半月板損傷の重傷で戦線離脱。自身にとってもチームにとっても非常に痛いアクシデントとなった。回復は遅れ、結局シーズン中の実戦復帰はできず。現実的と思えた新人王も盗塁王も逃す結果となった。
この故障明けでありながら、昨年はポスト西岡としてショートコンバートが早くから構想され、登録も内野手に。2番ショートとして開幕を迎えた。復帰直後に大きなコンバートで開幕当初は打撃がいまいちだったが、5月に入ると急上昇。ところがここで再び膝を痛めるアクシデントに見舞われ戦線離脱。そのまま2度の手術という事態となり、またも序盤だけでシーズンを終えてしまった。
コンバートと故障の因果関係は不明だが、やはり故障明けにこの負担増は無謀だったという印象しか残らない。プレー面を見てもスローイングに苦労し、23試合で6失策というのは明らかに多い数字で守備には相当苦戦。自慢の足は23試合で14盗塁、失敗わずか1とさらに凄みを見せていただけにあまりにもったいない故障だった。
これで再び外野手に戻ることとなったが、2年続けて同じ箇所を故障した影響は非常に気がかり。それが生命線の脚力に影響する部分だけに、何とかいい状態で復帰して欲しいところだが。

 5 伊志嶺 翔大

俊足外野、即戦力型

右投右打
沖縄尚学高〜東海大 ロッテ11ドラフト1位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
11 ロッテ 126 422 110 16 6 2 144 21 32 27 0 30 13 77 .261
通算 1年

高い脚力と実戦的な能力でプロ入り即レギュラーとなった外野手。前年の荻野や岡田に続いてチームの外野陣を刷新する存在の一人。
高校までは無名の存在だったが、大学に進んで頭角を現しトップクラスの野手と目されるように。ドラフトでは2球団が競合し、抽選でロッテ入りとなった。開幕当初は控えだったものの、大松の不振とサブローの故障で外野が手薄となった5月からはほぼレギュラーに。打撃は慣れるまで少しかかるも、脚力は当初から全開。故障離脱した荻野に替わり快速ぶりを発揮した。6月から8月にかけては3割1分と高打率も残し、完全にポジションの一角を確保。終盤かなりの不振で打率を随分落としたが、1年目から規定打席に到達し32盗塁という活躍を見せた。
1年目から30盗塁突破、成功率8割以上という俊足が最大の魅力だが、打撃も想像以上に実戦的だった。左投手には随分苦戦したものの癖なく素直に打ち返す打撃でレギュラーとして及第点の数字。出塁率もチーム内では上位。
いきなり力のあるところを見せ、俊足外野陣を形成することはほぼ確実。2年目も大いに期待される。アマチュア時代は強肩という触れ込みもあったのだが、1年目は非常に弱々しい送球をしばしば見せ、どこかに故障を抱えているのではと思わせるほどだった。

 6 井口 資仁(忠仁)

メジャー帰り、春男型

右投右打 盗塁王(01,03)、ベストナイン(01,03,04)、Gグラブ(01,03,04)
国学院久我山高〜青学大 ダイエー97ドラフト1位〜04、米メジャー(Wソックス〜フィリーズ〜パドレス〜フィリーズ)05〜08、ロッテ09〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
(08 SDP 81 303 70 14 1 2 92 24 8 1 0 26 0 75 .231)
PHI 4 7 2 1 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 .286)
メジャー通算 493 1841 494 91 11 44 739 205 48 22 14 189 12 387 .268
09 ロッテ 123 448 126 24 3 19 213 65 4 0 1 68 13 101 .281
10 ロッテ 143 531 156 44 1 17 253 103 2 0 7 98 14 114 .294
11 ロッテ 140 509 135 23 3 9 191 73 1 0 7 72 9 96 .265
日本通算 11年 1300 4663 1277 250 22 194 2153 748 166 41 42 559 108 1013 .274

09年ロッテ入りで日本球界復帰の内野手。かつてダイエーでプレーし、メジャーでもレギュラーとして活躍した。
大学時代「20世紀最後の大型野手」と言われ、ドラフトの目玉として激しい争奪戦。ダイエー入りすると1年目から準レギュラー。2年目にはフル出場で、故障で離脱した00年以外はレギュラー確保。プロ入り前の「守備なら自信がある」というコメント通り、遊撃守備は強肩を活かしたアグレッシブな魅力たっぷりのプレーを見せた。しかし一方で打撃は98年に21ホーマーを放ったものの打率は2割2分。力任せの不器用なスイングが目立ち、穴の多さが目に付いた。翌99年も打率は上がらず、いつしか期待も低下。故障明けで二塁に転向した01年は発奮したのか30ホーマーを放ち盗塁王も獲得したが、それでも打率はいまいち上がらず。どうもオーバースイングで始動が硬い欠点が直らず、翌年はまた数字を落とし、ここまでの選手かと思わせた。
しかし03年はこれまでの印象を一気に覆す大活躍。前年にポスティングでのメジャー挑戦をぶち上げたことで自らを奮い立たせたか、一発狙いを捨て、もともと評価の高かった右打ちへの意識が向上。すると明らかにボールの見極めが良くなり、三振は減る、四球は増える、そして打率は急上昇とまさに好循環。30ホーマーにはあと一歩届かなかったものの100打点・40盗塁をクリアし、2度目の盗塁王獲得、一時は首位打者をも狙える勢いだった。翌年も好調を維持し、2年連続の3割。打撃以上に守備力で存在感を見せ、守備範囲の広さと強肩で大きな戦力となっていた。
この活躍を手土産に05年からメジャーに挑戦。ただ自由契約という形を取ったことで、入団時の特約条項の存在が報じられ、かつての球団幹部の負の遺産とも言われた。すっきりしない形でダイエーを去ったが、ホワイトソックス入りすると「2番二塁」のレギュラーとして活躍を見せ、1年目にワールドシリーズ制覇の歓喜を味わった。2年目もレギュラーとして、リーグの二塁手として最多の18ホーマーを記録。
メジャーでも成績を残していたが、08年は故障などもあり不振。FAとなると日本復帰の可能性が報じられ、年明けてからロッテと契約、09年は5年ぶりにNPB復帰。ロッテでは主軸として期待され開幕4番。序盤は非常に好調で、5月末時点で3割中盤の高打率。しかし6月から調子を崩し始め、夏場ははっきり不振。終盤盛り返したが最終的には3割に遠く届かず、7,8月に1ホーマーしか打てなかったことで20本塁打にも届かなかった。悪くはないがやや平凡な成績に落ち着いた。
しかし金泰均加入で3番に固定された10年は持ち味を十二分に発揮。開幕から好調で4月は4割、それ以上に四球の多さが目立ち、開幕から1ヶ月経過で5割維持という恐ろしい出塁率をマーク。5,6月の同一リーグとの対戦で極端な不振に陥ったものの、夏以降は復調。最終的に3割は逃してしまったものの、リーグトップの98四球、14死球で出塁率は4割以上をキープ。そしてダイエー時代の03年以来7年ぶりの100打点突破。二塁打44本は自己最多で、大きな戦力となった。
昨年も引き続き不動の3番二塁。例年通り序盤は非常に好調で、5月末時点で3割後半の高打率に5割近い出塁率。その後夏にかけて大きく調子を落としたのも例年通りで、最終的には日本復帰後一番低い打率となった。交流戦を最後に3ヶ月以上もノーアーチが続いて一発も前年から半減。
春先絶好調でシーズン中盤に失速という形はこれで3年継続。さすがに年齢的な部分もあり、往年の脚力はもちろん破壊力も期待しづらくなっている。ただ四死球の多さは特筆もので、出塁率の高さは大きな存在。今季は春男ではなくもっとコンスタントな活躍というのは難しいだろうか。

 8 今江 敏晃

中距離打者、万能型

右投右打 ベストナイン(05)、Gグラブ(05〜08)
PL学園高 ロッテ02ドラフト3巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 117 405 125 37 4 12 206 55 3 14 6 19 6 48 .309
09 ロッテ 113 409 101 19 2 9 151 60 2 12 2 12 6 60 .247
10 ロッテ 140 531 176 37 1 10 245 77 8 30 5 22 8 66 .331
11 ロッテ 134 499 134 30 1 8 190 51 2 10 6 20 8 48 .269
通算 10年 925 3234 919 209 17 66 1360 424 22 102 33 130 46 443 .284

西岡とともに04年から急台頭、以来レギュラーサードとなった内野手。積極的な打撃スタイルの中距離打者。
ドラフト3巡とはいえ入団前から評判は高く、周囲の期待は非常に大きかった。それに応えるように1年目から二軍のレギュラー確保、一軍でも早速プロ初安打を放つ上々のデビュー。2年目にはフレッシュオールスターでMVP獲得。そして3年目の04年一軍定着と、順調すぎるほどの成長ぶり。
さらに大きな躍進を見せたのが05年。サードのレギュラーを確保すると、打撃が大きく成長。特に夏場の活躍は目覚しく、8月4割を放って一気に首位打者争いにまで顔を出した。終盤急ブレーキでタイトルには届かなかったが、初めての規定打席でいきなり3割。リーグトップの二塁打を放ち、チャンスにも強さを見せて71打点を挙げた。日本シリーズでは8打数連続安打の大当りでMVP獲得。爆発的成長を見せ、大いに名を売ったシーズンとなった。
パワーヒッター然とした見た目と、やや強引なほど思い切りのいいスイングながら、本質は柔軟性の高い中距離打者。弾道の低いライナー性の打球を打ち返す。積極的な打撃スタイルの割に三振は少なく、ミート力が高い。守備でも果敢なプレースタイルで、正にサード向きの動き。WBC代表にも選出。
ここまでは恐ろしいほどの順調成長だったが、06年は調子の波が激しく、07年は故障に泣いて足踏み。打撃低調で打順もほとんど8,9番の下位だった。08年は一転して開幕から好調、3年ぶりの3割に自身初の二桁本塁打とベストの成績を残したが、09年はまた不安定な状態に逆戻り。交流戦こそ好調もパとの対戦では2割2分の低打率に喘ぎ、シーズン打率は前年から大幅ダウン。二塁打は半減で、打点こそ増えたが大いに物足りない1年だった。
シーズン毎に結果の差が激しいが、10年は開幕から好調。例年強い交流戦では3割8分の高打率をマーク。打順も荻野貴離脱後は2番を多く任され、中軸に座ることも。ペースは落ちるどころかさらに上昇。特に終盤9月以降は4割超と打ちまくり、優勝争いの中大きな戦力に。最終的に2年ぶり3度目の3割は自己最高打率でリーグ3位。打点も自己最多で、ベストのシーズンを送った。
これで殻を打ち破った感もあったが、昨年はまた隔年傾向。スタートは非常に良かったが、例年強い交流戦で不振。その後は状態は悪くなかったが、終盤また大きく調子を落とした。打率は前年よりだいぶ下げ、5番が多かった割に打点も減少。
昨年の特徴は対戦相手ごとの相性にかなりムラがあったこと。様々な打順をこなす器用さを持つが、逆に言うとどこも今ひとつはまらないという面もある。日本シリーズ2度のMVPに輝いた勝負強さをもっと発揮して欲しいところ。

 9 福浦 和也

打撃安定、巧打者型

左投左打 首位打者(01)、Gグラブ(03,05,07)、ベストナイン(10)
習志野高 ロッテ94ドラフト7位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 105 310 78 9 0 1 90 44 0 1 7 50 2 49 .252
09 ロッテ 129 396 108 18 0 6 144 39 1 11 3 46 4 65 .273
10 ロッテ 116 322 95 19 0 13 153 61 0 3 3 28 3 47 .295
11 ロッテ 116 358 80 13 0 3 102 43 0 1 6 37 3 72 .223
通算 18年 1768 6053 1762 362 18 115 2505 821 9 33 70 601 79 913 .291

広角打法を武器に、6年連続6度の3割を記録したベテラン巧打者。00年代のロッテを支えてきた中心選手。
高校時代は投手だったが、打撃センスの高さを買われ野手としてプロ入り。ドラフトではかなり下位の指名だったが、早い内から将来の中軸と期待されていた。4年目の97年に一軍初出場し準レギュラー格となると、翌年にはレギュラー定着。左投げのため守備位置がファーストか外野に限定され、ともすれば外国人のあおりを食う場面もあったが、そのハンデを見事に克服した。00年からは完全に不動の存在となり、01年には初の3割で一気に首位打者を獲得。中心打者へと成長を遂げた。
柔軟なバットコントロールを見せる巧打者で、特に穴となるコースがない。中距離打者の素質も持ち、03年には21ホーマーにリーグトップの50二塁打を記録した。かなりの鈍足という点が難だが、一塁守備も名手として鳴らした。
タイトル獲得以降はリーグ屈指の存在となり、ここから06年まで6年連続3割をマーク。これはロッテでは落合以来球団史上2人目の記録だった。03,04年はリーグトップの二塁打を記録。しかしそんな大安定選手が、07年思わぬ不振に。開幕直後に故障で離脱、これが尾を引いたか復帰しても好調を持続できず、最後まで低調。規定打席にも届かず、打率を大きく落として終わった。不調は翌年も続き、開幕からさっぱりで一時二軍落ち。状態は上向かず、前年をさらに下回る自己ワースト打率更新。1ホーマーのみというのも一軍初出場の97年以降で自己最少。
持病の腰痛が悪化した影響からか精彩を欠いていた。09年も前半は低調で、7月末時点で打率は2割3分という状態。スタメン落ちも目立っていたが、しかしここからようやく復調を果たした。8月に調子を大きく上げると好調を最後まで維持。8月以降3割4分と全く別人の、かつての打棒を発揮し、シーズン打率も2ヶ月余りで4分も回復。3割復権はならずも、3年ぶりに規定打席に到達し、過去2年の状態から脱出に成功。
衰えの懸念を払拭し、翌10年も好調を維持。ほぼDH専念、左投手に1割台と極端に悪かったことから対右限定という起用法ではあったが、勝負強さを発揮して開幕から活躍を見せた。後半はさらに好調で、7月以降9ホーマーを放ち、6年ぶりに二桁本塁打を記録。規定打席未満で3割にも一歩届かなかったが、随所に存在感を発揮。
力強く引っ張る打撃を取り戻し復調を遂げたここ2年だったが、昨年は一転してかつてないほどの不振に。開幕から低打率に喘ぎ、6月大当たりで上向きかと思わせたのも束の間、7月以降は打率2割を切る低迷。この状態のままシーズンを終えてしまった。2割2分というシーズン打率は自己最低記録。
数字の上で目立つのが前年から大幅に増えた三振数。このところの復活状態から一転、一気に衰えも感じさせる結果に終わった。もう一塁守備につく機会はだいぶ減り、メインはDH。となれば昨年のような不振を引きずる訳にはいかないところ。今季もう一度底力を見せられるか。

10 大松 尚逸

スラッガー覚醒、中軸型

左投左打
金沢高〜東海大 ロッテ05ドラフト5巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 134 447 117 30 2 24 223 91 1 1 4 33 4 73 .262
09 ロッテ 139 494 133 28 1 19 220 79 0 2 6 47 4 80 .269
10 ロッテ 142 534 139 24 2 16 215 68 0 1 3 56 9 99 .260
11 ロッテ 64 183 39 6 0 2 51 16 0 0 2 13 2 44 .213
通算 7年 633 2058 532 109 5 74 873 307 3 8 17 174 22 378 .259

08年20ホーマーを突破してついに覚醒した期待の長距離砲。中軸候補として徐々に存在感を高め、いよいよ本格化。
学生時代からスラッガーとして鳴らし、大学4年時には代表チームの4番。日米大学野球ではMVPも獲得した。ドラフト指名は5巡とやや下位だったが、二軍では開幕から4番に座り14ホーマー。同僚・同期入団でイースタン本塁打王となった竹原とともに、大砲不在のチームを変える存在として大いに期待を集めた。
2年目の06年一軍本格デビュー。昇格直後、5試合で4ホーマーの活躍で注目度が大きく上がった。さすがに一軍は甘くなく、5月以降は低打率に喘ぎ、後半は一発なしに終わったが、打席数を一気に増やしほぼ一軍定着。外野争いに参戦。
懐の深さを感じさせる打撃で、打席での風格はなかなかのもの。いかにもスラッガーという雰囲気を持ち、またゆっくりとではあるが確実に自信もつけていった。07年はアベレージを意識したか一発こそわずか5本もシーズン3割をマーク。後半はほとんどレギュラー状態となった。
そして08年は一気に一発大幅増。開幕からほぼスタメン固定で、5番定着。順調に成績を伸ばし、5月には自己最多ホームランを更新、トータルで打率は前年より下げたものの、チーム最多の24ホーマーに91打点と見事な結果を残した。チームでシーズン20ホーマーは日本人では5年ぶり。満塁ホームラン3本というのも光る成績。
完全に一本立ちを果たしこれ以降はレギュラー不動。09年は開幕直後1ヶ月で5安打しか打てない大スランプスタートも、5月から復調して打率は前年水準に。一発は19本に減ってしまったが、後半は4番に座り打点はチームトップ。リーグ2位の10補殺と肩のあるところも見せた。10年は主に5番を打ち、前半は13ホーマー。ただ夏場にスランプが続き、後半はわずか3ホーマー。最終的には前年より成績を落としてしまった。
シーズンの中で極端な不振に陥る時期があり、トータルの成績がもう一つ伸びてこない。そして昨年はそのスランプがシーズン全体に及んでしまった。開幕から絶不調に喘ぎポジション失陥、1割台半ばの打率にノーアーチという成績で5月半ばに二軍落ち。再昇格した6月こそ3割に2ホーマーと復調かと思わせたが、長続きはせずまた極度の不振。後半はほとんど二軍暮らしという大誤算。全く存在感のないシーズンに終わった。
長打どころか打ち方すら見失ったかのような迷ったままのシーズンだった。打てなくなってしまうと、守備力では台頭目覚しい他の外野手たちに見劣りは否めないところ。そういった事情から今季は一塁にコンバートされることに。そのパンチ力はまだ貴重な存在で、今季は復活を望まれる。スランプが長いといっても2シーズン続きという訳にはいかない。

22 里崎 智也

ベテラン捕手、スラッガー型

右投右打 ベストナイン(06,07)、Gグラブ(06,07)
鳴門工高〜帝京大 ロッテ99ドラフト2位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 92 330 86 8 0 15 139 45 1 2 2 44 3 92 .261
09 ロッテ 124 414 97 22 1 10 151 49 0 5 5 49 6 121 .234
10 ロッテ 78 247 65 10 0 10 105 29 1 2 1 40 5 91 .263
11 ロッテ 109 338 75 8 1 5 100 25 0 12 4 40 3 91 .222
通算 13年 904 2920 757 139 11 96 1206 396 6 48 31 321 41 776 .259

ロッテの正捕手を務めるベテラン。05年から一気に名を売り、以来強肩強打でリーグを代表する一人となった。
もともと打力は高く評価されており、3年目の01年にはフレッシュオールスターでMVP獲得。02年までは一軍の壁に跳ね返され伸び悩んでいたが、03年途中から一軍に定着に成功。終盤はほとんどレギュラーで、打席数を大幅に増やした。打率も3割をマークし、8ホーマーとパンチ力も発揮。一気に正捕手候補に躍り出た。しかし04年はディフェンス面で悩み、それが打撃にも悪影響を及ぼして大不振に。
一歩後退した印象だったが、05年大幅に巻き返し。ライバル橋本との併用策がはまり、「二人正捕手」がチームの特色ともなった。思い切りのいい打撃が復活し4番も経験、マスクを被らないときはDH起用も。打率3割をマークし、守備面でもリーグ1位の盗塁阻止率を記録するなど、大きな成長を見せた。この活躍でWBC代表にも選ばれ、大いに名前をアピールするシーズンとなった。
典型的なヤマ張りタイプの打者で、思い切り良く振ってくるのが持ち味。当たる気がしないほどの空振りもする一方、はまった時には難しいコースでも豪快に打ち返す。パンチ力は捕手でなくともレギュラーを狙えそうなレベル。肩はもともと強かったが、送球の正確性が高まった。
05年の活躍が大きな自信となり、同い年のライバル橋本が故障で後退した06,07年はすっかり正捕手に定着。06年はチームトップタイの17ホーマーを放ち、チームでは袴田以来実に21年ぶりという捕手での規定打席到達を果たした。07年はさらに立場を強化し、チームトップの75打点。中心打者としても欠かせない存在に。
ただ08年は右肘を痛めた影響でマスクを被れない状態が続き、それもままならず5月には一時離脱と苦しいシーズンに。五輪に参加したこともあって、先発マスクは復調橋本と完全に分け合う形となった。09年は再び正捕手に復権、前年低迷した盗塁阻止率でリーグトップとなるなど強肩が甦ったが、一方打撃はずっと不振。打率を落とし、三振は自己最多と精彩を欠いた。
近年は細かい故障が多くなり、フル出場というのが困難になりつつある。10年は8月上旬に背中の痛みを訴えて離脱。CSには間に合ったものの、復帰できないままレギュラーシーズンを終えた。そのため打席数は6年ぶりに300未満に。昨年はまた100試合以上出場と戻したものの、やはり終盤には立て続けに故障離脱。打撃のほうは夏場特に不調で、統一球の影響もあって7年ぶりに一桁本塁打に留まった。
腰に爆弾を抱えており、年齢的にも今後ますますフルに出るというのは厳しそう。かつては鳴らした強肩もこのところは影を潜めている。ベテランの風情が色濃くなってきたが、まだまだチームの守りの要として存在感は大きい。打撃は昨年オリックス・楽天戦の成績が極端に悪く、2チームとの対戦打率はわずか1割2分という低さだった。

23 塀内 久雄

内野万能、貧打型

右投左打
三瓶高 ロッテ00ドラフト4位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 40 59 9 1 0 2 16 2 0 5 0 2 0 18 .153
09 ロッテ 54 96 29 4 0 4 45 10 0 2 0 8 2 31 .302
10 ロッテ 51 22 4 0 0 0 4 2 0 5 0 1 0 8 .182
11 ロッテ 35 45 8 2 0 0 10 2 0 3 0 2 0 11 .178
通算 12年 352 509 103 26 1 9 158 36 3 28 1 28 4 160 .202

内野すべてをこなすユーティリティプレーヤー。もう一つパッとしないが、利便性の高さで出場機会を得ている。
高校からロッテ入り。なかなか期待の高かった選手で、3年目の02年には一軍昇格し初打席初ホームランを記録。だがその後故障してしまい、翌年はほぼ1シーズンリハビリに費やすことに。ちょっと遠回りし、その間に後続の西岡・今江が華々しくデビュー。やや存在もかすみかけたが、05年は3年ぶりに一軍でヒットを放ち、日本シリーズでは故障の堀に替わって二塁スタメンにも抜擢された。06年は開幕一軍に名を連ね、4月には4年ぶりのホームラン。
ここに来て出場数は急上昇で、07年はさらに出番を増やした。しかし多く出ることで逆に課題も露呈してしまった。相変わらず打てないことに加えて、守備でもミスが非常に目に付き、一軍定着は果たしたが印象はあまり良くなかった。08年は前半二軍暮らしで出場数を減らし、2ホーマーは放つも極端な低打率で弱々しいイメージを払拭することはできず。
中堅の年齢になりながらあまり成長も見られず、09年も前半はほぼ二軍。7月末時点で出場17試合、9打数2安打と全く目立たない存在だった。しかし8月以降これが一変。人が変わったように打ち始め、これ以降3割1分の高打率をマーク。スタメン起用にもしっかり応え、今までにないほど好調でシーズンを過ごした。4ホーマー、10打点はいずれも自己最多、シーズン3割どころか2割5分を越えたのもこれが初めて。
ただ主力が固まった翌年は控えに戻り、スタメン機会は1度もなし。一塁の守備固めが中心で、代打起用でも好結果は残せなかった。前年後半の調子はどこかへ消えてしまい、また例年通りの低打率に。
打席機会がまばらで、09年の好調が本物だったか否かの判断は微妙。西岡の抜けた昨年は出場機会増加のチャンスだったはずだったが、実際には打席機会こそ増えるも出場数はむしろ減ってしまった。スタメン機会はあったものの結果を残せず、トータルで見れば横這いといったところ。
ここ何年かは完全に停滞で、一軍半から一歩も動いていない。昨年途中出場の時は打っていたのにスタメンの時はさっぱり(1割未満)ではチャンスも減ってしまう。ショートは今季も流動的な状況だが、既に31歳という年齢でもあり、何らかの答を求められるシーズンとなりそう。

25 ホセ・カスティーヨ

強肩内野手、短期集中型

右投右打
横浜10、ロッテ11途中
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
10 横浜 131 466 127 24 0 19 208 55 3 1 3 22 4 71 .273
11 ロッテ 86 331 89 13 1 5 119 34 0 0 2 18 5 45 .269
通算 2年 217 797 216 37 1 24 327 89 3 1 5 40 9 116 .271

10年横浜加入の外国人選手。1年限りで退団したが、昨年途中ロッテ入り。
マイナー時代はショートを中心としていたが、04年のメジャー昇格以降は二塁中心に。初昇格シーズンいきなり129試合に出場し、以降08年までの5年間で通算592試合出場。06年には14ホーマーも記録。レギュラー級の選手だったが、09年はシーズン前に解雇され台湾統一でプレー。
横浜入りすると開幕からスタメン二塁で出場。春先は打撃好調で、4月末時点で3割の打率。その後徐々に数字を落とし、6月はだいぶ低調だったものの、8月は3割5分と好調なところを見せた。だが終盤は一気に調子を落とし、一時3割近くまで上げた打率もだいぶ落として終わった。
スラッガー然とした打撃スタイルだが、基本は中距離打者で長打はそこそこ。ムラッ気の強い選手で、固め打ちしたかと思えば音なしと安定感はない。これは守備でも同様で、強肩と身体能力を活かしたアクロバティックなプレーを見せる反面、凡ミスを犯したりと失策が多く、もうひとつ信用しきれないタイプ。
攻守両面で安定感に欠け、悪くはないが良くもないという印象で、1年限りで退団し昨年はメキシカン・リーグでプレー。しかしシーズン途中ロッテと契約し再来日となった。個人的に荻野貴の故障で空いたショート構想かと思ったが、実際には金泰均の代役として4番一塁での起用に。7月に合流するといきなり月間3割4分、3ホーマーの大活躍。だがこの勢いは全く長続きせず、8月以降は打率を極端に落とし物足りない成績。最初は良かったが最終的には目立たない結果に終わった。
横浜在籍の前年同様、好不調の差が極端でムラが強かった。また不慣れだったこともあるかもしれないが、一塁守備は途中加入の86試合でリーグの一塁手で最多の9失策。残留という声もあったが、結局ロッテでも1シーズン限りで退団に。

32 根元 俊一

俊足内野手、寸前後退型

右投左打
花咲徳栄高〜東北福祉大 ロッテ06ドラフト(大・社)3巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 110 314 93 21 6 3 135 29 9 10 0 32 4 60 .296
09 ロッテ 30 69 12 2 1 0 16 2 0 1 1 3 0 14 .174
10 ロッテ 53 51 10 2 0 1 15 6 0 4 0 5 1 19 .196
11 ロッテ 68 149 34 3 0 2 43 11 0 5 0 12 1 38 .228
通算 6年 326 716 179 34 7 7 248 58 15 26 1 61 10 177 .250

08年急成長を見せた内野手。俊足巧打で一時セカンドレギュラー有力候補に浮上。
三拍子揃った即戦力として期待されてプロ入り。1年目は5月に一軍デビューし、セカンド或いはショートとして先発出場も経験。一軍では後が続かず1割台の打率に終わったが、二軍では巧打を発揮して首位打者のタイトル獲得。衰えの見える堀に替わる存在として注目され、飛躍が期待された2年目は開幕スタメン。序盤はアピール不足も再昇格の6月好調で、3割後半の打率にプロ初ホームランも記録した。ただ7月に入ると14打数連続ノーヒットと急停止。オーティズが加入すると一気に出番が減った。結局後半はほとんどアピールできずレギュラー獲りはならず。
成長は見せてもややもたついた印象だったが、3年目に大きく前進。開幕から打撃好調でポジションを奪取し、7月まで常に月間打率3割以上。オールスター前の時点で3割3分の高打率をマークし、見事に飛躍を遂げた。8月1割にも届かない急ブレーキで最終的に打率を大きく落としたが、一気に100試合以上出場で実質レギュラーに定着。
動きの俊敏さを評価される選手で、三塁打6本は西岡と並んでチームトップタイ。成功率はそう高くはなかったが9盗塁も記録した。主に2番で起用され、すべての面で大きく成長。
ポジション確保目前というところまで前進したが、09年は07年までの状態に大きく後退。井口の加入でレギュラーが遠ざかり、また自身も前半は不調でアピールできなかった。8月の再昇格時はそこそこ結果を残すも、すぐに二軍に落とされチャンスも減少。出場数は前年から激減、春先の不調が響いて打率も1割台に終わった。予想以上に出番が減り、10年もポジションは遠く、出場の大半が代打でのもの。その代打ではチームトップの41回起用されたが、結果は振るわず、2年続けてシーズン打率は1割台。
すっかり影が薄くなり、昨年は序盤二軍。しかし荻野貴の故障でショートが空位となり、状況が大きく変わった。6月に再昇格すると当初打撃でアピールし、ショート候補の一角に。打撃のほうは出番の増えた後半振るわず打率は低かったが、久しぶりに打席数が100を越えスタメン46試合と再浮上のシーズンに。
ショートは本職とは言い難く守備に不安はあるが、一時は二塁レギュラーを獲りかけた実力は候補の中でも一枚上。今季はオープン戦絶好調でアピールし、再度ポジション獲りの大チャンス到来。今度こそモノにできるか。

36 高口 隆行

ユーティリティ、一軍半型

右投右打
創価高〜創価大 日本ハム06ドラフト(大・社)6巡〜10、ロッテ11、巨人12〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 日本ハム 74 167 36 5 4 0 49 14 1 12 0 7 6 49 .216
09 日本ハム 3 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 1 .000
10 日本ハム 84 69 12 3 0 2 21 5 0 5 0 2 0 19 .174
11 ロッテ 38 22 1 0 0 0 1 0 0 1 0 1 0 6 .045
通算 6年 202 270 49 8 4 2 71 19 1 18 0 12 7 78 .181

アマチュア時代はショート、プロ入り後セカンド・サードもこなす内野のユーティリティプレーヤー。3年目の08年一軍定着し、レギュラー争いにも参戦。
大学では八木(日)と同期で、同じ年の大・社ドラフトで日本ハム入り。二軍では二塁を主に守り、07年はもっぱら2番を打って二軍戦フル出場。そして08年は開幕一軍入りを果たし、プロ初ヒットも記録。以降出場数大幅増で、一軍に割り込んできた。打撃よりも守備力を評価されていた選手で、どちらかといえばつなぎ役の選手。ショートの金子誠が不振、サード候補も決め手を欠くという事情からスタメン機会も非常に多くなった。
二軍でメインにしていた二塁ではないためか、当初ショート守備はやや不安定だった。場数を踏むうちにこなれてきたが、打撃はまだ未熟。体格良く力強く足を上げるスラッガー然としたフォームとは裏腹にややパワー不足。後半も出番は多かったが打率はどんどん落ちていった。出場は多かったが結果を残したとまでは言いがたく、09年はまた二軍に逆戻り。
それでも10年は再び一軍戦力となり、自己最多の出場数と巻き返してきた。もっぱら一塁の守備要員として一軍定着。ただ打撃のほうはプロ初を含む2ホーマーを放つも、打率1割台と結果を残せず。故障した金子の代役というところまでは至らなかった。
守備に関しては安心感があるが、打撃のほうは弱いという典型的なタイプ。トレードでロッテに移った昨年は前半こそそこそこ一軍に出ていたが、後半はそれも減りトータルで出場数を半減させてしまった。ショートに空きがあったが、わずか1安打ではポジションを争うにはあまりに非力すぎた。
もう少し打てるようならもっと起用の幅も広がるのだが。今季はFAサブローの人的補償で巨人へ移籍。

39 田中 雅彦

変り種捕手、便利屋型

右投右打
PL学園高〜近大 ロッテ04ドラフト4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 45 66 17 2 0 0 19 5 2 2 0 5 0 13 .258
09 ロッテ 41 64 17 3 0 1 23 8 6 4 2 5 0 17 .266
10 ロッテ 11 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 .000
11 ロッテ 30 67 14 4 0 0 18 2 0 2 0 3 0 16 .209
通算 8年 141 219 49 9 0 1 61 16 8 10 2 14 0 55 .224

控え捕手というよりも控え内野手の色のほうが濃かった異色の選手。近年捕手に重心を移したが、長年便利屋的存在だった。
高校・大学ともに大西(横→ソ)と同期。ロッテ入りすると早くから捕手らしからぬ俊敏さが評価され、2年目から内野も守るように。3年目には内野での出番のほうが多くなり、07年初出場の一軍でもマスクは被らず守ったのは二塁と三塁。「内野もこなす捕手」というよりは「捕手もできる内野手」というほうが近かった印象。
08年は里崎の故障という時期があって一軍でもマスクを被ったが、やはり起用は内野が中心。17の先発出場のうち15が二塁でのものだった。出番は大幅に増え、8月以降は打撃でも好結果。一気に一軍定着が近付いた。09年は出場数ほぼ横這いだったが、6月以降一軍にほぼ定着。代打で12打数5安打という好成績を残し、前年より数字を上昇させてきた。6盗塁と脚力も発揮。
しかし橋本が抜け捕手としてチャンス到来と思われた翌年は、予想に反して大きく後退。移籍の的場が2番手に定着したことから、シーズンのほとんどを二軍で過ごすことに。終盤離脱の里崎に代わって一軍昇格したが、先発機会は一度もなく、わずかな出場に留まった。出場のなかった06年以来のシーズンノーヒットに。
昨年も一軍が遠く、夏場まではずっと二軍暮らし。ただ後半から終盤、里崎が離脱がちだった時期に昇格すると今度は積極的に起用された。スタメンマスク22試合を含む30試合に出場と前年よりやや上向きに。
チームの捕手事情は故障がちな里崎とベテラン的場以外の選手にほとんど実績がなく、ポスト里崎が混迷の状態。田中も若くはないが、捕手に絞った以上チャンスは狙いたいところ。今季は出番をもっと増やしたい。

40 渡辺 正人

伸び悩み、守備上位型

右投右打
上宮高 ロッテ98ドラフト1位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 28 36 11 2 0 1 16 3 0 2 0 2 0 13 .306
09 ロッテ 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -
10 ロッテ 9 6 1 1 0 0 2 0 0 1 0 1 0 3 .167
11 ロッテ 54 105 18 3 1 1 26 10 0 6 0 5 4 30 .171
通算 14年 490 674 140 26 7 11 213 71 4 47 2 41 9 207 .208

ドラフト1位で入団の内野手。将来のショートレギュラーとして期待されたが、打撃が弱く突き抜けられずにいる。
最初の3年間は下積みで過ごし、01年から一軍出場。すでに守備力には一定の評価を得ており、翌年小坂の故障で出番激増。小坂復帰後も一軍に定着し、一気に100試合以上出場。もっぱら守備要員として活躍した。この辺りまでは非常に順調で、翌年もベテランの堀、守備に不安の外国人の守備固めとして数多く出場。
ただ期待された打撃がかなり弱い。本来は大きいのも打てる打者で、03年は7ホーマーも記録。だが確実性が全くなく、三振もあまりにも多すぎて、低打率に喘いであと一歩がなかなか越えられない。そうこうしている内に西岡と今江が一軍で急台頭。後続の二人に完全に遅れを取ってしまい、存在が一気にかすんでしまった。
04,05年と出番を減らしてややジリ貧に。06年は小坂が移籍し守備要員として久々に出場を増やしたが、打率はまた1割台。先発しても8,9番が定位置だった。07年はまた後退で出場数半減。相変わらず1割台の貧打で塀内・根元といったところにも追い抜かれてしまった。
08年は前半ほとんど出番なし。それでも後半西岡の代役などで出番が増え、5年ぶりの一発を放つなど珍しく高打率を記録した。ただ打席数自体が少なく、印象はあまり強くない。そして09年は出場数がとうとう一桁にまで落ち込んでしまった。8月に3試合、守備で出ただけで打席機会なし。翌年も一軍出場は稀で、一桁止まり。ほぼシーズン通して二軍暮らしだった。
控え内野手としての居場所も失いつつあったが、ショートが流動的になった昨年久々の再浮上。荻野故障後の6月から一軍に出始め、スタメン31試合を含む54試合の出場機会を得た。シーズンの打席数が100を越えたのは実に8年ぶりで、3年ぶりの一発も記録。
ショートとしての先発28試合は根元に次ぐ2番目の数字。ただ相変わらず打撃は貧弱で、巻き返したというには辛い数字。ギリギリのところからポジション獲りのチャンスが舞い込んできたが、果たしてこのチャンスを活かせるか。

52 金 泰均 (キム・テギュン)

主砲期待、竜頭蛇尾型

右投右打
ロッテ10〜11
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
10 ロッテ 141 527 141 22 0 21 226 92 0 0 9 74 4 140 .268
11 ロッテ 31 104 26 5 0 1 34 14 0 0 1 12 2 23 .250
通算 2年 172 631 167 27 0 22 260 106 0 0 10 86 6 163 .265

韓国から来日の外国人選手。第2回WBCで3ホーマー、11打点の活躍を見せ一塁のベストナインに選出された選手。
高卒1年目から20ホーマーした長距離砲。母国では08年に本塁打王に輝き、通算188ホーマーを放った。国際試合では同じ一塁の李承Yの陰に隠れた形が続いていたが、その李が出場辞退した09年上記の活躍。FA権を取得することから、早い段階から来日の噂があり、オフにFA権を行使すると間もなくロッテとの契約が成立。
チームにとっては待望の長距離砲であり、開幕から「4番一塁」にほぼ固定。1年目苦労する傾向の強い韓国リーグ出身者だが、4月月間3割と絶好のスタートを切った。5月には9ホーマーと持ち味の一発も増加。打点リーグ上位を争い、前半はなかなかの活躍を見せた。しかし攻め方を覚えられたか6月頃から調子は下降線。打率を徐々に落とし、後半はわずか3ホーマーと一発も出なくなった。7月以降27打点は1番の西岡よりも少なく、シーズン最終盤には4番を外され、ポストシーズンでも6,7番での起用に。
上背よりもどっしりとした体型が印象に残る巨漢打者。右打者ながら右腕の押しが強い選手で、あまり足を上げない特徴ある打撃フォーム。押し込んでいくような独特の飛ばし方を見せる。左投手にはかなり強い。
92打点でも得点圏打率は前半から低く、あまり勝負強さは見せられず。併殺打は両リーグ最多の24を記録した。改めて4番を任された2年目だったが、長打はさらに出なくなり、5月に入ると間もなく手首の故障で離脱。復帰後も調子が上がらず、すぐに今度は腰痛でリタイアと故障続き。それだけに留まらず、7月には早くも退団意思を表明する事態に。正式には昨年限りという形だが、実際のところ後半は日本にもいない状態で、事実上夏場には退団していた。
結局中軸の期待には応えきれず。故障が続いたのは不運だったが、解雇される前に早々と敵前逃亡したという印象であり、最後は後味の悪い形となった。今季は韓国ハンファに復帰。

55 神戸 拓光

長距離砲候補、荒削り型

右投左打
土浦日大高〜流通経済大 ロッテ07ドラフト(大・社)3巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 23 48 10 1 0 2 17 3 1 1 0 1 0 16 .208
09 ロッテ 9 16 2 0 0 0 2 0 0 1 0 1 0 5 .125
10 ロッテ 26 43 9 1 0 1 13 7 0 0 1 3 1 13 .209
11 ロッテ 22 40 8 2 0 0 10 2 0 1 0 4 0 11 .200
通算 5年 80 147 29 4 0 3 42 12 1 3 1 9 1 45 .197

身長191cmの大砲候補。恵まれた体格から放つ雄大な飛距離が魅力の選手。
大学から分離ドラフト3巡でロッテ入り。台頭気配を見せ始めていた大松、竹原に続く主砲候補と期待された。1年目は二軍で3割近い打率を残すも4ホーマーに終わったが、08年チームトップの12ホーマー。一軍初出場も果たし、プロ初を含む2ホーマーと長距離砲の片鱗を見せた。
確実性は低くともツボにはまれば軽々スタンドに運べるパワーは大きな魅力。09年は二軍で16ホーマーとさらに本数を伸ばした。ただ後半出場した一軍ではさっぱり。軽くあしらわれ、飛躍を果たすことは出来ず。
魅力も大きいがやはり粗さも相当なもの。10年は2年ぶりの本塁打を放ち、序盤は積極的に使われた。だが結果を残すことは出来ず、徐々に出番も減って二軍に落ちるように。出場数は自己最多も、後半はほとんど二軍で過ごし一軍定着はならなかった。昨年も状況はほとんど変わらず、前半はチャンスも多く与えられたが、結果を残せずやはり後半は二軍暮らしに終わった。
時間のかかる大型選手ではあるが、今季27歳の年齢はそろそろ一軍実績が欲しい。課題はやはり変化球への対応。ある程度スケールを犠牲にする覚悟も必要か。

58 青野 毅

中堅内野手、故障低迷型

右投右打
樟南高 ロッテ01ドラフト5位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ - - - - - - - - - - - - - - -
09 ロッテ - - - - - - - - - - - - - - -
10 ロッテ 14 18 2 0 0 1 5 1 0 0 0 2 0 6 .111
11 ロッテ 5 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 .000
通算 11年 160 458 115 20 5 17 196 58 3 11 4 22 6 113 .251

06年急台頭で一時レギュラー争いに参戦した内野手。西岡・今江に続く存在として注目を集めたが、その後故障低迷。
高校時代はエースとして甲子園に出場も、プロでは入団と同時に内野転向。パンチ力ある打撃が期待された。05年までの5年間は完全に二軍暮らしで、一軍経験は2年目の1打席のみ。ファームではレギュラー格として活躍もなかなか機会は巡ってこなかった。
しかし6年目の06年は堀の故障から4月に昇格。即2番スタメンで起用されプロ初ヒットを記録した。このときはわずか半月の一軍滞在だったが、5試合すべてスタメンで3割。そして再昇格した6月から急台頭が始まった。横浜戦でプロ1号を満塁で放つと、ソフトバンク戦での2号がまたも満塁弾。これ以降は完全に一軍定着を果たし、一気に準レギュラー格にまでのし上がった。二軍時代は三塁が主だったが、一軍では二塁を中心の起用。長打もある打撃は魅力たっぷりで、ベテラン堀の後継者に急浮上。実質初めての一軍で好成績を残した。
この活躍から07年は序盤からレギュラー級の起用。今江の不調から三塁での起用が増えた。5月中に10ホーマー到達と非常に好調なスタートを切ったが、6月からはパタッと一発が止まり、さらに後半は故障で戦線離脱。惜しくもレギュラー完全定着には至らなかった。
そしてこれ以降は故障で苦しむことに。翌08年開幕後に肩を手術し、このシーズンは二軍でもわずかな出場。09年二軍では復調気配も見せたものの、2年続けて一軍出場できずに終わった。10年は久々に一軍出場も、主に代打で起用されたが結果は残せず。わずか2安打したのみでシーズンを終え、復調とまではいかず。
名を売ったところで大幅な足踏みとなり、かつての勢いもすっかりかすんでしまった。昨年は6月にわずか5試合に出たのみでノーヒット。二軍では中軸のレギュラーだったが、目立つ成績でもなかった。準レギュラーだった頃からそろそろ5年が経ち、さすがにこの状態はもう続けられないところ。今季は正念場となりそう。

59 細谷 圭

若手内野手、発展途上型

右投右打
太田市商高 ロッテ06ドラフト(高)4巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 20 48 8 2 0 0 10 4 0 1 0 1 0 15 .167
09 ロッテ - - - - - - - - - - - - - - -
10 ロッテ 6 22 6 1 0 0 7 3 0 0 0 0 0 7 .273
11 ロッテ 22 58 7 1 1 2 16 5 0 1 0 1 0 28 .121
通算 6年 48 128 21 4 1 2 33 12 0 2 0 2 0 50 .164

打力を期待される若手内野手。まだまだ未熟だがショート候補の一人に名を連ねる。
甲子園出場はならずも、高校通算46本塁打を放ち県下では強打者として知られていた存在。高校生ドラフト4巡指名を受けロッテ入りした。最初の2年を二軍で過ごした後、3年目の08年に一軍初出場。一塁でスタメン出場し初安打を放つなどなかなかのデビューを果たし、この年20試合に出場。翌年は一軍に呼ばれなかったものの二軍で3割10ホーマー。10年も二軍では好成績で、チームトップの51打点をマーク。ファーム選手権では4番に座って3安打放ちMVP獲得と主軸として活躍。守備位置は当初三塁がメインだったが、09年以降ショート中心に変わっている。
昨年は西岡が抜け、さらに荻野貴が故障離脱でショートに穴が開いたため5月に一軍昇格。即先発起用されるとプロ初ホームランを記録。だがその後が続かず、一発の直後から21打席ノーヒットが続き、その間11三振を喫して粗さを露呈。さらに捻挫もあって1ヶ月ほどで二軍に戻ることに。それでも終盤再昇格し、22試合、60打席はいずれも自己最多。
7安打の内2ホーマー含む4本が長打とパンチ力を発揮した一方で、打率は1割を越えるのがやっとという状態。一軍レベルにはまだ一歩も二歩も足りない印象だが、可能性を感じさせるシーズンにはなった。今季もチャンスはあるはずで、さらなる成長を見せたい。

61 角中 勝也

中距離打者、叩き上げ型

右投左打
日本航空二高〜IL高知 ロッテ07ドラフト(大・社)7巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 10 18 2 0 0 1 5 1 0 1 0 4 0 4 .111
09 ロッテ 10 18 3 0 1 0 5 1 1 1 0 2 0 5 .167
10 ロッテ 13 18 0 0 0 0 0 0 0 1 0 4 0 6 .000
11 ロッテ 51 154 41 5 1 0 48 10 2 1 3 9 4 30 .266
通算 5年 93 225 50 5 2 1 62 14 3 4 3 19 4 49 .222

アイランド・リーグからプロ入りの外野手。入団以来二軍で好成績を続け、昨年大きくジャンプアップ。
分離ドラフトの7巡とかなり低い順位ではあったが、1年目二軍でリーグ2位となる3割3分の高打率をマーク。早速一軍も経験した。2年目には春先に一軍で初ホームラン。これがアイランド・リーグ出身者初の一軍本塁打となった。前年ほどではないものの下では安定した成績を残し、一軍に近い選手として存在感を増してきた。
力強いスイングが売りの中距離打者。足も肩もあるとして将来のレギュラー獲りも期待される。だがさすがに一軍の壁は高く、09年も終盤昇格したものの結果を残せず。10年もやはり終盤一軍起用されたが、5試合の先発も含めた23打席で1安打も出来なかった。
昨年も前半はずっと二軍。しかし8月に昇格すると、この月11試合31打席で4割超と打撃で大いにアピール。外野或いはDHで先発出場し、打席機会が急激に増えた。打率の方は日程が進むに連れ下降、終盤は1割台と完全に止まってしまったが、初めて打席数が100を越えまずまずの打率。大きな飛躍のシーズンとなった。
二軍で続けてきた好打を実証することに成功。速球も変化球もしっかり叩ける打撃は破綻が少なく安定感がある。勢いが長続きしなかったのは課題だが、今季はさらにアピールして熾烈な外野争いに食い込みたい。

62 金澤 岳

控え捕手、一軍半型

右投左打
矢板中央高 ロッテ03ドラフト6巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 15 44 12 2 1 0 16 10 0 0 0 2 1 11 .273
09 ロッテ 2 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1.000
10 ロッテ 6 7 4 0 0 0 4 1 0 0 0 0 0 3 .571
11 ロッテ 21 28 2 0 0 0 2 2 0 0 1 0 0 11 .071
通算 9年 44 80 19 2 1 0 23 13 0 0 1 2 1 25 .238

「ポスト里崎」を狙える位置にいる捕手。どちらかといえば打撃に持ち味があり、少ないながらも一軍実績を積みつつある。
中央では無名に近い高校からドラフト下位でロッテ入り。最初の5年は二軍で下積み生活。06年頃からファームでメイン格の捕手となると、里崎・橋本が揃って故障の08年5月一軍初出場。スタメンマスク11試合の抜擢を受け、打撃ではなかなかの好結果。一気に存在感を高めた。だが翌年はほとんど二軍暮らしに戻り、橋本移籍でチャンス拡大の10年は二軍でもDH出場のほうが多い状態。数少ない一軍出場で7打数4安打の好結果を残したが、やや停滞した印象。
守備力よりも打撃センスを評価されている選手で、開幕一軍入りを果たした昨年もメインの起用は代打。ただ今度はさっぱり結果を出せず、シーズン通してわずか2安打という状態。スタメン機会は3試合あったがいずれもDHで、マスクを被ったのはゲーム途中からのみだった。
どうも伸びてきそうで伸びてこない。サブの的場を脅かすところまでも至らず、いつの間にか今季で28歳と中堅の年齢。正捕手を目指すならそろそろしっかりとした一軍実績を作っていかないと。

65 南 竜介

超強肩、一軍半型

右投右打
報徳学園高 横浜00ドラフト5位〜06途中、ロッテ06途中〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 21 40 9 2 0 1 14 2 1 1 0 3 0 11 .225
09 ロッテ 15 39 11 2 1 3 24 8 0 0 0 1 0 10 .282
10 ロッテ 57 83 17 2 0 1 22 4 3 1 0 9 2 23 .205
11 ロッテ 32 39 7 1 1 1 13 3 1 2 0 1 1 10 .179
通算 12年 170 224 46 7 2 6 75 18 5 5 1 14 3 64 .205

プロでも有数の鉄砲肩を持つ外野手。横浜時代圧倒的な強肩が二軍の名物になったほどの存在。
投手として横浜入りも02年から外野に転向。その時点から肩は非常に高い評価を受けていた。03年から二軍ではレギュラー格となり、翌年からは一軍にも少しずつ登場。06年途中ロッテに移籍。
粗すぎる打撃がネックとなって停滞が続いていたが、08年は左投手から22打数7安打と結果を残し、6月にプロ初ホームランを記録。後半はまた二軍暮らしだったが、久々に上昇気配を見せた。そして09年は終盤大きな存在感を見せた。開幕から8月までずっと二軍暮らしでいたが、9月に昇格するとそこから3ホーマーの活躍。これまでにない打撃を見せ、自己ベストの数字を残した。左に強いところも再びアピール。
印象に残る活躍から10年は出場機会増加。ただ勢いを持続することは出来ず、パッとしない状態が続いた。ようやく打撃が上向いてきたところで、今度は手首を痛め長期離脱。出場数は自己最多を記録したものの、後半はほとんど不在で印象はむしろ薄くなってしまった。
不在の間に外野には新勢力が台頭し、大きく状況が変化。昨年は出番が半減し、後半はほとんど出場機会を得られない状態だった。強肩とパンチ力は得がたい特徴だが、30歳を越えた中堅選手としては一芸以外の技術も見せたいところか。今季は生き残りを賭けたシーズンとなりそう。

66 岡田 幸文

快速外野手、鉄壁型

左投左打 ゴールデングラブ(11)
作新学院高〜日大中退〜全足利ク ロッテ09育成ドラフト6位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
09 ロッテ - - - - - - - - - - - - - - -
10 ロッテ 72 142 25 2 0 0 27 8 15 9 1 8 1 15 .176
11 ロッテ 144 577 154 7 4 0 169 35 41 20 1 28 9 66 .267
通算 3年 216 719 179 9 4 0 196 43 56 29 2 36 10 81 .249

育成出身から瞬く間にレギュラーとなった俊足外野手。故障者の穴を埋める形での抜擢から一気にチャンスを掴み台頭。
高校卒業後日大に進学。大学では巨人入りした長野と同期だったが、故障などあって中退。その後はクラブチームでプレーしていた。育成ドラフト6位で指名を受けロッテ入り。しかしプロ入りすると3月末に早々と支配下登録された。
脚力の高さが最大の武器。09年二軍ではあまり走れず盗塁死も多かったが、10年は6月までに14盗塁を記録。一軍では新人の荻野貴が俊足でチームを引っ張る活躍を見せていたが、5月後半膝の故障で離脱。するとその代役として岡田にチャンスが廻ってきた。一軍初出場は守備のみだったが、翌日にはスタメンに抜擢。以降急激に出番が多くなった。打撃面は非常に弱く、7月一時2割台に乗せたものの8月以降はわずか5安打、1割がやっとという状態。低打率でポジション奪取には程遠かったが、チーム3位の15盗塁と脚力はアピール。さらに日本シリーズでは25打数8安打と別人のような打棒を見せ、これで大きく名を売った。
そして昨年は不動のレギュラーに定着。センターに座り、打撃も開幕直後は好調。100試合近くで1番を務め、フル出場でシーズン完走。チームトップ、リーグ3位の41盗塁を記録し、ゴールデングラブ受賞。前年以上の大飛躍のシーズンとなった。
何と言っても岡田を語る上で欠かせないのがその圧倒的な守備範囲の広さ。機敏に駆け回り、相手チームからは脅威的な存在に。プロでも有数の守備力で貢献度は非常に大きい。一方打撃はまだ非力な面が強く、内野安打がリーグトップの48本という割に打率がもうひとつ。トップバッターとしてはもう少し出塁率を改善したいところ。しかし打撃はこの程度でも圧倒的な守備力は多大な戦力。今季も不動のセンター。

67 的場 直樹

中堅捕手、専守貧打型

右投右打
上宮高〜明大 ダイエー/ソフトバンク00ドラフト3位〜09、ロッテ10〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ソフトバンク 8 6 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 2 .167
09 ソフトバンク - - - - - - - - - - - - - - -
10 ロッテ 74 188 30 5 1 1 40 19 0 6 2 13 0 61 .160
11 ロッテ 27 70 13 1 0 0 14 3 0 2 0 1 1 24 .186
通算 12年 313 598 96 24 1 5 137 42 0 27 3 35 4 178 .161

ホークス時代、城島退団後の正捕手を争った一人。ロッテ移籍後は里崎のサブとして控える。
大学時代守備力を評価され、入団当時「城島のいるダイエー入りはもったいない」とまで言われた。その評価通り1年目は34試合に出場。2ホーマーも放ち何年後かには楽しみとも思われた。しかし2年目に肩を故障し、2年間一軍出場なし。城島が離脱した02年に自身も故障で出られなかったのは不運だった。的場が健在なら田口の移籍加入はなかったかもしれない。
04年城島が五輪出場ということで、故障癒えた的場もオープン戦からテスト起用が目立った。しかしどうもこれといった武器がなく、経験不足を露呈。結局夏場にもそれほどアピールできず、田口の後塵を拝する結果となった。それでも翌年は故障の城島に替わってホームを守り、ようやく台頭してきた。この経験から正捕手筆頭候補に。
しかし06年は期待されながら正捕手奪取ならず。打てないことはある程度織り込み済みだったが、その予想すら下回る貧打に加えて守備面でもパッとせず。ほとんど実績のなかった伏兵山崎にあっという間に抜き去られてしまった。同い年の斉藤和とは常にコンビを組んだが、後半はほとんど専属捕手状態。選ばれた最優秀バッテリー賞も、的場の成績の低さが物議を醸したほどで、かなり期待外れのシーズンとなった。
打撃は常に「当たれば儲け物」の大穴狙いといった風情で、真ん中付近を大振りして身長と競り合う低打率。評価されるリード面も、厳しい場面では打撃同様単調傾向が目立つ。故障以降肩はかなり弱く、どこをとっても平均以下という評価になってしまう。
山崎も精彩を欠いた07年だったが、さらに後退で事実上正捕手争いからは脱落。相変わらずの貧打は4月から9月まで5ヶ月もヒットがなく、一時は打率が5分を下回っていた。そして斉藤が故障で不在となった08年以降はほとんど出番がなくなった。09年は一軍昇格なくシーズン後戦力外に。
すっかり影が薄くなっていたが、トライアウトを経てロッテ入りした10年は久々に発奮。2番手の座を完全に確保し、里崎の体調が万全ではないことから先発機会も多く得た。里崎が離脱した後半から終盤はメインでマスクを被り、63試合に先発出場。打席数が200を越えたのは初めてで、戦力外から大きく巻き返し。
移籍で息を吹き返した。昨年は序盤二軍、終盤の里崎離脱時も田中が優先起用されるなどして大幅に出番が減ったが、先発マスク26試合はチーム2番目の数字。未だ里崎に続く捕手は経験不足が多く、サブとして貴重な存在。

68 早坂 圭介

快速内野手、非力型

右投左右打
横浜商工高 ロッテ03ドラフト8巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
08 ロッテ 17 24 2 0 0 0 2 0 0 1 0 0 0 9 .083
09 ロッテ 103 219 49 10 4 1 70 17 12 12 1 16 1 44 .224
10 ロッテ 16 24 6 0 0 0 6 3 3 3 0 1 1 3 .250
11 ロッテ 22 58 13 0 1 0 15 3 3 4 0 3 0 15 .224
通算 9年 184 344 71 10 5 1 94 23 21 20 1 20 3 77 .206

圧倒的な俊足を誇る内野手。過去3度のイースタン盗塁王を獲得し、6年間での二軍通算盗塁が150を越えている。この足を武器に09年急浮上で一軍定着。
高卒で西岡と同期入団。指名順位は低かったもののいきなり二軍のレギュラーとなり、1度目のファーム盗塁王を獲得。一軍にも14試合に出場を果たした。その後も下では安定レギュラー。05,07年にもファーム盗塁王に。
ただ打撃が弱く、二軍では主力選手でも、なかなか一軍の壁を突破できず。07年プロ初安打を記録し、08年前半は1年目以来の出場数となったが、エレベーター状態を脱しきれずアピールし切れなかった。
しかし7年目の09年ようやく壁を突破し、一気に出場機会が増加。開幕から一軍に留まり続け、代走要員にとどまらずショートやセンターのスタメンなどもこなし、100試合以上出場を勝ち取った。前半は相変わらず非力で低打率だった打撃も、プロ初ホーマーを放った8月は3割など好調で力強さを増した。12盗塁と脚力を充分に発揮し、準レギュラークラスの打席数で大飛躍のシーズンに。
10年は首脳陣が替わりレギュラー陣が固定されたことから序盤はほぼ代走専門。開幕直後に代打出場してから2ヵ月近く打席機会がなかった。それでも荻野貴が故障離脱するとその代役を任されセンターで先発出場。ところが数試合出たところで自身も靭帯損傷の重傷を負ってしまい、戦線離脱。以降実戦出場はなく、故障に泣かされる結果に終わった。
昨年は7月から一軍合流。混戦のショート争いに一事加わったが、出場数はもう一つ伸びず、あまり目立たずに終わった。外野陣の新鋭の登場で少しかすんでしまった感もあるが、足という強力な武器があるだけに巻き返したいところ。