退団野手 2002年

総勢28選手

青柳 進  

控え捕手、代打型

右投右打
西日本短大付高 ロッテ87ドラフト3位〜94 ヤクルト95〜
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 ヤクルト 47 44 8 0 11 7 0 0 0 6 22 .182
01 ヤクルト - - - - - - - - - - - -
02 ヤクルト 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
通算 16年 596 1196 278 26 428 140 1 36 7 107 324 .232

まだ現役、なんだよねえ。すっかり存在感がなくなってしまった。(もともと、といううわさもある)古田、という控え泣かせの選手のおかげで、滅多にベンチを出てこない。ベンチにいるのかさえ怪しい。最近は球団の「ポスト古田育成」の大義名分もあるし。
ロッテ時代にレギュラーをつかみかけたが、リード面で信頼を得られず放出。ヤクルトでは古田の「万が一」のための控え。打力があるので代打として起用もされたが、控え捕手という立場上、ベンチとしても起用しづらい。守備力もそんなに悪くないし、33の年齢からもまだやれる。控えでも腐らないのは、首脳陣にはありがたいか。
意外と、来季あたりはコーチ就任か?

秋山 幸二

万能、名選手型

右投右打 最多勝利打点(85、87)、ベストナイン(86〜93)、本塁打王(87)、Gグラブ(87〜96、99)、盗塁王(90)
八代高 西武81ドラフト外〜93 ダイエー94〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 ダイエー 124 427 112 5 152 48 2 6 4 51 63 .262
01 ダイエー 82 269 77 11 129 32 1 0 0 18 43 .286
02 ダイエー 76 229 57 5 79 24 0 4 2 9 45 .249
通算 22年 2189 7997 2157 437 3927 1312 303 20 61 985 1712 .270

20世紀最高の外野手、の声もある大選手。全盛期には、強肩攻守、俊足、強打の三拍子そろい、最もメジャーに近い男、と言われつづけた。しかし、彼が初めてレギュラーを獲ったのがサードであることを知る人は、もはや少ない。当時ショートの石毛が衰え、サードに廻ったのを期に強肩を買われ外野に。名声を作ったのは「偶然」であった。
超大型トレードでダイエー入り。それ以降は数字的にパッとしないが、実は西武時代にも数字的には頭打ちであった。それでもいまだに現役。衰えたとはいえ、長年の経験に裏打ちされた守備力は、いまだに平均以上。意外とあくの強くない性格で、派閥を作らないタイプ。無言実行を貫く男(ほめすぎか?)
堂々たる体躯で、きれいなフォームで打った打球は弾道が低く、福岡ではスタンドまで行かない。むしろこすったような感じのほうが打球は伸びる。アウトローにはメチャクチャ弱いが、何とかする技術もある。
何で森監督に嫌われていたのか不明だが、いまや王の次の監督、という声もある。(一昨年末にはプレイイングマネージャー説もあった)。ついに今季限りでの引退を表明。記憶に残る選手である。

池山 隆寛 

オールラウンド一発屋、スター型

右投右打 ベストナイン(88〜90、92、93)、Gグラブ(92)
市立尼崎高 ヤクルト84ドラフト2位〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 ヤクルト 67 157 36 9 66 21 3 2 0 16 43 .229
01 ヤクルト 65 73 14 4 30 12 0 0 3 9 30 .192
02 ヤクルト 44 43 9 1 13 6 0 0 0 5 19 .209
通算 19年 1788 5811 1521 304 2749 898 108 47 48 625 1440 .262

ヤクルト黄金時代(こう言っちゃっていいでしょう)のスター選手。87年から92年まで、6年連続で100三振を記録し、「ブンブン丸」の異名をとった。ホームランの魅力と裏腹に、あっさり三振する荒っぽさ。野村監督がどんなに苦々しく思っても、これが池山であり最大の魅力であったはず。しかし意識改革したのか洗脳されたのか、93年から三振数が激減。それとともにすべての成績が下降線を描き、まったく特徴のない選手に成り下がってしまった。やっぱり、振り回してこそ池山だと思うのだが。
ショートでホームラン打者、というとついつい宇野を連想させるが、宇野との大きな違いは守備力。彼のショート守備は華麗で、派手で、名手と呼んでも差し支えないものだった。89,91年などは失策ヒト桁!守備機会の多いショートでこの数字は驚異的ともいえる。(間違っても守備範囲が狭かったわけではない)しかし96年に故障、それ以降は足の衰えや宮本の台頭もあり、サードに転向。こうなるといよいよ、特徴がなくなってしまった。
年齢的にしかたのない面もあるが、ここ2〜3年はレギュラーさえも追われ、選手としての晩年を迎えつつある。彼には一発を捨てて欲しくなかった。頑張ったって、3割をコンスタントに打つ打者ではないのだから、中途半端に方向転換することはなかったと思うのだが。あれが限界だったのか、そうではなかったのかわからないのが惜しい。
ここ数年は一発のある代打として存在感をアピールしていたが、やはり衰えは顕著。先日、今季限りでの引退を発表した。

石井 浩郎

クラッチヒッター、無冠の帝王型

右投右打 ベストナイン(93、94)、打点王(94)
秋田高〜早大〜プリンスホテル 近鉄90ドラフト3位〜96、巨人97〜99、ロッテ00〜01、横浜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 ロッテ 95 312 83 10 128 51 0 0 3 53 49 .266
01 ロッテ 36 87 22 3 38 12 0 0 0 13 18 .253
02 横浜 34 77 16 0 19 2 0 1 0 9 18 .208
通算 13年 974 3091 894 162 1565 536 7 4 36 471 483 .289

無冠ってわけじゃないんですよね。94年に打点王のタイトル取ってる。でもそういう雰囲気、恵まれない感じがつきまとう。
早大→プリンスホテルというエリートコースを感じさせない野武士的風貌。がっしりした体格ながら、常に故障に悩まされる。妥協を許さない求道者のような感じから、自分をいじめすぎるのでは?とも思う。
そもそも入団時から内臓疾患で出遅れる不運。社会人のスラッガーはプロでは常に疑問符がつけられるが、彼は1年目から順応し、22ホーマーの成績。しかし同期の野茂が破格の数字をあげ、新人王すらとり逃す。そして94年に打点王を獲得すると、その翌年からは故障の連続に苦しむ。
大型トレードで巨人に移籍すると、今度は出番が与えられない不運。運がない、運がない、といってるうちに、もう38歳になってしまった。
千葉ロッテ、横浜でも結果が出せず、ついに今季引退を表明。リストを使わずに内角をさばく、独特のインコース打ちは屈指の技術だった。惜しかったのはあと1本で達成だった「12球団全てからのホームラン」。間違いなく時代を代表した選手であった。

ナイジェル・ウイルソン

助っ人大砲型

左投左打 本塁打王(97、98)、打点王(98)
日本ハム97〜01、近鉄02〜
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 日本ハム 120 439 129 37 263 89 0 0 2 57 98 .294
01 日本ハム 34 120 27 6 49 14 0 0 0 16 34 .225
02 近鉄 34 113 25 6 46 14 0 0 0 13 40 .221
通算 6年 461 1678 444 119 369 337 2 0 10 215 446 .265

打率は高くないが当たればとにかくでかい、典型的な助っ人外国人。来日1,2年目と、2年連続本塁打王。そして2年連続100三振。DH専門で、まさに「古き良き」助っ人の香りがする。
見かけによらず故障の多いのが難点か。99年は1シーズンを棒に振り、翌年復活も、昨年もまた故障に泣いた。まあこの人に限らず、日本ハムは昔からレギュラークラスの深刻な故障が多い。そのためチームの成績が安定しないのだが、原因は何なんでしょう?これだけ何年も同じことを繰り返していると、設備とか環境とか少しは見直せよ、と、突っ込みたくもなる。
技術的には、さすがに100三振するバッター。インコースに致命的な欠陥があり穴が多い。故障がなければ確実に30ホーマーするパワーが売りだったが、さすがにそれも陰りが見えた。
今季は近鉄に移籍したものの、期待を完全に裏切った。極端な低打率に喘ぎ、シーズン序盤にスタメン落ちすると二軍落ち。二度と一軍には帰ってこなかった。ローズよりも年下なのだが、バッティングに進歩がなく衰えも深刻。早々に解雇され、今季限りの公算大。

内之倉 隆志

元甲子園のヒーロー、鈍重型

右投右打
鹿児島実高 ダイエー91ドラフト2位〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 ダイエー - - - - - - - - - - - -
01 ダイエー 17 17 3 0 4 2 0 0 0 2 5 .176
02 ダイエー 8 8 0 0 0 0 0 0 0 0 4 .000
通算 12年 118 185 40 2 51 11 0 3 0 20 54 .216

高校時代、甲子園を湧かせたスラッガー。ただプロではあまりにも動きが鈍すぎ、内野に見切りをつけられた。
途中から突然捕手コンバート。ここで終わった(他ポジションからプロ入り後捕手になった選手で大成したものはいない)と思われたが、ここまで生き残った。
意外と捕手の適性は高かったようだ。ずば抜けた存在感はないが、いまやすっかり専業捕手の顔。ただしフットワークはやはり鈍く、レギュラーどうこうの選手ではない。今季城島離脱時にもチームを救うことが出来なかった。ここに来て一気に微妙な立場に立たされつつある。
捕手転向以降打力が大幅低下。一軍レベルの速球に全くついていけないのは少々情けない。高校時代の強打はどこへいってしまったのか。

トム・エバンス

移籍救世主型

右投右打
阪神01途中〜02途中、西武02途中〜
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
01 阪神 39 124 30 2 40 14 1 0 1 23 36 .242
02 阪神 - - - - - - - - - - - -
西武 78 242 61 15 122 45 0 0 2 50 93 .252
通算 2年 117 366 91 17 162 59 1 0 3 73 129 .249

昨シーズン途中に来日した外国人。壊滅状態の打線の穴埋めとしての補強だったが、その期待には応えられなかった。
走攻守、全てに特徴がなく、バッティングも迫力不足。到底中軸は打てず、さしたる印象もないままシーズン終了。
今季の残留も「サポート役として」という扱い。しかしオープン戦では好調で、二軍でも腐らずにプレイを続け、シーズン途中に待ちかねた幸運がやってきた。
マクレーンが離脱した西武に移籍。すると昨年が嘘のように打ちまくり、チーム快進撃の原動力となる活躍。後半失速して結局は平凡な成績に落ち着いたが、移籍直後は鮮烈な印象を残した。
昨年と今季の大きな違いはホームランの数。昨年100打席で2ホーマーが今季は200打席で14ホーマー。ただし弱点も露呈してしまったため、来季も活躍できるかどうかは微妙なところ。もう少し打率が上がってくるといい選手なのだが。

河田 雄祐

徹頭徹尾控え型

右投左打
帝京高 広島86ドラフト3位〜95、西武96〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 西武 31 41 11 1 18 6 1 6 0 6 13 .268
01 西武 32 36 6 0 6 0 1 1 0 8 5 .167
02 西武 6 9 1 0 2 0 0 0 0 0 3 .111
通算 17年 574 614 137 6 189 50 53 32 2 82 145 .223

俊足を売りにした選手。の割に一軍デビューは5年目と遅く、それ以降ももっぱら一軍半。ここまで長生きするとは思わなかった。
結局カープでは目立った実績を残せずライオンズへ。とはいっても、別にライオンズでもさしたる実績は残していない。つまりプロ16年間ずっと一軍半だったわけで、よくこの選手がここまで現役でいたものだ。
とにかく徹底的に代走・守備固め要員。さすがに年齢的な衰えは隠せず、昨年限りで引退となった。しかし実績の割には長生きした選手か。

マイク・グラン

帰国連発、いまいち型

右投右打
横浜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
02 横浜 67 248 56 10 102 34 1 0 2 13 83 .226
通算 1年

新四番候補として来日。右に大きいのが打てる打者として「ローズの再来」の期待もあったが、とにかく確実性が皆無。
確かに右に長打が打てるのだが、打てる球がくれば、の話でとにかく粗い。打率は低空飛行に加え、夫人の出産で帰国。日本野球に慣れる機会を自ら放棄してしまった。
ヤング加入後は二軍暮らしが主に。ヤングも決して成績が良くなく、後半戦も一軍にはちょくちょく上がってきたが、結局結果は出せないまま。開幕前の期待が大きかっただけに、チームとしては手痛い誤算となった。一年限りでの解雇もやむなし。

フェルペ・クレスポ

完全控え型

右投両打
巨人02途中
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
02 巨人 24 41 5 2 12 7 0 0 0 6 17 .122
通算 1年

シーズン途中来日。故障者続出の穴埋めとしての獲得だったが、わずか数試合で実力に見切りをつけられてしまった。内外野守れるユーティリティで器用さは買えるがそれだけの選手。
スイッチのパワーヒッターだが長打を量産するでもなく、卓越する技術があるでもない。守備もこなせるといった感じで、特徴が良くわからない選手。過去にも「複数のポジションをこなす器用な選手」という触れ込みの外国人は何人かいたが、だいたいがこういうタイプのようだ。ユーティリティを売りにする選手は、結局それ以外に長所がないということだろうか。
わずか24試合、打率.122の成績は控えとしても寒い。夏場以降は一軍にあがることもなく、いつの間にかいなくなっていた。巨人ファンでももう覚えていないかも。

レオ・ゴメス

優良助っ人、打撃優先型

右投右打
中日97〜00、01途中〜
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 中日 122 440 127 25 223 79 1 1 5 62 75 .289
01 中日 88 291 89 19 159 61 0 1 4 47 35 .306
02 中日 66 247 66 16 124 43 0 0 2 30 39 .267
通算 6年 660 2355 690 153 1253 449 8 3 27 355 350 .293

現在の貧打中日打線を一人で支える大砲。来日一年目で3割30本をマーク、以降もコンスタントな成績を上げ続ける。特に優勝時の巨人戦での活躍は特筆もの。
打撃に関しては言うことなしだが、三塁守備は難あり。強肩ではあるがフットワークは鈍い。かつて中日に在籍し、「不動の三塁手」と揶揄されたケン・モッカとよく似ている。
一昨年オフ、突然の引退宣言。メジャー挑戦だの、年俸交渉の手段だの、色々取り沙汰されたが結局とりあえずは退団。ところが昨年、打線のあまりの壊滅振りに結局呼び戻す羽目に。シーズン途中に復帰し19ホーマー。結局中日打線はこの人を抜きにしては形にならなかった。
踏み出す足のステップ幅が極端に小さく、揃えたような両足を軸にきれいに回転する独特のバッティング。外国人には珍しく、力というより技術で打っているバッター。
たださすがに年齢の不安は隠せなくなってきた。今季はシーズン途中に故障で離脱、出場66試合にとどまった。半数以下の出場、広いナゴヤドームを本拠地にしながら16ホーマーは相変わらず凄いが、来季で36歳の年齢は怖い。大砲不在のチームにはまだまだ欠かせない戦力だが、いい加減「次の4番」を考えなければいけないときにきた。守備の不安はかなり深刻。

清水 雅治

大ベテラン、健脚型

右投右打
浜田高〜三菱自動車川崎 中日89ドラフト6位〜95、西武96〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 西武 72 102 26 0 32 9 11 9 0 28 15 .255
01 西武 103 130 34 0 42 8 13 7 1 18 21 .262
02 西武 51 64 17 0 21 5 1 8 0 3 12 .266
通算 14年 951 1482 362 13 473 111 124 85 5 180 243 .244

今季でプロ14年目、38歳のベテラン選手。若い頃は俊足を売り物にしていたが、それがいまだに衰えていない、ある意味鉄人。
中日時代、92年にいきなり台頭。足と守りを武器にレギュラー的地位まで昇った。しかし打撃の非力さは否めず、定位置争いに勝ち残ることは出来なかった。その後は控えに落ち着く。
西武移籍後は完全な守備・代走要員。しかし走塁技術の確かさ、守備の堅さは一流のそれで、出場機会は少ないながらも手堅い戦力として生き残った。
足は信じられないほど衰えていない。昨年も13盗塁をマーク。今季からはコーチ兼任となり、ついに引退を表明した。来季からはコーチ専任。しかし引退試合で2安打を放ったところを見ると、体力的にはまだまだ若いのかも。体力維持の秘訣をぜひ訊いてみたい。

大豊 泰昭

古典的長距離打者型

左投左打 本塁打王、打点王、ベストナイン(94)
華興高(台湾)〜名古屋商科大〜中日球団職員 中日89ドラフト2位〜97、阪神98〜00、中日01〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 阪神 97 303 73 23 155 54 4 0 3 31 93 .241
01 中日 38 70 12 3 25 7 0 0 1 6 34 .171
02 中日 27 47 10 4 24 11 0 0 0 7 16 .213
通算 14年 1324 4097 1089 277 2136 722 15 20 26 556 1057 .266

台湾出身。現ダイエー監督・王貞治に憧れ、一本足打法でホームランを打つことを最大の目標にしてきた選手。「誰々に憧れて・・・」というのは良くあることだが、ここまでコピーに徹する例は珍しい。また非常な練習熱心で知られ、完璧を期するあまり自分からスランプを作ることもしばしばだった。野球に対して真面目過ぎる選手。
大学卒業後、日本人としてプロ入りするために一年間練習生として待つ。入団後は長距離砲として着実にキャリアを積み、6年目の94年にホームラン・打点の二冠王を獲得。名実ともに主砲の地位についた。
しかしそこがピークで、それ以降脆さを露呈したのもまた事実。大豊の一本足はやはり王のそれとは微妙に違い、やや前傾がきつすぎるため容易にタイミングを崩されるという欠点が明白。全盛期のパワー、そして狭いナゴヤ球場なら多少崩されてもスタンドまで運べたが、パワーの衰えとともに本拠地が広い甲子園に。もともと飛距離のある人ではなかっただけに、この移籍はきつかった。
熱心さは評価するが、それがプライドを肥大させていた面も否めない。自信があるのは結構だが、客観的に見てここ数年の大豊は戦力として評価できない。守備はダメ、足も遅い、打つだけが能なのに2割5分・20本程度。そんなレベルなら私が監督でも使わない。走攻守、総合的に考えてデメリットが大きすぎる。野村前監督の大豊に対する扱いは、決して好き嫌いの問題じゃなかったと思う。
結局もともとの上司・星野監督が救済する形で古巣中日に戻ったが、さらにホームランの出にくいナゴヤドーム。年齢的にももういっぱいいっぱいであった。ホームランは打てるものの、代打では思うような結果が出ず、昨年限りで引退。
いざ引退してしまうと少々寂しいが、決断はもう2年早くても良かったかもしれない。今後はスカウトとして日台の橋渡し役となる。

内匠 政博

小兵外野、尻すぼみ型

左投左打
PL学園高〜近大〜日本生命 近鉄93ドラフト3位〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 近鉄 52 64 14 0 17 4 1 2 0 8 10 .219
01 近鉄 - - - - - - - - - - - -
02 近鉄 - - - - - - - - - - - -
通算 10年 433 1022 259 10 343 70 49 28 4 111 168 .253

キャリアは長いが輝かしい実績には欠ける選手。一時はレギュラー争いをしたこともあるが、総じて存在感は薄い。
実績らしい実績といえるのは4年目まで。全ての面でそつのないプレーを見せ、95年には実質レギュラー。しかしそれ以上の特徴がなく、セールスポイントと呼べるほどのもののない平均点選手であった。そのため97年から出場機会が激減。そこから一度も浮かび上がってこない。
ここ2年は出場ゼロで、ついに引退となった。一度逃したチャンスは二度と廻ってこなかった。

エディ・ディアズ

中堅外国人、突然変異型

右投右打
広島99〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 広島 88 264 67 8 98 31 4 2 1 17 30 .254
01 広島 136 470 143 32 259 85 5 7 4 43 53 .304
02 広島 96 353 99 17 166 51 2 5 4 38 41 .280
通算 4年 430 1448 404 65 660 220 13 18 11 123 164 .279

突然変異、としか言いようが無い。来日2年で16ホーマーの選手が突然32本も打つとは・・・まったく予想外の出来事。
来日時から、どちらかと言えば守備の人、と言われ、事実セカンド守備は堅実。ショートもこなせる器用さもあり、前評判通りの働きを見せた。反面バッティングは完全に日本人並みで、ゲーム終盤ともなれば代打を送られる存在。完全に守備の人、であった。
ところが一昨年は3割30本。同郷の西武・カブレラの活躍に刺激され、アドバイスももらったそうだが、その程度でこんなに変われるもんなのか?じゃあ、今までコーチは何してたんだ?それとも別人のディアズなんじゃないか?と、正直疑問符しか出てこない活躍。いや本当に、同姓同名の別人かと思いました。
活躍があまりに急で、だからこそ一年だけなんじゃないか、とも思えたが、昨年も打撃レベルは落ちていなかった。8月下旬以降試合に出ていないため数字は落ちているが、内容はあまり変わっていない。どうやら本格的に打撃開眼だったようだ。
とはいえ契約で折り合わず、昨年限りで退団となってしまった。せめてはじめからこの打撃を見せていれば、もっと強い印象が残ったのだが…。意外と面白い選手だっただけに、少々残念。

モーガン・バークハート

ずんぐりむっくり、低目安定型

右投左右打
ダイエー02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
02 ダイエー 42 126 27 9 55 18 0 0 0 14 40 .214
通算 1年

公称180センチ(実際はもう少し低そう)に公称100キロ(実際は間違いなくもっと重い)の樽のような体形の選手。かつては近鉄も獲得調査していたということで「ひょっとしたら?」という期待は受けていた。
アベレージを稼げる打者、という前評判だったが、開幕してみるとホームラン連発。しかしアベレージはさっぱり伸びず、一回りして弱点を覚えられるとホームランも打てなくなった。
明らかに太りすぎのせいで速球に腰がまわらず差し込まれる。にもかかわらず緩い変化球にも脆さを露呈。つまり半速球しか打てないとあっては、二軍落ちもやむなし。そのうち故障で帰国してしまった。
もう少し痩せてれば、もっと違う姿も見られたろうか。1年限りの解雇もやむなし。

平井 光親

元首位打者、地味型

左投左打 首位打者(91)、ベストナイン(91)
東福岡高〜愛工大 ロッテ89ドラフト6位〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 ロッテ 55 105 32 3 48 22 0 1 1 16 12 .305
01 ロッテ 21 29 5 1 9 5 0 0 0 5 6 .172
02 ロッテ 1 1 1 0 2 1 0 0 0 0 0 1.000
通算 14年 1067 3027 822 39 1139 294 20 100 22 342 397 .272

打撃センスの高さは入団時から評判が高かったが、1,2年目は2割に満たない低打率。ところが3年目、突然波に乗り、首位打者獲得。いきなり主力に踊り出た。
しかしその華々しさとは裏腹に、以降の成績は地味そのもの。3割を打ったのも首位打者年を含めて2回のみで、良く言えば堅実、悪く言えば中途半端な存在。ロッテ打線の中心になることはなかった。ここ数年は年々出場機会が減り、昨年引退を表明。タイトルホルダーながら、規定打席に達したのがわずか5回というのがこの選手を象徴している。
タイトルを取った、ということを除けば平均点選手。外野守備もそこそこ、打撃もそこそこ。結局突き抜けることもないままベテランの域に達した、評価の難しい選手。首位打者をとったことは紛れもない事実だが、その後があまりにも平凡だった。98年にリーグ2位の打率を残しているだけに、「一瞬の輝き」とも言えない。もっといい成績を残してもおかしくなかったと思うのだが…。

スコット・ブレット

荒削り、保険型

左投左打
中日02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
02 中日 49 149 30 7 61 15 2 0 0 5 45 .201
通算 1年

一昨年秋のテストで入団。巨漢の割りに俊足で外野守備はまあまあ。しかしバッティングが粗すぎて、開幕前に早くも見限られたような状態。「大物新外国人獲得までのつなぎ」とまで評された。
5月になってようやく出場し始めたが、打率が低すぎて定位置獲得まで至らず。8月にリナレスが来日するよりも前に姿を消していた。結局そのまま解雇へ。
テスト入団とは言っても34歳では成長もあまり期待できない。やはり「とりあえずとっておいた」程度の選手なのだろうか。もう少し慣れる機会があってもよかった気もするが。

藤井 康雄

ホームラン打者、満塁男型

右投左打 ベストナイン(89,93)
泉州高〜プリンスホテル 阪急・オリックス87ドラフト4位〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 オリックス 112 280 64 18 137 54 0 0 6 38 62 .229
01 オリックス 88 189 37 15 88 45 1 0 4 20 43 .196
02 オリックス 53 109 18 1 25 6 0 0 1 12 36 .165
通算 16年 1641 4787 1207 282 2334 861 20 4 53 771 1152 .252

阪急からの生え抜き最後のベテラン選手。入団時からホームランバッターとしての素質を発揮、2年目にはレギュラーに定着。その直後に球団身売りがあったが、新生オリックスの中心選手として能力を発揮。「ブルーサンダー打線」の一翼を担った。
純粋なホームラン打者で打率は期待できないタイプ。確実性には乏しいが、意外性は高い。92年に故障以降やや精彩を欠いていたが、98年に36歳で30ホーマーをマーク。健在をアピールし、一昨年まで9年連続二ケタ本塁打を記録。年齢を感じさせないパワーの持ち主。
若い頃から地味な存在だったが、ひそかに伸ばしていたのが満塁ホームランの記録。一昨年も代打満塁本塁打を3本放ち、日本新記録を樹立。通算でも代打満塁本塁打4本は日本記録、通算満塁本塁打14本は王の記録にあと1と迫る歴代2位の記録。「元祖」満塁男の駒田をいつのまにか越えていた。その割に知名度が低いのは不幸なところ。
さすがに最近は打率が急降下。昨年は衰えを隠せず、ついに現役を引退した。あと一歩で王を抜けなかったのが、ある意味この人らしい。個人的には、もう少し評価されて欲しかった選手。藤井の引退で、阪急の生き残りもあと二人になってしまった。

古久保 健二

ベテラン捕手、守備優位型

右投右打
太成高 近鉄83ドラフト6位〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 近鉄 5 7 0 0 0 0 0 0 0 1 1 .000
01 近鉄 53 100 14 0 19 8 0 12 2 7 32 .140
02 近鉄 45 114 20 3 32 10 0 11 0 2 34 .175
通算 20年 943 1854 378 38 588 186 8 117 13 124 541 .204

近鉄一筋のベテラン選手。フルシーズン出場の力はないが、ここ一番では頼りになる存在。
一度も完全な正捕手になったことはないが、全盛期にはそれに近い存在。光山、山下と共に近鉄のホームを守り続けた。前記の二人にバッティングは遥かに劣るが、ディフェンスでは遜色なく、ライバルたちが去った後も球団に残ったのはひとえにディフェンスの安定性の賜物。派手さはないが、そつのないタイプ。
ここ数年は若手に出場機会を奪われていたが、一昨年は終盤に返り咲き。久しぶりの優勝争いに豊富な経験を求められ、日本シリーズでもほとんどマスクをかぶった。昨年もここ一番ではマスクをかぶっていただけに、引退表明は唐突な感じもした。
肩と打撃の衰えはさすがに深刻だった。引退に至った理由は恐らくこれだろうが、リードは味わい深いものがあっただけに、少々惜しい。地味ではあったが堅実な捕手だった。

デリック・ホワイト

ムードメーカー、ファイター型

右投右打
阪神02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
02 阪神 73 220 50 7 81 21 1 0 1 27 55 .227
通算 1年

昨年キャンプ中にテスト入団。闘志あふれるプレイで前半は人気者となった選手。
ごつい体と顔に似合わず、パワーは普通。外国人選手としてはやや迫力不足の感もあったが、内角打ちはなかなか上手く、それ以上に全力のプレイが光っていた。開幕当初は活躍も多く、チームの快進撃を支えた一人。
しかし8月に骨折の重傷を負い、そのままシーズン終了。結局復帰を果たせぬまま戦力外となってしまった。時間が経つにつれ数字を落とし、結局はぱっとしない成績ではあったが、個人的にはもう少し見てみたかった気もする。ただ年齢を考えるとこれ以上の向上は望みづらく、やはり妥当な判断だったろうか…。面白い存在だっただけに、少々惜しい。

フランク・ボーリック

優良外国人、飛躍型

右投左右打
ロッテ99〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 ロッテ 125 432 128 29 249 102 3 0 5 99 91 .296
01 ロッテ 132 452 126 31 253 101 1 0 4 107 111 .279
02 ロッテ 61 211 43 6 72 24 0 0 3 41 54 .204
通算 4年 424 1443 384 92 758 288 5 0 13 308 341 .266

千葉ロッテの主砲。入団1年目にホームランが常に勝利に結びつき、「不敗神話」を作った強運の持ち主。それでも1年目は打率が低く、またホームラン数(26本)の割に打点(61)が少なかった。しかし2年目からは100打点をマーク。打率も満足できるだけの結果を残し、しっかり成長の後を見せた。一昨年は31ホーマーを放ち、4番として充分な成績。四球数107はリーグトップ。名実ともにロッテの顔になった。
本国での実績はほとんどなく、日本で上手くなった選手。ヤクルト・ペタジーニと同じように、トップクラスの速球にはつまるが変化球に対応できる。当初はそれほど選球眼はよくなかったが、それも克服した。打線の弱いチームにあって、まさに頼れる大黒柱であった。
しかし昨年は開幕から突然の大不振。予想に反して急激な衰えを見せてしまった。打率は2割前後を行き来し、ホームランも激減。いつしかスタメンからはずされ、後半にはまったく姿を見せなくなってしまった。そのままシーズン終了後解雇。あまりに急激な低迷に、チームも大打撃を受けてしまった。
確かに36歳の年齢からある程度の衰えは覚悟されたが、まさかここまで急変するとは思わなかった。3年間の実績で油断があったのだろうか?外国人にしては小柄な方だったが、パワフルな打撃は魅力たっぷりだっただけに、残念。

松井 秀喜

スラッガー、スター選手型

右投左打 ベストナイン(95〜02)、MVP(96,00,02)、本塁打王(98,00,02)、打点王(98,00,02)、最高出塁率(98,00,02)、首位打者(01)、ゴールデングラブ(00〜02)
星稜高 巨人93ドラフト1位〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 巨人 135 474 150 42 310 108 5 0 7 108 108 .316
01 巨人 140 481 160 36 297 104 3 0 7 123 96 .333
02 巨人 140 500 167 50 346 107 3 0 3 120 104 .334
通算 10年 1268 4572 1390 332 2663 889 46 3 46 883 934 .304

ご存知「ゴジラ松井」。説明不要のスター選手。高校時代、甲子園での連続敬遠、「4番1000日構想」など、常に球界の話題の中心にいる。
プロ入り以来常に二ケタ本塁打。2年目以降は常に20本以上、96年以降7年連続30本以上と、紛れもなく本邦最高のホームラン打者。プロ10年での通算ホームラン数は332本。清原との4番争いが話題になったが、実力で勝ち取った。これだけの選手を捕まえて「華がない」などとは愚の骨頂。間違いなく日本最強のスラッガー。
「三冠王に最も近い」と言われ、一昨年は首位打者も獲得。昨年は三冠王に後一歩と迫り、もはや国内では敵なしの状態。新人当時に見せた左投手への脆さもいつしか消え、打撃に関してケチのつけようがない。フォームはあまり美しくないが、これは主観の問題。致命的な欠陥は持たず、どこのコースへも対応できる。まさしく別格の存在。
高校時代はサードで、本人もサードに戻りたい節があるようだが、これはどうだろう。外野守備も初めはあぶなかしかったが、今は随分様になった。名手とはいえないまでも、上手いほうのレベル。現代野球でサードはさほど重要なポジションではないし、今に至ってのコンバートはリスクが大きすぎるのでは。「サード長嶋」への幻想はそろそろやめてほしいもの。
昨年日本シリーズ終了後、FAでのメジャー挑戦を宣言。今季からはヤンキースの松井となる。スター選手の流出でプロ野球の空洞化が叫ばれるが、松井がこのまま日本にとどまっても刺激は薄かったと思われる。日本最強の打者がメジャーでどのような活躍を見せるか、素直に注目したい。同時に松井の穴を埋めるスターの出現も望みたいところ。
日米野球であまり打てず、不安要素もあるにはある。しかし松井は対応力もかなり高い。慣れてくれば相当やりそうな予感もある。

光山 英和

経験豊富、渡世人型

右投右打
上宮高 近鉄84ドラフト4位〜96、中日97〜99途中、巨人99途中〜00、ロッテ01、横浜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 巨人 - - - - - - - - - - - -
01 ロッテ 6 10 2 0 4 0 0 0 0 1 1 .200
02 横浜 8 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
通算 19年 726 1393 332 42 511 136 8 43 12 101 347 .238

近鉄時代、山下や古久保と正捕手を争った選手。一度も規定打席には到達せず、三つ巴から抜け出すことは出来なかったが、打力では一歩も二歩も抜けた存在で実質レギュラー的存在だった。
90年に12ホーマーとパンチ力があり、またこの年は打率も3割。意外性のあるバッターだったが、100試合以上出場が一回もないようにやや安定感には欠ける面があった。明らかに格下だった古久保が出場機会を増やすと徐々に出番が減少。新星・的山出現とともに中日へ移籍。
移籍後は大幅に出番が減少。年齢的なものもあり、完全に控えに廻って印象も薄い。しかしかつては阿波野や小野、吉井、野茂をリードした経験を買われ、巨人、ロッテ、さらには横浜と移籍。戦力にはなれなかったが、「リザーブとして間違いない存在」という評価を定めたようだ。
昨年終盤に一度は引退を表明したが、豊富な経験を買われ韓国行きが決定。横浜入団前はメキシカン・リーグに参加、さらには米独立リーグに参加する意思もあったようで、これだけの経験を重ねた選手はそうはいない。将来的にはぜひコーチになって欲しい存在。

吉鶴 憲治

強肩捕手、力不足型

右投右打
鹿児島商工〜トヨタ自動車 中日93ドラフト4位〜95、ロッテ96〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 ロッテ 44 100 21 0 22 6 0 1 0 3 17 .210
01 ロッテ 4 4 0 0 0 1 0 0 1 0 2 .000
02 ロッテ 28 33 7 0 8 2 0 0 1 2 5 .212
通算 10年 389 624 147 9 190 59 6 23 3 59 128 .236

強肩に定評のある捕手。中日では中村の壁が厚く、チャンスすらほとんどなかった。
ロッテでは捕手難のチーム事情があり、かなりチャンスに恵まれた。97〜00年は出場機会に恵まれ、一時は正捕手を掴みかけたこともあったがそのチャンスをモノにすることは出来なかった。強肩と打撃を生かして外野起用も視野に入れられ、昨年は正式に外野転向。捕手としては見切りをつけられてしまった。
昨年はミラバルのノーヒットノーランを阻止する代打安打を放ったものの、活躍はそれっきり。まだ老け込む年齢ではなかったものの、逆に粗さを克服できず。シーズン終了後に戦力外通告を受け引退。二軍コーチ就任が決定した。
捕手としての守備力を疑問視されていた選手がバッテリーコーチというのもよくわからないが…。

ボイ・ロドリゲス

パワーヒッター、尻上がり型

右投左打
横浜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
02 横浜 138 451 118 18 202 60 10 0 3 56 122 .262
通算 1年

シーズン当初こそとにかく荒っぽく全く活躍できなかったが、徐々に本領発揮。横浜が昨シーズン前に獲得した新外国人で一番いい成績を残した。
荒いことは荒いのだが当たりだすと止まらないタイプ。売りの長打力もまあまあで、意外と打率も低くない。7月にはサイクルヒットも記録し(自身4度目だとか)、10盗塁となかなかの俊足ぶりも見せた。しかしマークが厳しくなるとともに、終盤はやや失速。
年齢の高さ(昨年時点で36歳)が不安点だったが、打率の降下を考えるとやはり、という気がする。プレイ自体は若かったが、これ以上の上がり目はないと判断されたか1年限りでの退団となった。せっかく慣れてきたところだけに若干惜しい気がする。もう一年見てみたかったが。

ルイス・ロペス

出戻り助っ人、超・夏男型

右投右打 打点王(96,97)、ベストナイン(96,97)、最多安打(97)
広島96〜97、ダイエー98、広島00途中〜02
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 広島 93 351 110 20 180 88 0 0 6 20 37 .313
01 広島 138 493 152 32 269 100 0 3 7 58 35 .308
02 広島 80 265 65 5 93 33 0 0 3 8 23 .245
通算 6年 709 2624 795 129 1329 510 3 4 31 207 235 .303

超優良外国人。入団するといきなり2年連続打点王。ホームランを量産するタイプではなく、基本的には中距離打者だがとにかく勝負強い。打率も高く穴の見えない打者。
2年連続打点王と実績には申し分なかったが、金銭面で折り合わずカープを退団。出場停止の小久保の代役を求めるホークスに入団。広い福岡ドームでさすがにホームランは半減したが、リーグが変わっても安定した成績。似合わぬ三塁守備もこなしたが、ただ打点はやや少なかった。
小久保復帰でホークスを退団後アメリカに帰国していたが、00年ケガ人続出のカープにシーズン途中復帰。30代後半の年齢とブランクを心配されたが、全く遜色ない打棒を見せた。開幕から出場した一昨年は30ホーマー100打点をマークし(ホームランは自己最多)、カープの主砲として確かな存在感を示した。
毎年夏場になると調子が急上昇する夏男で、春先と夏場で別人のような働きを見せる。「夏に強い」と言われる選手は多いが、ここまではっきりしている人は珍しい。しかし昨年はチームメイトとのトラブルが影響したか、それとも衰えが急にきたか、肝心の夏場にも調子が上がらず。夏過ぎにはベンチから姿を消し、そのまま退団となった。
パワーヒッターながら三振が非常に少なく、バットに当てることにかけてはかなりの技術を誇っていた。外国人には珍しく高めに滅法強かったというのも特徴的。最後は寂しい一年となったが、チーム史上最強外国人と呼んでも差し支えない存在だった

ロバート・ローズ

マシンガンの軸、クラッチヒッター型

右投右打 打点王(93,99)、ベストナイン(93,95,97〜00)、最高出塁率(97)、ゴールデングラブ(98)、首位打者(99)、最多安打(99,00)
横浜93〜00、ロッテ03
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
00 横浜 135 506 168 21 272 97 1 0 4 79 59 .332
01 所属なし
02
通算 8年 1039 3929 1275 167 2086 808 16 1 50 545 566 .325

横浜マシンガン打線の中心だった選手。その存在の大きさはローズ退団後の横浜打線を見れば一目瞭然。今季ロッテに復帰で注目を集めた存在。
入団当時はブラッグスのおまけといった雰囲気だったが、1年目からリーグ2位の高打率で打点王を獲得、一気にチームの中心となる。それ以降の活躍は枚挙に暇がない。中距離打者でホームランこそ多くはないが、打点と打率の高さは群を抜く。特に打率は3割を切ったのがわずか一度、それもあと2安打で3割というとてつもないハイレベル。通算打率は3000打数以上の選手ではイチローに次ぐ史上2位。99年に記録した153打点はシーズン打点記録歴代2位。同じ99年の192安打はセ・リーグ最高記録。特にこの99年は自身最多の37ホーマーもマークし、非の打ちどころのない4番として君臨した年だった。
打撃技術の高さは語るまでもないが、特に右中間へ運ぶ技術は超一流。二塁打の多さは技術の証明で、特に弱いコースもなく打ち取るのは至難の業。得点圏で迎えるのは想像したくないほどの打者。
00年終了後、契約交渉がもつれ引退を表明し退団。母国に帰っていたが今季、オファーを受けて3年ぶりの現役復帰となった。まともならとてつもなく強力な補強だが、いまだかつて出戻りで活躍した外国人はなく、この2年実戦から完全に離れていることと36歳の年齢が不安なところ。その不安は開幕どころかキャンプ中に現実化してしまった。紅白戦でノーヒットが続きノイローゼに。結局開幕を迎えぬうちに退団の運びとなってしまった。
昨季軸不在に泣いた打線の起爆剤になれば、と思っていただけに、もの凄い肩透かしを食らった印象。やはり2年も実戦を離れてできるほど野球は甘くないということか。


2002退団選手、投手へ
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