2005年退団 野手

総勢40人(4月23日現在)

阿久根 鋼吉

打撃優位、巧打型

右投左打
花咲徳栄高〜創価大〜NTT関東 日本ハム99ドラフト5位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 日本ハム 82 202 50 0 59 12 2 4 1 21 62 .247
04 日本ハム 23 26 3 1 7 2 0 1 0 2 4 .115
05 日本ハム - - - - - - - - - - - -
通算 7年 161 303 70 3 91 18 2 9 1 24 93 .231

バッティングセンスの高さを買われている選手。毎年期待されながらなかなかチャンスを活かせなかったが、03年ようやく実績らしい実績を残した。
入団時からこと打撃に関しては評価が高く、それを裏付けるように二軍では不動のレギュラー。しかしなかなか一軍でそれを発揮できず、歯がゆい印象を残していた。しかし03年は新監督のもと春先から起用され、特に開幕直後はかなりの活躍を見せた。決して当て逃げするタイプではなく、しっかり腰を据えて打っていくタイプ。長打力には欠けるが、打撃の形はなかなか力強い。
せっかく築いた実績だったが、04年思わぬ大ブレーキ。故障で戦列を離れるアクシデントに泣き、復帰後も肝心の打撃でなかなか結果が出せず。タイプとしては04年急台頭の小田とかぶる面が多く、この離脱の間に印象も完全に食われてしまった格好。昨年は二軍では好成績も一軍昇格なし。先日戦力外となってしまった。
二塁・三塁が主なポジションだが、守備力にはやや課題あり。一軍実績も少ない上、すでに31歳と中堅の年齢というのが泣き所。移籍するには微妙で、どうも見納めとなりそうな気配。04年の故障がやはり痛かった。

エリック・アルモンテ

若手外国人、粗雑型

右投右打
日本ハム05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
05 日本ハム 34 88 17 3 28 8 2 1 0 18 27 .193
通算 1年

昨年入団の外国人。27歳と若い大型ショートで、巨人に在籍したアルモンテ投手の実弟。兄が日本にいる間にメジャー昇格を果たし、その頃に一時話題にもなった。ヒルマン監督との縁もあって来日。
生え抜きの金子を差し置いての開幕スタメン起用となったが、これが大いに期待はずれ。守備は肩の強さなど素質の高さは感じるものの、ことごとにプレーが雑。27試合で9失策、3試合に一つのエラーは要のポジションにして大きなダメージとなった。また打つほうも極端な低打率。外国人には珍しく待球型で、なかなかスイングをしてこない。じっくり見て四球が多く出塁率が高いのは良かったが、いざ振ってみると凡打の山で、待って追い込まれるとあとは四球で歩くか打ち取られるかの二択という印象。
低成績に喘ぎながらも使われ続け、4月の後半に入ってようやく打棒上向き。一時は1割を切りそうだった打率を2割まで上げてきた。しかし失策は一向に減らないままで、5月に入るとすぐに二軍落ち。これだけミスを犯しては、この程度の打撃ではとうてい割が合わず、むしろ遅すぎる決断だった。
打てるようになってきたといっても打撃も穴が多く、二軍での成績もぱっとしなかった。大きな期待外れのまま、一年限りで解雇。

石本 努

俊足、非力型

右投左打
別府大付高 日本ハム91ドラフト2位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 日本ハム 99 308 76 0 90 20 20 10 0 33 63 .246
04 日本ハム 90 204 59 1 68 11 10 8 1 17 39 .289
05 日本ハム 56 70 15 0 20 4 4 2 0 4 20 .214
通算 15年 512 1276 334 6 415 73 83 60 4 108 263 .262

俊足と好守が売りの外野手。長年井出とポジションを争ってきた選手で、守備力は非常に高い。だがそのタイプにありがちな非力で、打撃面で課題を残す。
99年に84試合に出場、この年こそ3割を打ちレギュラーを掴みかけたが、翌年打撃低迷でそのチャンスをふいに。以降はどうもぱっとしない成績が続き、控えの位置から脱却できない。
00年から03年まで打率はずっと2割5分以下。まともに打てさえすれば1番有力候補なのだが、恐ろしいほど左が打てない。出塁率が低いため、結局出場しても下位がほとんど。井出はライバルとしてはさほど強力な存在ではなかったが、この打撃の弱さで抜くことが出来なかった。
低迷が続き年々ジリ貧状態だったが、監督が替わった03年は自己最多の出場機会で持ち直し。04年は新庄の加入でレギュラーは遠ざかったものの、本当に久々の打撃好調を見せた。危機的状況は脱したかに見えたが、しかし昨年はまた打撃不振。出番も大きく減らし、先日戦力外通告を受けてしまった。
俊足は依然健在だが、やはり打力は見劣りしてしまう。守備も肩が弱く、外野守備力は圧倒的武器とまでいかない。どうも弱点がはっきりしすぎているところが難しい。まだ32歳だが、引退という話も。

犬伏 稔昌

大抜擢、左腕キラー型

右投右打
近大付高 西武91ドラフト3位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 西武 26 30 7 0 7 0 0 0 0 3 11 .233
04 西武 8 10 4 0 8 3 0 0 0 1 0 .400
05 西武 - - - - - - - - - - - -
通算 15年 116 190 56 4 84 29 0 1 1 14 46 .295

02年左殺しとして一気にブレイクした苦労人。この年一年でプロ生活のほとんどの実績を残した。
プロ生活10年以上で、01年までに打ったヒットわずかに2本。出場試合はわずか8試合に過ぎず、ほとんど忘れられた存在だった。01年も一軍出場なし。しかし02年、新任の伊原監督は開幕から一軍に抜擢。これが信じられないほどの大当たり。普段は対左の代打、先発投手が左なら3番を任され、なんと打率3割をキープ。数字以上に重要な場面での殊勲打が目立ち、西武優勝への重要なキープレイヤーとなった。
本来の登録は捕手だが、捕手として出場することはほとんど(というより全く)ない。打力が魅力とは入団当初から言われていたが、ここまでは全く結果を残しておらず、実質戦力外に近い状態だった。それがここまで活躍してしまうのだから、改めてこの抜擢は恐ろしい。
プロ入り以降の鬱憤をまとめて晴らすかのような一年だったが、03年はまた元の状態に逆戻り。ツボにはまると長打もある厄介な打者だが、新旧交替の波の中、出番も急激に減っていった。昨年は一軍に上がることもなく、シーズン後戦力外に。
右のパワーヒッターということで言えば、G.G.佐藤や後藤にずいぶん印象を食われた。しぶとく生き延び一瞬の輝きを得たが、いよいよここまでか。

上田 浩明

守備要員、非力型

右投右打
北陽高 西武88ドラフト2位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 西武 87 38 5 0 5 5 0 4 0 2 12 .131
04 西武 46 20 2 0 2 1 0 0 0 3 2 .100
05 西武 34 2 0 0 0 0 0 1 0 0 0 .000
通算 18年 796 285 51 0 57 21 23 30 1 24 58 .179

西武の守備要員。守備以外には全く特徴がなく、毎年出場試合数よりも打席数のほうが少ない守備固め要員。
プロ入り18年を数える大ベテラン選手だが、ここまでの打席数は出場試合の半分以下。通算安打もようやく50本で、平均打率も1割台とバッティングはまるで期待できない。当然非力で、本塁打がないばかりか長打自体が通算で5本という徹底した存在。
しかしその守備力は、凡百の守備要員のそれではない。内野はどこを守っても名手の技を持ち、堅実そのもので不安がない。守備のみでこれだけのキャリアを積んでいるのは伊達ではなく、全く破綻のないプレーはさすがのもの。
たださすがの名手も新旧交代の波に晒され、ここ二年は出番がだいぶ減ってきた。昨年限りで現役引退。コーチ就任で、チームの弱点である守備を指導する立場に。

大島 公一

脇役徹底、安定型

右投左右打 ベストナイン(96,00)、Gグラブ(96,97,00)
法政二高〜法大〜日本生命 近鉄93ドラフト5位〜95、オリックス96〜04、楽天05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 オリックス 109 369 105 0 127 20 9 16 1 53 50 .284
04 オリックス 67 152 40 0 55 10 2 16 1 24 21 .263
05 楽天 58 81 18 1 28 8 0 2 0 14 14 .222
通算 13年 1375 4170 1088 24 1385 334 71 265 30 658 588 .261

うまさで魅了する、小兵型のベテラン内野手。プロ入りした当初から脇役として渋い働きを見せ、ここまで安定した活躍。地味でもその存在価値は高い。
社会人から近鉄に入団、1年目から即戦力の期待を裏切らない働きで、ほぼレギュラーに。身長167cmと小柄でも堅実なプレーで、そろそろ衰えの見えてきた大石の後継確実と見られた。しかし3年目に大幅な打撃不振に陥ると、翌年にはオリックスへトレード。かなり意外な移籍だったが、これ以降常にレギュラーとして安定した活躍を見せるようになった。
主戦場はセカンドで、守備は派手さはないが堅実そのもの。若い頃はショートをこなしたこともある。打撃も非力ながら粘っこく、しぶとく食いついて四球を選ぶ。出塁役としてはうってつけで、00年には90四球とスラッガー並の数字も残している。小技も非常にうまく、通算犠打数は歴代6位。3割には達しないが、こつこつ当ててくる打撃はなかなかいやらしい。
02年は高めに広がった新ストライクゾーンのため、かなり打率が苦戦した。背の低い選手には厳しい条件だったが、ゾーンが戻った翌年は堅実な打撃復活。たださすがに04年は若手にポジションを譲ることが増え、コーチ就任要請も。しかし合併騒動のゴタゴタで現役続行を決め、昨年は楽天に移籍。
昨年成績は打率は低いものの、代打では3割打つなど随所にらしさも見せた。ほとんど右打席に立つこともなくなったが、追い込まれても粘るしぶとさも健在。見事に最後の意地を見せたが、さすがに往時の守備力はなく、シーズン後ついに引退を表明。派手さには無縁だったが、攻守にうまい職人タイプの選手だった。

大友 進

俊足好守、非力型

右投左打 Gグラブ(98,99)
日立工高〜東京ガス 西武96ドラフト2位〜04、中日05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 西武 14 28 3 0 5 0 0 0 0 3 5 .107
04 西武 - - - - - - - - - - - -
05 中日 18 27 5 0 5 1 0 0 0 3 6 .185
通算 10年 662 2005 528 18 704 155 80 115 8 261 287 .263

即戦力として入団し、早々にレギュラーとなった外野手。俊足と守備の良さで鳴らす選手で、入団から99年まで4年連続二桁盗塁を記録。98,99年と連続ゴールデングラブ賞も獲得。ただ当時からもう一つ印象が弱い。
俊足で盗塁は多いが松井稼ほどではなく、打撃も巧打者ではあるのだが小関に少し見劣りする。そのためか打順も一定せず、1,2,9番を入れ替わり。97年から三年続けて規定打席に達したが打率は2割7分前後。全く打てないわけでもなく、さりとて打ちまくるわけでもない。どうも地味な雰囲気が付きまとっていた。
それでも安定した戦力として働いていたのだが、00年以降急失速。打撃不振に陥り定位置を追われると、ここから下り坂を転げるように急落。01年にわずか35試合の出場に終わると、翌年も打撃低迷で巻き返せず。03年からは故障もあって滅多に一軍にも上がれなくなってしまった。低迷が続く間にチーム内では続々と若手が台頭。04年はとうとう一軍出場なしで終わり、シーズン後中日へトレード。
環境が変わって巻き返しのチャンスではあったが、しかし状況は何も変わらなかった。開幕からしばらくはそれなりに出番があったが、結果が残せず大半を二軍暮らし。移籍でも凋落は止まらず、先日戦力外に。
故障続きのせいか、自慢の守備力にもやや陰りが見え始めた。打撃不振はもう5年続きで、これはさすがに厳しいといわざるをえない。まだ31歳と引退には早いが…。

シャーマン・オバンドー

パナマの怪人、高打率型

右投右打 ベストナイン(00)
日本ハム99〜02、04途中〜05途中
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
04 日本ハム 42 130 44 8 75 25 0 0 0 18 15 .338
05 日本ハム 24 55 12 3 22 7 0 0 0 4 13 .218
通算 6年 437 1558 458 102 841 314 6 0 10 212 289 .294

大柄ながらコンパクトなスイングで振りぬく強打者。ホームラン打者ではなくどちらかと言えば中距離打者だが、放たれる打球は力強く柵越えも多い。
99年途中にウィルソンの故障離脱を受けて入団。いきなり3割20ホーマーの活躍で、先にいたフランクリンを他チームへ追いやった。翌00年は打率リーグ2位。打点も100を越え、ビッグバン打線の中核を担う打者として君臨。三振も少なく確実性の高さが脅威で、ホームランも30本放ち、改めてチームの外国人スカウティング能力の高さを見せ付けた。
しかし01年は故障でシーズンの半ば以上を離脱。その前年も欠場が比較的多かったが、この年の故障はチームにとっても自身にとっても痛かった。これ以降かつての確実性が薄まり、急速に打撃が粗くなった。故障の影響が完全には癒えず、02年は欠場なしでもインパクトが薄い。三振は大幅に増え、好機でも打てない場面が目に付いた。数字はそこそこでもそれほどの存在感はなく、結局この年限りで解雇。
一度は完全に過去の人と化していたが、04年途中に自ら復帰を球団に直訴し、再契約。オールスター明けから一軍出場すると、そこにはかつてのシャープな強打者が甦っていた。02年よりむしろ若返った印象で、この補強は大成功。プレーオフ争いの強力な助っ人となった。
間違いなく功労者の一人だったが、しかし35歳の古傷持ちということがネックとなったか、昨年は二軍スタート。アルモンテが期待はずれで昇格なったが、わずか一月ほどで早々に解雇が決まってしまった。実績もあり、年俸も格安ということを考えれば、もう少し様子を見ても邪魔にはならなかったと思うのだが。ちょっと結論を急ぎすぎた印象で、非常に残念。高目を腕を畳んで払う打撃は見事だったが。

ゲーブ・キャプラー

守備重視、大失敗型

右投右打
巨人05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
05 巨人 38 111 17 3 29 6 2 0 0 9 19 .153
通算 1年

俊足・強肩の触れ込みで入団した外国人。かつてはメジャーでもレギュラーを張っていた実力者で、三年連続二桁本塁打の実績の持ち主。弱いといわれ続けた外野守備を引き締める存在として、大いに期待されての入団。
オープン戦でもまずまずの評価で、チームとしては久々の当りとなるかと期待された。しかし開幕するやその評価は急落。ひたすら凡打の山を築き上げ、極端な低打率に低迷。実績豊富な清水を差し置いての起用には批判が高まり、チーム低迷の戦犯と名指しされることも。
期待された守備力だが、こちらもそれほど目立つものはなし。打力のマイナスを補うほどのものは見られなかった。契約のためかだらだらとスタメン起用が続いたが、一向に良化の気配がなくついにスタメン落ち、二軍落ち。散々煮え湯を飲まされた清水が起用されるや打ち出したのとはあまりに対照的で、皮肉だった。
ここまで露骨な失敗例というのも、また珍しい。それほど三振は多くないのだが、だからこそ余計にこの低打率には救いがない。結局シーズン途中に解雇で、また外国人のスカウティングに汚点を残すことになってしまった。

久慈 照嘉

典型的脇役、守備職人型

右投左打 新人王(92)
東海大甲府高〜日本石油 阪神92ドラフト2位〜97、中日98〜02、阪神03〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 阪神 55 46 14 0 19 6 1 2 2 6 12 .304
04 阪神 31 17 2 0 2 0 1 4 0 5 6 .117
05 阪神 3 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 .000
通算 14年 1199 3155 811 6 969 153 51 233 17 421 472 .257

非常に安定した守備力を武器にする小兵のショートストップ。入団即レギュラーを取った実戦派で、1年目に新人王。その守備力は阪神の顔とも言うべき和田をセカンドに追いやったほど。
1年目から7年連続規定打席に達したものの、自己最高打率は2割7分。公称168cm(実際はもっと小さいか?)と、プロとしてはかなりのハンデとも言える小柄さ。守備面ではそのハンデを克服しているものの、やはり打撃は厳しい。大体2割5分前後の打率だが、これで合格と言うべきだろう。自分の役割を心得た職人型。
98年、貧打の阪神から、やはり貧打の中日へ移籍。移籍1年目こそ同じく移籍の関川と優勝の原動力になったものの、翌年から出場機会が激減。「守備のみ」の久慈を常時使えるほど中日の打線には余裕が無く、明らかに守備の劣る福留・李に出場機会を奪われ、01年は井端が急成長。完全に出番を失い、02年の出場はわずか9試合。戦力外通告を受けたのもやむをえない状況だった。
03年以降は古巣阪神へ里帰り。戦力充実でやはりそれほどの出番には恵まれなかったが、出場すれば堅実なプレーを随所に見せた。改めて守備力は高く、その点で衰えは感じさせない。極端に長打力のない選手だが、渋い脇役。
確かな守備力を持っているだけに割り切って起用すれば安定した選手。ただここ二年は大きく出番減少で、昨年はわずか3試合の出場にとどまった。守備固めとしては非常に安定しているが、もともと体力面に不安がある上にすでに36歳のベテラン。引退でコーチ就任という話も出ているが…。

五島 裕二

野手転向、クラッチヒッター型

右投左打
山梨学院大付高 オリックス95ドラフト3位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 オリックス 20 22 4 0 5 2 0 0 1 5 6 .181
04 オリックス 8 6 1 0 1 0 0 0 0 1 1 .167
05 オリックス 7 11 2 0 3 3 0 0 0 0 3 .182
通算 11年 216 503 124 10 176 65 1 1 4 52 110 .247

投手として入団したが芽が出ず、98年から野手に転向。徐々に素質を発揮し一時はレギュラーにも近づいた選手。
00年に実質初めて一軍に帯同。2ホーマー16打点とまずまずの数字を残し、終盤はレギュラーを奪う活躍を見せた。翌年のレギュラー挑戦は失敗したものの、雪辱の02年は打席数が倍増。打率こそ低かったが7ホーマー、31打点は自己最多。チームでも数少ないパンチ力の持ち主として期待を集め、ここまでは順調だった。
しかし03年以降急激に後退。魅力だった勝負強さが影を潜め、随分と存在感が薄くなってしまった。ほとんど一軍に上がることが出来ず、04年も二軍暮らし。昨年もわずかな出場機会にとどまり、シーズン後戦力外に。
打力はともかく、守れるポジションがほぼファーストのみというのが辛い。日本人で一塁のポジションを奪うには有無を言わせぬ打撃が必要で、その点で少々厳しかった。二軍では良績を残しているが、今季30歳でこの実績では厳しいか。

後藤 孝志

控え専門、代打屋型

右投左打
中京高 巨人88ドラフト2位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 巨人 73 120 34 4 50 19 1 1 2 11 23 .283
04 巨人 68 72 15 0 17 5 0 0 1 4 19 .208
05 巨人 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
通算 18年 835 1264 332 30 480 119 20 24 10 131 221 .263

控えで長いキャリアを積んだベテラン選手。レギュラーを脅かすほどの実力はないが、いろんな場面で起用できる便利さで貴重な存在。
パンチ力のある大型内野手としてプロ入りしたが、一軍で実績らしい実績を残したのは8年目の95年。モノになるまでに時間がかかりすぎ、その分スケールもダウンしたようだ。96年以降は常に安定した出場をしているが、プロ入り直後の大物感は感じない。
小粒になったとはいえ、アベレージは安定し、守備の融通性も高い。97年からの3年間は準レギュラーともいえる働き。勝負強いというよりもここ一番の運を持っている選手で、おいしい場面で大仕事をすることも多かった。長打力も確実性も平凡ではあるのだが、なぜか印象に残る。特に03年は代打で大活躍、3割5分という高い成功率を残した。
ここまで規定打席到達は一度もない大ベテラン。地味ながらも味のある戦力としてしぶとく生き延びてきたが、04年から大きく後退。昨年はほとんど二軍で過ごし、ついに戦力外通告。現役引退ということになった。
若い頃に他チームなら、7番辺りのレギュラーはありえたかもしれない。地味な選手だったが、18年のプロ生活を全うした。

佐藤 真一

経験豊富、晩成型

右投右打
東海大四高〜東海大〜たくぎん ダイエー93ドラフト4位〜95、ヤクルト96〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 ヤクルト 76 206 57 4 80 31 4 1 3 11 33 .276
04 ヤクルト 40 130 42 2 51 13 0 0 0 4 13 .323
05 ヤクルト 7 14 3 0 4 0 0 0 0 1 2 .214
通算 13年 629 1440 376 36 562 155 25 10 8 99 220 .261

アマチュア時代、全日本の中軸を務めた社会人のスラッガー。アマのキャリアが長く、プロ入りは28歳と遅かった。
強肩、俊足と三拍子揃った外野手として入団したが、肝心の打撃はプロの壁にぶつかる。1年目にいきなり秋山の故障で4番を打ったが、かえって重圧に押しつぶされた格好。結局ダイエー3年間は打撃で貢献することが出来ず、もっぱら守備要員。
ヤクルト移籍後も状況は変わらなかったが、99年、次々に故障したレギュラー陣の穴埋めに入ると別人のような打棒を披露。ようやく金属バットの呪縛から解かれたか、それとも長打を捨てたのが良かったか、この年いきなり3割4分のハイアベレージをマーク。前年までの通算安打の倍を一年で放ち、遅咲きの大輪を花開かせた。
三十代後半になっても守備力、特に強肩は健在で、身体能力は想像以上に若い。長打力こそ落ちたがしぶとい打撃は健在で、低打率が続いて戦力外になりかけたところからまた復活。03年リーグトップの代打成功率を残し、04年は故障離脱で打席数こそ半減したものの、また3割マーク。入団当初からは想像できないほど息の長い選手となった。
しかしさすがに40歳となり、昨年は開幕から不調で、大半を二軍で過ごした。シーズン中についに引退を決意。目立つ存在ではなかったが、しぶとさを随所に見せてくれた選手だった。引退試合で代打2ベースを放ち、今季からはコーチとして後進を導く立場に。

澤井 良輔

地元の星、伸び悩み型

右投左打
銚子商高 ロッテ96ドラフト1位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 ロッテ 26 61 17 2 26 9 0 0 0 8 11 .278
04 ロッテ 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 .000
05 ロッテ - - - - - - - - - - - -
通算 10年 92 162 36 6 61 19 0 0 0 14 40 .222

高校時代、甲子園を湧かせたスラッガー。PL学園の福留(現中日)に対し「東の澤井」と並び称された存在。地元のスター候補ということで相思相愛の上大きな期待を受けての入団だったが、ここまで結果を出せずに伸び悩み。
01年まではなかなか二軍から脱出できず、はっきり言って「忘れられた存在」になりかけていた。02年ようやくオープン戦で結果を残し、開幕一軍帯同。3ホーマーを放って、初めて実績らしい実績を残した。しかし一軍定着までは至らず、翌年も一軍にいたのは夏場の二ヶ月だけだった。首脳陣が刷新された04年はまた二軍生活に逆戻り。
あまりにも時間がかかりすぎてしまった印象が強い。守備は二塁・三塁ともに「怖くて見ていられない」レベルで、かといって圧倒的な打力というには程遠い。なんとも使いどころの難しい選手。
昨年は6年ぶりに一軍出場なく、二軍でもパッとしなかった。キャリア10年でこれではいかんともしがたく、シーズン後戦力外に。実績が乏しく、再起はかなり厳しそう。

塩谷 和彦

打撃優位、モデルチェンジ型

右投右打
神港学園高 阪神93ドラフト6位〜01、オリックス02〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 オリックス 123 436 134 8 175 46 7 5 4 38 74 .307
04 オリックス 101 360 97 9 138 48 2 8 2 19 48 .269
05 オリックス 16 34 6 0 9 3 0 0 0 2 3 .176
通算 13年 496 1445 381 29 528 145 15 22 6 107 235 .263

阪神時代から打力を買われていた選手。もともとは捕手だったが、長打力を秘めた打撃を活かすため内野に転向。それでもなかなか芽が出ず苦労してきたが、03年ついに素質開花に至った。
阪神時代の99年、終盤にレギュラー争いをするほどの活躍を見せこの年3ホーマー。数年後の中軸打者と期待されたが、その後成績が下降。成長の壁にぶつかった感もあり、もたついている間に存在感が薄くなってしまった。01年限りでオリックスへ移籍。
02年は選手層の薄いチームということもあり出場機会が大幅に増加したが打率は伸び悩み。チャンスがありながらレギュラーを奪り損ねていたが、03年は右打ちを意識することで打撃好調。一塁の定位置をガッチリ掴み、初の3割達成。長打を捨てることで打撃の形を確立させた。様々な打順をそつなくこなしたのはなかなかの功績。
ただ三塁転向した04年はいまいち。全体的に数字を落とし、特徴のない中距離打者でそれほどチャンスに強くなかったのも印象が良くなかった。球団合併でポジション争いの激化した昨年も精彩を欠き、5月の頭を最後に以降は二軍暮らし。シーズン後には戦力外にまでなってしまった。
中軸を任せるにはだいぶ不足で、守備位置にも幅がなく、ちょっと使いづらい面も強い選手。控えとしては面白い存在ではあるのだが。今季は韓国に渡ってプレーが決定。チーム運がとことんない選手で、所属チームのAクラスは一度もなく、98年から7年連続最下位も味わった。

島田 一輝

一発屋、晩成型

右投右打
柏井高〜東農大〜NTT関東 日本ハム95ドラフト4位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 日本ハム 88 238 63 11 107 49 0 1 3 10 53 .264
04 日本ハム 88 206 56 5 88 37 1 1 3 25 55 .271
05 日本ハム 28 58 12 0 15 2 0 1 0 4 17 .207
通算 11年 387 1007 252 26 384 152 2 20 10 75 218 .250

ファイターズの右の代打の筆頭。やや鈍重なタイプだが、一発長打を秘めた豪快な打撃が魅力の選手。
99年までは一軍でのヒットがわずかに5本と全く奮わなかった。しかし00年に突如打撃開眼。故障者が続発する危機的状況に代役を果たし、終盤には5番に定着する活躍。特に左投手に対して無類の強さを発揮した。
ただせっかくチャンスを掴みながら、01,02年は不振。ちょっと存在感も薄まってきていたが、03年はまた復活。ヒルマン監督の調子優先の起用に乗った格好で、ホームランは念願の二桁に。ツボにはまったときのパワーは4番に座っても見劣りしない。
速球には差し込まれ気味だが、逆に変化球にはなかなか強い。04年は一発こそ半減したものの、前年来の勢いは衰えず。前半は苦しんだが、シーズン中盤から巻き返し存在感を見せた。打つだけでなく意外な強肩の持ち主で、守備力も悪くない。これまでは地味な存在だったが、30歳を越えて台頭。
だが昨年は、開幕直後こそ良かったものの5月以降急ブレーキ。二軍暮らしが続くと、シーズン中に引退を決意した。36歳の年齢でもパワーは依然健在だったが、やむをえないか。今季からは二軍のコーチに就任。

高木 大成

アベレージタイプ、平均型

右投左打 Gグラブ(97,98)
桐蔭学園高〜慶大 西武96ドラフト1位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 西武 56 118 28 6 53 20 2 0 3 15 25 .237
04 西武 - - - - - - - - - - - -
05 西武 13 17 2 0 3 3 0 0 1 4 5 .118
通算 10年 720 2280 599 56 909 319 67 32 21 263 348 .263

一時はその高い打撃センスで西武の中軸を担っていた好打者。しかしここ数年不調で、すっかり存在感がなくなってしまった。
桐蔭学園→慶応大と、エリートコースをまっしぐら、六大学を代表する捕手として西武にドラフト1位入団。当然「ポスト伊東」を期待されたわけだが、捕手としては到底伊東を脅かすレベルには無く早々に見切りをつけられた。この面では誤算だったが、しかし天才的とも言われた打撃センスで台頭。コンバートは必然で、ポジションを変わると2年目にはもうレギュラーに。98年には17ホーマーも放ち、破綻の少ない打撃で99年までは中軸に君臨した。
しかし00年以降故障がらみで極度の不振に陥り、年々成績が低下。スケールに乏しいとはいえ、プロ入り以来順調に来すぎたツケが来たか。02年はついに100打席も切ってしまい、打率も低空飛行。03年やや持ち直したものの、04年はプロ入り後初めて一軍出場なしに。世紀が変わった途端に人が変わったように低迷し、一気に危険な立場となってしまった。
本来なら主力を張れるほどの打力は持っているし、脚力も充分。天才と形容されるには数字がやや物足りないが、ここまでの不振は予想外。もともと捕手のため、守備位置が一定しないのも起用を難しくしている。これまでほとんど一塁だったが、カブレラがいる今そのポジションは苦しい。しかし外野も二塁も中途半端で、どこかに固定しようにもポジションがないのが現状。
まともなら3番の有力候補だったはずだが、すっかり忘れられた存在になってしまった。昨年も不調は脱せず、シーズンのほとんどを二軍で過ごして、オフには戦力外通告。そのまま引退ということになった。少々早い気もするが、やむをえないところか。今後はフロント入り。

高橋 和幸

叩き上げ、巧打型

左投左打
所沢商高 ダイエー/ソフトバンク96ドラフト5位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 ダイエー 26 70 18 0 21 3 0 1 0 2 11 .257
04 ダイエー 41 102 23 1 35 11 0 2 1 6 24 .225
05 ソフトバンク - - - - - - - - - - - -
通算 10年 88 228 60 1 79 19 1 3 1 12 44 .263

スプレーバッティングを身上とする、左打ちの外野手。投手としてドラフト下位入団し、プロ入り後外野転向。高校時代は全くの無名選手で、プロ入り後も脚光を浴びることはなかったが、二軍で着実に成長を重ね、02年から台頭してきた。
それまではずっと二軍暮らしだったが、02年の秋山引退表明後初めて一軍出場。他の外野手同様テストといった起用だったがここで持ち前の巧打を披露。それまで二軍で徐々に打率を向上させた成果を見せつけた。なかなか巧みなバットさばきで、打数は少ないながら3割をキープ。最終戦ではサヨナラヒットも放ち、翌年は開幕一軍。スタメン候補に名を連ねるところまできた。
ただここまでは良かったが、これ以降やや伸び悩み。04年は手薄になった外野の一角を狙い、チャンスも多くもらったが肝心の打率が伸びなかった。初ホームランは記録したもののパワー不足は否めない。昨年はとうとう一軍に上がれず、シーズン後戦力外に。
俊足も活かしているとは言えず、また打てる球と打てない球がはっきりしすぎているのも問題。もう一段の成長が欲しかったところだが…。チャンスにアピールし切れなかったか。

田口 昌徳

古典的捕手、弱肩型

右投右打
藤代紫水高〜駒大 日本ハム93ドラフト4位〜02途中、ダイエー/ソフトバンク02途中〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 ダイエー 10 10 2 1 6 2 0 0 0 3 3 .200
04 ダイエー 28 67 15 0 21 6 0 7 0 3 23 .224
05 ソフトバンク 6 10 2 0 2 2 0 2 0 0 4 .200
通算 13年 534 1124 224 18 317 94 2 67 2 92 338 .199

どっしりした体形の捕手らしい捕手。2年目に台頭し、一時期は正捕手に手が届く位置にいた。
長い間日本ハムの正捕手を守っていた田村を駆逐したのがこの田口。96年に101試合に出場し、実質レギュラーであった。しかし、時折大きいのは打つものの2割前後の低打率がネックとなり、また守備面の信頼もいまひとつ。98年途中に野口が移籍してくると、信じられないほどあっさりと定位置を明け渡してしまった。その後はポジション争いに絡むこともなく、完全に控え選手。
もう一度レギュラーを奪い返そうという気概がどうも感じられず、このまま終わるかと思われたが、城島故障に伴い02年途中にダイエーへ移籍。試合に出られる喜びから溌剌としたプレーを見せた。城島復帰後は再び控えに戻ったが、一時かすんでいた存在感を再び見せられたのは大きい。
肩も打撃も弱くほとんどベンチ待機だが、ムードメーカーとして名高い。04年城島が五輪で不在の間、結局ホームを守ったのは田口だった。だが昨年は故障の城島の代役はほとんど的場に。二番手の地位を追われ、シーズン後戦力外に。そのまま引退ということになった。育成担当としてチームに残る。

立川 隆史

長打期待、伸び悩み型

右投右打
拓大紅陵高 ロッテ94ドラフト2位〜04途中、阪神04途中〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 ロッテ 94 292 70 7 111 31 3 5 1 34 72 .239
04 ロッテ 15 32 3 0 5 1 0 1 1 5 9 .093
阪神 31 35 6 1 9 5 0 0 1 7 8 .171
05 阪神 - - - - - - - - - - - -
通算 12年 530 1336 315 28 475 117 17 15 8 156 325 .236

福浦・大塚らとともにロッテ時代“次世代の主軸打者”と期待された選手。地元出身で期待は大きかったが、素質を発揮できないままここまで来てしまった。
長打力を期待された外野手と、この面でも非常に大塚と似たタイプ。こちらは結果が出たのは早く、3年目の97年に7ホーマー。ところがいまだにそのシーズンを越えることが出来ていない。二軍ではホームラン王を獲得も、一軍ではなかなか一発が出ない。打率が伸びないためバッティングが小さくなり、余計に持ち味が出ない悪循環。そうこうしている内に10年が過ぎ、すっかり中堅選手になってしまった。
02年は終盤に4番に入ることもあり、そこそこの結果は残した。しかし期待の大きさから見ればまだまだ物足りず、翌年も似たような成績に終始。ちょっと限界が見えた感もあり、04年序盤に大不振で出遅れるとシーズン途中に阪神へトレード。移籍直後こそ結果を残したが、慣れられると結局低打率に終わってしまった。
守りには安定感があるが打撃がこのままでは厳しい。昨年は二軍では貫禄の打棒も一軍から声はかからず、シーズン後戦力外に。この打率の低さでは少々厳しいか。

玉木 朋孝

中堅内野手、便利屋型

右投右打
修徳高 広島94ドラフト3位〜00、オリックス01〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 オリックス 29 16 1 0 2 0 0 1 0 1 7 .062
04 オリックス 9 10 2 0 2 0 0 0 0 0 1 .200
05 オリックス 1 - - - - - - - - - - -
通算 12年 119 98 22 0 26 6 0 4 0 6 24 .224

地味ながらプロ生活12年を数える中堅選手。いわゆる便利屋で、一塁以外はどこでも守れ、守備力も安定している。
ただしこのタイプとしては当たり前のように打撃は非力。どちらかといえばこれまでファームの実績の方が多く、もう一つ一軍に定着しきれない。02年3割を放ち注目されるも、翌年はわずか1安打と低迷。どうしても現状を打破できない。
04年は出場9試合。球団合併の昨年はわずか1試合の出場にとどまり、シーズン後戦力外に。打力が貧弱で、30歳でこの実績ではさすがに厳しい。02年が最大のチャンスだったか。

玉野 宏昌

センス上位、伸び悩み型

右投右打
神戸弘陵高 西武97ドラフト1位〜04、中日05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 西武 - - - - - - - - - - - -
04 西武 11 11 2 0 3 2 0 0 1 0 3 .182
05 中日 - - - - - - - - - - - -
通算 9年 123 260 54 4 74 26 2 7 1 15 53 .208

セカンドのレギュラーに期待されながら伸び悩んでいる内野手。センスの良さは随所に見せるものの、ここ一番で粗さが顔を出しどうももう一歩が突き抜けない。
ドラフト1位入団後、3年間は二軍でじっくり鍛えられた。4年目の00年、満を持して一軍登場。レギュラー不在のセカンド争いに加わり、定位置も見えるところまで来ていた。しかしプレー一つ一つの雑さが解消できず、翌年は出番が減少。高木浩が定着するとすっかり存在がかすみ、02年以降はほとんど出場機会なし。
打撃はパンチ力を持ちながら低打率、守備面でのポカも多いなど、とにかく安定感がない。02年からの故障の影響もあり、すっかり影が薄くなってしまった。04年もわずかな出場にとどまり、昨年はトレードで中日へ。しかし内野の層が薄いチームではなく、結局シーズン中はずっと二軍暮らし。シーズン後戦力外に。
昨年は二軍での成績も悪かった。レギュラー目前の位置にいたこともあったのだが…。

デイモン・マイナー

巨漢打者、低確率型

左投左打
楽天05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
05 楽天 6 20 4 0 5 2 0 0 0 1 7 .200
通算 1年

新生楽天の外国人選手。2メートルを越す巨漢で、とにかく打線の弱いチームにあって長打力を大いに期待されたが、完全な失敗。
パワーはあるものの柔軟性には大いに欠け、オープン戦から変化球に対応できず大不振。中軸どころか開幕一軍さえならなかった。4月の終わりにようやく一軍昇格し、初スタメンで早速ヒットを放ったものの、やはり脆い。しかも肉離れを起こしてしまい、わずか6試合の出場で二軍落ち。
評価を下せるほどの出場数ではないが、二軍でも打率2割ちょうどではさすがに辛い。早々に見切りをつけられ、夏場に解雇となった。02年にメジャーで10本塁打を放った片鱗は見せられなかった。

出口 雄大

突如開眼、左殺し型

右投右打
神戸弘陵高 巨人90ドラフト外〜98、ダイエー/ソフトバンク99〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 ダイエー 60 125 32 3 54 14 3 2 2 13 34 .256
04 ダイエー 61 147 32 2 51 17 1 7 0 25 28 .218
05 ソフトバンク 10 6 2 0 3 0 0 1 0 1 1 .333
通算 16年 314 546 129 13 212 68 18 26 2 67 148 .236

02年突然レギュラー候補に名乗りを上げたベテラン外野手。プロ入り13年目にしてすべての自己記録を塗り替えた。
もともとは内野手で、巨人時代は内外野兼務。5年目の95年に一軍初出場し、96年に若手のホープとして小ブレイク。俊足選手として売り出したが、その後は巨大戦力に阻まれ低迷。99年に自由契約となり、ダイエーへ。
移籍後も出番が増えたわけではなく、ほとんど一軍に顔を出せぬまま。いつクビになってもおかしくない状況が続いていた。名前も忘れられたような状態だったが、02年それが急変。秋山引退表明後に与えられたチャンスで結果を残し、一躍次のレギュラー候補となった。
守備・走塁とも目立つほどの特徴はないが、パンチ力はなかなかの魅力。これはチーム内のライバルにない特徴で、その点では大きくリードしている。特に左投手には自信を持っており、内側に入ってくる球には非常に強い。リストを利かせたパンチショットで意外と打球が伸びる。
ただ村松が抜けてポジションが完全に空いた04年は不振で精彩を欠いた。出番は減らなかったが、得意の左投手もあまり攻略できず。昨年はさらに出番を減らし、5月の巨人戦では打球を膝に当ててランニングホームランにしてしまう失態。その後故障で二軍落ちし、終盤に一軍復帰したものの印象に残る働きは見せられず。シーズン後戦力外となってしまった。
一度死に掛けたところからの巻き返しは見事だったが、ここ数年は脆さもはっきり感じさせるようになっていた。外に逃げていく変化球には非常に弱く、右投手相手ではあまり期待できない。昨年の2安打もいずれも左腕から。強肩の持ち主でもあるが、年齢的に厳しいか?

アンディ・トレーシー

途中入団、守乱型

右投左打
楽天05途中
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
05 楽天 63 172 36 6 62 15 0 0 0 29 62 .209
通算 1年

貧弱な打線強化のため、開幕後に獲得された外国人。特に不足している長打を期待されての入団。
来日するや即先発出場、というところに期待の大きさが伺える。その試合でヒットを放ち、翌日には4番に座って初ホームラン。このときはようやく主砲誕生かと期待させたが…。
欠点を露呈するのは非常に早かった。見ていて非常に「体が硬い」選手で、低めのコースにはほとんどついていけない。柔軟性のなさは守備で特に目立ち、一塁でも三塁でも非常に危なっかしい。フットワークが悪いうえにグラブ捌きも拙劣といいところなし。
それでも打ってくれればいいのだが、チャンスに異常に弱いのが困ったところ。しばらく4番を打ちながら一ヶ月で打点がわずか2。期待された一発もなかなか出ず、6月以降はずっと打率1割台。追い込まれると徹底的に脆く、最後までいいところは見られなかった。
三振が多いのはある程度目を瞑るとしても、せめてチャンスに打つか、若しくは間違えれば一発というところを見せてくれないと辛い。楽天はこのトレーシーが7人目の外国人だったが、結局全員が昨年限りで解雇。なぜか左投手に強く右投手に弱かった。

中村 武志

生涯捕手、衰退型

右投右打
花園高 中日85ドラフト1位〜01、横浜02〜04、楽天05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 横浜 79 209 56 11 97 37 3 8 1 12 35 .267
04 横浜 47 101 20 1 27 8 0 5 0 5 19 .198
05 楽天 64 111 20 0 24 7 0 3 0 7 25 .180
通算 21年 1955 5705 1380 137 2023 604 29 121 25 568 1072 .242

ドラゴンズ90年代の不動の正捕手。高校からドラフト1位で入団。チームの期待通り、順調に成長。強肩を武器に5年目には正捕手の座についた。星野監督にかわいがられた選手で、よく鉄拳制裁も食らっていたようだ。
捕手ながら長打力のある打撃も売りで、91年には20ホーマーも記録している。リード面では冒険しないオーソドックス型。名捕手、というレベルではないが、正捕手としては必要充分。故障が無いのも魅力だった。
しかしここ数年の凋落振りは目を覆うばかり。特に肩の衰えが深刻で、01年の盗塁阻止率は100試合以上出場の中で12球団ワーストの.218。谷繁のFA移籍ではじき出される形になったのは同情するが、それだけ信頼を失っていたのも事実。純粋な戦力比較で谷繁に劣っているのは否定しようが無い。
押し出されるように横浜入りし、相川の伸び悩みから予想よりも出場機会は多かった。03年は「ボール効果」もあってホームランも倍増、7年ぶりの二桁。しかしこれは消去法の結果でしかなく、盗塁阻止率も相変わらず低かった。相川が一本立ちの気配を見せ始めた04年は一気に出番が減少し、完全に控えに甘んじた。
楽天に移籍した昨年は勝手知ったる交流戦では活躍も、それ以降は完全に息切れ。打撃でもはっきり年齢を感じさせるようになってきた。全般的な衰えは顕著で、シーズン後戦力外から現役引退を決意。晩年はかなり厳しくなっていたが、21年にわたる長い現役生活を全うした。今季は横浜のコーチに。

西浦 克拓

長打期待、低迷型

右投右打
上宮高 日本ハム93ドラフト5位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 日本ハム 44 91 26 6 50 13 0 2 0 9 22 .286
04 日本ハム 20 21 2 0 3 1 0 2 0 4 6 .095
05 日本ハム - - - - - - - - - - - -
通算 13年 346 982 231 35 390 119 26 9 6 121 1222 .235

典型的な「失敗した長距離打者」。パンチ力に注目され、98年に落合を押しのけてレギュラー獲得。20ホーマーを放ち将来の4番と目された。しかしそれ以降さっぱり。
インコースに致命的な欠陥を抱え、依然として修正が出来ぬまま。99年に弱点を突かれて2ホーマーに終わると、それ以降は年々出場機会減少。いつしか存在感も稀薄になり、片岡の移籍でポジションが一つ空いた02年もさらに出番を減らしただけだった。毎年のように囁かれていた放出の噂も話題にもされなくなり、すっかり霞んだ存在に。
選手の好不調を重視するヒルマン監督の方針もあって、03年は久々に持ち直し6ホーマー。打率も自己最高の数字を残したが、04年は一転大不振。新庄の加入で外野の層が厚くなった面もあるが、1割にも満たない低打率では使ってもらえるはずもなく、わずか2安打で8年ぶりにホームランなしに終わってしまった。
依然としてインコースは打てず、速球にも差し込まれてしまう。前年来の上昇気流に乗れなかったのはあまりに痛い。昨年はとうとう一軍に呼ばれず、二軍でも精彩を欠いた。シーズン後戦力外に。年齢的にもやむをえないところか。

西山 秀二

典型的捕手、オーソドックス型

右投右打 ベストナイン(94,96)、ゴールデングラブ(94,96)
上宮高 南海86ドラフト4位、広島87〜04、巨人05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 広島 60 74 11 1 14 7 0 7 1 3 22 .149
04 広島 22 9 1 0 1 0 0 0 0 0 2 .111
05 巨人 13 18 2 0 2 0 0 0 0 1 6 .111
通算 20年 1216 2958 716 50 994 282 36 97 22 292 608 .242

長いことカープの正捕手を務めた選手。不動の正捕手というには物足りない存在で、実際規定打席に到達したのはわずか2回。正捕手というより1番目の捕手と言うべきか。
規定打席に達したシーズンはいずれも打撃好調の年。それ以外は2割そこそこの低打率で、基本的には貧打の選手。ディフェンス面でも目を見張るものは特にはなく、特徴のないのが特徴。非常にオーソドックスなタイプで、普通なら2番手捕手の力量だが、強烈な突き上げがあまりなく、結果的にかなり安泰で来た。最大のライバル瀬戸が似たようなタイプだったのが幸運だった。
しかしさすがに年齢的な衰えは隠せず、木村一が台頭した02年以降年々出場機会が減少。自身の打撃も低水準に落ち着き、本命・石原の登場した03年からは完全に控えに廻った。04年はわずか22試合の出場で、とうとう戦力構想外に。
技術面ではまだ捨てたものではないが、さすがに体力面、特に肩と足の衰えは深刻。現役にこだわり昨年巨人に移籍したが、わずかな出場にとどまった。シーズン終了直前に引退を決意。
たった一年だけの在籍だったが、南海ホークスの生き残りの一人。移籍当初からは考えられないほど出世を遂げ、20年にわたるプロ生活を送った。今季からはコーチとして指導に従事。

野村 謙二郎

チームリーダー、晩年型

右投左打 盗塁王(90,91,94)、ベストナイン(91,95,96)、最多安打(94,95)、ゴールデングラブ(95)
佐伯鶴城高〜駒大 広島89ドラフト1位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 広島 94 310 85 5 108 32 3 1 1 28 49 .274
04 広島 107 359 97 5 134 43 1 3 3 27 48 .270
05 広島 106 272 75 4 101 29 1 4 2 19 42 .276
通算 17年 1927 7095 2020 169 2934 765 250 27 37 628 938 .285

90年代を代表する名選手。全盛期には走攻守三拍子揃い、メジャーにも近いと言われた。
即戦力の期待を受けた1年目こそプロの壁に悩んだものの、2年目にはレギュラー定着。俊足を武器に3度の盗塁王を獲得。バッティングも安定感が高く、3割を3度。95年は32ホーマーを放ち3割30本30盗塁を達成。キャプテンシーも高く、カープの大黒柱として活躍した。
長らくチームの顔として君臨し続けてきたが、99年以降衰えが目立つようになった。特に足の衰えは著しく、02年は若手に大幅に機会を譲り半ば隠居状態。打率も信じられないほど低く、さすがにここまでかと思わせた。しかしそこで終わらないのが凄いところ。伸び悩む若手を尻目に03年大復活。打撃技術は依然高く、スタミナには不安があるもののまだまだ健在というところを見せ付けた。
入団時はスイッチヒッターだったが、右打席では無駄な力が入りすぎる欠点があり、また足を完全に活かすため左打席に専念。一時期のスイッチヒッターの流行はこの人で終わった感がある。インコースを上手くさばく選手で、左オンリーでも左腕を苦にしなかった。
すでに三十代後半の年齢、故障を抱える満身創痍ながら、04年もほぼレギュラーで一年を過ごしたのは見事としか言いようがない。昨年も前半は3割近いアベレージを維持し、6月には通算2000本安打を達成。打つ技術は依然高いが、しかしさすがにその他の面は非常に辛くなってきた。昨年守ったのはほぼファーストオンリーで、後半は打撃も息切れ。9月ついに引退を表明し、昨年限りでユニフォームを脱ぐことに。
長いことチームを牽引し、全盛期には不動の1番を勤め上げた名選手。晩年はスピードこそ失われたが、それでも安定した打力を発揮した。二岡入団でメジャー挑戦、とまことしやかに囁かれた時期もあったが、今は昔。次の監督はこの人という声もある。

初芝 清

ベテラン生え抜き、勝負師型

右投右打 打点王(95)、ベストナイン(95)
二松学舎大付高〜東芝府中 ロッテ89ドラフト4位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 ロッテ 63 125 39 4 66 26 1 0 1 9 17 .312
04 ロッテ 61 170 48 6 79 21 0 0 2 10 30 .282
05 ロッテ 34 50 11 1 16 6 0 0 1 5 12 .220
通算 17年 1732 5762 1525 232 2623 879 11 31 59 555 1082 .265

ロッテを長期に渡って支えてきた生え抜き選手。落合放出以降一気に小粒になった打線で、日本人で唯一長打が狙える選手としてかつては4番も任された。思い切りのいい打撃で人気も高く、チームの顔と言うべき存在。
2年目の90年に18ホーマーを放って台頭すると、92年からは完全にレギュラーに。打率はそんなに高いタイプではなく、ホームランも最高で25本止まりだったが勝負強さは充分。打点王を獲得し3割もマークした95年が自身最高のシーズン。4番を打つには確実性に乏しかったが、5番は非常に絵になった。
ツボにはまったときは実にきれいなフォームで打ち返す。はずされることも当然多いが、ヤマを張るバッターなので仕方のないところ。基本的には不器用なタイプで、バッティング以外は足も遅く守備も下手。ところが鈍足の割に三塁打は多いなどなかなか一筋縄ではいかない。
02年までは徐々に成績を落とし、03年は開幕二軍。なかなか出番は廻ってこず、いよいよ初芝も限界かと思わせたが、しかしやっぱり一筋縄ではいかなかった。高い打撃技術を次第に発揮し始め、特に9月は異常なほどの大当たり。通年でも4割という驚異的な代打成功率をマークしたが、9月は代打連続安打のタイ記録を叩き出すなどまさに神がかりだった。
さすがにチームを支えてきた中心選手は一味違い、04年も打棒は健在。ただ昨年は今江がレギュラーに完全定着し、出番は大幅減。ついに現役引退を決意した。寂しい限りだが、チームがプレーオフを勝ち抜いて、現役最終年に悲願の優勝を経験できたのは幸いだった。代打での存在感は昨年も健在で、成功率は3割以上。唯一のホームランも代打でのもの。最後まで味のある選手だった。

トニー・バティスタ

史上最高額助っ人、変則強打型

右投右打
ソフトバンク05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
05 ソフトバンク 135 559 147 27 259 90 3 0 5 27 115 .263
通算 1年

2年総額16億円という新外国人の契約としては史上最高額で入団した超大物外国人。メジャー通算214本塁打の実績を誇り、04年も32本塁打という主力級の選手。新生ソフトバンクの一番の目玉として、大いに注目を集めた。
なんといっても目立つのはその特異なバッティングフォーム。一度完全に投手と正対して立ち、そこから上体だけをねじって構える。独特としか言いがたい構えは奇妙さでメジャー時代から有名だった。またそこからの打撃スタイルも独特で、極端に大きなステップで重心を前足にかけて、言ってしまえば完全に突っ込んだ状態でボールを拾いにいく。王監督が「30年前ぐらいのスタイル」と形容したように、出来る限り手元にひきつける現代の主流スタイルとはまるで正反対。縦の変化球にはカモとなりそうなフォームだが、つんのめったようになりながら意外とバットを止められる。それがこのスタイルで実績を残してきた肝かもしれない。
もともとメジャー時代から打率は.250前後で出塁率が極端に低い。この成績から日本での対応力を不安視する声も強く、事実開幕からしばらくはかなりの低空飛行。しかし5月に入ると成績急上昇で、交流戦を経て調子をぐんぐん上げてきた。もともとスロースターターで春先は悪かったらしく、そういう意味では完全に自分のペースでプレーしているのかもしれない。
一見平凡なフライに見える打球が意外に伸びていくのは、ボールにパワーを伝える術を心得ているからか。ほとんどのケースで初球は微動だにせず見てくるが、稀に振ってくるケースは狙い球を絞っているようで注意が必要。三塁守備は範囲が狭くポカも多いが、軽いスナップスローは非常に正確で伸びる。足もスタートは遅いがなかなか走力はある。
後半は数字を落としてしまったが、アメリカでの実績通りの結果とも言える。ただコストパフォーマンスの悪さは否めない事実で、また若手を抜擢するという方針のため契約期間途中で解雇。今季はまたメジャー復帰となる。なかなか面白い選手ではあったが…。

原井 和也

非力好守、地味型

右投右打
箕島高〜松下電器 西武96ドラフト5位〜02、ロッテ03〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 ロッテ 82 44 11 0 18 5 2 4 1 5 6 .250
04 ロッテ 8 2 1 0 2 0 0 0 0 0 0 .500
05 ロッテ - - - - - - - - - - - -
通算 10年 412 441 104 2 145 24 24 38 2 53 76 .236

かつての西武非力トリオの一人。上田ほど貧打ではないが、高木浩ほどの存在感はない。そんな微妙な印象の選手。
三人とも守備が売りで、守備位置もほぼ一緒。そのため余計に印象が薄い。特にこの原井は明確な特徴に乏しく、三人の中でも一枚劣る印象。01年までは出場機会もそれなりにあったが、高木浩が飛びぬけた02年は完全に戦力外に。オフには本当に戦力外通告されてしまった。
ロッテに移籍した03年は堅実な守備で82試合に出場。持てる力を大いにアピールした。しかし04年はほとんど出番なし。西岡、今江の台頭でまたも隅に追いやられてしまった。昨年はとうとう一軍出場がなく、シーズン後戦力外となり現役引退。
使ってやれば確実に働く選手だが、守備しか売りがないのは年齢的にかなり厳しい。唯一ホームランを放った2年目がベストシーズンだった。

福留 宏紀

万能内野、非力型

右投右打
亨栄高 オリックス94ドラフト4位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 オリックス 10 20 5 1 9 3 0 1 0 1 10 .250
04 オリックス 7 15 2 1 5 4 0 0 0 1 4 .133
05 オリックス - - - - - - - - - - - -
通算 12年 199 269 49 6 74 25 0 9 2 16 78 .182

内外野ともに、ほとんどのポジションをこなすユーティリティプレーヤー。派手さはないが、守備力は安定している。名手というほどではないが、安心して見ていられるレベル。
対照的に打撃はかなり非力。01年はプロ入り後最高の打席機会を得たが、印象に残るほどの結果を残せなかった。02年以降は完全に守備要員で、チーム全体が不振ということもあって出場機会も減少一途。
ジリ貧傾向が続いていたが、昨年球団合併がダメ押しに。シーズン通して二軍暮らしで、シーズン後戦力外になってしまった。30歳となってこの実績ではさすがに厳しい。このタイプで足が速くないのもマイナス。何かもっとはっきりとした一芸が欲しかった。

星野 おさむ

移籍変身、便利屋型

右投左打
福岡高 阪神89ドラフト外〜01、近鉄02〜04、楽天05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 近鉄 111 325 89 12 139 51 10 5 1 39 49 .274
04 近鉄 73 156 39 2 58 24 2 1 0 22 29 .250
05 楽天 20 28 4 0 5 1 0 0 0 1 6 .143
通算 17年 738 1537 387 24 555 155 27 24 7 152 305 .252

紹介文で常に「内野ならどこでも守れる」と書かれる、いわゆるユーティリティプレーヤー。プロ生活17年を数えるベテラン選手。
95年に3割を越えるアベレージで一軍に定着。以来ショートを中心にセカンドやサードを守り、97年はほぼレギュラーの働き。しかし翌年打撃不振に陥り、チャンスを逃してしまった。以降はまた便利屋生活に。
全体的にそつなくまとまった使いやすい選手なのだが、飛びぬけた特徴にはやや乏しい。すべてのポジションを守れるが、格別名手ということはない。打撃も脚力も平均レベルで、レギュラーというにはパンチに欠ける。また左投手に極端に弱いのも常時起用を難しくしている。
近鉄に移籍前後は出場機会も減少しかなり微妙な立場に追い込まれていたが、03年突然の大発奮。ほとんどあらゆる面で自己ベストを更新し、ほぼレギュラーとして活躍。特に通算10ホーマーの選手が一年で12本は驚かされた。崖っぷちだった選手生活から一気に逆転復活。
さすがにこれはできすぎだったか、04年はまた星野らしい成績に落ち着いた。分配ドラフトで昨年は楽天に移籍したが、出番は大幅減。昨年限りで引退し、コーチに就任することになった。派手な活躍は少なかったが、やはり唯一03年の成績は異彩を放つ。

元木 大介

なんでも屋、意外性型

右投右打
上宮高〜一年浪人 巨人91ドラフト1位〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 巨人 60 143 32 0 41 14 0 3 0 7 19 .224
04 巨人 55 121 29 2 40 13 0 0 1 6 24 .240
05 巨人 41 105 32 0 36 8 1 4 1 10 21 .305
通算 15年 1205 3397 891 66 1254 378 21 74 22 333 508 .262

巨人の「何でも屋」として知られる選手。高校時代は「超高校級内野手」と謳われ、ダイエーの1位指名拒否後、一年浪人して巨人入り。その当時から見ると、ちょっとスケールが小さくなった。
2年目から一軍に顔を出し、3年目には準レギュラー格に。打撃センスの良さは確かで、流し打ちの技術は一流。またここぞというところでの決め打ちも得意で、勝負どころでの働きから後に「曲者」ともあだ名された。しかしどうにも気分屋で、活躍を見せてもそれが長続きしない。またスタミナにも欠け、例年春先は良くても夏場に調子を落とすケースが多く、この安定感のなさでレギュラーになりきれなかった。96年以降は連続で300打席以上立ちながら、規定打席到達は2回だけと常にあと一歩。曲者というよりは意外性の打者というほうがふさわしい気がする。
もともとはショートだったが、名手というレベルではなくセカンドやサードを転々。センスの高さでなんでも器用にこなせるが、そのかわり突出したものもなく「器用貧乏」という印象が強い。勘の良さはあるが、「並のキャッチャー以下の鈍足」のため守備範囲が狭い。この脚力で一時外野をやらされたのは、さすがに問題だった。
中心にはならないながらも主力の一人として働いてきたが、ここ数年打撃不振。相変わらず故障も多く、一気に存在感が薄くなってきた。昨年は久々に打撃好調も7月に肉離れで離脱。そのまま後半は二軍で過ごし、戦力外を通告されると引退を決意。ユニフォームを脱ぐことになった。
どう考えても引退には早すぎるが、本人が諦めてしまったのでは仕方がない。徹頭徹尾気分屋で淡白だった印象。

山田 勝彦

控え捕手、低め安定型

右投右打
東邦高 阪神88ドラフト3位〜02、日本ハム03〜05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
03 日本ハム 40 77 13 1 17 8 1 2 0 3 15 .169
04 日本ハム 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -
05 日本ハム 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -
通算 18年 795 1753 360 21 489 130 3 52 11 100 388 .205

本来タイガースの正捕手に一番近かったはずの選手。このタイプにありがちなあまりの低打率もさることながら、実は守備面でもさほど信頼されず、結局チャンスを逃してしまった。
安定していることは安定しているが、「低め」安定の選手。守備面ではとにかくすべてに「そこそこ」で、打撃に至ってはお粗末の一言。ときおりそこそこの打率は残すのだが、それがどうしても二年続かない。92年にほぼレギュラーになりながら、翌年からは関川・嶋田らに競り負け。96年に盛り返すも、中日から矢野が移籍してくるとあっさりポジションを明け渡してしまった。ほとんどのシーズンで2割前後では印象に残らないのも道理だった。
控えに甘んじた00,01年は珍しく打撃好調。だが矢野が故障した肝心の02年は元の貧打に逆戻りで、穴埋めを果たすことはできなかった。野口と入れ替わる形で日本ハムに移籍したが、ますます衰退の印象を強めるばかり。打てないのはともかくとしても、ワンパターンに陥りがちなリードに加え、肩の衰え著しく盗塁フリーパス状態。すべての面で期待はずれに終わり、二番手捕手の座すら維持できなかった。
ここ二年は一桁の出場に終わり、昨年限りで現役を引退。レギュラーを掴みかけてからの足踏みが惜しかった。今季からは楽天のコーチに就任。

ルイス・ロペス

低確率、クラッチヒッター型

右投右打
楽天05
年度 球団 試合 打数 安打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率
05 楽天 118 336 75 12 129 49 0 0 2 29 61 .223
通算 1年

主砲の期待で獲得された楽天の外国人。鋭いライナーを持ち味にする打者で、一発長打よりもバランスの良さを期待された打者。かつて広島・ダイエーに在籍したロペスとは同名だがもちろん別人。
オープン戦でもそこそこの結果を残し、開幕は4番。見劣りする打線でもロペス次第では何とか形になると見られたが、公式戦ではさっぱり。常に2割前後の低打率で推移し、なかなか調子が上がってこない。三振は多くはないのだが、常に焦っているかのような打撃が目に付いた。待ちの姿勢で追い込まれ、難しい球を打たされて凡打の山。守備も悪く、中軸どころかスタメンをはずされることも多かった。
この低打率でもチャンスには強く、得点圏打率は3割越え。チャンスに強いというよりは「チャンスにしか打っていない」という印象。事実走者なしの場面では2割に満たず、全く怖さがない。難しく考えすぎているのか、どうも自分の形というのが見えてこない。ヒットも崩れた形からのものが多く、会心の当たりがなかなか拝めない。
我慢の起用が続いたが、後半に入っても打率はほんの少し上向いただけ。最後まで爆発はなく、結局一年限りで解雇となった。威圧感がなく、この成績ではやむなし。


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